これは医大受験に挫折した男が黒服という職業に出会い夜の世界の魔物たちに揉まれながらも頂点を目指す物語である
(小川彰)いらっしゃいませ。
ようこそJulietへ。
(小川市子)「彰君明日の城東大は大丈夫なんでしょうね?」大丈夫だよ。
今まではちょっと調子が出なかっただけ。
「2年も浪人してまだ1校も受からないなんて…」「本当に勉強してたの?」したよ!母さん僕を信じないの?「心配なのよ。
今年も受からなかったらお父さんがなんて言うか…」「とにかく明日は絶対合格して。
いいわね?」それでは始めてください。
(市子の声)2年も浪人してまだ1校も受からないなんて…。
2年も浪人して…。
今年も受からなかったら…。
お父さんがなんて言うか…。
2年も浪人してまだ1校も受からないなんて…。
《無理だ…こんなの受かるはずない》ど…どうしたの?えっ…。
君どうかしたのかね?ちょっと…君!わあーっ!!ああっ…!
(市子)彰君待っててね。
今日は彰君の大好きなハンバーグだから。
うん…。
(義彦)帰ったのか。
はい。
俺みたいに東大とは言わないがまさか3浪させる事になるとはな。
父さん…僕3浪はしない…。
もう無理なんだ。
あっいや…医者に向いてないんだよ。
それで受験やめて…。
やめてどうするつもりだ?それはまだ…。
これからやりたい事探そうと思ってて…。
お母さんと相談してどこに行くか決めなさい。
(ドアの閉まる音)彰君。
お父さん城東大の医学部で教授なさってる後輩に連絡してもっといい予備校探してくださったのよ。
僕わかったんだって。
もうこれ以上勉強なんて出来ないよ。
何わがまま言ってるの。
あなたは医者になるために生まれてきたの。
だから本当に無理なんだって!じゃあうちの病院どうするの!?お父さんの後を継ぐから東京で浪人させてくれって言ったのは誰?もういいよ。
わかったよ。
やりゃあいいんだろ?やりゃあ!彰君…。
彰君!《みんなどう見たって高校卒業したばっかだ》《こんな子たちと一緒なんて無理だ…》力学的エネルギー保存というのは摩擦がない事を確認して用いればいいので厳密な…。
おいあいつあいつ。
何?何?
(男子生徒)あいつ3浪なんだって。
(男子生徒)マジかよ?やっべえじじいじゃん。
(男子生徒)悲惨だよな〜頭悪いと。
(男子生徒たちの笑い声)
(泣き声)ああ…。
バカ野郎…バカ野郎!ただ酒飲もうなんてふてぇ野郎だ!明日…お金は明日必ず持って来ますから。
学生ならな学生らしくしゃんとしろってんだ!ったく!どうもすいませんでした。
でも俺もう学生じゃないんです。
もう予備校も行ってないし〜…ハハハ。
何者なんだ?俺は。
フフフ…まあいっか。
《なんてきれいなんだ…》
(江本)だからギャラも今までの1.5倍にするしノルマも特別になしでいいって言ってんじゃねえかよ。
(杏子)行かないものは行かないって何度言ったらわかるの?
(玉木譲)そんな簡単に断ってもらったら俺の立場がないんすよ。
あんたの立場なんて関係ない。
大体キャストの引き抜きにこんな脅迫みたいな手を使う店なんて行くわけないでしょ。
(江本)待てよ。
(砂田)待てよ。
どいてよ。
そういうわけにはいかないんすよ。
おい。
ほら。
ちょっと…離して…離してよ!離して!ああっ…!ダメですよ女の人には優しくしてあげないと。
ダメ。
なんだ?お前。
俺?俺は…小川彰。
3浪野郎で〜す!ハハハハ…。
つんつん。
うっ…危ない。
うるせえどけ!うっ!おいなんだよ…。
やめろ吐くな!やばいやめろ…離せ!お巡りさん!お巡りさんこっちです!兄貴!はあ…。
使って。
助けてくれてありがとう。
あ…いえ…。
仕事に戻らなきゃ。
仕事?
