(テーマ音楽)正しい健康情報を分かりやすくお伝えする「きょうの健康」です。
早速今日のテーマはこちらです。
まずよくある中耳炎の例からご覧頂きましょう。
こちらです。
1歳のAちゃん。
いつになくぐずって泣きしきりに耳をいじります。
病院で診てもらったところ急性中耳炎と診断されました。
処方された薬をのんで症状が治まりましたがその後1か月置きに同じような症状が出ては治まるを繰り返しています。
こちらは3歳のBくんです。
耳の痛みを訴えて病院で急性中耳炎と診断されました。
Bくんは薬をのんで症状が治まりましたが最近呼びかけに対し少し反応が鈍くなったような気がしたので気になって受診したところ鼓膜の中に水がたまっていると言われたんです。
はい。
1歳のAちゃんは一旦症状は治まるんだけれども何度も繰り返してしまうというのは不思議ですしまた3歳のBくん。
症状が治まったと思ったら鼓膜に水がたまってるってちょっと心配ですよね。
では専門家の方にお話を伺っていきましょう。
小児耳鼻咽喉科で主に子どもの耳の病気の診断治療がご専門です。
どうぞよろしくお願いします。
まずこのAちゃんそしてBくんですが急性中耳炎にかかったんですがやはり幼少期というのはこの中耳炎起こしやすいんですね。
そうですね。
生後1歳までに約60%そして3歳までに約80%のお子さんが少なくとも1回は急性中耳炎にかかるといわれています。
本当に多くの子どもがかかるメジャーな病気という事ですね。
でもどうしてこんなに子どもは中耳炎にかかりやすいんでしょうか?まず知っておいて頂きたい事はこの中耳炎というのは中耳…耳の病気な訳ですが実は喉や鼻の感染が中耳に波及したものです。
これは耳の解剖ですが外耳があって外耳道鼓膜この空間が中耳といいますがこの中耳は耳管を通して喉や鼻とつながっています。
急性中耳炎の場合喉や鼻から肺炎球菌あるいはインフルエンザ菌といった細菌やウイルスがこの耳管を通って感染を起こしてこの中耳に急性の炎症を起こしてしまう訳です。
子どもの場合まだ未発達で抵抗力も低いために風邪をひいて長引きやすいという事で中耳炎も起こしやすい訳です。
実際急性中耳炎にかかってしまった耳の中はどうなってるんでしょうか?これは耳を外側から見た写真ですがこの中央に見えるこれが透明に見えますがこれが鼓膜です。
急性中耳炎になりますとこの鼓膜が赤く腫れて水膨れを起こしたりひどい時には破れて膿が出てきます。
破れた鼓膜というのは元に戻るんですか?鼓膜は自然再生する力が強いですので小さい孔の場合にはほとんどの場合自然に閉鎖します。
もちろん聴力にも影響ありません。
何か症状には特徴的なものはあるんでしょうか?はい。
耳の痛みは特徴的な症状です。
そのほか耳から膿が出る耳だれ。
あるいは発熱などが起きてきます。
Aちゃんのような小さい子の場合は言葉で訴える事はできないんですがやはりいろいろ症状を訴えるようなサインはあったという事なんでしょうか?そのとおりです。
乳幼児では自分で訴えられません。
ですから…こういった症状が出てきます。
こういった症状サインに気付いてあげるという事が大切です。
本当にお父さんお母さんがここの辺を気にしてるようなところがあったらとにかく中耳炎疑ってかかるという事ですね。
実際にこの急性中耳炎治療はどんなふうになっていくんでしょうか?これは感染炎症を止めるお薬いわゆる抗菌薬などですがこういったお薬をのんでもらって経過を見る訳です。
年長児ではほとんどの子がやがて治まってしまいます。
ただ1歳のAちゃんの場合は何度も急性中耳炎繰り返していたという事ですね。
そうですね。
実はAちゃんは急性中耳炎を繰り返す反復性中耳炎という病気なんです。
これは2歳未満の小さいお子さんに特に最近増えている病気です。
6か月以内に3回以上あるいは12か月以内に4回以上急性中耳炎を繰り返す場合にこの反復性中耳炎と診断されます。
なぜこんなに繰り返してしまうんですか?反復性中耳炎の場合はやはり抗菌薬を使った治療をする訳ですがまだ小さくて免疫力も低いために一度抗菌薬で菌を殺してしまってもまたすぐに喉や鼻から別な菌が入ってきてそれで中耳炎を起こしてしまう訳です。
また最近耐性菌が増えています。
