(杉下右京)2日前文部科学省の官僚が逮捕されました。
(甲斐享)キャリア官僚が人を殺したって世間が大騒ぎしてるあの事件ですね?そう。
文科省教育局課長補佐の高宮信一の事件。
発生は2日前の午後8時ジャスト。
(男性)この野郎!
(ママ)ほらほらちょっと…!
(ママ)早く…!いいいいいいいい!
(ママ)いいってもうほら!
(男性)おら!あーっ!ああああああ…!割っちゃったよ〜。
弁償だよこれもう。
キャーッ!!頭部をスパナで一発。
凶器に指紋は一切なく高宮信一は容疑を否認。
その供述というのがまたなんとも…。
(高宮信一)知らない町の知らない駅になんとなく途中下車して…。
なんとなくあのビルに入ってなんとなく…。
(伊丹憲一)テナント工事の現場をのぞいたら男が倒れてた。
(芹沢慶二)なんとなく抱き起こしたら血がついて?びっくり飛び出て。
殺人犯と間違われたんです。
はぁ…高宮さん。
なんとなくで済んだら警察はいらないんですよ。
被害者は誰?あなたとはどういう関係?なんで今日あの場所に行ったの?あなたがやったんじゃないですか?記憶にありません。
なーんとなくとか覚えてないとかのらりくらりと尾っぽをつかませない。
いわゆる官僚のやり口ですね。
僕も一応官僚ですがね。
そう君のお父上も。
だからこの事件に興味持ったんですか?これはまだとっかかり。
翌日警視庁にメールがきました。
(伊丹)「“タカミヤ・ノブカズは、ナカイ・フトシから強請られて、殺害を決行した”」
(芹沢)ナカイ・フトシ…。
ガイシャの名前はナカイ・フトシ?よし裏取りだ。
はい。
(米沢守)発信元は海外のサーバーを経由しており特定は難しいと思われます。
そうですか。
それはそうとこの腕時計。
文字盤の外側が少々ずれていますねぇ。
(米沢)ああそれは回転ベゼルといいます。
ちょっと失礼。
これはですね10気圧防水のダイバーズウオッチでして。
潜る時に長針にこのベゼルの三角のマークを合わせます。
すると海の中で潜ってから何分経ったかひと目でわかる仕組みになっているんですよ。
ほうほう。
(米沢)ダイバーにとってこのベゼルはとても重要なものでして。
時計好きの杉下警部もことスポーツウオッチに関しては…。
いささか不案内です。
フフ…。
しかし気になりますねぇ。
なぜベゼルがずれているのでしょう。
細かい事が気になってしまう…。
警部の悪い癖。
ええ。
前に潜ったまま放置してあったのかもしれません。
確かめてみましょう。
直近の被害者の映像があります。
おやおやそれは嬉しいですねぇ。
拝見出来ますか?もちろんです。
どうぞ。
ご興味を示して頂き僕も事件をお教えした甲斐があるというものです。
いつも恐縮です。
では。
これはですね事件の1時間10分前午後6時50分に新馬場駅入り口にある防犯カメラがとらえた被害者の映像です。
自動販売機で何かを買って飲んでいますねぇ。
あっ米沢さん手元を…。
(米沢)拡大してみましょう。
おや?ええ。
殺害される1時間10分前ベゼルはずれていなかった。
しかし殺害時…ベゼルはずれていた。
なぜでしょう…?ベゼルがずれていた…。
なんでだろう。
まあ〜それにしてもすごいレトロなビルですね。
ええ。
防犯カメラがないそうです。
しかも表通りから離れているために目撃者探しが難航しているとか。
捜査一課の方ですか?一課じゃないですね…。
所轄ですか?どうしてそう思うのでしょう。
このビルの地下街はスナックや居酒屋。
いわゆる飲み屋街です。
今は営業時間外でお客はいません。
そこに男性のお二人組。
しかし水商売関係ではなさそうです。
それに2日前にここで起きた殺人事件の事を考えると捜査中の刑事さんかな?と。
しかし我々の胸には警視庁捜査一課の赤いバッジがない。
従って所轄。
この管内は大森北署なので大森北署の刑事さんですね?フフフ実に惜しい。
我々は所轄ではありません。
警視庁なんですよ。
しかし一課ではない。
じゃあ二課ですか?いいえ。
警視庁特命係の杉下と申します。
同じく甲斐です。
