日本の若者は能力も高く、向上心もあります。ですが日本は恵まれすぎています。世界には様々な常識や価値観、正義、差別があり、その違いを体験しないことには身につかないのがグローバル時代のバランス感覚です。私は年に数人、日本人の若者を米国の大学に留学させ、幅広い世界を見て歩くよう勧めています。そのための奨学金も個人的に拠出しています。
これからの時代、世界を視野にビジネスをする若者たちが、準備の場として日本の外に目を向けるのは必然でしょう。もちろん、すべての若者が日本から外国へ出るべきだとは思いません。重要なのは、豊富な選択肢の結果として多様な人材が育つことです。
日本のために良かれと思って続けている奨学金活動ですが、時折、困惑させられるケースもあります。学生本人は非常に前向きなのに、その母親が私のところに怒鳴りこんでくるのです。話を聞いてみると「大学時代は就職活動が大切なのに、両親が聞いたことがないような海外の大学への留学を勧めたりして、あなたはうちの大事な子どもの将来に傷をつけて一体どういうつもりか!」と言うのです。
日本の教育制度を改革するにあたって、非常に重要な問題がここにあります。つまりこれは、教育のカスタマー(顧客)設定の問題です。
日本では大学の授業料を支払うのは、ほとんどの場合は親です。つまり、大学にとって大切な顧客は学生ではなく、その親です。親が大学に望むのは卒業証書と実績のある就職先です。留年する学生が頻出するような厳しい授業は、顧客満足度を考えるとあり得ません。結果として、日本の大学では授業の質が重要視されなくなります。
テキストや板書を読み上げるだけの退屈な授業がまかり通っているのに、学生たちに「授業はサボるな」「テストで良い点を取れ」と強要するのは矛盾でしかありません。学生たちは「卒業証書は親がお金で買っている」という本質を見抜いており、だからこそ、それを受け取るためにそこにいるだけなのです。
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