(若葉)ああー。
ううー。
(若葉)何で?何で私があんな男と。
(若葉)うわっ。
思い出すだけで頭痛と吐き気と悪寒が。
くーっ。
(若葉)《いや。
こんな皮膚と皮膚の接触ごときで私が》
(若葉)うーん。
(若葉)よし。
(園長)おはよう!おっ!裕太。
しけた面してないで顔上げろ!お天道様が笑ってるぞ!
(うらら)日向ちゃんおはよう。
(日向)おはようございます。
(若葉)おはようございます。
おはようございます。
(うらら)おはようございます。
(日向)不気味ですね。
何がですか?
(日向)不自然です。
その笑顔。
いつもと変わりませんが何か?
(日向)いえ。
何かあったのかなって。
何もありません。
あなたの方こそ珍しいですね。
お弁当の一件で私に関心が?
(日向)まったく。
あれはあれですから。
ただ若葉さん意外と世間知らずで純情そうなので色々大変だろうなって。
人生経験5年のあなたよりは経験豊富だと思いますが。
(日向)私5歳でキスしましたが若葉さんのファーストキスは?そんなのよく覚えていません。
(日向)科学者によればファーストキスは初体験より鮮烈に記憶に残り年を取っても消えないそうです。
勉強したようですね。
でも残念ながらキスはそんなロマンチックなものではありません。
そもそも人類がキスをするようになったのもウイルスを広め免疫をつけるためなんです。
一つの説によると母親が赤ん坊にキスをするのも…。
(日向)まあせいぜい頑張ってください。
ハァー。
・
(佐間男)草ちゃんどうした?・
(西野)何?な…。
えっ?・
(チャボ)どうしたの!?それ!
(草太)どうしたって何がっすか?
(佐間男)いや鼻。
これだよこれ。
(草太)ああ。
何か。
何かちょっと鼻がおかしくて病院行ったら鼻の軟骨の脱臼だったらしくて。
(西野・佐間男・チャボ)脱臼!?《脱臼!?》
(チャボ)まさか昨日の!?
(佐間男)またあいつか!《まずい。
私としたことが》まあホント大したことなくて何か今日あしたは念のため…。
(佐間男)大したことないわけないだろ。
いやいや。
もう…。
(西野)暴行罪で訴えろ。
(チャボ)いや!傷害罪だ!全然大丈夫ですもん。
おはようございます。
皆さん。
(佐間男)出たな。
疫病神!お言葉ですが昨日は弾みで手の甲が当たってしまっただけのことで刑法上過失による暴行は処罰規定がありません。
(佐間男・チャボ・西野)はあ!?加えて私は一時的心神喪失により責任能力もありません。
(佐間男)何て都合のいい解釈なんだ!?ああ。
ちょっちょっ…。
(西野)わざとだろうがなかろうがまず謝るのが筋ってもんでしょ。
ホント大したことなかったですし。
まあ何もなかったって嘘ついてたのは僕の方なんで。
(チャボ)どんだけお人よしだよ!いやいや。
それよりホント大丈夫でした?何がですか?何かすごいショック受けてたみたいだから。
何か勘違いしてませんか?えっ?私はキスによって何も生まれないということを証明しただけであって実際何の影響も受けていません。
そもそもあれは事故のようなもので引きずるわけが。
あなたとのキスは蚊に刺されたようなものです。
これ以上あなたと私がプライベートで関わることはありません。
・
(そよ子)あっ。
鮎川先生!昨日言ってたキスってどういうことなんですか!?はっ?
(そよ子)あの後先生は帰っちゃうし草太さんも教えてくれないし私もう心配で心配で。
俗に言うキスというものはしていません。
図らずも唇が触れてしまったという物理的な事象にすぎません。
(そよ子)ああ何だ。
安心しました。
じゃあ私告白してもいいですか?誰が?私が。
誰に?草太さんに。
何を?もちろん付き合ってほしいって。
あっ。
ちょっと待って。
なぜあんな子持ちのしかも血縁関係にない連れ子のいる?