(立花裕治)どうですか?お兄さんキャバクラ。
あの…この人は?杏子さんです。
うちのナンバーワンっすよ。
(田辺昇)どうぞ。
あっはい…。
少々お待ちください。
(店内の音楽)いた!
(美樹)鼻の下伸びてますよ?えっ?失礼しまーす。
美樹です。
初めてなんだ?キャバクラ。
そう。
どう?感想は?うーん…びっくりしたっていうか…。
びっくり?うん。
世の中にはあんなにきれいな人がいたんだなって。
何よ杏子さんばっか見ちゃって!あっいや…美樹さんもおきれいですよ。
でもこんなにきれいな女の人がたくさんいるなんて…。
こんなにみんなが笑ってる場所…初めて見た。
もう…彰君大げさ!いや本当なんだ!僕の家病院なんだけど病気の人はつらそうだし看護師さんたちも大変そうだし…。
病院?じゃあ彰君お医者様になるんだ。
あっいや…僕は…。
よしキャバクラデビューです!今夜はパーッと楽しみましょ!はい。
どうぞ。
あっすいません…。
美樹フルーツ食べたいな〜。
あとチーズ盛り合わせも頼んでいい?いいよ。
ありがと。
お願いします。
(田辺)はい。
フルーツとチーズ盛り合わせを。
(田辺)かしこまりました。
美樹さんお願いします。
(美樹)はい。
じゃあ彰君また来てね。
えっ?もう?あの…フルーツは?ああ…ありがとう。
でも指名されたから行かなきゃ。
指名…?ごちそうさまでした。
あっいや…こちらこそ!ありがとうございました!
(聖子)失礼します。
聖子です。
小川彰です。
フフ…座りましょ?ですよね〜ハハハ…。
ハハハ!いやあ楽しいなあ!こんな天国みたいなとこあったんだな〜!ハハハハ!金が払えねえってどういう事っすか?お客さん。
すいません…こんなにするなんて思ってなくて…。
60分がワンセット8000円。
それを延長されて2セット。
セット料金に付いてないビールとつく女の子全員のドリンクが1万4000円。
フルーツが5000円チーズ盛り合わせ3500円それに20パーセントのサービス料を合わせて計4万6200円。
正当な金額です。
あの…俺は杏子さんですか?あの人が来るのをずっと待ってたんです。
杏子さんはうちのお店のナンバーワンキャストです。
まずご指名がない席につく事はありません。
そうなんですか?指名には指名料が必要ですし。
指名料って事はお金払えば来てくれたんですか?てめえ金持ってねえだろうがよ!ここは大人の男が遊ぶところだ。
お前みたいなガキが来るところじゃない。
おい昇!警察に電話しろ。
警察!?無銭飲食は警察だろ!ちょっと待ってください!ダメですやめてください!だったら親に助け求めるか?無理です。
それは絶対無理です!何が無理だよ?親呼ぶか警察呼ぶかどっちかしかねえだろうがよ!働かせてください!この店で。
その給料で払いますから。
冗談言ってんじゃねえぞ?てめえみてえな甘えたガキが務まると思うなよ?いやこのくらいの仕事なら出来るんじゃないかと思って。
俺たちはプライドを持ってこの仕事をしてる。
どうせここで働きゃ簡単にキャバ嬢と付き合えるとでも思ったか?いやそんな事は…。
てめえ図星か?この野郎。
客だと思って優しくしてりゃつけあがりやがってよ!
(斉藤)やめろ。
裕治黒服用意してやれ。
はい?午後4時がうちの出勤時間だ。
雇ってくれるんですか?店長!うちは腰掛けはいらねえ。
本気でやりたい奴だけだ。
それでいいな?はい!いやマジっすか?人手が足んねえっていつもボヤいんのはてめえたちだろうが!おおー…。
今日からここで働く事になった小川君だ。
この世界は全く初めてなのでみんな色々教えてやってくれ。
よろしくお願いします!なんであいつが?今日は給料日後の金曜日なので1本でも指名が取れるようみんな頑張ってくれ。
(一同)はーい!あの杏子さん!僕の事覚えてませんか?ゆうべの…。
誰?覚えてない。
(店内の音楽)ちょっとあなた。
はい。
灰皿いっぱいになってるのが見えないの?すいません。
お願いします。
はい。
ミネラルウォーターください。
ただ今。
おい新人!はい!お前姿勢がなってねえんだよ。
もっと深くニーダウンしろよ。
はいすいません。
(田辺)おい新人!8番テーブルロックグラスだって言ったはずだ。
お前水割りグラス持ってっただろ!すいません。
(聖子)ねえあの彰って黒服飲み代払えなくて働く事にしたらしいよ。
(真央)だっさ〜い!
