NHK高校講座 生物基礎「自律神経による調節」 2014.10.21

結論は正しい。
見事にでたらめな三段論法だ。
まあね。
ヘヘヘ…。
生き物の不思議を解き明かす「生物基礎」へようこそ。
私たちの体の状態は神経のネットワークによって無意識のうちに調節されている。
そしてその重要なはたらきをしているのが自律神経じゃ。
今日は自律神経の謎に迫りますぞ。
こんにちは八田亜矢子です。
今日も楽しく生物の事を勉強していきましょう。
よろしくお願いします。
東京アヴァンギャルド丸沢丸と…。
綾瀬マルタと…。
森のイケメンミドリ君です。
この前整体に行ったんですけど首の疲れがたまってますねって言われたそうです。
大変じゃないの!よろしくね〜。
よろしくね。
さあ今日のテーマは…自律神経って聞いた事ありますか?はい。
聞いた事あるんですが自律神経ってどういう神経なんですか?お〜そうそう。
おっほん!ほう。
無意識のうちに体の状態を調節する神経。
えっじゃあ知らないうちに…えっちょっと待って下さい。
自分で決めてたつもりですよ僕は自分の事を。
例えば運動をして体が熱くなった時に汗を出して冷やすというように…へぇ〜。
へぇ〜そうだったんですか。
では丸君今日のキーワードを出してくれたまえ。
はい。
ジャン。
(丸)「自律神経のはたらきってな〜に?」。
はい。
今日は無意識のうちに体の状態を調節してくれる自律神経について詳しく学んでいきましょう。
神経の事は前にも学習しましたが私たちヒトの神経は脳や脊髄といった中枢神経系とそこから体中に伸びる末梢神経系とに分けられます。
この末梢神経系の中の多くの神経が自律神経としてはたらいているんです。
ふ〜ん。
自律神経としてはたらくっていうのはどういう事ですか?…なんですがその事を丸君が体を張って調べてきてくれたんですよね。
えっなになに?えっ何?どういう事?ムフフフフ…。
気持ち悪〜い。
それでは丸君の実験見てみましょう。
丸だけの…よ〜し!今日も頑張りますよ。
うん!丸君の脈拍数がこれからどのように変化するのか脈拍計で調べてみる事にする。
現在の脈拍数は毎分68回。
でやって来たのは東京の観光地として有名な浅草だ。
丸君にはこの看板を下げてもらう事にする。
これやるんですか!?本当に?いきなり英語の看板を首から下げる事になった丸君。
この時点で脈拍数は89にアップ。
えっマジか?不安だわ〜。
丸君は外国語が大の苦手だ。
え〜っと浅草ステーションに行ってトレインに乗る。
Yeah.OK?ハロー。
あぁあぁ…えっ?はいチーズ!コメディアン。
いろんな外国の人たちに話しかけられて緊張したり困ったり。
その度に脈拍は上がり手のひらは汗でびっしょりだ。
ジャパ〜ン!「This…」?MayIhelpyou?おっハグ!ハグいいの?そして金髪美女にハグされると脈拍数はとうとう100をオーバー!サンキュー!わ〜!今日一日頑張ってよかった〜。
ワ〜オ!帰りの車でやっとリラックスした丸君。
この時脈拍数はほぼ元の70に戻っていた。
丸君お疲れさまでした。
も〜う。
僕外国語なんて全然分かんないのに…。
確かに全然しゃべってなかった。
本当いろいろ聞かれたから大変でしたよ。
あっそう。
でもいい事もあったよね。
ウフフフフウフフフ…。
やっぱ気持ち悪いなこいつ。
やばいよ。
そうですね。
では実験の結果を確認してみましょうか。
(マルタ)亜矢子さんお願いします。
移動中の車の中では1分間に68回だった丸君の脈拍数ですがあの看板をぶら下げた瞬間から運動をした訳でもないのに上がりましたね。
いや〜突然あんな事させられて本当にビビりました僕は。
そして外国の人たちから話しかけられると脈拍数は90に上がりついには100も超えました。
これはかなりの緊張と刺激を受けている状況ですよね。
(丸マルタ)刺激をね。
そして実験が終わってしばらく休んでいるとほぼ元の70に戻りました。
(丸)ほっとしましたねこの時は。
(マルタ)気が小さすぎるでしょ。
実は…えっそうなんだ。
えっじゃあ…緊張や刺激を受けた丸君の体は無意識のうちに…そのうちの1つが脈拍数を上げろという自律神経から心臓への指示だったんです。
ああ。
危険に備えるために…。
自律神経がはたらいたんですか?はいそうなんです。
こちらを見て下さい。
