生字幕放送でお伝えします≫伊豆半島の東稲取港に来ています。
≫今日はこの静岡が漁獲量日本一という自慢のお魚、皆さんにご紹介しますね。
鈴木さん、お願いいたします。
どうぞ。
きました、籠の中に入っているのは…。
≫これです、これ。
伊豆の誇る、この高級魚が今日の主役なんです。
辺見さん。
なんの魚だか分かりますか?≫これはもうキンメダイですよね。
このおめめの大きさも。
≫そうです。
≫この赤い体に金の目でキンメダイですが実は…。
≫ここ稲取では呼び方が違うんですよ。
そうですよね、鈴木さん。
≫稲取では昔からぎんでぇという呼び方をしています。
ギンダイがなまってぎんでぇなんですけどね。
生きているときは背中の部分だけ赤くてこの状態なんです。
だから、これは今日最後の漁で揚がったキンメなんですがまだ赤くなる前の色なんです。
≫キンメダイというのは深海魚で釣ってから時間がたつにつれて赤みが増してくるんですよ。
≫だから一般に売られているものこちらちょっと市販品と比べてみようと思って持ってきたんですけどこうやって比べるとちょっと分かりますかね。
おなかの部分の銀のところとずいぶん色、違うでしょ。
≫これなんかは本当に銀色が多くて今釣り上がってきたばかりというものなんです。
つまり、この銀色のタイぎんでぇは鮮度のシンボルなんですよ。
≫そういうことなんですね。
≫釣り方にもちょっと秘密がありますので漁の様子まずご覧いただきましょう。
漁場は、こちら。
港から僅か13km。
とにかく陸から近いというのが鮮度のよさの第1の秘密です。
船の下にはキンメダイがすむ水深300mを超える深海が広がっています。
≫ぎんでぇの漁法はなんと一本釣り。
餌には近海でとれるサンマやイカを使います。
≫鮮度を保つ第2の秘密は漁師さんの糸の手繰り方にあります。
≫釣れているのが見えても慌てない、慌てない。
じっくりと引き上げます。
≫キンメダイは環境の変化に敏感なんですね。
ショックを受けても赤くなるといわれます。
水圧が急に変わって驚かないように静かに上げるんです。
見てください、分かります?きらきらとした銀色のボディー。
≫漁師さんたちがぎんでぇと言うのも分かりますよね。
その漁場から船をぶっ飛ばせば最短20分で着くこの港。
≫漁協の作業場というのは港のすぐ目の前にあります。
その作業場のほう皆さんにご紹介しましょう。
ここでも、このぎんでぇの鮮度を保つ、さまざまな工夫を見ることができます。
鈴木さん、とれたてのぎんでぇを持ってきて、氷水の中に入れました。
≫鮮やかだな。
≫この氷水なんですけど3度に海水を冷やしておいてそこに氷を入れてちょうど1度ぐらいにすると。
それが深海魚であるキンメダイがすんでいた環境に近いようなそういう温度に調整されているんだそうですよ。
≫すごいデリケートってことですよね。
≫そうですね。
だから水温に近い水につけておくことで傷まないようにしているんですね。
≫キンメダイって脂がのっているとおいしいじゃないですか。
だけれども脂がのっているということは傷みも早いということなんですね。
だから、とても丁寧に丁寧に取り扱います。
お願いします。
今、こうやって分けていきますけれども。
≫仕分け作業も手袋をして、ぱっぱっとしていくこの手際のよさというのもこのぎんでぇの色を保つ1つの技なんですね。
≫人間の体温とかも伝わらないようにというのもありますしそれから、今、大きさでこうやってぱぱっと分けているように見えますがちょっといいですか厚みを見せたいんですけれどもおなかの厚みちょっとカメラに向けて結構、分厚い感じ分かります?≫分厚いですね。
プリプリしてる。
≫人間でおなか周りが厚いといったらちょっといやな感じですけどね。
≫メタボですね。
≫そうそう。
キンメダイの場合は分厚いほうが脂ののりがいい。
≫僕ら、釣りをするような人はついつい、大きさとか見ちゃうんですけどここの稲取の審査というのはその厚みとかを見る。
それだけ審査を厳しくやっているということなんですよ。
≫おなかの厚みなんですね。
≫さらに、見た目だけじゃなくてもう1つ、厳しい審査があります。
ちょっと見せていただきましょう。
