火砕流が100キロ余り先まで。
巨大噴火が起きる確率の推計が公表されました。
スピードと安全性を追求してきた新幹線。
営業開始から半世紀。
今、海外に打って出ようとしています。
こんばんは。
ニュース7です。
まず政治の動きです。
閣僚2人の交代を機に、野党側が攻勢を強めています。
これに対し、政府・与党は、政権運営への影響を最小限に抑えたい考えです。
一方、消費税率を予定どおり10%に引き上げるかどうかの判断を巡っては、自民党内から慎重な対応を求める動きも出てきています。
安倍総理大臣はきょう午前、自民党の谷垣幹事長と会談。
野党側が攻勢を強めていることに関連して、受け身に回ることもあるので、しっかりやってほしいと述べたうえで、政策を着実に実現して、信頼回復に取り組むとともに、緊張感を持って政権運営に当たることを確認しました。
国会では、野党が攻勢を強めています。
きのうの参議院外交・防衛委員会では、自民党の片山さつき委員長が、政府側の作成した議員の質問に対する閣僚の答弁の要領を見ながら、審議に当たっていたことに、野党側が反発。
委員会は審議の途中で散会しました。
片山委員長は、きょうの理事懇談会で、委員会の円滑な運営の参考とするため、私が政府側に指示して、答弁要領を入手したと説明する書面を提出したうえで、陳謝しました。
これに対し、野党側は答弁要領を委員会に提出するよう求め、与野党で引き続き協議することになりました。
このあと片山氏は、自民党の伊達参議院幹事長らと会談し、謝罪しました。
これに対し、伊達氏は委員長として、しっかりやってもらわないと困る。
次に問題が起きたときはかばうことはできないと述べ、厳重に注意しました。
また衆議院では、予算委員会の理事懇談会が開かれ、来週30日に、TPP・環太平洋パートナーシップ協定や、地方創生などをテーマに、安倍総理大臣の出席を求めて、集中審議を行うことで、与野党が合意しました。
民主党などは、安倍内閣の2人の閣僚が交代したことを踏まえ、集中審議で政治とカネの問題も取り上げて、安倍総理大臣の任命責任などを追及する考えです。
一方、消費税率を来年10月に、予定どおり、10%に引き上げるかどうかを巡る動きも出てきています。
安倍総理大臣は、来月発表される、ことし7月から9月のGDP・国内総生産の速報値などを踏まえて、年内に判断する考えです。
消費増税に慎重な立場の山本幸三元経済産業副大臣ら、自民党の国会議員42人は、きょう、会合を開きました。
出席者からは、円安でも、輸出が期待されたほど伸びず、消費も増税の反動減だけでは説明できない低迷が続いており、さらなる増税は日本経済を失速させるおそれがあるなどとして、引き上げの先送りを求める意見が出されました。
そして、来月中にも提言をまとめて、安倍総理大臣に提出することになりました。
菅官房長官は。
次です。
先月の御嶽山をはじめ、日本列島に深刻な被害を引き起こしてきた噴火。
こうした噴火の規模を、はるかに上回り、日本の広い範囲が火山灰で覆われるような、巨大噴火が起きる確率が、今後100年間におよそ1%だとする研究結果を、神戸大学大学院の研究グループがまとめました。
観測方法の開発などに、長期的に取り組む必要があると指摘しています。
きょう午後、研究グループの会見。
研究グループは、国内の地下の岩石の性質や、過去の噴火の時期などをもとに、巨大噴火が起きる確率を推計しました。
こちらは、20世紀最大とされる23年前に起きたフィリピン・ピナツボ山の噴火の映像です。
噴煙は、上空4万メートルにまで到達。
大量の火山灰が上空を覆い、昼間でも夜のように暗くなりました。
巨大噴火は、こうした規模をはるかに上回ります。
マグマはあちこちで同時多発的に噴出。
範囲は、直径数十キロに及びます。
そして巨大噴火は、地形に、ある特徴を残します。
大量のマグマが短い時間に噴き出すと、地下に大きな空洞が出来て、地面全体が陥没します。
こうして出来る地形、カルデラと呼ばれます。
そのカルデラがはっきり分かる熊本県の阿蘇。
およそ9万年前の噴火で出来たとされます。
このときは、火口から流れ下った火砕流が海を越えて、現在の山口県にまで達しました。
火山灰は日本の全土を覆い、東京でも20センチ積もりました。
カルデラは、北海道の屈斜路湖周辺や、支笏湖周辺などにも残っています。
日本では、こうした地形の調査などから、巨大噴火が、過去12万年の間に、少なくとも10回起きていたことが分かっています。
100年間におよそ1%の確率。
回数にすると、1万年に1回程度とされた日本での巨大噴火。
研究グループは、影響が最も大きい最悪のシナリオも発表しました。
九州中部で巨大噴火が起きたケースです。
火砕流は、九州北部から中部にかけて、広い範囲に及びます。
そして火山灰は、大阪などを含む、西日本で50センチ以上。
東京など東日本も、20センチ以上積もります。
さらに北海道でも、場所によっては5センチ以上に達するとしています。