(丸)あっ僕が危ない!生物はこのような危機的な状況に陥るとこの状況から逃げるかもしくは戦うための準備をしなければなりません。
例えば心臓をドキドキさせてあらかじめ全身の細胞に酸素をたくさん送っておくといった準備です。
これが自律神経のはたらきで起こるんです。
あぁ〜。
なるほど。
外国の人に話しかけられた時も僕の自律神経がきちんとはたらいたって事だよねこれは。
さりげなくピンチに対応してくれる自律神経ってありがたいね。
ありがたい。
でも…
(丸マルタ)ん?これは体内の自律神経のネットワークを示した図です。
いろいろな器官につながっていますね。
(丸)へぇ〜心臓だけじゃないんだ。
はい。
自律神経はいろいろな器官を調節しているんですよ。
でも…自律神経というのはそのはたらきから2つに分けられるんです。
この赤い線は緊張している時にはたらく交感神経。
そして青い線はのんびりリラックスしている時にはたらく副交感神経です。
(丸マルタ)へぇ〜。
例えば丸君が先生に怒られている時。
(丸)あらっ。
手のひらに汗をかいたり心臓がドキドキするのは交感神経がはたらいているからです。
でも一方で居眠りをして気持ち良くよだれを垂らしている時は副交感神経がはたらいているんです。
(いびき)
(ミドリ)「ちょっとちょっと丸君重いよ。
立ったまま寝ないでくれるかなぁ」。
あぁ〜ごめんごめんミドリ君。
(ミドリ)「まったく〜」。
ついうとうとしちゃった。
はぁ…。
いや〜確かに緊急事態に交感神経がはたらいてくれるのはありがたいんだけどねぇ。
…ねぇ。
リラックスしてる時にはたらく……ねぇ。
2人とも何を言っておる!副交感神経も体の状態を調節する大切なはたらきをしておるんじゃぞ。
えっそうなんですか?…事が多いんじゃ。
アクセルと…。
ブレーキですか?はい。
心臓の場合体が危険を感じた時に心拍数を上げるアクセルのようにはたらいたのは交感神経なんですが落ち着いた時にブレーキをかけて心拍数を下げたのは副交感神経なんです。
これはさっきも見た図ですが交感神経と副交感神経は心臓以外にもさまざまな器官につながっていましたよね。
それではこの交感神経と副交感神経がどんなふうにはたらくのかいくつかの器官で見てみましょう。
例えば瞳孔…ひとみですね。
これは交感神経がはたらくと拡大し副交感神経がはたらくと縮小します。
(丸)へぇ〜。
(マルタ)驚いて目を見開くっていうのはそういう事だったんですかね。
はいそうなんです。
そして肌の場合。
例えば……って言う事ありますよね。
お〜。
う〜ん。
丸君のギャグにはねいつも鳥肌立ってますよ。
えっつ〜!鳥肌が立つのは皮膚につながっている交感神経が立毛筋という筋肉を収縮させるからなんです。
ちなみにこの場合副交感神経は立毛筋にはありません。
(マルタ)ないんですね。
はい。
そして次に胃や小腸などの消化管では交感神経は運動を抑制して副交感神経は運動を促進します。
つまり消化はリラックスしている時の方が活発になるという事ですね。
なるほど。
交感神経と副交感神経っていろんなはたらきをするものなんですね。
中には立毛筋のように片方しかつながっていない場合もありますが…分かったかな?はい。
交感神経と副交感神経がはたらくんですね。
では実際に私たちの日常生活の中で交感神経と副交感神経がどんなふうにはたらいているのか今度はマルタさんに調べてもらいました。
おっおっ!は〜い!ついにマルタも実験のつらさが分かる時が。
はい頑張ってきましたよ〜。
ホホッウフフフフフ…。
ウフフウフフフフフ…。
マルタだけの…今日も楽しく頑張りま〜す。
よいしょ〜!交感神経と副交感神経。
見た目にはどちらがはたらいているか分からない。
しかし心臓の拍動を調べる事でどのようにはたらいているのかが分かる装置がある。
グラフに表れるオレンジ色の線が交感神経のはたらきを緑色の線が副交感神経のはたらきを示している。
では実験スタート!午後のひとときのんびり読書をするマルタさん。
副交感神経が交感神経より強くはたらいてリラックスムード。
そこに大好物のケーキが届く。
大喜びで食べ始めると交感神経のはたらきが上昇。
おなかが膨らみ始めると副交感神経のはたらきが強くなってきた。
ケーキの消化活動が始まったのだ。
ごちそうさまで〜す。
おや〜?副交感神経のはたらきが更に強くなりおなかの中で消化活動がどんどん進み眠くなったのだ。
