ハートネットTV 介護百人一首 2014「秋編 その二」 2014.10.23

(小谷)「介護百人一首2014」。
岡山県の佐藤恭子さん69歳の作品です。
「もう食べられなくなった母が焼き魚の匂いを嗅ぎたいと言います。
さんまを焼き入院中の母に持っていくと大きく息を吸って匂いを嗅いでいました」。
山口県の原田妙子さん68歳の作品です。
「夫はベッドの生活が主でした。
退院する時施設を勧められましたが子もなく2人きりの家族です。
私の心は決まっておりました」。
鹿児島県の大島安徳さん87歳の作品です。
「中秋の名月の夜2人で杖をつき散歩に出ました。
歩いていると2人の影も手を取り合っているではありませんか」。
「介護百人一首2014」。
応募された1万1,000首の中から選ばれた100首の歌。
介護を巡る思いは人さまざま。
その歌に込められた心もようを訪ねます。
(毒蝮)介護は明るく楽しくかっこよく。
全国の介護家族の皆さんご機嫌いかがですか?「ハートネットTV」昨日に引き続き今日は「介護百人一首」をお送りしてまいります。
全国から寄せられた1万1,606首の短歌の中から選ばれた100首を一年にわたってご紹介していますが今回「秋編」のゲストはこの方です。
・「ドはドーナツのド」・「レはレモンのレ」ペギー葉山さん。
どうぞよろしくお願いします。
ペギーさん夫の根上淳さんを介護されたという事ですけども。
「ドレミの歌」の…。
作詞を致しました。
これはびっくりです。
もうあれも半世紀歌ってます。
そうなんですか。
ドーナツはね私が小さい頃に疎開に行きましてその中で一番おなかがすいてて食べたかったのがドーナツだったの。
ミュージカルを見ながら「絶対ドーナツだ!」と思って見てました。
それがぴったりで。
シは幸せにしようと思って幸せになるためにファイトだという事で我ながら偉い。
幸せになるためにファイト。
まさに介護短歌にもつながるお話だと思います。
それでは早速ご覧頂きましょう。
「介護百人一首2014秋編その2」ご覧下さい。
鹿児島県の秋田正廣さん23歳の作品です。
「祖父はいつも『俺の孫は』と自慢げに話してくれます。
認知症で僕が誰だか分からなくなっているのですが聞く度に何だかうれしくなります」。
宮城県で介護を学ぶ牛渡響さん23歳の作品です。
「介護実習に行った施設で自分の手でなかなか食べられない方の介助をした時に感じた気持ちです」。
兵庫県の西下信子さん79歳の作品です。
「マンションで『すみません。
ご迷惑かけます』と気兼ねしながら乗り込んだ時の事です。
お勤め帰りと思われる男性が温かい言葉をかけてくれました」。
この町にも介護百人一首の詠み人がいます。
歌を詠んだ山本比呂子さん80歳です。
比呂子さんは15年前くも膜下出血を起こしましたが現在は杖をつけば歩けるまで回復しています。
朝6時に起きてきて6時25分のテレビ体操。
それをそこに座って。
(取材者)やるの?はい。
そして…それでもう普通はごはんを早く食べております。
(笑い声)2年前まで夫の博侑さんと2人で暮らしていましたが博侑さんは脳梗塞で体が不自由になり今は施設に入所しています。
・お母さ〜ん。
お母さ〜ん!はい。
(笑い声)来ました。
(比呂子)お世話になります。
お世話に…フフフ。
歩いて5分ほどの所に住む次男の秀教さんと妻の直子さんです。
独り暮らしの母を気遣い週に何度も立ち寄ってくれます。
ありがとう。
大体週に2回ですね。
買い物を頼まれたやつを買って持って帰ってくるのとあとは次の買い物の内容を一緒に冷蔵庫を見て…。
(比呂子)ない?ある。
3個。
買い物は秀教さんの役目。
その日は比呂子さんがみんなの分のおかずを作ります。
比呂子さんが博侑さんと結婚したのは昭和24年。
親類に紹介された見合い結婚です。
比呂子さんは27歳。
当時は保母をしていました。
同い年の博侑さんは耐火れんがを作る会社に勤めていました。