(そよ子)そこがいいんですよ!慈愛精神にあふれてて。
ほら。
アンジェリーナ・ジョリーとブラッド・ピットみたいで。
アンジェリーナ・ジョリーとブラッド・ピット?ベトナムの孤児やエイズの子を3人も養子にして。
すてきじゃないですか。
あっ。
でも鮎川先生がいるから。
どうぞお構いなく。
ご自由に。
ホントにいいんですか?どうぞどうぞ。
私はあんな小市民に興味はないしその存在そのものを抹消したいので。
もし私がお付き合いするとすればそれは格付けランクAaaの…。
・
(響一)鮎川先生。
はい。
(響一)付き合ってもらいたいんだけど。
付き合うって。
ブライトン・ホールディングスに。
ここに来るのは初めてだよね?はい。
ブライトンは知ってのとおり医薬品から美容玩具スポーツ用品までライフスタイル製品を取り扱う世界ブランドの商社だ。
従業員数は25万人。
総売上は…。
18兆5,800億円。
ブラジルの国家予算に匹敵。
その日本ブランチがここだ。
ああ。
この先が世界に。
(響一)今大きな知財案件を抱えてるんだけどちょっとトラブルが発生してね。
僕はその会議でオフィスタワーに行くから代わりにこれを桜川先生に届けてほしいんだ。
はい。
あっ。
どこに行けば?本館役員フロアのラウンジでミーティング中。
お相手はブライトンのCEOだ。
(社員)あくまでも双方に利益があるという認識でよろしいんですね?
(昇子)もちろんです。
失礼します。
新堂先生に頼まれた報告書を。
(昇子)このクロスライセンス契約で得られる利益はニューヨークを買い占めることのできる数字だとの試算が出ました。
《ニューヨークを買い占め?》
(昇子)契約締結後の役員賞与で油田を一つお買い上げになってはいかがでしょう?《油田をお買い上げ?》《やはり私のステージはここ》
(昇子)まだ何か?あっ。
いえ。
(昇子)ああ待って。
これ。
今日の臨時役員会私の代理で出席しておいてちょうだい。
役員会に私が?ええ。
三葉の森保育園の保護者の。
ああ。
《なぜまたあいつと》
(昇子)あっ。
それとモナリザが子供用運動靴の限定モデルを発表したから手に入れてちょうだい。
今日中にね。
《これもこのステージに上がるための試練》《そう。
マンハッタンのタカが雄々しく飛び立つ日のための》
(英語)私にお任せください。
(園児)ボール!こっちこっち!ボールこっち!
(うらら)お忙しいところすみません。
今日は毎年恒例プール開きならぬ泥んこ開きについてお集まりいただきました。
泥んこ開き?
(うらら)泥んこ開きは園長が提唱してきた泥んこ保育の目玉として夏場週に一度行ってきたものなんですが。
ことしは中止にしてほしいとの声があり臨時役員会を開いたしだいです。
ではまず中止にしたいという意見を伺いたいと。
(母)私たち保護者の多くが園長先生のお考えやお人柄を慕ってこの園に集まったのは事実です。
でも今のご時世O157や破傷風。
安全性もねぇ。
(母)それに泥のついた服や下着を洗うのももう大変で。
(母)最近は働く親への負担を減らそうと芋掘りだって運動靴の上にコンビニ袋を履かせるのが常識ですよ。
(母)なのに。
ねえ?
(母)私は医師です。
睡眠時間も削って働いている中負担を増やされては保育園に通わせる意味がないじゃないですか。
確かに。
(母)だいたい泥まみれになるなんて今の時代野蛮です。
(母)UVケアも大変だし。
(母)そもそも泥遊びなんて貧しい時代にすることでしょ?
(母)昭和とか。
(母)戦前?
(母たちの笑い声)
(児童)《貧乏くせえ!》
(児童)《汚い!》
(児童たち)《貧乏!貧乏!》
(母)そんなことに時間を費やすならリトミックや英会話教室でもやったらどうでしょう?
(うらら)それは予算も必要ですし。
(母)保育園なので所得に差はありますが教材費くらいみんな用意できると思いますよ。
(うらら)分かりました。
では逆に泥んこ中止に反対のご意見は?反対!反対!