(潤)あり得なくね?いつまで続くんだか。
(聖子)すぐ飛んじゃうよきっと。
だって私の太もも見てドキドキしてたも〜ん!そうそう!あいつ絶対童貞。
天然記念物?ハハハハハ!
(ノック)あの…入ってもいいですか?ゴミを捨てたいのですが。
来た〜!噂をすれば!どうぞ〜。
失礼します。
あの…あとで来ますね…。
(美樹)彰君!お願いがあるんだけど。
はい。
ファスナーに手が届かないの〜。
下ろしてくれる?
(美樹)あなた黒服でしょ?黒服はキャストの言う事なんでも聞かなきゃいけないのよ。
あの…いやでもそんな…えっと…。
早く!…はい。
ねえ彰君。
今度2人っきりの時にブラも外してね?えっ!?何本気にしてんの?バーカ。
黒服なんか相手にするわけないじゃん。
(一同の笑い声)言わないとわかんないようだけどあなたもう客じゃないの。
黒服なの。
(美樹)私たちの召使なの。
お疲れさま。
失礼します。
あの…!ありがとうございました。
それとこれ昨日の…。
やめなさい黒服。
向いてない。
杏子さん!何?あの…俺杏子さんと話がしたくて…。
(ため息)痛っ!新入りの分際で杏子さんと口きくなんか10年早えんだよ。
でも原田さんは?
(田辺)原田さんは杏子さんの担当。
担当?黒服はキャストの女の子の担当になってその子をマネージメントするの。
マネージメントですか?かっこいいですね!バカ言え!わがままお嬢様の奴隷だぞ?毎日遅刻しねえように電話して起こしてやって悩みがある時には聞いてやりあ〜たばこ買ってこいだのあ〜アイス食いてえだの。
ひでえ奴はお前生理用品まで買いに行かせんだからよ。
そうそう。
マジっすか…。
(田辺)予備校戻った方がいいんじゃねえの?
(相川)使えない黒服は足手まといだ。
あの…皆さんはどうして黒服になろうと思ったんですか?おめえにはわかんねえよ。
いや…決め付けないでください!俺だって…。
敷かれたレールの上しか走ってこなかったお坊ちゃんにはわからないって事だ。
あの…確かに俺は敷かれたレールの上しか知りません。
だけど…。
言いたい事を主張していいのは仕事が出来る奴だけだ。
なんだよ…。
お前原田さんがいくら稼いでるか知ってるか?いえ。
あの若さで一流企業の部長くらいの年収だよ。
えっ!?俺時給900円ですよ?俺はあの人を尊敬してる。
あの人みてえになりてえ。
それがさっきの答えだ。
うっ!ああっ…。
(立花)おい!