結婚前一度博侑さんは比呂子さんを山口県の秋吉台へ連れていってくれました。
初デートです。
ところがそこへ博侑さんは自分の妹も連れてきたのです。
喫茶店か何かで初デートの前に会った時にお父さん本当にひと言もしゃべらなくてお母さんは「すみませんお名前何て言うんですか?」って…。
そしたら黙って定期券を見せたって。
(笑い声)いやいやいやいや。
だけん多分1対1っていうのが恥ずかしかったんやないんですか?女の相手は妹にさせとけじゃないけどね。
フフフ。
無口で武骨な博侑さんでしたが2人は仲良く暮らし2人の息子も授かりました。
比呂子さんは55歳で退職し博侑さんは65歳まで働きました。
そして比呂子さんがくも膜下出血で倒れその入院中博侑さんも脳梗塞を起こしたのです。
幸い2人とも順調に回復し退院後は支え合って暮らしていました。
でもおととし博侑さんが2度目の脳梗塞を起こし体がどんどん動かなくなっていったのです。
比呂子さんの介護百人一首はそのころの短歌です。
上げようとしたけど私も力がないからですね…。
本人も上がろうとしようけどねもうそれでハァハァハァハァ言うばっかり。
子どもに電話したら「下に落ちとうとよ」って言うたら今から帰ってくるきね布団を敷いてそれの上に寝せとってって。
布団を引っ張り出してきてここにしてほいで私も横に座ってね帰ってくるまで待ちました。
今日は博侑さんの所に面会に行く日です。
直子さんに飛び切り美人にしてもらいました。
はい。
うわ〜!
(笑い声)会いに行けるのは週に1度。
車で10分ほどの所です。
博侑さんが入所している介護老人保健施設。
在宅復帰を目指してリハビリを行う施設です。
2階から博侑さんが下りてきました。
(比呂子)来たよ。
リハビリを頑張ったのでだいぶ回復しているといいます。
こんにちは。
(比呂子)顔色もいいしね。
よう寝られよる?うん…。
うん。
(取材者)お体は調子いいですか?比呂子さんは博侑さんがいとおしくてなりません。
(取材者)木曜日に来るんですよね?
(取材者)木曜日が楽しみですか?博侑さんがリハビリの書道で初めて書いた文字があります。
「大大すき」。
(取材者)おとうさんが書いた?ああ。
結婚54年目にしてラブレターをもらいました。
フフフ。
ありがとう。
武骨で恥ずかしがり屋の博侑さんからようやく届いたラブレター。
比呂子さんの介護百人一首です。
おとうさん読むよ。
もう一遍…。
もう一遍読むね。
山本比呂子。
山本比呂子。
ウフフフ。
思い出した?ねえ…。
愛にあふれた「大大すき」の2人です。
博侑さんやりやがったね〜。
大大大好き?「大大すき」。
まあね。
山本比呂子さん博侑さんこのお二人をペギーさんはどうご覧になりましたか?私はもう身につまされました。
うちの夫を連れて散歩に出まして公園に行ってね転んだんですよ彼が。
それで起き上がれない訳。
重いの!大きな人ですから。
どうしようと思ったらそばにアベックの方がベンチに座って愛をささやいてたの。
見るに見かねてね…。
しばらく私たち見ててお手伝いしましょって言って男の人が…。
助けてくれたの?助けてくれた。
どうもありがとう。
だから今のねもう本当に今のお歌はね身につまされて思い出しましたあの時のシーンを。
ペギーさんはあの「大大すき」の字はどうご覧になりました?とてもご立派なエネルギッシュな書です。
すてきな。
大変なラブレターですね。
もう熱いものを感じましたね。
あの「大大すき」っていうのは。
字でね。
あんな字欲しかったわ私も。
(笑い声)山本比呂子さん博侑さんどうもすてきな歌をありがとうございました。
ラブラブだよ。
さてペギーさんほかにお薦めの短歌ありましたか?私この歌感動しましたね。
やっぱり今の若い方にこれをね本当にこの姿を映して頂きたいしこんなに温かい社会をねやはり日本は作っていかなきゃいけないと思いますね。
言葉が優しいじゃないですか。
ジ〜ンと来ますこの歌はね。