で…君は?高宮優と申します。
高宮信一の息子です。
父はキャリア官僚です。
たとえどんなアクシデントに見舞われたとしても殺人という高リスクな手段を用いて解決を図るなんて僕には腑に落ちません。
それで現場を見に来たわけですね?はい。
するとあなた方が現れて。
すみません送って頂き恐縮です。
ねえ君…優くん?いつもそんなしゃべり方なの?はい。
変ですか?ううん変じゃないけど…今何年生?緑川学園大学付属中等部2年生。
14歳です。
それが何か?いや…なるほど。
美しい日本語だと思いますよ。
特に変だとは思いませんがねぇ。
あっ杉下さんも中学の時こんな感じでした?僕ですか?僕の中学時代は…。
おやどうだったでしょう…。
気になるのは警視庁へのメールです。
昨日警察の方から尋ねられたのですが…。
ナカイ・フトシ?はい。
そのような名前を知っているか?と…。
もちろん僕は知りません。
密告した人物は論理的で頭脳明晰に思えます。
ええ。
それに父を陥れようとする悪意がみなぎっている。
悪意…つまりお父さんに近しい人物だと?はい。
もしかしたらすごく身近な…あっとても身近な人物ではないかと思います。
なるほど。
2人はなんだか気が合いそうですね。
けど優くん。
お父さんの事なのにすごく冷静だよね。
冷静というよりもなんだか…他人事みたいな。
父は仕事に忙殺され週末も仕事で顔を合わせる機会はほとんどなし。
血縁上は親子ですが実体は一緒に住んでいる他人です。
そっか…。
まあそういう親子関係もなんとなく理解が出来る。
だって官僚だもんな。
ねえお父さんが誰かに強請られていたとかそういう心当たりはないかな?まったくありません。
本当に?はい。
本当です。
コーヒーどうぞ。
ああありがとう。
ではこういう質問ならいかがでしょう?君はナカイ・フトシという人物を本当は知っていますね?それからもうひとつ。
密告のメールを警視庁に送ったのは君ですね?杉下さん僕を疑う理由はなんですか?理由というにはささやかなんですがね。
君のお父さんの下のお名前は信じるの「信」に一番二番の「一」。
一般的には「シンイチ」と読まれる事が多い。
しかし密告者のメールには「ノブカズ」と記してありました。
つまり密告者は職場の同僚あるいはファーストネームで呼び合う親しい友人
(優・杉下)あるいは…。
家族。
お見事です。
君は2日前の夜8時あのビルの殺害現場にいたの?刑事さん直球で来ますね。
遠回りするのが嫌いなんだ。
高宮信一さんを陥れるようなメールを送ったのは真犯人かもしれないと考えるのは捜査の常道ですからねぇ。
それに…。
それにほぼ現行犯という時間的制約の中でもし父が犯人ではないとしたら…。
殺害現場で父が犯人とすれ違っている可能性が高い。
なのにそんな人間がいたかどうかすらあいまいな供述で追及をかわしているのはなぜか?なぜなら真犯人は彼の息子だから。
フフ…優くん真面目に答えてくれないかな。
人が死んでるんだ。
あなた方2人を僕のゲームのプレーヤーに認定します。
ゲームのプレーヤー?推理ゲームですか?2日前の午後8時僕のアリバイはありません。
アリバイはない。
それはどういう意味でしょう。
僕が幼い頃両親が離婚し母はこの家から出ていきました。
最初に申し上げたとおり父とはめったに顔を合わせる事がなくここ最近僕は学校へ行っていません。
だから昼も夜も…。
2日前の午後8時も含めて常に一人なんですよ僕は。
密告メールを送ったのは高宮優くんですよ。
彼は事件現場で捜査員を…彼の言うゲームのプレーヤーを待ち構えていた。
彼のゲームに乗るしかなさそうですね。
ええ…。
本当に彼がやったんでしょうか。
どうしました?高宮ですか?不登校は夏休み前からかな。
ちょっと変なんですよあいつ。
周りは全部馬鹿で自分だけが特別っていうか…。
初等部の時は普通にしゃべってました。
優くん結構明るかったし。
でも中等部に上がる少し前から変なしゃべり方するようになって。
なんかやばいっていうか気味が悪いっていうか…。
あっ言っちゃった!先生行ってもいいですか?