(せきばらい)泥んこ遊びは親の所得に関係なく誰でもできる平等な遊びです。
幼いころに分け隔てなくそういう遊びを教えることこそ情操教育に必要かと。
何よりも子供たちが土の匂いや感触を肌で確かめ思いっ切り伸び伸びと遊びきることが大事だと思うんです。
(母)でも泥を落とすのは大変だし。
だったら週1じゃなくて年に一度でも。
週1でも足りないと思う!週1でも足りないくらいです!泥を落とすのもコツを覚えれば簡単です。
こう汚れにこうせっけんを擦り込んでお湯につけて。
乾いたら泥をたたいて。
(草太・若葉)水で揺すり落とす。
(母)それで簡単って。
(母たち)ねえ?
(母)ないわ。
大変じゃない。
(うらら)では多数決を採りたいと思います。
中止に反対の方。
賛成の方。
園長。
(園長)最近泥への安全性が問われているのは事実です。
しかし三葉の森では園庭の土を毎年食環境衛生研究所で検査をしております。
それを承知の上でこれだけ反対者がいるなら残念ながら強制することはできません。
(母たち)ハァー。
よかったわね。
うん助かる。
(うらら)ということでことしの泥んこ開きは中止ということで決定させていただきます。
これ。
先生があなたにって。
はい。
ハァー。
それくらい自分でできます。
ふーん。
過保護な親が多い中あなたはしっかり者ね。
・若葉さん。
あの。
泥遊びみんな子供たちも楽しみにしてるし他の役員さんたち一緒に説得しに行きませんか?多数決で決まったことを覆すつもりはありません。
(ビー太郎)行こう。
それが民主主義制度ですから。
いや。
でもまだ話し合う余地があると思うんですよ。
私はあなたと共同歩調を取るつもりはないし。
だいたいなぜ私のまねばかりするんですか?それはたまたま意見が合っただけでしょ。
まさかあの皮膚と皮膚の接触で好かれているとでも?思ってません!言っときますけど私はあなたにこれっぽっちの興味も関心もありませんので。
俺だってあんたに何の興味もありませんよ。
それはまた意見が合って何よりですね。
(ビー太郎)またケンカしてるぞ。
(日向)ケンカするほど何とかって言うのよ。
ビー太郎帰るぞ。
(ビー太郎)はい。
日向さん帰りますよ。
(日向)はい。
はい。
ついてこないでください。
そっちこそついてこないでください。
付きまとわれて迷惑なんです。
付きまとってなんかいません。
あなたがいると私の調子が狂うんです。
俺だって狂いまくりですよ!
(チャボ)やっぱり中止でございますか。
ええ。
反対したのは俺と若葉さんだけで。
(佐間男)えっ?あの女が?
(西野)真っ先に中止に手挙げそうなのになぁ。
(チャボ)草太君。
何か気が合ってない?合ってませんよ!
(佐間男)何むきになって…。
あれ?まさか!
(チャボ・西野)あーっ!いや違う。
だから。
だから。
だからみんなで他の役員さん説得しませんか?だって泥んこ保育は園長先生がずっと力入れてきたもんだし。
(3人)うーん。
(佐間男)しかし泥落とすのやっぱ大変だしな。
(西野)あと役員のママさんたち。
あれ逆らったら怖ぇんだもん。
(チャボ)いやー。
平和主義。
平和主義でいきましょう。
そういえばうらら先生すげえ悲しそうな顔してたな。
(3人)えっ!?
(チャボ)うーん。
そうと聞いては。
(西野)うらら先生を泣かせるわけには。
(佐間男)よし。
うらら先生のために一肌脱ごう。
(チャボ・西野・佐間男)よっしゃ!脱ごう脱ごう!
(チャボ)乾杯だ乾杯。
乾杯しよう。
(チャボ・西野・佐間男)乾杯!頑張るからなビー太郎。
泥んこ開き楽しみにしてたもんな。
(ビー太郎)みんなもやる気満々だぞ!ハハッ。
だよな。
俺たちだけで説得できるか分かんないけど。
(ビー太郎)若葉は?うん?あっ。
あの人はもうどうでもいいみたいだからさ。
俺の…。
告白しろよ。
えっ?好きなんだろ?ハハッ。
んなわけないって言ってんだろ。
俺はお前がちゃーんと大人になるまで誰も好きになんないって決めてるし。
いいぞ。
えっ?おいらは。
ハッ。
バカ言ってんなよ。
仮に。
仮にだよ。
もし本気で好きになったらお前の許可なんか取んないでがつがついくよ。
がつがつ。
おい。
聞いてんのか?ビー太郎。
ビー太郎?フッ。
よいしょ。
はいおやすみ。
(そよ子)あれ?戻ってきたんですか?仕事をして雑念を振り払いたいの。
(そよ子)臨時役員会って何かあったんですか?あなたに関係が?