(田辺)痛っ!さんざんやっぱり渡辺…博さん!よっしゃ合ってた。
で次がさんざんく…苦労してきた山本勝則さん!おい。
何やってんだ?店長。
こんばんは。
こんばんは。
…じゃないだろ。
この業界は昼でも夜でもあいさつは「おはようございます」だ。
おはようございます。
(ドアの開く音)
(携帯電話)
(神崎守)はいもしもし。
はい。
ああどうもどうも。
今の方は?知らなかったか?オーナーの神崎会長だ。
あの人が?うん。
ごめんなさいお待たせして。
(男性)いいのいいの全然平気。
今日もお仕事お疲れさま。
(首を鳴らす音)失礼します。
お呼びでしょうか?名前は確か小川彰君だったね?はい。
えー風俗とキャバクラの違いがわかるか?えっと…風俗はその…女性の体が目的でキャバクラはお酒を飲むところでしょうか?おっ半分正解だ。
売ってるものが違うんだ。
風俗は女性の「体」が商品。
キャバクラは「女」が商品だ。
はあ…。
君にキャストの担当を任せる。
オーナー小川は昨日入ったばかりです。
担当を持たせるのは早すぎます。
原田。
確か君に担当を持たせた時も店長から早すぎると反対されたよな。
少なくとも私は3か月経ってホールの仕事がこなせるようになっていました。
あの…無理です。
自信ありません。
私はねやってもみない前から出来ないと主張する人間がね嫌いなんだよ。
なんですって?なんで私の担当がこんな新人になるのよ?嫌よ絶対。
私原田さんがいいの。
オーナーの決めた事だ。
オーナーが!?どうせ私を厄介払いしたくていじわるしてるんでしょ?最悪!ちょっと…美樹さん!美樹さん!ちょっと待ってください。
俺も困ってるんです。
だから…。
どいて!邪魔。
すいません。
ざまあみろ。
あんな問題児押し付けられたら逃げ出すしかねえべ。
店長…。
美樹は遅刻と無断欠勤の常習犯だ。
悪い噂が立ってどこの店も雇わなかったんだがそれを会長が拾ったんだ。
えっ…?
(電話の呼び出し音)美樹が来てないようだが。
すいません。
キャストの遅刻無断欠勤は担当黒服の責任だ。
わかってるんだろうな?そのくらいの事は。
(携帯電話)
(携帯電話)お前の新しい担当さんうざくね?もう!
(携帯電話)しつこい!どこにいるんですか?遅刻は10分1000円の罰金なんですよ。
このままじゃ…!
(美樹)「行くから電話しないで」何時ですか?何時に来るんですか!?9時!
(電話の切れる音)何時ですか?何時に来るんですか!?9時!
(電話の切れる音)辞めようかなぁ店。
そうしろそうしろ。
俺がもっといいとこ紹介してやるから。
またするの?田村様お待たせしてすみません。
(田村)美樹さんはまだですか?申し訳ありません。
9時に来るはずなのですが…。
もう10時だよ。
まさかだましたのかね?
(田村)嘘で引っ張って金払わせる気か?いえそんなつもりは…。
美樹さんの顔を見ないと元気が出ないんだよ!早く連れてきて!
(柿崎)美樹はこっちが先!なんだって?文句あるのか?俺はもう30分も待ってんの!
(田村)私は1時間です!すいません。
美樹さんは事情があって来られないみたいで。
さっきはもうすぐ来るって言ったじゃないか!
(田村)そうですよ!本当にすいません!口先だけで謝りやがって…。
そんな事は…。
申し訳ありません。
(柿崎)とにかく美樹連れて来いよ!すいませんが来られないものは来られないんですよ!なんだ?その口の利き方は!お前客に口答えするのか!ああ!?お客様。
柿崎様田村様申し訳ございません。
今宵は私どものご招待とさせてください。
小川下がれ。
お飲み物は何に致しますか?美樹が言う事を信じるからだ。
(電話の呼び出し音)
(美樹)「美樹でーす。
今電話に出られません」「メッセージを…」
(ため息)
(春日井薫)あれ?小川?どうしたんだ?お前。
えっバイトしてんの?…ああ。
いらっしゃいませ。
いらっしゃいませ。
(春日井)ナンバーワン誰?
(原田)あの方杏子さんでございます。
(春日井)おお…いいね。
場末にしてはかわいい子いるじゃん。
あの子指名ね。
(原田)かしこまりました。
裕治。
(立花)ご案内致します。
(立花)こちらでお願いします。
(佐伯)池袋なんて初めてだな。
(久積)俺たち六本木ばっかだもんな。
たまには粗食もいいでしょう。
いつもフォアグラやキャビアじゃ飽きる。
(3人の笑い声)失礼します。
よっ!どうぞどうぞどうぞ。
はじめまして。
はじめまして。
明美です。
ミチルです。
粗食の杏子でございます。
えっ?あっいやいやいや…粗食だなんて!いや粗食が一番。
健康にいいし美味しいし。
いいんです。
本当池袋はこの業界じゃ二流ですもの。
ううんそんな事ない!ない!あなたほどの人は六本木にも銀座にもいません!なっ?