(遠藤かおる)いいわよ。
失礼しまーす!すいませんねぇ。
成績は飛び抜けて優秀です。
でも二学期から来なくなってしまって。
自宅で他校への受験準備をしますと。
他校?ここの高等部じゃなく?はい。
お恥ずかしい話ですがうちの高等部は近年東大への進学率が下がっています。
高宮くんはお父様の意向もあって東大以外は大学じゃないと…。
ああ…。
もうよろしいでしょうか。
あっ…。
もうひとつだけ。
優くんなんですが中等部に上がる少し前つまり初等部の頃に何か印象的な出来事などは…。
特にはございません。
こんなところで何をしているんでしょうか。
どうも。
どうも。
怪しい人たちではありません。
彼らも同じ警察です。
なるほど。
2日前の事件の被害者ナカイ・フトシと高宮信一の接点がこの学校にあったわけですね?やっぱり特命係もあの事件を…。
(伊丹)あ〜あ。
あの…もうよろしいですか?あっお忙しいところありがとうございました。
(伊丹)行くぞ。
(芹沢)はい。
これからどちらへ?ご一緒出来ればありがたいのですが。
ダメだって言っても…っていうかもうついてきちゃってるじゃないですか!
(伊丹)名前は中居太さん。
この男性です。
新馬場駅近くのアパートに住む無職独身。
しかし過去には不動産業を営み景気のよかった時期もあったようです。
3年前です。
(芹沢)当時は子連れの女性と結婚しておりその子供がこちら緑川学園大学付属の初等部に通っていました。
5年生のクラスです。
その同じクラスには…。
ちょっと失礼。
その中居さんですがダイビングの趣味などは?ダイビング?なかったと思いますよ!警部殿それが何か?単なる確認です。
失礼。
続きを…。
あ…失礼。
その同じクラスには高宮優くん…すなわち高宮さんの一人息子も通っていた。
3年前そのクラスで中居さんの子供がいじめにあいそれを苦にして校舎から飛び降り自殺を図った。
幸い命に別条はなかったが子供は足の骨を折る重傷を負って転校。
その後妻は子供を連れて中居さんと離婚。
中居さんの会社は経営が悪化し倒産。
(緑川文一郎)さあ…。
3年前というとちょうど私が妻の父から学園の経営を譲り受けた頃ですか。
当時は色々忙殺されておりましたから。
中居さんの子供は遺書を残していたそうですね。
(伊丹)遺書にはいじめていた同級生たちの実名が記されていて高宮さんの息子の名前もあった。
つまり中居太さんは3年前の子供の遺書をネタにして高宮さんを強請った可能性が高いと我々は考えています。
(伊丹)高宮さんはキャリア官僚。
しかも文科省です。
その息子がクラスメートをいじめて自殺未遂に追いやっていたなんて世間にばらされては文科省に傷がつく。
もちろん出世にも差し障る。
鶴田校長。
(鶴田栄治)その件なら3年前に保護者会と中居さんの間で示談になりましたが。
示談?ちょっと失礼。
ああもう…警部殿!すぐに済みます。
その示談の交渉ですが校長先生が?
(鶴田)いえ。
保護者会の代表の高宮さんがされました。
高宮さんが。
ああ…示談というからにはその時点ですでにお金を中居さんに?はい。
高宮さんはさすが官僚です。
悪ふざけをしていた生徒一人につき30万円。
飛び降りた子供を除くクラス全員29人で870万円の慰謝料をまとめて中居さんも納得し受け取られました。
つまりそのいじめはクラス全員で一人の子供を?
(鶴田)はい。
中居さんのお子さんの遺書はご覧になりましたか?