いやいや何だよこれ!いや〜。
僕の実験コーナーと全然違うじゃないの!実験コーナーって楽しいですね〜。
ちょっと!もう怒った。
プンプンプン!プンプンプンプン!プンプン…。
古いんだよリアクションが。
いいですか?そろそろ。
何気ない……って事がよく分かりましたよね。
はいよく分かりました。
そりゃ分かったんですけどこの扱いの違い納得できません!えっ?ではもう一度結果を見てみましょう。
はい。
最初座っている時は副交感神経の方が強くはたらいています。
で大喜びでケーキを食べ始めると交感神経のはたらきが強くなりました。
でおなかがだんだん膨らんでくると副交感神経のはたらきがだんだん強くなり消化活動が始まります。
そして更にしばらくすると副交感神経の活動が更に強くなり交感神経のはたらきと逆転しやがて眠くなりました。
この実験から分かるように一般的に…先生こんにちは。
(中村)こんにちは八田さん。
どうぞ。
どうもありがとうございます。
今日は自律神経がはたらくと体にどんな事が起こるのか学習しましたけども何か質問ありますか?はい。
交感神経と副交感神経はどちらも同じ自律神経なのにどうしてこんなにはたらき方が違うんですか?はい。
それはそれぞれの神経の末端つまり先から出てくる物質の違いで説明できるんです。
神経の先から出てくる物質?はいそうなんです。
こちらをご覧下さい。
これ心臓の図ですけども。
交感神経の末端からはノルアドレナリンという物質が出ます。
この物質が心臓に届くと心臓の拍動は強くそして速くなります。
一方で副交感神経の末端からはアセチルコリンという物質が出ます。
この物質は心臓の拍動を抑えるんですね。
なるほど。
交感神経と副交感神経の間にはこういった違いがあったんですね。
そうなんです。
いや〜今日の2つの実験で交感神経と副交感神経の違いよく分かったねぇ。
う〜ん僕もケーキ食べたかった。
え〜!?ケーキ食べたい!もうしつこいよ。
ケーキケーキ!分かった分かった。
帰り買ってくから。
本当に?うんしょうがないな。
お〜!僕の中の交感神経がはたらいてきた〜!じゃあ亜矢子さん今日の「実になる一言」お願いします。
今日の「実になる一言」はこちら。
(丸マルタ)「自律神経は交感神経と副交感神経!」。
私たちの体は交感神経と副交感神経の一方が強くなるともう一方が弱くなるという絶妙なバランスによって無意識のうちに調節されていたんですね。
うん…。
ねえねえマルタやっぱりさケーキいらないから僕と同じ実験やってよ。
う〜ん…。
MayIhelpyou?ハグプリーズ!やっぱ気持ち悪い!2014/10/21(火) 14:40〜15:00
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 生物基礎「自律神経による調節」[字]

生物を学ぶ事は自分自身を知る事です。ヒトとはどんな生物なのか?体のしくみや健康に暮らすための知識等々、本格的に「生物」を学ぶ前に「生物基礎」でその準備をします。

詳細情報
番組内容
脳(間脳視床下部)は、常に、体内環境の変化などを感知し、これに対応するための信号を各器官へ送っています。そんな信号が伝わる神経の中で、無意識のうちに、からだの状態を調節しているのが自律神経です。自律神経には、活発に活動するときにはたらく交感神経と、静かに休む時にはたらく副交感神経があります。【出演】八田亜矢子・東京アヴァンギャルド、【講師】中村雅浩
出演者
【解説】成城学園中学高等学校教諭…中村雅浩,【キャスター】八田亜矢子,【リポーター】東京アヴァンギャルド,【語り】増谷康紀

ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 生涯教育・資格
バラエティ – その他

映像 : 480i(525i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32721(0x7FD1)
TransportStreamID:32721(0x7FD1)
ServiceID:2056(0x0808)
EventID:21405(0x539D)

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: | 投稿者: