生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは。
10時5分です。
きょうは、こちら飛び立てるか国産旅客機というテーマです。
担当は今井純子解説委員です。
この国産旅客機というのは、どんな飛行機なんでしょうか。
今井⇒これはおよそ50年ぶりに国産を目指して開発が進められている旅客機なんですね。
名前はMRJといいます。
先週、試験飛行のための1号機が公開されましたので、そちらの映像をご覧いただきたいと思います。
これがMRJですね。
少し小さめなんですか?全長はおよそ36m。
ジェット旅客機の中では小型なんですね。
何人乗りですか。
こちらは92人乗りを想定しています。
今後78席用のもう一段小振りの機体も作られる予定です。
先端がとがっているんですね。
特徴的ですね。
空気抵抗を減らすためです。
この機体は最新のエンジンを積んでいまして、その性能を最大限に生かすようスーパーコンピューターで解析をしたところこういう形になりました。
今飛んでいる同じサイズの飛行機より燃費を20%向上させることができた。
それがMRJの最大の売りです。
どういう路線を飛ぶんでしょうか。
今後、航空会社がそれぞれ決めますが機体自体は近距離用です。
例えば東京からですと国内すべての地方空港までそして北京、上海、グアムまでカバーするイメージです。
ヨーロッパやアメリカでもそれぞれの地域の中でネットワークの担い手になるということが期待されています。
この旅客機ができることで利用者側から見ると、何かメリットがあるんでしょうか?可能性の問題ですけれども1つには、燃費がいい。
航空会社から見ると、運航のコストが下がるということで採算が合わないとして飛べていなかった地方を結ぶ新しい路線ができるかもしれません。
あるいはプロペラ機で飛んでいる路線を、MRJにすることで到着までの時間が短くなる可能性も考えられます。
ジェット機ですからね。
気になる運賃も安くなりますか?それこそ航空会社次第ですが燃費がよくなるということでそういう会社が出てきてほしいですね。
期待したいです。
また利用者のメリットという点でいうと、もう1つ内部の空間が同じサイズの飛行機より広いという点も挙げられます。
これは貨物室を床下ではなく、機体の後ろの部分に持っていったからです。
そんなに窮屈な感じはしないですね。
座席周りが広くなって、足が少しゆったり置けるようになります。
収納スペースも広くなるんです。
これまで国際線の大きな飛行機から小さな飛行機に乗り換えた場合持っていた荷物をそのまま機内に持ち込めないというケースがありました。
ただMRJなら国際線で大丈夫な荷物をそのまま機内に持ち込めます。
それによって、荷物を預ける人が多くて出発が遅れるということがなくなるのではないかと期待されています。
それもメリットですね。
こうしたメリットもあってMRJの1機あたりの定価は50億円近く。
ライバル社と比べて安いわけではないんですがこれまでに日本の大手2社を含めて合わせて407機の受注が決まっています。
すでにかなりの受注が入っているんですね。
航空会社どうしの競争が非常に厳しくなっていますししばらく原油高が続いていたということもあってこうしたメリットは航空会社にとって非常に魅力的だからなんです。
それにしても、ものづくりが強い日本なのに飛行機は国産が50年ぶりになるわけですね。
旅客機が50年ぶりです。
なぜかというと、戦後日本は航空機を作ったり、研究をしたりすることが、一時禁止されていてその結果この分野で、欧米に大きく遅れを取ってしまったということがあるからです。
50年前には国産初のプロペラ機YS−11を開発したんですけれども赤字で生産中止になってしまってそのあと、日本メーカーはアメリカのボーイング社やEUの、エアバス社の部品を入れる下請けに甘んじていました。
それがなぜ、国産にチャレンジしようと思ったんですか?1つには、下請けをしていく中で力が付いてきたということがあるんです。
2011年に就航したボーイング787は全体の35%を日本メーカーが作って準国産とも呼ばれていました。
ここまで力が付いたら次はやはり国産でしょう、ということで2008年に三菱重工が子会社の三菱航空機を作ってプロジェクトがスタートしました。
ただ夢や技術だけではビジネスとしては成り立ちません。
背景にはもう1つ、市場の拡大という点があります。
これは世界の航空機の需要の予測です。
これから、かなり需要が増えるわけですね。
新興国が豊かになってLCCと呼ばれる低価格で運航する航空会社が台頭してきたことから、今後20年間で航空機の需要は2倍に増えると予測されています。
ただ最も需要が伸びるとみられる青い部分、大型機や中型機ここはボーイングや、エアバスが独占しています。
ここは、とても太刀打ちができません。
一方黄色い部分の小型機は青い部分ほどではないですが5000機以上増える見通しです。
ここはカナダとブラジルのメーカーが事実上のライバルということで、ここならまだ対抗できるんじゃないかということでMRJが今ここに参入しよう、ということになりました。
それで小型機を作ったんですね。
ここの分野で半分のシェアを取ることが目標です。
成功するといいですね。
このMRJの成功というのは日本のものづくりという観点からも大きな期待がかかっているんです。
航空機というのはおよそ300万点の部品を使うんです。
自動車の100倍、それだけ産業のすそ野が広いからなんです。
部品が多い分、日本のメーカーにもチャンスが広がるんですね。
ただ、現実はどうかといいますとMRJは国産といいました。
ですから開発や設計そして組み立ては日本で行ったんですけれども部品はというと70%が海外からの調達なんです。
具体的に見ますと主要な部品のエンジン飛行支える電子機器これも外国製で国内の部品は30%にとどまっています。
最新のボーイングは35%が日本製と言いましたが、それより低いんです。
国内で作るのに、どうしてこういうことになっているんですか?何より50年ぶりの国産の旅客機ということでまずは安全性について世界中からの信頼を得なければいけないということで、今回は海外で実績のある企業からの調達を優先した面もあるからなんです。
最初のうちは、ということですね。
確かに後発の日本メーカーにしてみると航空機の分野というのは巨額の設備投資が必要ですし、安全性の基準も高いということでなかなか参入しにくい面もあるんですね。
ただ、今自動車などがどんどん海外に工場を移していく中で残された部品メーカーの中からはこの航空機分野に参入を検討しようという動きも出てきているんです。
ですからMRJが量産化に成功すれば関心を持つ企業が増えてそれによって、雇用や技術の支えにつながるのではないかという期待もMRJにかかっています。
今後、MRJはどうなるんでしょうか?今後は先週公開された機体を使って来年春に初めて試験的に空を飛ぶ予定です。
そのうえで2017年の春お客さんを乗せる最初の飛行機が全日空に引き渡される予定です。
3年後ぐらいには乗れるかもしれないんですね。
ただ心配なのは、これまで3度計画が延期されてるということです。
安全面がとにかく第一ではありませんがビジネスを考えると、これ以上の遅れは許されません。
今後、山はたくさんあると思いますが、国産発という夢を乗せたMRJぜひ予定どおり飛び立ちに成功してほしいなと思います。
次回は広瀬公巳解説委員と共にお伝えします。
(一柳)
旬の食材を使った季節感あふれる料理で人気の…
2014/10/24(金) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「飛び立てるか?国産旅客機」[字]
NHK解説委員…今井純子,【司会】岩渕梢
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【出演】NHK解説委員…今井純子,【司会】岩渕梢
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ニュース/報道 – 解説
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