(そよ子)草太さんも役員だって聞いてたんで。
さすが詳しいのね。
(そよ子)えっ?ちょっ。
何もめてるんですか?教えてください。
もう。
後にしてください。
今は仕事中です。
だいたいあのダンゴムシの何がいいのか。
ダンゴムシ!?単細胞で戦うすべを知らず丸まって身を守ることしかできない。
ああいう人間は踏みつぶされて終わるだけなの。
ずいぶん意識してるんだな。
誰があんな。
ダンゴムシ?私の目標は一流のビジネスロイヤーになることです。
冗談を言う前に仕事を下さい。
(響一)じゃあ…。
(実夏)おっと。
このトラブル処理してくれないかな?桜川先生には言っておくから。
(実夏)ブライトンのスポーツ部門が特許を取ったインラインスケートで子供がケガをしたの。
(佐古田)その特許がクロスライセンス契約のうちの一つに入っててね今訴えられたらダメージだわなぁ。
(響一)まったく。
こんな面倒に関わってる暇ないっていうのに。
あしたの朝その親子と面会し解決してみせます。
朝から何の用ですか?あっ。
昨日はむきになっちゃってすいません。
で?いや。
やっぱり一緒に説得しませんか?あした日曜だし。
定休日なんで。
あっ。
ああその。
気があるとか勘違いしてるとかじゃなくて。
味方は若葉さんだけなんで。
役員を説得する策でもあるんですか?あっいや。
特にないんですけど。
では時間の無駄ですね。
(通話の切れる音)
(児童)ママ。
ひもやって。
(母)はいはい。
ママがやってあげましょうね。
アンドゥトロワ。
はい。
できました。
はい行こう。
お子さまのおケガの件ですが。
(母)はい。
こちらの金額で示談にしていただけないでしょうか?
(母)失礼な!では。
こちらでは?
(母)いいかげんにしてください。
私の夫は教育委員会の委員で。
金額交渉には応じないということですね?当然です。
マニュアルどおりプロテクターを着けていたのにケガをするような遊具は子供の使用を禁止させる…。
プロテクター。
あっなるほど。
先ほどお母さまはお子さまが靴ひもを結び直すのを手伝っていましたが。
事故が起きたとき誰がインラインスケートの靴ひもを?どうぞ。
(実夏)5分もたたずに退散って。
(響一)九条先生と僕でてこずったのにどうやって?子供の靴ひもを母親が結んでいるところを見たんです。
それが?インラインスケートの靴ひもを子供が自分で結んでケガをしたんじゃないかと考えたんです。
案の定ひもが緩んだまま走ったと子供が答えました。
母親には商品の安全性を問う前にまず子供が自分で靴ひもを結べるように教育するべきじゃないですかと言ってやりました。
(佐古田)いやいや。
目ざといなぁ。
これは意外に。
あっ。
ありがとうございます。
日向さんが5歳で靴ひもを結べていたのでそこに目がいきました。
(昇子)少しは弁護士らしいこともできるのね。
チャンスを頂ければもっとお役に立てるかと。
チャンスは与えられるものじゃない。
自分でつかむものよ。
獲物を捕らえるタカのようにね。
タカ。
のし上がる人間とはそういうものよ。
何ぼやっとしてんの?問題は取り除かれた。
今日中に契約書類まとめなさい!あっあの。
先生もそうやって…。
面白い女ってだけじゃなく使える女かもな。
(実夏)私はそうじゃないと?
(響一)嫉妬はみっともないぞ。
(実夏)どうせまた使い捨てでしょ。
(響一)助かったよ。
何かお礼するよ。
あっ。
食事はごちそうになったので。
じゃあ僕の家にでもどう?家?
(響一)うちだけにしかないワインがあるんだ。
あしたどう?あしたですか。
他に約束でも?
(佐古田)めったにお目にかかれない豪邸だぞ。
豪邸といえばねインドの石油王が去年1,000億円を超える家を…。
もちろんお伺いします。
バカバカしい。
ハァー。
あっ。
あっ。
消えろダンゴムシ!ああ。
あしたの準備。
お呼ばれ用の服。
《スーツしかない》あっ。
そよ子さん?ちょっとお借りしたいものがあるんだけど。
役員のお宅を訪問するとなると。
(ビー太郎)お父!うん?フフッ。
遊んでよ。
やっぱちゃんとしないとまずいよなぁ。
っていってもね。
お前何だよ?もう痛い。
助かった。
これでいっか。
よし。
よいしょ。
(佐間男)うーん。
(3人)せーの。
ああっ!
(西野・チャボ)よっしゃ!俺が居残り組。
じゃあ子供たちお願いしますね。
(西野)先輩の分までこの西野体張ってきます!
(チャボ)代わってあげたいけどくじで公平に決めたしね!ハハハ!
(佐間男)うらら先生のためにどうしても行きたかったんだが。
うん。
頑張ってこい!若葉は来ないのか?えっ?ああ。
いや。
時間の無駄だって言われちゃったし。
うん。
まあ来るわけ…。
・
(ドアの開く音)そよ子さん。
こんにちは。
(チャボ)おいおいおいおい。
えっ?今日何か?
(そよ子)あっあの。
これ泥んこ保育の意義と実施保育園の成果をコピーしたものです。
事務所の図書館で調べて。
えっ?どうしてそれを?鮎川先生に今日のこと聞いたんです。
役員さんたちを説得するにはちゃんとしたデータがあった方がいいと思って。
これでも一応法律事務所の秘書なので。
(3人)おおー!あっ。
あっいや。
でもそよ子さんにそんな。
何でもいいのでお役に立ちたくて。
いや。
そう言われても。
(佐間男)奥ゆかしい。
これですよこれ。
大和なでしこ。
(そよ子)ああいや。
ほらあの。
料理教わってますしそのお礼です。
お礼。
あっ。
あっああ。
じゃあそういうことなら。
あっ。
お宅訪問もお手伝いします。
女性がいる方がご近所さんに不審に思われないし相手も気を許しやすいと思いますよ?あっ。
(佐間男)まさにそのとおり。
そよ子ちゃんありがとう。
(チャボ)ぜひ!ぜひともよろしくお願いいたします。
(西野)自分からもよろしくお願いします。
(ビー太郎)ライバル出現か。
汚いとか安全がと言われますが無菌状態で子供を育てることが必ずしも子供のためにはならないと思うんです。
泥んこになって体ごとぶつかり合って遊ぶことによって心も体も鍛えられていくんじゃないかと。
(母)でももう決まったことああだこうだ言われてもね。
(西野)あの。
これ泥んこの署名なんすよ。
ここ名前書いて…。
(母)うちは結構ですから。
(西野)いやいや。
結構とか…。
(チャボ)お願いしますこれ。
もう一度考え直していただけないでしょうか?