(2人)うんうん…!皆さん学生さんですか?まあね。
城東大の医学部だから勉強勉強で大変でさ。
たまにはこういうところで息抜きしないとね。
城東大の医学部?すごーい!すごいんです。
失礼します。
小川久しぶりだな。
あっこいつ高校の同級生なんです。
そうなんだ。
偶然?ええ。
お前さうち目指して2浪してるって聞いたけど今年は合格したのか?ああ…いや…。
(春日井)もしかして明邦医大とか?あそこはうちよりだいぶ落ちるけど…いいんじゃない?まあそんなとこ。
(春日井)大変だなお前。
学費稼ぎだろ?ここ。
だけどやばいよお前。
いくらバイトでもやめとけよこんなとこ。
俺たちみたいな表舞台に立つ者にとっちゃ恥だぞ。
夜の世界なんて落後者のやる仕事。
つまり人間のクズ。
ハハハハ…!あっ違います違います違います!女子は別です!男が一生かけて働くような仕事じゃないって事ですよ。
ねっ?わかります?わかります?
(春日井)頑張れよ小川。
ハハハハ…。
ファイトファイトー!失礼します。
失礼します。
えっ本当に?マジでアフター付き合ってくれるの?ボトル3本も入れてくれたから!やったー!あの…アフターって?
(春日井)えっ何?お前働いてるのにアフターも知らないの?女の子が店のあと客とデートする事だよ。
デート?春日井が杏子さんと?うらやましいだろ!ハハハ…。
《なんで?なんで杏子さんが春日井なんかと?》失礼しました。
イエーイ!
(久積と佐伯の笑い声)ああっ!何してんのよ!さっさとおしぼり持ってきなさいよ!すいません!
(真央)大丈夫ですか?申し訳ございません。
申し訳ございません。
本日の料金は全てサービスさせて頂きます。
すいません…。
調子ぶっこいてんじゃねえぞ…。
お疲れさまでーす。
お疲れさまでした。
お疲れさまです。
お疲れさま。
お疲れさまでした。
お疲れさま。
小川。
はい。
何するんだよ。
お前さっきの同級生になぜここが正式な仕事だって言わなかった?それは…。
恥ずかしくて言えなかったんだろ?お前はあいつの言うとおりこの仕事に対して偏見や負い目を持ってるんだ。
俺は…俺はだって…。
原田。
お前医者に未練があるんじゃねえのか?昼の仕事が上で夜の仕事が下だっていう意識があるんじゃねえのか?だからあんなバカな大学生にコケにされても卑屈になって言い返せなかったんだろうがよ!図星か?うっ!ああ…。
お前みたいにこの仕事に対して誇りを持てない奴とは一緒には働けない。
辞めて出て行け。
待ってください。
だって…。
うっ!おい。
お前言い訳ばっかだな。
そうやって一生言い訳してろ。
大丈夫か?俺が軽い気持ちで雇ってしまったばっかりに…。
かわいそうにな。
ああ…ああ…。
うわー!ああー!おいおいおいおい…!うわー!ああー!
(携帯電話)もしもし?彰君?もう全然連絡つかないから心配してたのよ。
(市子)「どう?予備校行ってる?」「彰君?」ああ…。
しっかり勉強するのよ!来年も受からなかったらお父さんもお母さんも考え直さないと。
わかったから。
切るよ。
《俺は…俺はどこにも行けない。
目的地もない…》そうですね僕しょうが焼き食べたいです。
受験生ブルース。
全12番まであるからね。
(女子生徒)長いんだけど。
まあいいやとりあえずみんな俺んち来いよ。
(女子生徒たち)キャー超セクシー!ちなみに言うなら「セクスィー」ね。
小川…何やってんだ?あっいやその…。
あれ?あれれ?えっ?お前まさかまだ予備校行ってるの?3浪かよ。
あり得ねえな。
返せよ!あっあっ…それで?それでうち下見に来たってわけ?ハハハハ…!明邦医大に受かったって見栄か。
黒服やってるなんて恥ずかしくて言えないわな。
ハハハハ…。
(工藤)誰?高校の同級生。
(工藤)ああ…。
なんか医者目指してたのに昨日キャバクラ行ったら働いてるから驚いちゃったよ!