そのために簡単にお薬が効きにくくなって除菌が不十分になってしまうという事もあります。
そのほかにも症状はしばらくで治まってしまいますので治ったと勘違いしてしまって途中でお薬をやめてしまう事もあります。
こういう場合には菌が残っていますのでまたすぐに悪化してしまう。
やはり処方されたお薬は最後まできちっと内服して頂く必要があります。
お子さんが急にケロッと治ったような事になるとお父さんお母さんもういいかなと思ってしまいがちなんですがここはやっぱりちゃんとお医者さんに言われたとおり服薬を続けるという事ですね。
きちっと最後までですね。
さあ続きまして3歳のBくんですが急性中耳炎はよくなったと。
ただ今度は鼓膜に水がたまっていると。
これ心配ですね。
どういう事なんでしょうか?このBくん。
これは子どもさんの難聴の一番多い原因ですが滲出性中耳炎という状態になっています。
これは3歳から5〜6歳までに多い病気です。
たまっている水というのはどういうものなんですか?これはこのように中耳に周囲の粘膜から水が染み出してきた訳ですがこれはBくんのように急性中耳炎のあとの残骸こういったものに反応して滲出液がたまってしまう事が一番多いんですがそのほか副鼻腔炎や上咽頭炎アレルギーや真珠腫などでも起きてきます。
伊藤さんこの真珠腫って耳慣れない言葉なんですがこれは何でしょうか?この真珠腫ですが特に乳幼児の小さいお子さんの真珠腫というのは先天性といわれています。
これは中耳にこのようにまるで真珠のような白い玉が出来てきてしかも周囲の骨をどんどん壊していってしまうものでこれは一種の良性腫瘍なんです。
真珠腫は感染を起こしやすいですので急性中耳炎の原因ともなりますし結果として滲出性中耳炎も起こしてしまうという事です。
この真珠腫ですが最初の手術できちんと取りきらないと本当に再発を何度も繰り返して何度も手術が必要になってくるという事があります。
大変注意しなきゃいけない…。
真珠腫の場合もきちんと完治するまで手術が必要だという事ですね。
滲出性中耳炎のBくんですが呼びかけに対して反応が鈍くなっているという事があったんですが症状の特徴はどんなところがあるんでしょうか?これは滲出液がたまってきますので当然鼓膜が動きにくくなってきます。
そのため難聴が起きてきます。
これが特徴な訳ですがBくんのように呼んでも返事をしない。
あるいはどうも活発さがなくなっているというのが一つのサインですしそのほかテレビに近づいて見ている。
あるいは聞き返しが多い。
聞き間違いが多い。
そういう事も一つのサインですがこれらは非常に気付きにくいサインな訳ですね。
やはり周りが注意して見てあげる必要があります。
また全ての中耳炎の特徴として風邪をひくと急激に発症したりあるいは悪化したりしてしまう事があるんです。
ですから風邪のあとは特に注意して見てあげる必要もあります。
とにかくお子さんの変化に周りのお父さんお母さん大人たちがどういうふうに見守って気付いてあげるかという事が大事になってくる訳ですよね。
そのとおりです。
実際にAちゃんそれからBくんですが治療はどんなふうに進めていくんでしょうか?治療にはこのような保存的な治療と手術的治療があります。
ではまず保存療法から教えて頂けますか?はい。
Aちゃんの場合は反復性中耳炎ですがこれは急性中耳炎の繰り返しな訳です。
ですからそのつど急性中耳炎の治療を行う事になります。
まず軽症であれば経過観察を行いますが改善しなければ薬での治療が行われます。
問診あるいはその時の症状検査結果などからどのような菌が感染しているのかを推測してそれの菌に対する薬いわゆる抗菌薬ですね。
これを選んで処方する訳です。
これらの薬を適宜使用していく訳です。
いろいろな抗菌薬があってその中から処方されていくという事なんですね。
ただAちゃんのように繰り返す場合はそのつど抗菌薬で治療するという事で抗菌薬をのむ機会も多くなってしまいますよね。
それも問題なんです。
しかし抗菌薬といいますのは途中でやめないという事もとても大事なんです。
基本的には処方された量をきちっとのんで頂きたいなと思います。