(母)今忙しいのでお引き取りください。
お願いします。
(母)失礼します。
草太さん。
次行きましょう。
はい。
(響一)素直に来たんだ。
安売りしないはずじゃ?今日は私の格付けに誤りがないか確認しに来ただけです。
じゃあ査定よろしく。
これは?ああ。
馬主なんだ親父がね。
イギリスのアスコット競馬場でも走ったことがある馬だよ。
《アスコット競馬場!?》母親が音楽家でね今日もコンサートで。
僕もこれでジュリアードに行こうか迷ったことがあってさ。
《ジュリアード!》これはわが家だけの特別なワインなんだ。
フランスにワイナリーを持っててね。
《ワイナリー!》どうぞ。
いえ。
お酒は結構です。
そっか。
じゃあ香りだけでも。
ボルドーの豊かな香りが広がるよ。
あっ。
では少しだけ。
ハァー。
もう新堂先生最高です。
もうAaaどころかAaa+確定ですよ。
ウフフフ。
あれ?私もう酔っぱらっちゃってます?ウフフフ。
(そよ子)署名だいぶ集まりましたね。
うん。
でもこういうことは全員に賛同してもらえないと。
(そよ子)分かりました。
じゃあ私ももう一度。
いや。
後は俺が。
これ以上付き合わせるのはちょっと。
いえ!付き合います!だって私草太さんとお付き合いしたいんです!いや。
でももうこんな時間ですし。
靴擦れもしてるじゃないですか。
無理しないでください。
はい。
そうじゃなくてあの。
お付き合い。
じゃあここで。
ありがとうございました。
(響一)大丈夫?まさかあんなにお酒に弱いとはね。
ハァー。
すいません失態を。
いや。
本当に楽しかったよ。
今度また。
えーっと。
家はこの辺かな?番地は?どんなマンション?ああー。
えっと。
あっ。
あっ。
あそこで。
あそこで止めてください。
ここで大丈夫です。
家の前まで送ってくよ。
あっ。
大丈夫です。
家の前の道はすっごい細いですし一通なんで。
じゃあ車ここに止めて送るよ。
いえ。
コンビニにも寄るし。
あの。
ここで。
ここで結構です。
あの。
酔いもさめましたし。
ありがとうございました。
あっ。
どうしてあなたがここに?あっあの。
泥んこ保育の賛同者の署名集めてたんです。
チャボさんたちやそよ子さんも協力してくれて。
そよ子さんが?若葉さんから聞いたって資料持ってきてくれて。
彼女のおかげで3分の2の署名が集まりました。
よかったですね。
私なんかよりもよっぽど心強い味方がいて。
いや。
彼女はそういうんじゃなくて。
あっ。
こちら弁護士の新堂先生です。
あっ。
山田草太です。
すいませんお邪魔して。
こちらこそお邪魔なようなので今日のところはここで失礼するよ。
ありがとうございました。
あんな豪邸にお邪魔させていただいて本当に楽しかったです。
(響一)じゃあまた。
はい。
でご用件は?あの。
やっぱり力を借りたいなって。
そよ子さんのおかげでじゅうぶん集まったんじゃないんですか?いや。
俺はみんなに参加してもらいたいんで。
あの。
でも残りは駄目でした。
強行に反対してた人たちには門前払いされて。
ああ。
あの医師とかいかにもお金に余裕のありそうな。
若葉さんが話してくれた方が説得力があるんじゃないかって。
俺が話すより若葉さんの方が…。
お断りです。
待ってください。
若葉さんも泥んこ保育に賛成なんですよね?前にも言いましたが多数決で採決したことを覆す気はありません。
あなたこそどうしてそこまで泥んこ保育にこだわるんですか?あ…。
ビー太郎がそれで強くなったからです。
ビー太郎君が?あいつ前はすげえ泣き虫でちょっと転んだだけでもびーびーびーびー泣くような子供だったんです。
それでビー太郎ってあだ名が付いて。
本名じゃ?本名は笑太郎です。
あいつの母親が出てったとき。
ああ。
男と出ていった。
俺たちが離婚したときビー太郎はそうは言わないんですけど幼いながら母親の足手まといになりたくないって思ったようで。
それで俺と残ることを決めたんです。
そんときあいつ泣かなかった。
その強さは泥んこ保育のおかげなんです。
泥だらけになって何度も転んでまた立ち上がって試行錯誤して。
そうやっていろんなこと乗り越えて強くなったから。
(男性)《お前もうこれ期限過ぎとるやろうが?》
(久男)《すいません!》
(男性)《なあ?》《見たら分かるやろ?お前。
アホんだら》
(若葉)《お山。
お山。
山!》《大きくなぁれ大きくなぁれ》
(児童)《またあいつ泥んこ遊びしてんのかよ》
(児童)《貧乏くせえ!》
(児童)《汚ぇ》
(若葉)《あっ!?よいしょ。
よいしょ》
(児童)《泥んこなんかバッカじゃねえの?》《やめれって!》
(児童)《うるせえ!黙れ!》
(児童)《うわっ。
汚ぇ。
》
(児童)《くっさー》《あっ!やったー!よし!》泥まみれになって人は強くなるかもしれません。
でも私には関係ないことです。
ブライトン・ホールディングスのクロスライセンス契約締結したと本国から連絡があったわ。
(響一)やりましたね。
(昇子)当然よ。
それと秘書に聞いたんだけど。
私のアシスタントにやけに接近してるそうじゃない。
何が狙い?狙いなんてないですよ。
少しは信用してください。
私の弱みを握ろうとする人間が多いんでね。
《あっ!よし!》
(チャボジュニア)えー!何でないの?