その火山灰ですが、積もる量が0.1ミリから1ミリ程度で、交通機関に影響が出始め、雨で湿った場合、30センチ積もると、木造住宅は重みで倒壊する住宅が出始めるとされています。
巨大噴火が起きれば、交通網やライフラインがまひし、日本全土に深刻な影響が及ぶと指摘しています。
しかし、巨大噴火は観測された例はないため、噴火の予測につながる前兆的な現象などの研究は、あまり進んでいません。
内閣府が去年、まとめた大規模噴火の検討会では、噴火予知や対応策について、研究を推進すべきだと指摘しています。
新幹線の開業から、ことしで50年。
半世紀にわたって、安全性とともに、スピードを追求してきました。
その新幹線、今、日本を飛び出そうとしています。
ねらうのは高速鉄道の整備を計画している海外の市場です。
JR各社などが、新幹線を海外に売り込もうと開いた国際会議です。
海外の政府関係者などおよそ300人が出席しました。
50年間、乗客の死亡事故ゼロで走り続ける新幹線。
今、世界の市場に本格的に乗り出そうとしています。
世界では今、高速鉄道の整備計画が相次いで持ち上がっています。
アメリカでは、東海岸にある都市の間をはじめ、11の路線で、1万3700キロに上る計画があります。
経済成長が続くインドでは、最大で7路線、4600キロの計画が検討されています。
また東南アジアでも計画が相次いでいます。
しかし、施設の整備とその後の運営には高度なノウハウが必要で、その担い手は限られています。
新幹線で実績を積み上げてきたJR各社は、国内で人口減少が進む中、海外の市場に新たなビジネスチャンスを見いだそうとしています。
政府も、成長戦略の柱の一つとして、後押ししています。
ことし4月には、安倍総理大臣がアメリカのケネディ駐日大使とリニア中央新幹線の試験車両に乗り、トップセールスを行いました。
またインドでは、西部の商業都市ムンバイと、工業都市アーメダバードをつなぐ高速鉄道の実現に向けた調査を、インド政府と共同で進めています。
JR各社も売り込みに力を入れています。
JR東海が受注を目指すのは、アメリカ南部テキサス州の高速鉄道計画です。
ヒューストンとダラスの2つの大都市の間は、貨物鉄道しかありません。
自動車でも4時間以上かかるこの区間に、民間資金で新幹線を走らせ、1時間半で結ぶ計画です。
今月初めには、ヒューストンの市長が日本を訪れ、新幹線の乗り心地を体験しました。
しかし、海外への売り込みを図るのは、日本の新幹線だけではありません。
韓国でもその技術が導入されている、フランスの高速鉄道。
さらに、ドイツの高速鉄道もライバルです。
いずれも今ある線路をそのまま使えるため、投資額を抑えられるメリットがあります。
これに対し、日本の新幹線は、専用の路線を整備。
自動列車制御装置によって、列車の運行を集中的に制御するシステムを採用するなど、安全性と正確性の面で、海外メーカーに対抗しています。
日本の新幹線は、海外との受注競争に勝てるのか。
きょうの会合でJRは。
海外からの参加者は。
海外との受注競争に勝つため、日本は今後、どう取り組むのか。
56人が死亡し、今も7人の行方が分からない、御嶽山の噴火。
当時、迫りくる噴煙や噴石の中、自分のジャケットを見知らぬ女の子に着せてあげた男性がいました。
その男性も女の子も、共に亡くなりました。
ジャケットはきょう、男性の遺族のもとへ届けられました。
御嶽山のふもと、長野県木曽町の公園に設けられた献花台です。
訪れた人が花を手向けました。
亡くなった56人。
きょう、ようやく遺族のもとへ届けられた遺品がありました。
登山用のジャケットです。
噴石の跡と見られる穴が開いています。
持ち主は、横浜市の会社員、近江屋洋さんです。
会社の同僚と御嶽山に登っていました。
ほかの写真では、近江屋さんは遺品と同じ、緑色のジャケットを着ていました。
ただ、噴火の日、ジャケットを最後に身につけていたのは、近江屋さんではありませんでした。
愛知県豊田市の小学5年生、長山照利さんです。
噴火のあと、山頂近くの岩陰に身を隠した際、居合わせた近江屋さんからジャケットを借りました。
警察などによりますと、照利さんは足にけがをして、寒い、寒いと訴えていました。
これを、その子に着させてあげてください。
近江屋さんは、そばにいた女性に自分のジャケットを渡したといいます。
近江屋さんと照利さんはその後、別々の場所で遺体で見つかりました。
近江屋さんの父親のコメントには、こうつづられていました。
特別なことをしたわけではないと思います。
目の前にけがをした子がいれば、誰であっても、同じことをすると思います。
でも、2人とも生還できなかったことは、本当に残念で、残念でなりません。
状況を知るほど、悲しみは増します。
大雨、大雪、そして大地震。
こうした災害が起きた場合、孤立するおそれがある集落は、どのくらいあるんでしょうか。
こちら、赤く示した所が、道路が寸断されるなどして、孤立するおそれがある山間部の集落です。
