報道ステーション 2014.10.21

当番組は同時入力の為、誤字脱字が発生する場合があります。
≫こんばんは。
まず、はじめのニュースはエボラ出血熱について2つのことを、お伝えします。
今、後ろに映っているのはリベリアが映っておりますが西アフリカの。
アフリカのナイジェリアに関してまず1つ目。
それは、今日、終息宣言がナイジェリア、出ました。
潜伏期間の倍の42日間一切、感染者がこのところ出なかったということを根拠にしております。
初動が非常にナイジェリアよかったということ。
その辺の背景というものを、まず伝える。
そして、もう1つがこのリベリア。
リベリアのほうは本当に好対照です。
もう死者だけで2400人を超えております。
本当にエボラの最前線の状況になっているわけですが。
このリベリアの救急隊員に密着取材をしたのがニューヨーク・タイムズの記者です。
ニューヨーク・タイムズの記者は一体何を見たんでしょうか。
≫西アフリカのナイジェリアではエボラ出血熱の終息宣言が出た。
≫だが、最も多くの感染者を抱えるリベリアでは悲惨な状況が続く。
≫防護服に身を包む職員から靴の裏の消毒を受ける1人の男性。
ニューヨーク・タイムズのベン・ソロモン記者だ。
エボラが猛威を振るうリベリアでソロモン記者は先月から今月にかけ救急隊員に密着取材した。
≫現場に着くと、そこには路上に放置された遺体が。
≫カマラさんはこの日最後の患者を医療センターへと搬送した。
だが、ベッドはすべて埋まっていた。
≫受け入れを拒否されたため患者を家に連れ戻さなければならない。
≫家に連れ戻された17歳の少女は翌日、死亡した。
ニューヨーク・タイムズが取材したこのリベリアでの感染者は4000人を超え、死亡者は2500人に上ろうとしている。
西アフリカで猛威を振るうエボラ出血熱。
ナイジェリアもその感染国の1つだ。
アフリカで最大の人口を抱えるこの国では毎日のように街中で消毒が行われ検疫所も設けられている。
≫だが、この地でのエボラ熱の脅威は20日、ひと区切りした。
WHO・世界保健機関がナイジェリアでの感染拡大が終息したと発表したのだ。
ナイジェリアはこれまでに20人が発症しうち8人が死亡している。
エボラウイルスの潜伏期間は最長で3週間。
その2倍にあたる、42日間新しい患者が出ていないことから今回の終息宣言に至った。
先月まで、リベリアでエボラ熱の治療に当たっていた医師はナイジェリアの対応を初動の成果とする。
≫ナイジェリアで最初に感染者が確認されたのは7月下旬のこと。
空港でエボラ熱に感染したリベリア人男性が倒れその後死亡し男性の治療に当たった医師らに感染が広がった。
先進国よりも強権的な手法が取りやすかったのか。
ナイジェリア政府は死亡した患者に接触した人たちを追跡。
その数は900人に上るという。
新たな感染者が確認されると隔離し、治療してきた。
また、手洗いの徹底や教会での聖水回し飲みの自粛などさまざまな対策を打っている。
≫だが、これはエボラ熱との戦いで局地戦を1つ制したに過ぎない。
依然、アフリカ以外での二次感染拡大のリスクは高いままだ。
≫エボラ熱患者の治療に当たった2人の女性看護師への二次感染が相次いだアメリカ。
CDC・アメリカ疾病対策センターは新たなガイドラインを発表した。
医師や看護師に肌が露出しないタイプの防護服着用を求める。
これまでは首や頭の一部が露出する防護服も使用していたがその指針を一部改定した。
≫ある研究論文によるとギニア、リベリアシエラレオネの3国からエボラ熱感染者が毎月最大3人外国行きの航空機に乗る可能性があるという。
急がれる感染拡大対策。
日本はどうか。
厚生労働省は今日ギニア、リベリアシエラレオネの3か国に滞在したすべての人に対し帰国した日から3週間健康状態を検疫所へ報告することを義務付けた。
≫水際対策を続ける各国。
専門家は封じ込めこそが重要だと指摘する。
≫実際に行かれて病気の治療に当たった先生がいることは重くてですね。
今日のVTRを見ても本当にリベリアの方々お気の毒だなと思いますしアメリカも例えばアメリカ政府、それから疾病対策センター・CDC。
WHOも含めまして非常に初動が遅い。
そういうことが全部重なってきてアメリカの問題もありそして日本はといえば今後のことを考えたらピシッと強くやっていかないと本当に出てからじゃ遅いと。