≫そこで秘密兵器が登場するわけなんです。
それが、こちらです。
お願いします。
これね、光を当てるとその反射量でこの体内の成分のうちの脂肪分の割合が分かる機械なんですよ。
≫すごい機械、これ。
≫ここに出ているんですがキンメダイ、13.7って出るわけです。
つまり脂肪分が13.7%含まれているよということが分かるんですよ、この機械で。
ここ、稲取のぎんでぇは平均で脂肪分が15%にもなるそうなんです。
ちなみに、その普通の出回っているキンメダイは平均が9%ぐらいということで。
≫全然、違うんですね。
≫そうなんです。
脂肪分が多いんです。
≫今見ていただいた機械も静岡県が独自に技術研究所で開発したというもので脂肪分の量をきちんと測って品質を管理していきたいという工夫の1つなんですね。
こうやって脂肪の量を測りそしてこちらの量りでは1箱あたり均一の重さになるように計測していくわけですが。
ここで…。
≫ちょっと、辺見さんに問題です。
このキンメダイこちら稲取の市場で買うと取引額、いくらぐらいになると思います?ちょっと、質問が難しいので。
ちなみに1kgのキンメダイというとこれぐらいの大きさなんですね。
≫立派ですね、でも。
≫ヒントを差し上げたいと思います。
築地のデータなんですけど天然のタイが1000円のところキンメダイは2000円ぐらいで取引されています。
それを、ここ稲取で取引すると、これでいくらぐらいになると思いますか?≫すごい高いですよね、多分ね。
多分、普通2000円だったら逆に、4000円。
≫惜しい!高いときは5000円ぐらいの値がつくんだそうですよ。
≫やっぱり、そうなんだ。
≫だから、市場ではマダイって結構高いイメージじゃないですか。
だけど、同じ大きさの天然のタイよりも実は高いんですよ。
≫今日とってくれた鈴木精さんにお話を伺いますけれども今、辺見さんもビックリされていましたがずいぶん、キンメダイ値段が高いものをねというイメージありますが最近なんですか?≫ここ10年ぐらい今まで以上に鮮度管理を気をつけながら2年前に地域で団体表彰がとれたりとかという中で余計いいものをよりよくここでは扱っています。
今回はおとといも、それまで台風の影響で漁がなかったんですが少し魚があって入札をかけたところ5000円超えと年間を通して一番最高の値がしたんですかね。
≫自慢の魚ですよね。
≫それだけ質のいいキンメダイがとれるというのはやはりここの漁場がいいということなんですか。
漁場が近いから早く持って帰れるという利点もありますがそこの漁場、海の山に栄養豊富な餌がたくさんいるということですね。
その餌を食べてるキンメだからよけいおいしくということですね。
≫おいしく食べてキンメもおいしくなって。
ところで辺見さんここまでくるとどんな味か気になりますよね。
≫そりゃそうですよ。
どんな厚みなのかとかね。
気になりますよ。
≫せっかくなので、近くにおすし屋さんがあるので僕がどんな味か調べに行ってきたいと思います。
≫いいな。
≫僕は伝えるための仕事です。
≫みんなそう言うんですよ。
この番組。
≫ちょっと行ってきます。
≫鈴木さんありがとうございました。
私は、こちらでさらに今見ていただいたキンメをどんなふうにして出荷するかここにも実はさまざまな工夫があるのでご紹介しますね。
3人がかりで詰めていくんですが今、かけているのは海水です。
この海水の上に赤いシートをかぶせました。
赤いシート、なんのためにかぶせるのかといいますと上に氷を入れるとき氷でキンメダイが傷ついてしまうと悪くなっちゃうのでその体を保護するために敷いたんですね。
さらに、この上にまくのがお塩です。
お塩もささっと片手で振りましたが実は、コツがあって1つは、氷がとけないようにするというのがありますよね。
それから、もう1つは今、海水に近い深海魚としてすんでいた環境に近い海水にしているので氷がとけていくと濃度が薄まってしまいますでしょ。
だから、なるべく環境を変えないためのまさにあんばいを考えて振っていたということなんですね。
≫振りすぎてもだめっていうことですよね。
≫そうなんです。
