概要
- 自己投資といいつつ実はお金のムダ使いをしているだけの人が多い
- 本を読んでも行動につながらなければ意味はない
- 英会話教室に行くくらいなら貯金してホームステイした方が百倍マシ
- 自己投資をしつつ貯金と投資もすればいい。どちらかに限定する必要はない
「20代のころは貯金ではなく自己投資を」ってよく言われますよね。
貧乏でも若いうちに自己投資すべき理由 | U-NOTE【ユーノート】
主張自体はごもっともなんですが、僕はたいていの人の自己投資ってムダ使いでしかないと思うんですよね。本当はもっと節約して効率よく勉強できる道もあるのに、「自己投資だから」っていうのを自分への言い訳にして高いサービスやモノにお金を払っている人が多いんじゃないかと。
本を買うのは確かに自己投資なんだけど
実用書を買って自分の能力を高める。それ自体は確かによいことなのですが…
僕は本を買ったことによる満足度には段階があると思っていて、それを時系列順に並べると以下のようになります。
- 本を買ったことによる満足
- 本を読んだことによる満足
- 本を読んで行動したことによる満足
1.の所で止まるといわゆる「積ん読」になります。必要だと思って買ったんだけど、それは本当にいますぐ要る本じゃなかった。もしくは、本棚に並べて満足。
2.の所で止まる人が一番多いと思うんですが、これは本を読んで感心して、「自分にも出来るんじゃないか」とテンションが上がったところで満足して何もしない人。本当はそこから行動しないと意味がないんですが、本を読むこと自体の満足感って結構強いので、クセになってしまうんですね。
大抵の人は1, 2のところで止まるので、具体的な行動につながらず何の結果も出ない。残るのは本を読んで自己投資したという満足感だけ。
「すぐ行動につながらなくても、後になって役に立つ本だってあるじゃないか!」という人もいるかとは思いますが、「後になって役に立つ本」だったら別にその時買わなくてもいいんですよね。本当に必要になったタイミングで買えば、中古なり何なりもっと安い値段でその本を手に入れられたはずです。
今その時買う必要のない本を、高いお金を出して買う。結果は積ん読か、よくてテンションが上がるだけで終わり。これってもうほとんど「ムダ使い」の領域ですよね。だから、本はポンポン買わずにちゃんと厳選して、余ったお金はちゃんと貯金した方がよっぽど有意義だと思うのです。
英語の勉強は自己投資?
自己投資の対象としては、語学、特に英語の勉強もよく挙げられます。確かに英語を出来るに越したことはないと思うのですが、多くの人がやる英語の勉強って「英会話教室に通う」とか「本を買ってTOEICの勉強をする」とかなんですよね。後者は特に女性とかが好きそうなイメージ。
別にそれらを全否定するわけじゃないんですが、英会話教室ってめちゃくちゃコスパが悪いんですよね。かくいう僕もむかし通ってました。
例えば週二回のグループレッスンに通うだけでも、月に20000円ほどかかります。グループレッスンは授業に参加している日本人の生徒同士で喋るのがメインで、「いつでも日本語に戻れる」という安心感があるため英語力は全然伸びません。かといって外国人の先生とマンツーマンで話せるコースを選ぼうとすると、週一回レッスンを受けるだけでその2倍以上のお金が必要です。
それくらいのお金があるなら全部貯金して、1ヶ月でもいいからオーストラリアなりアメリカなりにホームステイして現地の語学学校に通った方がよっぽど英語力は伸びます。英語はお勉強の一科目ではなく日本語と同じ「言語」なんですから、模擬練習を長期間続けるよりも、英語しか使えない環境に自分を放り込んでしまう方が学習効率がいいのは当たり前です。
僕はバイトでお金を貯めて、就職活動の前にアメリカ在住の叔母の家に一ヶ月ほど滞在していたのですが、帰ってきた後にTOEICを受けたら点数は200点ほどアップしていました。(元の点数が200点とかだった、というわけじゃないですよ)
お前の場合はアメリカに叔母さんが住んでたんだから特別だ、という人もいるかもしれませんが、多少の気合があれば一ヶ月や二ヶ月滞在する手段なんていくらでも見つけられると思うんですよね。それを探そうとしないのは、結局のところ切羽詰まっていないから、真剣に英語を勉強する気がないからなんです。
もちろん、自己投資という名の自己満足をお金で買い続けるのは個人の自由です。自分のお金なんだから好きにすればいい。でも、非効率なことを延々とやり続けるのってアホらしくないですか?
資格の勉強は自己投資か
職業の選択につながったりするなど、明確なメリットを得られる見込みのない資格勉強は「趣味」であって自己投資ではないです。
まとめ - 自己投資か貯金か、みたいなゼロイチ思考はやめよう
なんで自己投資を勧めたがる人って「自己投資か、それとも貯金か」みたいな論調なんですかね?別に両方やればよくないですか?
自己投資という名の下にお金を無駄遣いするのではなく、出来るだけコストパフォーマンスの高い方法を選んで、余ったお金を貯蓄すればいいんです。そして貯蓄したお金の一部は投資に回しましょう。株式投資でもなんでも、出来るだけ早くから学んでおくことにデメリットはありません。
もし僕が過去に戻って大学生や新卒入社時の自分に一つアドバイスが出来るとしたら、「節約して貯金しろ。そして株式投資を今すぐ始めろ。その上で勉強もちゃんとしろ」って言いますよ。「若いうちはとにかく自己投資、貯金も投資もしなくていい」なんて馬鹿げたことは絶対言いません。
自分自身の人材としての価値、それに加えて徐々に貯金・運用して積み上げていく資産。それら全体をまるっと資産と捉えた上での効率的な運用。それこそが個人の考えるべき投資戦略であり、自己投資という言葉に騙されて若いころに下手くそなお金の使い方を覚えても何のメリットもありませんよ。