さまざまな対策が望まれるわけですよね。
≫初動が大事ということでVTRにもありましたけどこれはナイジェリアの教訓だと思います。
これはとても重要なことだと思うんですよね。
エボラ出血熱、潜伏期間が3週間と長い病気ですから空港などの水際だけで食い止めることはできないわけですよね。
感染の疑いを早くつかむために厚生労働省が3週間にわたってリベリアなどに入国した人を体調を報告することを義務付けるということは意味があることだと思います。
同時にやっぱり大事なのは感染の疑いが起きたときに具体的にどういうふうに対応するのか、きっちり想定して訓練とか検証をしておくことだと思います。
アメリカでは感染者が病院で一般の患者さんと長い時間一緒に過ごして二次感染が心配されましたし看護師さんは首が露出した防護服で治療に当たって二次感染をしたわけですよね。
こうしたアメリカの教訓を生かすためにも日本で感染が疑われることが起きた場合にはやはり一般の病院には行かない行かせない。
そして、全国に45ある指定の医療機関に直ちに運んでそこで十分な防護態勢をした治療を受けるということが大事だと思います。
≫一般の待合室とかにいるということが感染拡大になってしまうわけですから今、おっしゃるようなルートをたどっていかないといけないことになりますもんね。
もし万が一そうなったら。
≫そう思います。
≫それでは次このニュースです。
≫絵のモデルになってくれないかと話しかけたということです。
神戸市長田区で小学1年生の女の子が殺害された事件ですが黙秘を続けてきた容疑者の男が一転、供述を始めました。
≫これまで一貫して黙秘を貫いてきた君野康弘容疑者。
神戸市長田区の小学1年生生田美玲ちゃんを殺害し遺棄した疑いが持たれている。
経緯を振り返る。
先月24日、君野容疑者は逮捕された。
このときは美玲ちゃんの死体遺棄容疑で君野容疑者は黙秘しますと話し事件について何も語ろうとはしなかった。
そして、今月14日。
殺人容疑で再逮捕されてからも黙秘の状況が続いていた。
しかし…。
≫君野容疑者はこれまで黙秘を続けてきましたが昨日の夜になって弁護士の問いかけに対し容疑を認めたということです。
≫ついに事件当日の出来事を語り始めた君野容疑者。
≫自宅から数百メートルほど離れたこちらの銭湯の近くで君野容疑者は美玲ちゃんと出会い声をかけたということです。
≫これは、あくまでも君野容疑者の説明によるものだが美玲ちゃんの行方がわからなくなった先月11日絵のモデルにならないかと言って美玲ちゃんを自宅に誘ったという。
≫美玲ちゃんの母親は代理人の弁護士を通じコメントを出した。
≫続いて、夜になって入ってきたニュースなんですが大阪・泉南地区で起こされた泉南アスベスト訴訟で最高裁が初めて国の責任を認めたことを受けて塩崎厚生労働大臣は原告団と直接、面会して謝罪するとともに和解に応じる考えを明らかにしました。
≫大阪・泉南地域のアスベストを扱う工場の元従業員らは肺がんなど健康被害を受けたとして国に対し訴訟を起こしていました。
今月9日に最高裁判所が初めて国の責任を認める判決を出したことを受けて今日、塩崎大臣は会見を開きまして近く原告団と直接、面会して謝罪するとともに判決に沿った和解に応じる考えを示しました。
大阪高裁に差し戻された一部の訴訟の原告についても和解を申し入れ早期に全面解決するとしています。
また、訴訟を起こしていない同様の被害者についても裁判を起こしてもらったうえで和解し賠償金を支払う方針です。
≫今回、原告82人ということのようですが当然、今、出ましたように知らずに働いていて病気になった。
さまざまなケースがあるわけで悩んでらっしゃる方苦しんでらっしゃる方。
そこに向けて1つ今日こういうことが出たというのは朗報であり、今後の可能性も見えてくるといっていいのかもしれません。
さて、次のニュースですが今日の会見の中での話として上川新法務大臣死刑制度について記者が今後どういう方針か聞いている。
それから、新経産大臣宮沢経産大臣には原発の再稼働についての考え方を聞いている。
政治関連でいいますと今日も朝から晩までずっとテレビでやっておりますが小渕さんのワインについてもこの番組でも触れます。