相手に押しつけてないし自分が明日は我が身ですからどうぞ気にしないで下さいというこれはね。
すばらしい歌です。
「介護百人一首2014秋編」続きをご覧頂きましょう。
群馬県の金子邦正さん89歳の歌です。
「自宅では年中行事の干し柿でしたが今は介護ホームなので周りを気にしながら干しました。
心が休まり折からの夕日は希望の光です」。
大分県の宮千代子さん76歳の短歌です。
「病室を離れ夫の病状を聞いたりして戻ると『どこに行っていたの?』と疑いの目で私を見ます。
そんな時は夫の顔を見られず窓の外を眺めるばかりでした。
夫は1か月の闘病生活で逝きました」。
福井県の秋野美恵子さん85歳の作品です。
「戦後何もないところから始めて2人で無駄遣いせず節約をし定年の時に建てた家です。
悲しくなります」。
この町にも介護百人一首の詠み人がいます。
歌を詠んだのは岡田和子さん66歳です。
家の近くに和子さんのおじさんの家があります。
おじの石井満さんは79歳。
満さんは去年の3月自宅で脳梗塞を起こしました。
靴下はあんまりうまくはけないんですよ。
こう引っ張ってくれたりなんかしてねやってくれるんだけど「ああいいですよ。
自分でやるから」って。
それがリハビリになるし自立につながってきますよね。
今では明るさが戻った満さんですが倒れた当時はふさぎ込んでいたそうです。
和子さんはそんなおじの満さんを心配していました。
実は和子さんも脳出血を起こした事があります。
14年前52歳の時です。
リハビリのかいもあり次第に回復しましたがまだ少し右半身にまひが残っています。
普通にこういう所平らな所を歩くのは苦ではないです。
ただえ〜っと…。
階段を上ったり坂道だったりそういう所はちょっと大変です。
和子さんの夫保さん72歳です。
和子さんが倒れた時は大変だったといいます。
でも幸いな事に出血量が少なかったんですね。
一生駄目かなと。
もうこれは…。
寝たきりか。
半身不随になっちゃうかなと思ったんです。
こんなによくなるとは思わなかったですね。
昭和23年に生まれた岡田和子さん。
和子さんは高校を卒業後県の職員として働いてきました。
勉強をして不動産評価などの仕事をしました。
税務に関わる仕事は張り合いがあったといいます。
仕事をする事ってこんなに楽しいのかと思ってましたけど…。
自分が仕事をすればそれだけ評価も受けますし皆さんから褒めて頂くっていうか褒められなくてもいいんですけど自分のやった事を評価されるという事はとてもうれしい事でした。
子どもは2人生まれましたが同居している両親が子育てを手伝ってくれたおかげで仕事を続ける事ができました。
和子さんが倒れたのは係長に昇進し仕事にもやりがいを感じていたそんなやさきの事でした。
ここは和子さんが通うデイサービスです。
週に2度通っています。
和子さんは倒れた当初は立つ事もできませんでしたが持ち前の頑張りもあって4か月後にはなんとか杖をついて歩く事ができるようになりました。
これは今リラックスムードなんです。
だからもう全身の力を抜いて体がしばれるっていうか硬くなるんでそれを緊張をほどく。
和子さんがリハビリを続ける中で感じたのは体が回復していくありがたみでした。
車椅子に乗せてもらって押してもらってどっかに行くとああ車椅子に乗れれば寝たきりとは違ってこんなに行動半径が広くなるんだと思いました。
そのうちにリハビリがだんだん進んできたら立ち上がる訓練をしましょうという事で。
立ち上がってみたら車椅子の目の高さと自分の立ち位置の目の高さと違うもんですからああこんなに立つっていう事はいい事かしらと思いました。
50代の働き盛りで病を得て和子さんは自分の人生を見つめ直したと言います。
仕事一筋の時はもう仕事が第一でした。
私にとって仕事が第一でもうほかの事はそんなに見えなかったんですけれども今仕事を抜かした人生を考えると病気になった方もたくさんいらっしゃるしそういう人たちとお友達になれたっていう事と…。