(西野ジュニア)泥んこ遊びしたい!ごめんね。
あっ。
代わりにボール投げしよっか。
(園児たち)やだ!泥んこ!すいません。
ホントは今日が泥んこ開きだったのに。
全員の賛同得られませんでした。
(園長)草太が走り回ってくれたことは西野からも聞いた。
まあこれも時代だ時代。
ありがとう。
・
(日向)おはようビー太郎君。
(ビー太郎)おはよう。
お取り込み中失礼します。
あっ若葉さん。
これを届けに来ました。
残り3分の1の署名です。
どうして?交渉は私の本業ですから。
そうじゃなくてあんなに嫌がってたのにどうして?もちろんそれは桜川先生が賛成票入れたのでそれを白紙に戻すことはできないからです。
いや。
だとしてもうれしいです。
ありがとう。
おいみんな!着替えろ!泥んこ開きだぞ!
(園児たち)わーい!よーし!始め!
(園児たちの歓声)
(園児)えい!
(園児たち)やったな。
(園児)これでも食らえ!えい!
(日向)ウフフ。
(うらら)カワイイ。
(園児)虹虹。
(園児)先生。
虹。
言い忘れましたがあなたに協力したわけではありませんから。
(ビー太郎)フフッ。
アハハ。
ハハハハ。
ハハハハ!こら!ビー太郎!お前何やってんだよ?すいません。
今タオルぬらしてきます。
よくも私の一張羅に。
うわっ!危ない!あっ。
いやその。
うわっ。
おい。
やめろ…。
おい。
お前らまだ若葉さん仕事あんだから!おい!あっ。
ちょっと!こいつ。
だから駄目ですって。
もう駄目ですって。
(ビー太郎)えい!アハハ!もう!もう駄目ですってこれ以上。
ありがとうございました。
よいしょ。
(ビー太郎)お父。
お礼して告白したか?はっ?告白なんかするわけ…。
フッ。
何だよ寝ぼけてんなよ。
ほら。
みんなと一緒に寝てろ。
はい。
よいしょ。
今日はないっぱい遊びきったかんな。
(ビー太郎)うん。
今度は何のご用でしょう?署名の件ちゃんとお礼言ってなかったんで。
お礼の言葉なんていりません。
形のないお礼はお礼とは言いません。
いや。
でもありがとうございました。
ハァー。
あっ。
それとあの。
あとビー太郎のせいであんな。
すいませんでした。
それだけですか?あっいや。
はい。
あっ。
あの。
それとあの。
失礼します。
(通話の切れる音)形あるお礼か。
だよな。
(3人)あれ?あれ?うわっ。
いい匂いだな。
うわっ!うまそう!これもらっていいの?あっ。
いや。
あっ。
今ビール出します。
ビール。
(チャボ)えっ?今日俺のおごりで。
(3人)おーい!何だ?それ。
どうした?いやいやいやいや。
飲みましょう。
飲んでください飲んでください。
(チャボ)飲もう飲もう。
いやー。
盛り上がったんだって?泥開き。
あいつらそれこそ泥のように寝てますからね。
(チャボ)うらら先生の喜んだ顔見たかったなぁ。
うらら先生。
いや。
でもホント皆さんのおかげです。
(佐間男)でもやれてホントよかったよ。
(チャボ)あの寝顔見たらなぁ。
(西野)だから子育てはやめらんないっすよ。
(佐間男)草ちゃん。
何?そのタッパー。
あっいや。
うん。
別に。
(チャボ)その料理誰かに持ってくの?いや。
まあ帰りにちょっと。
(3人)誰に?
(佐間男)あっ!もしやうらら先生!?
(チャボ)抜け駆けか!?ち…違いますって。
泥開きを手助けしてうらら先生とお近づきに!
(チャボ・西野)くうー!違いますよ!若葉さんにですよ。
はい?いや。
泥開きができたの若葉さんのおかげなんで。
そのお礼に料理持っていこっかなって。
はあ?