≫大臣を辞任した小渕氏と松島氏の後任となる宮沢洋一経済産業大臣と上川陽子法務大臣が今日、正式に就任した。
宮沢氏は大蔵省出身の財政再建派として知られ安倍総理や経産省が推進する法人税の税率引き下げには慎重な立場だった。
今回、経産大臣に任命され安倍総理の方針に従う考えを伝えた。
≫また、原発についてはこれまでの政府の方針どおり原子力規制委員会の基準をクリアすれば再稼働を進めるとした。
≫第1次安倍政権では少子化担当大臣を務め今回は新たに法務大臣に就任した上川氏。
死刑制度については…。
≫小渕前大臣の写真入りワイン。
≫選挙区外に。
だが、その言葉は覆った。
この男性は、群馬5区小渕氏の選挙区に住む有権者の男性だ。
≫ワインを持参したのは小渕氏の秘書で代わりに来ましたと話したという。
公職選挙法に抵触する可能性は十分ある。
ラベルに小渕氏の写真がプリントされた赤ワインと白ワイン。
小渕氏の名刺も一緒に渡されていた。
昨日、ワインを持参したという秘書の男性に取材したときの回答。
≫そして今日改めて聞いたところ…。
≫小渕前大臣の政治資金収支報告書ではまだまだ不明な点が存在する。
会見でも自ら話した明治座での観劇会の収支。
≫だが、2010年の収入は372万8000円。
2011年は369万3000円としか記入されていない。
1万2000円の会費が参加者すべてから徴収されていたとするならば差額の1000万円単位の会費はどこにいったのか。
野党は国会での説明責任があるとして今後も追及する構えだ。
≫次ですね、香港で対話の動き。
≫おそろいの黒いTシャツを着た学生側と対峙するのは香港政府の代表です。
ようやくこういう形になりました。
学生側は香港のトップを決める選挙制度をめぐって抗議活動をずっと続けてきましたけれどもようやく今夜初めて学生側と政府側の対話が実現しました。
≫香港中心部での道路占拠から24日。
ようやく両者がテーブルについた。
≫抗議行動があったから今日の対話が実現したという学生側。
彼らが反発しているのは香港のトップである行政長官を選ぶ選挙制度についてだ。
中国は香港の18歳以上の住民に選挙権を与える一方立候補できるのは中国の息のかかった指名委員会が選んだ人に制限するとした。
これでは、民主派の立候補は事実上不可能だとして学生らは抗議行動を繰り広げていた。
今夜の対話の模様はテレビで生中継され学生らが占拠している地域では時折、歓声やブーイングが上がっていた。
≫今日の対話で何か合意ができたわけではない。
事態は今後どう推移するのか。
≫香港政府に中国側の決定を覆す権限はありません。
このため、対話を続けていく姿勢を示す以外に打つ手がないのが現状なんです。
また中国・北京では3週間後にAPECを控えています。
国際社会の批判を回避するためにデモ隊の強制排除に踏み切るとの見方は低く今後、事態は長期化する可能性があります。
≫世界中が見ているわけですから中国も当然、そういう思い切った行動には出られるわけないと思うんですが。
そもそも香港の若者の半数が自分たちは中国人ではない。
香港人だというアイデンティティーを持っているといわれていますよね。
ですから香港の中国化に対して反発する力はすごくあるんですけど一方で中国のスポンサーが大手の香港のテレビメディアとかいろんなメディアにつくと。
なかなか反論もできないいろんな論議ができないという傾向もある中でのこういう流れなんですね。
中国はといいますと中国の成長率がかつて8%を保たなきゃとてもやっていけない大きな国といわれている。
それが7.5でもいいと。
出たのは、実質で7.3%の成長率というのが出たんです。
これをどう見るかです。
≫今年7月から9月期のGDPの伸び率は実質で前年同月比7.3%増とリーマン・ショックの影響を受けた2009年1月から3月期以来5年半ぶりの低い水準となった。
今回低迷した要因が不動産市場の低迷だ。
≫中国では至るところでこのような大規模な不動産開発が行われています。
しかし、その不動産市場にも陰りが見え始めています。
≫現在、中国政府は不動産バブルなどにつながった投資依存の経済から消費指導の安定的な経済への移行を目指す構造改革を実施している。
また生産過剰に陥った鉄鋼やセメント工場を次々に閉鎖しておりこうした取り組みも成長率を下押しすることになった。
今回の成長率の鈍化はその副作用が表れた形だ。
今年1月から9月の成長率は7.4%となり政府が年間目標としている7.5%に届かない可能性が出てきた。
一方、外需はアメリカなどの堅調な景気を背景に好調に推移。
外需の伸びが中国の景気をかろうじて支えている構えだ。
≫次、まいりましょう。
≫4つのニュース続けてお伝えします。
まず義足のランナーピストリウス被告に禁錮5年の量刑が言い渡されました。
≫オリンピック史上初の両足義足のランナーとしておととしのロンドンオリンピックに出場したオスカー・ピストリウス被告。
南アフリカの自宅で恋人を銃で撃って死なせたとして殺意は否定したものの過失致死の罪などで先月、有罪判決を受けていた。
21日の裁判で言い渡された量刑は禁錮5年だった。
南アフリカでは刑期の6分の1を終えたあとに出所が認められるケースがある。
被告側の弁護団はピストリウス被告が刑務所で過ごす期間は10か月で残りの刑期は自宅軟禁になるだろうという見方を示した。
ウクライナ東部ドネツク親ロシア派の会見中…。
近くにミサイルが着弾したという。
ミサイルが撃ち込まれたのはこの会見場の近くの化学工場と競技場。
会見を取材していた記者らがはって逃げる姿も見られた。
≫親ロシア派はウクライナ軍の戦略誘導ミサイルで攻撃されたと主張。
一方、ウクライナ軍は攻撃への関与を否定した。
今月26日、ウクライナで総選挙が行われる予定だが親ロシア派はすでにボイコットする構えを見せている。
≫アメリカ軍の高性能レーダーXバンドレーダーが近畿地方初のアメリカ軍基地に運び込まれた。
午前4時半ごろXバンドレーダーを載せたトレーラーが厳重な警備の中石川県の自衛隊基地から京都府京丹後市で建設中のアメリカ軍の通信所に到着した。
Xバンドレーダーは長さおよそ13m重量およそ34トンアメリカ本土を攻撃する北朝鮮などによる弾道ミサイルを探知し追尾する高性能レーダーで日本での配備は青森県に次いで2基目となる。
一部の地元住民らは電磁波による健康被害や有事の際、攻撃目標になりかねないと訴え配備に反対している。
Xバンドレーダーは年内にも本格運用を始める予定だ。
≫クリスマスまであと2か月。
煙突から現れたのはストーカーだった。
場所はアメリカ・カリフォルニア州。
助けを求める声がするとの通報を受け消防隊が駆けつけると煙突の中で動けなくなっている女が発見された。
この住宅に住んでいる男性は女とインターネットで知り合い数回、デートをしていた。
その際、2人の間に何があったのかは不明だが女は、以前にもこの男性宅に押しかけていた。
≫胸焦がすその思いを抑えることができなかったのか。
女は2時間かけて救出されたあと不法侵入の容疑などで逮捕された。
≫うわーって出てきましたね。
≫よっぽど会いたかったんですね。
≫この時間、前線による雨雲が日本海側に帯状にかかっています。
ところどころ強く降っているところもありますね。
更に、北海道の上空には平地で雪を降らせるほどの強い寒気が南下してきています。
明日の朝は広い範囲で雨で強く降るところもあるでしょう。
特に関東では通勤時間帯にザーザー降りとなりそうです。
昼過ぎになっても同じようなところで雨が続き関東沿岸ではざっと雨が強まりそうです。
夜になると西日本の雨はやみますが関東や北陸では雨雲がしつこく残り傘が手放せない1日となりそうです。
そして雨雲とともに強い寒気が下りてきます。
この影響で明日は北日本や東日本でぐっと寒くなりそうです。
明日の朝なんですが北海道の旭川でマイナス3度と凍えるぐらいの寒さでしょう。
日中も今シーズン一番の寒さとなるところがこんなにあります。
そして、東京の最高気温20度の予想となっていますがこれは昼間の気温ではありません。
詳しく見てみますと一番気温が高くなるのはこれから朝にかけてなんです。
このあと風向きが北風に変わった途端どんどんと気温が下がってなんと日中でも14度しかありません。
これは、12月上旬並みの気温なんです。
更には明日は1日中雨が降り続きますので皆さん、お出かけの際はニットやコートを着て暖かくしてください。
≫ここでスポーツです。
青山さん、お願いします。
≫お伝えします。
メジャーリーグはいよいよ明日からワールドシリーズが始まります。