その数、1万7000余りに上ることが分かりました。
こうした所では、どんな備えが必要なんでしょうか。
あすで10年になる新潟県中越地震。
山間部の道路が寸断され、1938世帯が孤立しました。
集落の孤立は、ことしも各地で発生しました。
8月には、台風による大雨で、四国を中心に孤立が相次ぎました。
2月の大雪では、およそ10日間にわたって孤立した集落もありました。
集落が孤立すると、けがをした人を運べなかったり、医療が必要な人たちの健康に影響を出たり、命に関わる問題につながります。
こうした災害時に孤立するおそれがある集落。
国が、全国の山間部にある5万8733の集落を対象に調査した結果、1万7226に上ることが分かりました。
全体の29.3%に当たります。
最も多かったのは長野県で、1163。
次いで高知県が948、大分県が880などとなっています。
最も多かった長野県の豊丘村堀越地区です。
300人余りが暮らしていますが、市街地につながる道路は2本。
災害時には寸断され、孤立するおそれがあります。
地区では、衛星携帯電話や飲料水などを用意して孤立に備えています。
しかし、住民の3人に1人は65歳以上。
高齢化が進み、住民どうしの支え合いだけで対応できるのか、不安を抱えています。
孤立に備え、独自の対策を始めた自治体もあります。
広げたシート。
目立つオレンジ色に、集落の名前が書かれています。
静岡市が、市内のすべての集落に配布しました。
上空のヘリコプターから、孤立の状況や、けが人の数などが一目で分かります。
10世帯ほどが暮らす口坂本地区では、座布団を使って、けが人の数を表す訓練を、年に数回行っています。
座布団を並べるだけなので、高齢者でも簡単です。
専門家は、中山間地域では人口減少と高齢化が進み、災害に対応する力が弱まってきているとしたうえで、次のように指摘します。
ニュースを続けます。
北朝鮮による拉致被害者らの調査の現状を把握するため、来週27日から4日間の日程で、代表団のピョンヤン派遣を決定した政府。
安倍総理大臣は、派遣しないことで北朝鮮側が調査を中断する危険性を考慮し、拉致問題の解決が最優先だという日本政府の立場を北朝鮮側に伝えるため、決定したと説明しました。
安全性を確保しながらの作業。
順調に進められるのでしょうか。
東京電力福島第一原子力発電所1号機では、建屋に積もったがれきを撤去するため、建屋を覆うカバーの解体に向けた作業が始まりました。
きょうは遠隔操作のクレーンを使い、がれきに、放射性物質の飛散を防ぐ薬剤をまいていきました。
東京電力では、カバーを解体したあと、再来年度の前半からがれきの撤去作業を行い、平成29年度から、燃料プールからの核燃料の取り出しを行う計画です。
超党派の国会議員で作る日韓議員連盟は、あさってからソウルで、韓国側の議員連盟と合同総会を開くことにしており、会長を務める自民党の額賀元財務大臣らが、パク・クネ大統領と会談する予定です。
これを前に安倍総理大臣は額賀氏らと会談し、いわゆる従軍慰安婦の問題や、歴史認識を巡る安倍政権の立場は、歴代の政権と変わらないという考えを示しました。
額賀氏は、パク・クネ大統領との会談で、こうした考えを伝えることにしています。
気象情報は寺川さんです。
こんばんは。
きょうは東北の南部から九州にかけては、冷たい雨の所が多くなりました。
東京、日中、この時期としては寒かったですよね。
そうでしたね、東京など関東は、あすも冷たい雨となりそうです。
あす、北日本や西日本では、この高気圧に覆われて、晴れる見込みです。
このため、日中の気温、きょうよりも上がってきそうです。
ただ、東日本はこの低気圧や前線が近くにあるため、雨となります。
また、この低気圧が北から冷たい空気を引っ張り込みます。
こちら、青色の部分は、15度を下回るような寒気を表しています。
関東地方に、寒気がぐっと流れ込んでいる様子が分かりますね。
あすの午後3時、東京で予想されている気温は12度と、これは12月の中旬並みの予想です。
あすの日中、きょうよりも気温が下がりそうですから、暖かくしてお過ごしください。
気象情報でした。
今入ってきたニュースです。
静岡県警察本部に入った連絡によりますと、きょう午後6時前、浜松市北区の新東名高速道路と東名高速道路をつなぐ連絡路の上り線で、大型トラックや観光バスなど、車4台が関係する事故がありました。
2014/10/22(水) 19:00〜19:30
NHK総合1・神戸
NHKニュース7[二][字]
▽日本の新幹線技術を世界に!競争激化・ライバルも 【キャスター】武田真一,【サブキャスター】上條倫子,【気象キャスター】寺川奈津美
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【キャスター】武田真一,【サブキャスター】上條倫子,【気象キャスター】寺川奈津美
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