(チャボ)待て。
よく考えよう。
ねっ?あの女が協力してくれたとしたらそれは何か打算があったからだよ。
違うかい?確かにその桜川先生が賛成したからどうとか。
それでしょう!ほら。
見たことか。
どうしてお前はそう。
忘れたのか?あのDVの看護師。
(チャボ・西野)うん。
そう。
(佐間男)ヒモ付きだったケーキ屋。
(西野)おう。
(佐間男)あれ?
(西野)えっ?
(佐間男)何黙ってんの?いや。
やっぱり届けてきます。
(3人)えーっ!?だからみんな飲んでてください。
あの。
届けたらホントすぐ帰ってくるんで。
だからあの。
子供たちのことお願いしますね。
(3人)草ちゃん駄目!草ちゃん行っちゃ駄目だ!おい!草ちゃん!若葉さん?お待たせしました。
何か問題でも?
(響一)はい。
はい?付き合わない?真剣に。
その付き合いというのはまさか。
告白ってやつだね。
僕の夢は『Forbes』の長者番付に載る弁護士になることでね。
《私も》プライベートジェットで世界を股に掛け。
《私も》住まいはもちろんニューヨークを一望する高級ペントハウス。
《私も》その生涯のパートナーを探してる。
《私も》それが君でいてほしい。
《えっ?いきなり!?》《でもこの人は。
この人こそ》《Aaa。
私の生涯のパートナー》《そう。
これであの忌まわしいキスの記憶も消せる》2014/10/22(水) 15:53〜16:48
関西テレビ1
全開ガール #03[再][字]
“キス”をしたことを認めてから、お互いを意識しあうようになった若葉と草太の二人。そんな二人に恋のライバルも出現!果たして泥んこ遊びで二人の恋は発展するのか!?
詳細情報
番組内容
鮎川若葉(新垣結衣)は、依然、山田草太(錦戸亮)とのキスの記憶にとらわれていた。
一方の草太は、若葉に突き飛ばされ鼻にケガを負い、絆創膏を貼り保育園にやってきた。それを見た林佐間男(荒川良々)らは若葉を訴えろ、などと騒ぎはじめるが、若葉は、刑法上、過失による暴行は処罰規定がない、と動じない。
そんな折、若葉は大手商社で打ち合わせ中の桜川昇子(薬師丸ひろ子)に書類を届けることに。昇子は、外国人CEO
番組内容2
と談笑しながら、桁違いに大きな交渉をしていた。それを見た若葉は、これが自分が目指す世界だと、目を輝かす。と、昇子から、保育園の保護者役員会への代理出席を命じられる。
役員会に出席した若葉は、花村うらら(皆藤愛子)から、この日の議題が「泥んこ遊び」の是非を問うものだと聞く。保育園では、園長の花村仁(竹内力)が「泥んこ遊び」を提唱してきたが、近年保護者から中止を求める声が相次いでいた。集まった役員から
番組内容3
も、中止に賛同する声が聞かれ、反対したのは若葉と草太だけだった。
結果に納得がいかない草太は、若葉に一緒に役員たちを説得して回ろう、と声をかけるが、若葉はそれを拒否する。
そんな中、新堂響一(平山浩行)は、若葉にあるトラブル処理を任せた。例の大手商社が特許を取った商品でケガをした子供の親が怒っているのを収めろ、というのだ。それを承知した若葉は、事務所に来た母親に示談金を提示するという荒技に出た。
出演者
鮎川若葉: 新垣結衣
山田草太: 錦戸亮
○
新堂響一: 平山浩行
汐田そよ子: 蓮佛美沙子
西野健太郎: 鈴木亮平
花村うらら: 皆藤愛子
○
花村仁: 竹内力
○
モーリス佐古田: 佐藤二朗
鶏井宏: 皆川猿時
九条実夏: 青山倫子
林佐間男: 荒川良々
○
桜川昇子: 薬師丸ひろ子
原作・脚本
【脚本】
吉田智子(『美女か野獣』『働きマン』『黄金の豚』ほか)
監督・演出
【演出】
武内英樹(『神様、もう少しだけ』『カバチタレ』『電車男』『のだめカンタービレ』ほか)
音楽
Face2fAKE
【主題歌】
Every Little Thing
【エンディング】
関ジャニ∞
制作
フジテレビドラマ制作センター
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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