これだけ丁寧に丁寧に扱ってみんなで品質を保つことでキンメダイが高級魚として取り扱われるようになったということなんですね。
でも、それにしても前川さんがどんな状態になっているかちょっと気になるのでそちらも見てみましょうか。
≫辺見さん、僕は今港の目の前にあるおすし屋さんに来てます。
≫おいしそうなおすし屋さん。
≫いいな、いいな!≫ここには、この港ならではの握りがあるので。
もう、早速出てきましたよ。
これ、見てもらえます?キンメの握りなんですけどこの厚み。
豪快でしょ。
≫こんな分厚いの?すごいですね。
≫シャリが見えないぐらいなんですよね。
この握り、ポイントは皮をあぶることなんですよ。
早速、大将、1つあぶっていただけますか。
こうやってバーナーであぶることによって脂が表面に浮き出てくるその瞬間をとらえるんだそうです。
≫絶対おいしいな、これ…。
≫パチパチ、脂がはじける音がしたりして。
ネタがでかい、これ。
すごいよ。
僕、ちょっといただきますね。
こんなんですよ。
≫おいしそう。
≫いただきます。
≫脂、とけます?≫ごめんね、辺見さん。
俺だけこんなおいしいもの食べて。
ものすごい脂がのっていてかんだ瞬間にそれが、じゅわっと出てきて表面をあぶっているから脂が浮き上がるんですよね。
それがいい甘さで口の中に広がるし。
やっぱり、食感は割といい歯応えがあって。
でも、脂が多いけど全然しつこくないんですよ。
≫そこですよね。
脂が多いとしつこいんじゃないかと思っちゃうから進まなくなっちゃうけど。
≫いや、うまい!それで、こちらで握りを出し始めた当初はやっぱり、脂がのりすぎてて生で食べるのには向かないというふうに敬遠する方も結構いらっしゃったらしいんですよ。
その脂をどうやったらおいしく食べられるのかといって大将が研究を重ねた結果このあぶるというところに。
≫これってちなみにお値段はおいくらぐらいで食べられるんですか?≫ちなみに1人前お値段はおいくらなんでしょう?3300円。
ここのケースに入っているキンメダイがまた立派でね。
毎回、やっぱり大将大きいのを仕入れてくるそうなんですよ。
それだけ脂ものってるし。
せっかくその研究の成果をあぶったら、どれだけおいしくなるかというのを用意してもらっているのでもう1個。
これも食べちゃおう。
おいしい…。
≫すごい新鮮なキンメダイですもんね。
なかなか食べられない。
≫煮つけのイメージが強いですけどね。
でもやっぱりこうやって生のやつをあぶって食べることで香ばしくもなるし本当においしい。
≫なんか、前川さん食べ続けてましたけどね辺見さん、こちらには港ならでは、稲取ならではの暮らしの中のキンメのお料理がありますのでこちらもご紹介いたします。
今日は幸子さんたちがいろいろ作ってくれました。
目移りしちゃうくらい、今日いっぱい用意してくださったんですが辺見さん一番気になるのはどの料理ですかね?見てあれ食べたいというのはありますか。
≫もちろんお刺身はおいしそうなんですけどこれ、なんですか。
真ん中の大きな。
≫こちら、げんなりずしという名前がついていましておなかがいっぱいになりすぎちゃって思わずもう、本当に十分ですって言ってしまうほどだということからげんなりずしという名前がついています。
これだけ1皿分が一家に1つなんですよね。
≫そうですね。
≫お祝いの席で用意するとき、5つ分作って出すんだそうです。
だから本当にボリュームがありますでしょ。
≫おなかいっぱいですね、これ。
≫おなかいっぱいになる。
そして上に載っているそぼろこれはキンメダイのそぼろです。
そして、下のごはんのところはそれぞれの家庭に木の枠が木型がありましてね。
そこにぎゅっと押しずしみたいに入れてそして、そぼろを配置するという。
親せき同士が集まるような場でよく食べるものなんですよね。
前川さんがおすし屋さんから戻ってこられた。
≫おいしかった。
でもこっちもまた魅力的な料理がいっぱいありますね。
≫それから、もう1つご紹介したいのはこれ、伝統的な料理なんですよ。
はらあわせという名前がついてます。
キンメダイの煮つけ。
よく見るとおなかとおなかの部分を合わせてあるんですよ。