(鶴田)いえ私どもは見ておりません。
全ては保護者会に…高宮さんに一任しておりましたので。
丸投げですか。
その後その遺書はどうなったのでしょう?中居さんに示談金を渡した際高宮さんが譲り受けて破棄されたはずです。
なるほど。
という事は…遺書が強請りのネタとは限らないわけですねぇ。
だったらなんでしょう?特命係に聞くな!3年前たとえ高宮さんが遺書を譲り受けて破棄したとしてもです。
その前に中居さんがコピーを取ってれば強請りのネタに十分なりますよ!もう警部殿…頼みますから我々に任せてください!いじめによる自殺未遂。
もしこれが表沙汰になったら…優くんが犯人ならこれが動機かもしれませんね。
しかしいじめていた過去を隠蔽する事だけが目的だったならばなぜ警視庁にメールを送り父親を陥れるようなまねまでしたのか。
確かに。
また父親である高宮信一はなぜ殺害現場にいたのか。
さらにあいまいな供述を繰り返しているのはなぜか。
もうひとつ。
優くんの言うゲームの目的とは何か。
あの杉下さん…。
確かめに行ってもいいですか?はい?やあ。
なんですか?緑川学園で3年前の事聞いてきたよ。
実の親を密告して…君の狙いはなんなんだ?狙い…。
それが君の言うゲームなんだろ?君は何を知っているんだ?中居さんを殺した人間は誰なんだ?ん?3年前の事聞いてきたならわかるでしょ!中居くんは死を覚悟して訴えた!なのに親も学校もよってたかって黙らせた!僕は学習したんだ。
どんな事でもなかった事に出来るって!だったらね人を殺してもなかった事に出来るんですか?それが君の言うゲームだっていうのか?ゲームのヒントを差し上げます。
一週間前中居さんから父に電話がきて僕が取り次ぎました。
中居さん…私を強請るつもりですか?はい。
(優の声)父は2日前の15日の午後8時に大森町のプラザビル地下街のテナント工事現場に呼び出されていました。
全てを盗み聞きした僕はそのあとどうしたか。
来てくれてありがとうございました。
さようなら。
優くん?優くん!優…。
これ以上は無理のようですね。
ええ…。
(月本幸子)その方おいくつなんですか?優くんですか?
(幸子)ええ。
14歳です。
まあ…一番多感な時期ですものね。
そうじゃなくても父親と息子って色々ありますからね。
人を殺してもなかった事に出来るんですか?はいさんまの時雨煮です。
秋ですねぇ。
秋ですよ。
どうぞ。
いただきます。
うまそう!
(角田六郎)暇か?おい。
例の資料揃えてやったぞ。
これはこれは角田課長お手数をおかけました。
コーヒーでもどうぞ。
もちろん頂くよ。
それは?緑川学園で僕が見た掲示板…。
あの新しい理事は僕の大学の同期生で大学院を卒業後文科省に入省した男でした。
特に親しくはありませんでしたがね。
うん…文科省から緑川学園の理事?さすがは東大だねぇ。
まあ文科省もなかなかどうしてすごい予算を握ってるからな。
教育機関の誘致建設の補助金。
加えて近年少子化対策でさらに数千億円の予算がつきました。
ああやはり過去20年間毎年のように文科省から緑川学園に天下っているようですねぇ。
ふ〜ん天下り…。
何今に始まった事じゃねえよ。
(電話)はい特命係。
(米沢)中居太のダイバーズウオッチです。
警部これが何か?おや…このベゼル左にしか回りませんねぇ。
ああベゼルは逆回転防止式になってます。
ああ本当だ。
でもこのマークぐるっと回って15分の位置にあった…。
という事は中居太は意識的に15分の位置に回した。
当然そういう事になりますねぇ。
中居太はなぜ7時15分にベゼルをマークしたのか。
うーんもし俺だったら…急な用事?あの日高宮信一と会う段取りになっていた午後8時よりも前。
(米沢)新馬場駅入り口の防犯カメラに映っていた午後6時50分よりあとの…。
15分。
つまり午後7時15分に中居太は何らかの用事をする事になりその時刻のメモ代わりにとっさにベゼルを7時15分にマークした。
カイトくん。
事件当日中居太が…。
どこで何をしていたのか…洗ってきます。
カイトくんすっかり警部の右腕ですな。
どうもありがとう。
午後6時50分中居太は新馬場駅入り口にいた。
そこから7時15分って事は最大で25分間の移動範囲のどこか。
それと午後8時の殺害現場からさかのぼって最大で45分間の移動範囲のどこか。
重なる場所で目撃情報がない。
って事は人目につきにくい場所。
さらに靴底には金属の破片…。
潰していくしかないっしょ。
ああ…。
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(パトカーのサイレン)123!
(伊丹)特命係の甲斐享。
ったくよお特命係が一人で何やってんだ。
お疲れさまです。
おい米沢どうなんだ?争った痕跡が残ってますな。
死因はおそらく鉄パイプによる撲殺。
指紋はなし。
犯人は犯行後トタン板を被せて隠蔽を図ったんでしょうな。
この辺りめったに人が入ってきそうにありませんから。
死亡推定時刻は解剖を待たねばなりませんが死亡してから50時間以上。
3日ほどは経ってるかと。
3日?って事は…。
偶然にも文科省キャリア高宮信一の事件と同日のようですな。
ええ。
失礼。
カイト。
特命係は何を調べてる?高宮の事件とこれはどう繋がってんだ?なんでお前は第一発見者なんだ?中居太の7時15分の足取りを洗っていました。
中居の7時15分?ええ。
なんだそりゃ。
(芹沢)先輩!免許証です。
ああ…。
(伊丹)近藤秋夫…。
待てよ?それは?
(伊丹)中居太の子供がいたクラスの保護者のリストだ。
その中に…。
(伊丹)近藤秋夫って名前が…あった。
(伊丹)3年前東山不動産重役。
いじめ事件のあと子供を別の学校に転校させてる。
いじめの加害者の父親の一人か…。
もしかして中居太は高宮だけじゃなくてこの近藤秋夫の事も強請ってたんじゃないですか?それだ!
(中居太)金出せ。
金だよ金!
(伊丹)中居太はまず7時15分に近藤秋夫を強請った。
しかし近藤に襲われて争ううちに…。
そして…高宮を8時に強請り今度は高宮に殺された。
どうだ?それだ。
どうだ?カイト?なんだよあいつ。
怖い顔して。
(伊丹)やりきれねえんだろう。
いじめをめぐる親同士の殺し合いなんてよ…。
はあ…。
近藤秋夫現在は無職…。
普通…無職の男を強請りますかね?また新たな謎だな…。
あのお取り込み中のところ失礼しますけどももうひとつ重要な謎が。
なんだよ?比較的新しい下足痕が3つあるようです。
3つ…?被害者加害者…。
あと一人この現場にいたようですな。
(携帯電話の振動音)杉下です。
甲斐です。
新たな遺体を発見しました。
ええ中居の足取りを追っていたらそこに。
被害者の名前は近藤秋夫さん。
3年前まで東山不動産の重役。
それと…。
そうですか。
優くんと同じクラスだった子供の父親。
不動産会社…ですか。
お待たせしました。
拝見します。
真実を話して頂きたいんです。
高宮さん。
中居の殺害現場から逃げたのは誰ですか?あなたは見たはずだ。
優くんに殺人容疑がかかっています。
優に…?なぜです?彼が仕掛けてきたんです。
これはゲームだと言って。
発端は3年前のいじめ事件です。
…えっ?クラスメートの飛び降り自殺未遂をあなたと保護者会と学校はよってたかって隠蔽した。
彼はその事にずっと苦しんでるんです。
優くん…殺人ですらなかった事に出来るかどうか試してる。
まだわかりませんか?試してるというのは救いを求めてるって事なんですよ。
高宮さん。
優くんの気持ちを受け止めて全て話してください。
優くんのおやじなら。
おやじ…。
中居が私を強請ってきたのは…いじめじゃありません。
杉下です。
ええお忙しいのは重々承知していますが実は事件の真相にたどり着いたものですから。
決定的だったのは近藤秋夫中居太殺害された二人の職業でした。
近藤秋夫はかつて東山不動産の重役。
一方中居太もまた3年前は自営の不動産業者。
そこで僕は学校法人緑川学園の不動産取引について調べてみました。
緑川学園は3年前近藤秋夫が勤めていた東山不動産を通じて都心の一等地を購入。
名目は新しい幼稚園の建設と運営。
文科省に建設を申請し補助金の1億円を手に入れました。