(工藤)キャバクラ?マジで?
(春日井)やばすぎでしょ?来年も受からなかったら本当にそっちの世界の人になっちゃうよ。
ハハハ…。
あっ杏子さんに今夜も行くって言っといて。
行こう。
そうだそうだそうだ…。
これからはタメ口やめてくれよな。
友達だと思われたくないから。
ハハハハ…!
(工藤)かわいそう!
(春日井)いいんだよいいんだよ!何してるの?杏子さん?
(携帯電話)はい杏子さんの携帯です。
あっいえ。
僕は黒服です。
今杏子さんは手が離せないので…。
はい。
お伝えします。
何時だって?あっええ…吉崎守社長6時半に西口交番前だそうです。
助かった。
社長のフルネームよく知ってたわね。
「はやい人だよ吉崎守」。
えっ?ボトルのナンバー881番で「はやい人」。
そうやって覚えてるの?はい。
こんな事くらいしか出来ないんで。
わかったんじゃないの?向いてないって。
えっ?あなたはこっち側の人間じゃない。
辞めなさい。
それは…俺があまりに甘い人間だからですか?夜のね…。
夜の世界で働く人たちはみんな心に闇を抱えてるの。
多くが何かあった人たち。
日の光の下を歩いてきたあなたとは違う。
そんな事ない。
俺だって…。
わかってないのね自分の事。
人には分というものがあるのよ。
じゃあどうして杏子さんはキャバ嬢をやってるんですか?魔法があるの。
夜の世界には。
この世界だけが持つ…。
魔法?夜の世界は覚悟を決めた人間には優しい。
だけど覚悟のない人間にはとても厳しい。
《覚悟…》おお…美樹辞めるってよ。
えっ?俺のせいですか?俺が担当になったからですか?おっ美樹。
あんたみたいな素人と組めなんてバカにしてる!待ってください!俺一生懸命やりますから。
美樹さんをフォローしますから。
あんたなんかに出来るわけないでしょ!どうやったら信用してくれますか?なめてよ靴。
えっ?そしたら信じる。
出来ないくせに!黒服はキャストの言う事なんでも聞けないと。
これが俺の覚悟。
全身全霊であなたを輝かせます。
うわ〜あり得ない。
バッカじゃないの?知ってるのよ。
あんたキャバクラで働いてるの恥ずかしくて嘘ついたんでしょ?そんな奴の言う事誰が信じるか!
(口笛)どうしますか?いやあ…もう美樹は帰ってこないでしょう。
付き合ってるホスト最低だっていうし。
何人も女沈めてるんでしょ?ダメだな…。
そんな…。
《美樹さん!》《いけない…行っちゃいけない!》給料よくないと嫌よ。
大丈夫だって。
はいここでーす!ここって…。
すげえ稼げると思うよ美樹なら。
そんな…。
ヒデト。
俺だって悲しいよ。
だけどもう頼れるのは美樹しかいないんだよ。
今月中に200万払わないと俺命ない。
美樹さん!ダメです。
なんだ?てめえ。
美樹さん…。
美樹さんは俺の大切なキャストです。
何言ってんだ?こいつ。
さあ行くぞ美樹。
やめてください!美樹さんをだますのは。
ふざけるな!自分の女どうしようと俺の勝手だろう!美樹さんこれがこいつの正体です。
あなたの事なんて考えてない。
なんだおめえ…!ああ…。
うっ!うっ…!美樹さん俺と一緒にJulietに戻りましょう。
あそこにはあなたを待ってるたくさんの人がいる。
彰…。
オラーッ!もうやめて!警察だ!警察呼べ!美樹さんこっちです。
おい!コラーッ!はあはあ…。
どうして?どうしてよ!どうしてこんなお節介…。
俺はあなたの担当黒服になるって決めたんです。
バッカみたい!あんたなんかに務まるわけないじゃん。
ああ…。
俺…逃げてお店に入ってきたんです。
受験失敗して親から…決められた将来から逃げたくて…。
何もかも嫌になって…。
そんな時杏子さんに出会って…。
最初は軽い気持ちだった。
だけどもしかしたらこの世界俺が考えているようないい加減な世界じゃないんじゃないかって。
あんた夜の商売バカにしてたんじゃないの?正直してました。
だけど夜の世界には魔法があるって聞きました。
魔法があるの。
夜の世界には。
本当にそんなものがあるのかどうか一緒に見極めませんか?親に捨てられてずっと誰にも頼れなかった。
死にそうに寂しい時ホスト遊びで気が紛れた。
ヒデトだけが…抱いてくれた。
これからは安心して寂しがって大丈夫です。
俺が…あなたの心を抱いてますから。
こちらでございます。
いらっしゃいませ田村様。
美樹ちゃんいる?いなきゃ帰るよ。
申し訳ございません。
いらっしゃいませ。
美樹さんはもうすぐ来ますのでしばらくお待ちください。
いい加減な事言っちゃダメだよ。
美樹さんは来ます必ず。
本当だろうね?はい。
どうぞこちらへ。
お客様に約束して来なかったらどう責任を取るつもりだ?お前には辞めてもらう。
いいな?はい。
美樹はヒデトに入れ上げてんだよ。
信用するだけバカ見るぞ。
大丈夫です。
何が大丈夫だ…。
(ため息)美樹さん…。
美樹さんご指名です。
夜の魔法をお客様に。
こうして俺は親の決めたレールから外れた一歩を踏み出した
人生で初めて自分でした決断
それは…黒服になる事だった
黒服とキャストの恋愛はご法度だ。
杏子さんが好きです。
(綾乃)彰私を抱いて。
(ゆかり)妊娠してるの。
あなたの遊び場じゃない。
(原田)完膚なきまでに叩き潰します。
負けたくないこの気持ちだけは。
俺だけのものなんだ!2014/10/25(土) 00:24〜01:24
ABCテレビ1
[新]黒服物語 #1[字]
浪人生がNo.1キャバ嬢に出会ったことで、黒服となり、イジメにあいながらも頂点を目指していく!
欲望が渦巻く、ギラギラした人間ドラマが繰り広げられる!
詳細情報
◇番組内容
初めてキャバクラに入店した彰は、煌びやかな世界に圧倒される!楽しい時間を過ごすが、料金が支払えないことが判明!警察に突き出されそうになった彰は、この店で働かせてほしいと願い出るが、「このくらいの仕事ならできるんじゃないか」とナメた口をきく彰に原田たちは怒り心頭…。店長の斉藤の許しを得、『ジュリエット』で働き始めることになるが、ぬるま湯で育ってきた彰にとって夜の世界は想像以上に厳しいものだった…!
◇出演者
中島健人(Sexy Zone)、佐々木希、山本裕典、柏木由紀(AKB48)、中尾明慶、安井謙太郎(ジャニーズJr.)、柳俊太郎、入山杏奈(AKB48)、筧美和子、杉本有美、柳ゆり菜、福吉真璃奈、相葉裕樹、中島ひろ子、神保悟志、北村有起哉、要潤、竹中直人
◇原作・漫画
【原作】倉科遼
【漫画】成田マナブ『黒服物語』(集英社刊)
◇脚本
旺季志ずか
◇演出
小松隆志
◇音楽
仲西匡
【主題歌】
Sexy Zone『君にHITOMEBORE』(ポニーキャニオン)
◇スタッフ
【ゼネラルプロデューサー】横地郁英(テレビ朝日)
【プロデューサー】大江達樹(テレビ朝日)、布施等(MMJ)、木曽貴美子(MMJ)
◇おしらせ
☆番組HP
http://www.tv-asahi.co.jp/kurofuku/
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
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日本語
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