これは、夫と妻が結婚してこれからは腹を割ってなんでも包み隠さず話していこうねということで結婚のお祝いの席に出る煮つけなんです。
≫なんか、かわいいですね。
この見た目もすてき。
≫これを作ってくださった津島幸子さんご主人が漁師さんだったんですよね。
これは、稲取の女性にとっては作れないといけないもの?≫そうですね。
できれば、皆さんがこしらえて。
私もお嫁に行ってしゅうとさんに教えていただいてやるようになりました。
みんな漁師の家にそれぞれの味があるんですね。
≫これが作れないと一人前として認めてもらえないと。
≫それと、味付けもなんか普通よりはちょっち違うんですか?≫ちょっと味が濃いと思います。
≫見た目も結構、おしょうゆ感がすごく濃いですね。
≫召し上がりますよね。
≫せっかくなので。
僕、食べてばっかりだけど…。
≫そんなこと言わないで食べてください。
≫うまそう。
≫今、取り分けをしていただいていますけどね。
身離れがいいからスルッと。
おいしそうですね。
≫これ、ごはんと一緒に食べたい。
≫温かい白いごはんと。
いただきます。
≫しっかりしてます?≫身がふわふわだしほろっと崩れる感じで。
やっぱり、甘みが強いんですよね脂分が多いから。
≫これは、いいな。
≫稲取独特の味ですね。
割と甘みが強い味付けですよね。
≫これは、やっぱりもしかしたら、漁に出てたくさん働いてそういう肉体労働のあとにおいしい味っていうことなのかもしれないですよね。
≫辺見さん、キンメダイってたんぱく質もすごく多いしあと、小骨が少ないので小さいお子さんにもすごくいいんだって。
≫そうか。
じゃあ、子どもにも食べやすいお料理なんですね。
お魚の中でね。
≫これ絶対白いごはんの上にのっけたらおいしいもん。
≫絶対そうですよね。
≫前川さんは俳優界のお魚博士といわれるぐらいにお魚に詳しく釣りも詳しいんですよね。
≫僕、釣りが好きなのでね。
魚のこともだんだん知るようになって。
魚って、この皮の間にうまみが詰まっているらしいのでこうやって皮と一緒に煮たらますますおいしいわけですよ。
≫お刺身もどうですか。
あがってみて。
≫あと、干物も食べたい。
≫お刺身も食べてみてください。
≫いただきます。
干物はさっき、脂肪の量を測ってましたでしょ。
それで、ちょっと脂肪分が少ないなっていうキンメダイでもああやって開いて干物にするとまたひと味違っておいしくいただけるんですよ。
ですから、こうやって地元の方はしょっちゅう干物にしてごはんに、お酒に食べていると。
≫これお酒とも合いそうな感じですね。
≫干物もここで作るんですよね皆さんで。
なんか、焼き方もコツがあるんですか?≫いえ…。
≫特にないけど港で焼くとおいしそうに見えますよね。
≫だって香りがすごいんですよ。
≫ここに、届いてきて。
しかも、港で焼いているから雰囲気もいいし絶対僕、食べたほうがいいと思うんですけど。
いただいちゃおう。
見て、この脂浮いてる感じ。
≫おいしそう!≫いただきます!≫今日は魚だな。
≫うまい。
ぜひ辺見さん、今夜はキンメダイにしてください。
≫今日はキンメダイにします。
≫今日は静岡の稲取の港からお魚三昧でお伝えしました。
(大作)見合いの日決まったど!
(エリー)ミアイ?2014/10/21(火) 12:20〜12:45
NHK総合1・神戸
ひるブラ「鮮度が自慢!キンメダイ〜静岡・東伊豆町 稲取(いなとり)〜」[字]
静岡の稲取漁港の特産・キンメダイを味わいつくす。皮をあぶったキンメ寿司から、ハレの日に欠かせない2尾のキンメを煮つけた郷土料理まで、キンメを存分に満喫する!
詳細情報
番組内容
「鮮度が自慢!キンメダイ 〜静岡・東伊豆町稲取(いなとり)〜」 【ゲスト】前川泰之,【コメンテーター】辺見えみり,【司会】柴田祐規子 〜静岡・東伊豆町稲取(いなとり)から中継〜
出演者
【ゲスト】前川泰之,【コメンテーター】辺見えみり,【司会】柴田祐規子
ジャンル :
バラエティ – 旅バラエティ
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
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