(テーマ音楽)
(江守徹)南フランスローヌ川のほとりに開けたアビニョン。
ここが今から700年前キリスト教徒にとって世界の中心となりました。
歌に歌われたサン・ベネゼ橋。
度重なる洪水によって大半が失われてしまいましたが中世の時代はローヌ川を渡る交通の要衝でした。
その時代大勢のキリスト教徒がこの橋を渡ってアビニョンに向かったといいます。
小高い丘の上に町を見下ろすように建てられたノートル・ダム大聖堂。
聖堂の奥に置かれているのは教皇の椅子です。
実は14世紀カトリックの世界に君臨する教皇がここアビニョンに囚われていたのです。
時の教皇クレメンス5世はフランス国王によってローマからアビニョンに移住させられました。
勢力を増していたフランスが教会の権威を利用しヨーロッパの主導権を握ろうとした世にいう…。
大聖堂の隣にある巨大な建物は教皇の暮らしていた宮殿です。
教皇を守るためおよそ50mもある高い城壁が四方を囲んでいます。
城壁の上には監視塔や石落としが造られました。
壁のくぼみは熱湯を流して敵を撃退する仕組みでした。
宮殿は「世界で最も強固な住まい」と呼ばれました。
1万5,000の広大な宮殿には大礼拝堂枢機卿や騎士団の部屋そして裁判所や税務署などがありました。
ここは台所。
毎日宮殿で働く300人分の料理が作られました。
天井はすすで黒くなっています。
壁や床全体には花や鳥の自然をテーマにした絵が描かれています。
鹿の間と呼ばれる部屋には生き生きとした狩りの様子のフレスコ画が残されています。
教皇と共に移住してきた芸術家たちは自然を題材にした新しい絵画を描いたのです。
当時のアビニョンは大いに栄え町の人は気に5倍の3万人にも膨れ上がりました。
やがて教皇はフランスの支配を逃れ本拠地ローマへ戻ることを望み始めます。
70年後グレゴリウス11世はローマのバチカンへと帰還を果たします。
教皇の去った町は再びのどかな南フランスの地方都市へと姿を戻していったのです。
2014/10/22(水) 04:15〜04:20
NHK総合1・神戸
シリーズ世界遺産100「アビニョン歴史地区〜フランス〜」[字]
囚(とらわ)れし教皇 ▽文化遺産 【語り】江守徹 【テーマ音楽】久石譲
詳細情報
番組内容
囚(とらわ)れし教皇 ▽文化遺産 【語り】江守徹 【テーマ音楽】久石譲
出演者
【語り】江守徹
音楽
【テーマ音楽】久石譲
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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