しかしそれでも再発を繰り返す場合には手術治療の可能な専門医療施設の方で一度診てもらう事も大事かなと思います。
それからBくんの滲出性中耳炎。
これについてはどんな治療なんでしょうか?滲出性中耳炎の薬物療法としてはマクロライド系の抗菌薬とカルボシステインという消炎剤が有効である事が分かっています。
しかし大事な事はその原因となっている副鼻腔炎上咽頭炎そういったものを治さないと滲出性中耳炎は治らないという事です。
ですからこういった原因をきちっと治療するという事も大事な訳です。
お薬の保存療法保存治療というのはどのくらいの期間行うものなんですか?これは滲出性中耳炎の場合ですが発症から3か月間保存療法を行います。
それでも効果がない時には手術的な治療になってきます。
その手術ですが具体的にはどんな事になるんでしょうか?これは反復性中耳炎の場合も滲出性中耳炎の場合もこの鼓膜換気チューブ留置というのが行われる事があります。
これは鼓膜を少し切開をしましてここに小さなチューブを挿入します。
そうする事でこの中耳の中の空間が常に空気にさらされる状態を維持する事ができる訳です。
その間にこの中耳の中の粘膜が正常に戻ってくるのを期待している訳です。
チューブを留置する置いておくという事はずっと鼓膜に孔が開いた状態という事ですよね。
ちょっと心配ですよね。
大丈夫なんでしょうか?チューブが入ってる間はほとんどの中耳炎というのはそれで起きなくなります。
しかしあまりに長くチューブが入ったままですとチューブが抜けたあとに孔が閉じないという事が起きてきます。
それは是非避けたいですがどうすればいいんでしょうか?実はチューブには短期留置型のチューブと長期留置型のチューブというのがあります。
最初の手術では数か月ぐらいで自然と外へ抜けてきて孔も塞がってしまうそういう短期留置型のチューブがおすすめできます。
このようなチューブ留置という方法でどのくらいの方がよくなるんでしょうか?これは1回の短期型のチューブの留置でもって約7〜8割のお子さんが滲出性中耳炎が治ってしまいます。
効果が高いという事ですよね。
さあ今日は子どもの中耳炎についてお話伺ってきましたが3歳までで実に8割という非常に多くの子どもがかかる病気という事なんですがやはりこれはきちんと治すという事が大事な訳ですね。
そうですね。
子どもさんの中耳炎これが長引きますと当然耳の聞こえていない時期というのが長くなります。
そうしますとコミュニケーションがうまくとれなくて将来言葉の発達の後れといった問題が起きてくるという事が懸念されます。
特に乳幼児におきましては自分で訴える事ができません。
症状を…。
ですからこのサインに気が付いてしっかりと早く治療を開始してあげる事が大事かなと思います。
今日は子どもの中耳炎についてお話を伺ってきました。
伊藤さんどうもありがとうございました。
(2人)ありがとうございました。
2014/10/22(水) 20:30〜20:45
NHKEテレ1大阪
きょうの健康「子どもの中耳炎」[解][字]
子どもは抵抗力が弱く中耳炎を起こしやすい。増えているのが繰り返し起こすタイプ。“水”がたまるタイプは難聴の原因にも。子どものサインを見逃さず、適切な治療を行う。
詳細情報
番組内容
子どもは中耳炎を起こしやすい。抵抗力が弱いため、かぜをひいたあとなどに細菌やウイルスが鼓膜の奥の「中耳」へ入ってしまって起こる。今増えているのが、治ったと思ったら発症を繰り返す「反復性中耳炎」。抗菌薬が効きにくい耐性菌が増えたのが要因の一つだ。また中耳に水がたまる「滲出(しんしゅつ)性中耳炎」は、子どもの難聴の原因としてよく見られる。子どものサインを見逃さず、適切な治療を受ける必要がある。
出演者
【講師】自治医科大学 とちぎ子ども医療センター教授…伊藤真人,【キャスター】久田直子,寺澤敏行
ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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日本語(解説)
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