ところが学園はその土地を中居太の経営する不動産店を通じてこっそりと売り払った。
いわゆる土地転がしですよ。
本来ならば監督官庁の文科省がチェックしなければならないのですが。
緑川学園には天下りの理事も多くノーチェック。
むしろ天下り先を確保するために不正な補助金を学園側に毎年出しているという話も。
この官民の癒着を子供たちのいじめ事件で知り合った中居太と近藤秋夫が共謀して強請ったんです。
強請りの相手は補助金審査の責任者文科省の高宮信一さん。
そして緑川学園の理事長緑川文一郎さん。
近藤秋夫を殺した犯人は…。
あなたですね?緑川理事長。
面白い妄想ですね。
証拠はどこに?証拠…そうですねぇ「証拠はどこに」…。
緑川理事長廃工場には下足痕が3つありました。
3つ?ひとつは殺された近藤秋夫のものもうひとつはもちろん犯人のもの。
そして最後のひとつは中居太のものでした。
その中居太の下足痕は近藤秋夫の遺体から少し離れた物陰にもありました。
その傍らには3つの点の跡が。
鑑識によるとその3つの点の跡はミニカメラの三脚の跡でした。
カメラ?そして中居太のダイバーズウオッチのベゼルは7時15分をマークしていた。
7時15分…そうあなたが近藤秋夫から廃工場へ呼び出された時間ですよ。
了解。
7時15分にあの場所だね。
(近藤秋夫)これが当時の緑川学園の不動産売買の流れを示した書類だよ。
中居太の7時15分の用事とはやってきたあなたを物陰から撮影する事だったんですよ。
いくらだ?文科省の高宮を通じてダニのようにあんたが吸った我々国民の血税の1億円。
もっと欲しけりゃ高宮から強請れってか?ほら文科省の高宮だよ!そして近藤秋夫が仕掛けてあなたの口から文科省との癒着を示唆するキーワードをしゃべらせその映像をネタにして高宮信一さんを強請る計画だった。
高宮はあんたなんかより数倍利用価値があるんだよ。
婿殿ハハ…。
うわあっ!馬鹿にしやがって…。
近藤さん…近藤さん!警察に届けるか強請り続けて金を得るか…。
結局後者を選んだ中居太は命を奪われてしまった。
あなたが今言った事は全て憶測です。
確固たる証拠はどこにもない。
ああ確固たる証拠ならもうじきここに。
えっ?
(携帯電話の振動音)
(携帯電話の振動音)来たようですよ。
杉下です。
甲斐です。
高宮信一が全面自供しました。
中居が私に癒着の証拠は当日持っていくから楽しみにしてろと。
私は緑川理事長に相談しました。
理事長は心配は要らないこちらで対処するからと。
でもあなたは中居との約束の場所に行った。
理事長がどう対処するのか不安だったので…。
(高宮の声)すると中居がすでに…。
中居が私に持っていくと言った証拠がなんなのか気になって彼のポケットを探りました。
その時彼の血がついて…。
なんでもっと早く話してくれなかったんですか。
たとえ殺人の容疑がかかろうと官僚として守らなければならないのは…天下り先だった。
天下りは官僚システムを維持する必要悪です。
失うわけにはいかなかった…。
殺したのは優ではありません。
私があの日見た殺害現場から飛び出してきた人間は…。
「緑川学園大学付属中等部の鶴田校長だったと全面自供しました」あっ…あっ!
(芹沢)待ちなさい!
(鶴田)私は緑川理事長に言われて仕方なく!金で話をつけるって言ってたじゃないですか!だから私も手伝うって言ったんですよ!ああ…それが当日になって俺は殺したお前も殺せなんて!
(緑川)鶴田!黙れ!私は…人殺しなんてやりたくなかったんだ!ああっ!
(中居)うあっ!先輩。
緑川理事長上映会は警視庁でやりますか。
緑川!貴様!
(緑川)うるさい!お前のせいだぞ!