相手の人が本当に苦しんでるんだなというところを自分も共感する事ができるっていうか共有する事ができるっていうか。
そういう意味で私は勉強になったと思ってます。
和子さんが気にかけていたおじの満さんもリハビリを続けています。
要介護度は5から1に回復しました。
この施設には小さな菜園があります。
「菜園に種を撒いたと笑うおじ」と和子さんが歌で詠んだ菜園です。
満さんはここにサツマイモを植えたのです。
出来てる。
もう大きい?この秋も実りました。
そしてこの満さんの笑顔から岡田和子さんの介護百人一首が生まれたのです。
この時だけは「種を撒いたんだよ」ってこうニッコリしたもんですからああ介護ってこういうもんなのかなって思いましたね。
口でよく治るよとかそういう事じゃなくってその人に希望を持たせるのが介護なのかなって思ったので。
希望がないとそれに向かって生きられないっていうかそういう事が何か身にしみて思ったものですから。
私は種を撒くっていい事だなと思いました。
実り多き希望の秋です。
あなたも野菜作ってるよね。
そうなんです。
和子さんが今種を撒くって事が生きる喜び…小さな命が芽生えていくっていうのが生きる糧になるっていうのはよく分かります。
歌を紹介しますね。
ねえ…。
この歌ペギーさんどうご覧になりましたか?種を撒いたとかそういう話歌を聞くとやっぱり主人を思い出しますね。
あの人はとてもバラ作りが好きで…。
え?バラ!バラ作り。
これ大変なんですよ。
肥料が臭いの。
臭い…。
(笑い声)バラはきれいだけどいい香りが…。
肥料が臭いの?もう臭いわって上からどなるとね「あんたはいいよな。
舞台で歌ってバラもらってくるから。
俺は大変なんだ」って。
大変なものどうして作るのって言ったら「作るからいいんだ」って振り返って言うの。
だからそういう姿を今思い出しました。
根上さんはバラの剪定をしたり丹精されてる時はうれしそうでしたか?もう幸せいっぱい。
和子さんも満さんも種を撒いて耕す喜びを感じてらっしゃるという事で。
岡田和子さん石井満さんサツマイモを焼き芋。
冬は大根も頑張って育てて頂きたい。
介護にとっても勉強になるいい短歌でしたよね。
今日のお歌の全部ってやはり伝わってくる温かみ。
そして皆さんのほほ笑みがとても美しい。
ああいうものをやはり私も欲しいし私もやがて介護される身ですけれどもいい社会が欲しいなって思います。
「介護百人一首2014秋編」という事でしたけども次回は冬にご紹介したいと思います。
冬は1月の放送です。
ペギー葉山さん今回どうもありがとうございました。
応募致します。
(笑い声)
(テーマ音楽)2014/10/23(木) 13:05〜13:35
NHKEテレ1大阪
ハートネットTV 介護百人一首 2014「秋編 その二」[字][再]

介護にまつわる出来事や思いを詠んだ「介護百人一首2014」今回は秋編その二。ベッドから落ちいる夫を上げられず二人の鼓動を聞くばかりなり ほかの歌をご紹介します。

詳細情報
番組内容
介護する人される人、日々の介護生活の中でふと心に浮かんだこと、ある出来事の情景を詠んだ介護百人一首、今回は秋編その二。 ベッドから落ちいる夫を上げられず二人の鼓動を聞くばかりなり朝、「おはよう」と行くと脳梗塞の夫はベッドから落ちて畳の上に… 菜園に種を撒いたと笑うおじ麻痺の体に希望芽ばえる 脳梗塞になってふさぎ込んだ叔父さんがふっと見せた笑顔が介護の希望に繋がりました。介護短歌の心に触れて下さい。
出演者
【出演】毒蝮三太夫,小谷あゆみ,ペギー葉山

ジャンル :
福祉 – その他
福祉 – 高齢者
福祉 – 障害者

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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