(テーマ音楽)歴史ある小さな教会。
人々の頭上には1,000年前に描かれた天井画があります。
フランス南西部。
5世紀ここで殉教したとされる聖人の名にちなむサン・サヴァンの町です。
1,000人ほどの小さな町を有名にしているのが…。
サン・サヴァン・シュル・ガルタンプ修道院付属教会です。
現在の建物は11世紀に建てられましたが宗教対立などによって荒れ果てた時期もありました。
しかし教会にはそうした受難をくぐり抜けてきた貴重なものが残っています。
天井画です。
高さ17mの天井に長さ42mにわたって描かれています。
11世紀から12世紀にかけて複数の画家によって描き上げられました。
題材になっているのは「旧約聖書」の物語です。
この時期盛んに描かれたキリスト教壁画の中でも傑作といわれています。
壁画には修道士や字の読めない大衆に「聖書」の教えを伝える絵本のような役割があったんです。
「旧約聖書」の「創世記」などの情景が描かれています。
「バベルの塔」を描いた壁画もあります。
人々が天に近づくために高い塔を造っています。
左端にいる神様が「そんなに高くするな」と抑えています。
この絵は人間の虚栄心をいさめているんです。
特に有名な場面がこちら。
「ノアの箱舟」です。
地上の人間の悪行に怒りを覚えた神から「大洪水を起こす」と告げられたノアが神の命に従い箱舟を建設。
すべての動物のつがいを1階と2階に。
3階に家族を乗せて洪水を逃れました。
その後神は大地の存続を約束したという物語です。
1,000年もの間天井画が残った理由はその手法にありました。
まず石灰と砂水を混ぜた下地を壁に塗ります。
絵の具は土や石灰など全て自然の材料から作られています。
絵が長もちしたのは下地との化学反応で絵の具の定着がよくなったためといわれます。
それにしてもこんなに高い天井にどうやってこれだけの絵を描いたのでしょうか?
(ラカイユ)作業用の足場が日の光を遮りロウソクの明かりで作業せざるをえなかったようです。
またずっと天井を見上げたままですし耐え難い仕事だったはずです。
日曜日のミサです。
町の人々が集まり祈りをささげます。
その姿を1,000年の時を生き抜いてきた天井の壁画が優しく見守っています。
2014/10/21(火) 04:15〜04:20
NHK総合1・神戸
シリーズ世界遺産100「サン・サヴァン修道院付属教会〜フランス〜」[字]
千年の天井画 ▽文化遺産 【語り】松平定知 【テーマ音楽】久石譲
詳細情報
番組内容
千年の天井画 ▽文化遺産 【語り】松平定知 【テーマ音楽】久石譲
出演者
【語り】松平定知
音楽
【テーマ音楽】久石譲
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
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