(緑川)黙れ!罪のなすり合いですか。
教育者であるべきはずのお二人が…。
いいですか?これでお二人は地位も名誉もそして人生も全てを失う事になります。
覚悟してください。
終わりました。
カイトくんどうもありがとう。
「杉下さん」ええ。
あとひと幕残ってますね。
優くん君の目的は緑川学園の不正と文科省との癒着を暴く事でした。
お父さんが逮捕された事を利用して密告のメールを警察に送り我々の目を緑川学園へと向けさせた。
君の計画は成功しました。
ですが目的はどうであれ手段は違法です。
君のした事は偽計業務妨害という罪です。
カイトくん続きを。
はい。
一方君は殺害容疑を自分自身に向けさせて拘留中の高宮さんにその事を伝えさせようとした。
父親を焦らせて真実を話させるためだ。
以前から学園の黒い噂は知っていましたが中居さんから父への電話を立ち聞きしてそれが事実だと確信したんです。
杉下さん。
はい?杉下さんはいつから僕の目的に気づいてたんですか?君と初めて出会った時に。
君は我々にこう尋ねました。
捜査一課ですか?所轄ですか?どちらも違うと答えると…。
じゃあ二課ですか?なぜ二課という言葉が口をついて出たのか。
二課は汚職や不正を摘発する部署です。
一方君のお父さん高宮信一さんは文科省の官僚。
その時僕は文科省の不正に関する何かがこの事件の根底にあると思いました。
それからもうひとつ。
君はお父さんを許せなかった。
お父さんが話してくれたよ。
3年前のいじめの時に君たち親子に何があったのか。
本当は君はいじめには関わっていなかった。
でも高宮さんはクラスの全体責任にしたほうが保護者会の結束が図れるからと君を無理やりいじめた側に入れて数合わせした。
君のお父さんはずっとその事を後悔してた。
親なら最後の最後まで優の誇りを守るべきだったのに…。
私は…私はなんて事を…!…そう言ってたよ。
お父さんを許してあげられそうですか?あの…偽計業務妨害って僕は少年院行きですか?そうですねぇ…。
君は初犯です。
さらに色々な事を考えた上で今回は厳重注意という事にしておきましょう。
あ…カイトくん。
君はどうでしょう?うん…。
賛成します。
ではそういう事で。
…すいません。
すいませんでした!おい…泣くなよ。
ほらっ。
相談ならいつでも乗ってやるから。
はいお待ちどおさまでした。
な?おい…。
(優の嗚咽)あっオムライスだ!うまそう!温かいうちに召し上がれ。
ほら遠慮せずに食えよ。
ありがとうございます…。
はいカイトさんの分も。
あっいただきます。
はいどうぞ。
ほらっ食えよ。
いただきます。
うん!うまい!誰も入ってないし誰も出ていないのに殺されていた。
3年前に冤罪をかけられた人物が殺されたのですから。
(裁判長)被告人は無罪。
(山本勇一)あんたは真犯人を無罪にしたのか!これでミステリーの謎が解けました…。
2014/10/22(水) 21:00〜21:54
ABCテレビ1
相棒 season 13 #2[字]
第2話「14歳」
殺人容疑をかけられながらも挑戦的な態度を見せる14歳の少年。
さらに、第二の殺人が起こり、事件はやがて思ってもみなかった方向へと転がり始める!
詳細情報
◇番組内容
文科省の官僚・高宮(山崎銀之丞)が殺人容疑で逮捕された。そんな中、警察に「高宮は被害者に強請られていた」という告発メールが届く。一連の出来事に引っ掛かりを覚えた右京(水谷豊)と享(成宮寛貴)は、独自の捜査を開始。現場を調べていると、そこに容疑者・高宮の息子を名乗る、優(濱田龍臣)という14歳の少年が現れる。優は、「お2人を僕のゲームのプレイヤーに認定します」と不敵な態度を示す…。
◇出演者
水谷豊、成宮寛貴、鈴木杏樹、川原和久、山中崇史、六角精児、山西惇 ほか
【ゲスト】濱田龍臣、山崎銀之丞
◇スタッフ
【脚本】森下直
【監督】池澤辰也
【エグゼクティブプロデューサー】桑田潔(テレビ朝日)
【ゼネラルプロデューサー】佐藤凉一(テレビ朝日)
【プロデューサー】伊東仁(テレビ朝日)、西平敦郎(東映)、土田真通(東映)
◇音楽
池頼広
◇おしらせ
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【フェイスブック】http://www.facebook.com/AibouNow
【ウェブ】http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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日本語
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