アメリカン・リーグはワイルドカードで勝ち上がった青木選手のいるロイヤルズ。
ナショナル・リーグはこちらも、同じようにワイルドカードで勝ち上がったジャイアンツ。
このようにワイルドカード同士の対戦というのは史上2度目です。
勢いに乗る両チームが明日、激突します。
≫ロイヤルズの本拠地カンザスシティー。
人口およそ46万人の地方都市に29年ぶりのワールドシリーズがやってくる。
≫ロイヤルズ青木にとっては初めてとなるワールドシリーズ。
前日練習で汗を流した。
≫足それがロイヤルズの武器だ。
30球団ダントツのシーズン153盗塁。
チーム本塁打はメジャー最少だがワイルドカードから勝ち上がってきた理由はまさに、この足にある。
代走の切り札、ダイソン。
≫更に切り札は、もう1枚。
9月から加入したゴアはメジャーで8回盗塁して失敗ゼロ。
対するサンフランシスコ・ジャイアンツは…。
ここ5年で3度のワールドシリーズ進出。
近年最も勝負強いチームだ。
注目はサンドバル。
おととしのワールドシリーズでは。
なんと3打席連続ホームランでMVPに輝いた。
≫ワールドシリーズの3本のホームラン。
≫まさにポストシーズン男サンドバル。
今年も好調。
打率はチームトップ。
さあ、勝つのはどっちだ。
ワールドシリーズ明日、開幕。
≫ちなみに、対戦成績を見ると今年のレギュラーシーズンはロイヤルズがジャイアンツに3勝0敗となっています。
明日から楽しみです。
≫次はこの特集をご覧いただきたい。
≫陸前高田の特集です。
この写真をまずはご覧いただけますでしょうか。
2011年。
震災があった年の夏です。
こちら側、奥が海。
完全に、がれきの山と化したところで動く七夕が行われました。
このときは亡くなっていった方々の鎮魂という意味もあったように思います。
我々も特集で放送させていただきました。
それから、時間が流れました。
今年の夏の動く七夕の光景です。
10mのかさ上げがすでにここはできています。
かさ上げの問題がいろいろあるんですが今年の、この動く七夕もどうこれから生きていくかという地元の方々のさまざまな思いが託された七夕でした。
≫山から切り出される大量の土砂。
今、陸前高田市では東北の被災地最大のプロジェクトが進んでいます。
総延長3kmにも及ぶ巨大なベルトコンベヤー。
1分間に100トンもの土砂を運び続けています。
広大な土地をかさ上げしその上にもう一度町を築く前例のない大規模工事。
ただ、その光景を戸惑い、悩みながら見つめる人々の姿があったのです。
工事の最前線で働く1人の男性。
地元の建設会社に勤める村上誠喜さん。
山から切り出した土をかさ上げの現場まで運んでいます。
復興を目指し、震災直後からハンドルを握り続けてきました。
≫村上さんも津波で家を失った1人です。
海から1.5km離れたこの場所に村上さんの自宅はありました。
家族は無事だったもののあの日の光景をいまだに忘れることができません。
≫今、陸前高田市が目指しているのは同じ規模の津波が来ても浸水しない町。
そのために高さ12.5mの防潮堤を建設。
そして、周囲の山を切り崩し住宅地などを造成します。
更に、排出される土砂を使ってこのエリアをかさ上げしていきます。
土の高さはおよそ10m。
その上に商店街や公共施設そして1000戸あまりの住宅を配置する計画です。
総事業費は1600億円あまり。
ただ、かさ上げされたとしても一度津波が襲った場所に人々は戻ってくるのか。
工事に携わる村上さんですら複雑な思いを抱えていました。
≫新たな市街地にどれだけの人が戻るのか。
それは商売を営む人たちにとって最大の懸念です。
≫町の中心部で居酒屋を営んでいた熊谷栄規さん。
震災前から商店街の兄貴分として慕われてきました。
現在は内陸の仮設店舗で営業を続けています。
新しい市街地ができれば真っ先に店を出したいという熊谷さん。
ゼロから町を作るため何ができるのか。
日々思いをめぐらせてきました。
≫そのためにはできるだけ多くの商店が市街地に集まってほしい。
ところが現状は厳しいものでした。
もとの町にあった200以上の商店などは現在、高台や内陸に避難し営業を続けています。
その内陸部では震災から3年半の間に次々と店舗が建設され市民生活の拠点となりつつあります。
更に別の地区では震災前にはなかった大型スーパーも進出してきました。
そうした状況の中で新しい市街地へは店を出さないと決める人たちが相次いでいます。
≫それぞれの抱える事情も熊谷さんには痛いほどよくわかりました。
≫将来の青写真を描けないまま現実だけがどんどん進んでいきます。
7月、かさ上げ工事が本格化。
生まれ育った町の一帯が封鎖されました。
この駅前通りもやがて土砂に埋まっていきます。
≫そこで熊谷さんは市に願い出ました。
最後に、みんなでこの町を歩かせてほしい。
≫地区ごとの山車11台が行きかううごく七夕まつり。
この日、駅前の通りだけが特別に開放され散り散りに過ごす人たちがかつての町に集いました。
≫新たな町を作ること。
それは、思い出の場所に別れを告げることでした。
≫9月、熊谷さんにとって厳しい数字が突きつけられます。
アンケート調査の結果高台や内陸で営業を再開している事業者のうち市街地へ戻りたいと答えたのは半数にとどまりました。
新たな町づくりはこの数字を受け入れることから始めるしかありません。
≫祭りが行われた駅前通り周辺にも今週から土砂の運び込みが始まっています。
かさ上げ工事がすべて終わるまであと4年。
そこに、どんな町を作るのか。
手探りの日々が続いています。
≫たまらないな…。
強い思いがあって地元を愛しそこに息づく人々を愛して強い思いがあるのにその思い通りにはいかない現実があるわけじゃないですか。
みんな、それぞれいろんな考えが数年たつ中で出てきますからね。
≫祭りの太鼓の音が本当に心の叫びのように響いてきましたよね。
≫一体になってましたね。
恵村さん、お金の問題でもとに戻りたいけど戻れないよっていう人もいらっしゃると思いますしそれぞれの事情を抱えてらっしゃいますよね。
≫この地域を存続させていくということですよね。
そのためには、人々がやっぱり集まれる中心市街地というのが欠かせないと思います。
陸前高田もそうですけれどもこの三陸は海が迫ってますから中心市街地の平らな土地は津波被害を受けたような海沿いにしかないようなところが多いですよね。
だからこそかさ上げ工事というのが重要な事業になると思います。
≫特に陸前高田はそれがあるからこうなったんですもんね。
≫この間、復興というのはまさに時間との闘いだと思うんです。
時間がたてばたつほど地域は離れていく人が増えていく。
陸前高田でも人口の16%の方がこの3年、離れられてその数は3700人あまりに上ってるわけですよね。
この間、取り組みは十分だったかというとそうではなかったと思うんです。
さまざまな権限を国から県に移していく。
県から市町村に移していく。
そうした取り組みはもっと努力できると思いますし全国的に公共事業は積み増していますので被災地でも人手不足によるそういうものが続いていますからこれはやっぱり復興優先でなんとかできないかと思うんですね。
2014/10/21(火) 21:54〜23:10
ABCテレビ1
報道ステーション[デ][字]

安倍政権に最大の難関…閣僚辞任でも続く追及。次は…野党攻勢強める▽1600億円の復興事業…巨大かさ上げが進む。町に住民は戻るのか▽MLB

詳細情報
◇番組内容
緊迫感や速報性を重視したニュースと元気で明るいスポーツ、硬軟取り混ぜた時代を映し出す特集に季節感あふれる天気予報と情報満載です。
◇出演者
【メインキャスター】
古舘伊知郎
【サブキャスター】
小川彩佳
【スポーツアナウンサー】
青山愛
【天気予報】
林美沙希
【コメンテーター】
恵村順一郎(朝日新聞論説委員)
【特別リポーター】
長野智子
【スポーツ】
松岡修造、工藤公康、澤登正朗、中山雅史
◇おしらせ
☆番組HP

http://www.tv-asahi.co.jp/hst/

放送内容が変更になる場合があります。あらかじめご了承ください。

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ニュース/報道 – 定時・総合
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ニュース/報道 – 経済・市況

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