(健人)ママ〜!ママ〜!
(友美)よ〜しお買い物行こうか。
うん。
あっ今日パエリアにしようか。
健人好きだもんね。
うん!さて何を買えばいいでしょうか?おっいらっしゃ〜い。
こんにちは。
どうも毎度。
お魚でしょ。
うん。
エビとイカとムール貝!正解!正解!いいエビ入ってますよ〜。
痛い痛い痛い痛い!ほら…!うそ〜!はい頭…。
あっ!え〜また?もう〜。
こらこら!待て待て待て待て!
(洋介)ほら捕まえた!ただいま健人。
お帰り〜。
風邪ひくから。
ありがとう。
ただいま。
お帰り。
寝た?うん。
またこれ?あっこれにしたんだ〜。
うんポムロールの95年。
ありがとう。
うんいいね。
いいよね。
あっ十番通りの和菓子屋さん閉店するんだって。
うそ!俺好きだったのに。
だから甘納豆買い占めといた。
さすが!食べる?ワインには合わないけど食べたい。
はい分かりました。
髪いいじゃん。
えっ…分かった?ちょっとしか切ってないけど。
どうぞ。
ありがとう。
(薫)ああ…もういいや。
もういい。
あんたたちと企画打ちしてても絶望的な気分になるだけだから。
もういい!自分で考える。
…って言われてまさか私が考えるのをのんきに待ってるつもりじゃないでしょうね?お疲れさん。
(翔太と大樹の笑い声)ふざけんな!だって〜。
(春子)ちょっとあんたたち遊んでないで準備しなさいよ!うるせえくそばばぁ!ベロベロベ〜!
(光雄)ただいま。
お帰り。
うわっ…すごいな。
今日は立って寝る事になりそう。
お疲れさまでございました。
うん。
会社の人どうだった?どうって?
(春子)寂しいとか。
(店員)ありがとうございました。
まあ形だけはなぁ。
しかし…荷物すごいなぁ。
これが家族の歴史ですよ。
この家での10年間の暮らしの。
あ〜あ〜あ〜!ちょっと!家族の歴史を壊す気か?おい!あの〜お客様。
あっ…。
ビール飲む?あ〜ダメだ。
冷蔵庫の線抜いちゃった。
いいよ。
待って。
ワインがあった!部長さんからの…北海道土産。
え〜いあった!栓抜き…。
どうしたの?急に。
いいから。
お布団こん包しちゃったし。
いいよここで。
若者みたい…。
えっ?待って待って。
わっ!ちょっと待って!お仕事?うん。
すぐ終わる。
見てよ。
最近の若者メール。
絵文字がすごい。
うわ〜ほんとだ。
私も幼稚園のママたち若いから時々ついていけない。
携帯も進歩しすぎてて「おばさんには無理よ」とかすぐに言っちゃうけど。
友美は若いだろ。
そういう事じゃないもん。
そっか。
穏やかにさ。
うん?穏やかにじたばたしないで生きていきたい。
年を取っていきたいこのまま。
うん。
私恵まれてるし。
幸せだから。
旦那さんは洋介だし。
健人は元気でいい子だし。
幸せだなぁって思うんだ。
だからすぐに他の人と比較して勝ったとか負けたとか思う人生嫌なの。
他の人を妬んだり悪く言ったりけなしたりそういうのだらけの人生嫌なの。
私は幸せなんだってちゃんと感じながら生きていきたい。
うん。
あっ…私優等生発言?何で?昔からよく言われたから。
私が何か言うと「また優等生発言出た」とかいって。
そうなんだ。
普通に思ってる事言ってるだけなんだけどねなんかそう言われた。
へぇ〜。
薫に。
今度ちゃんと紹介するね。
同窓会来るんだ。
うん。
薫とはね何もかも正反対で性格も正反対で全然違うタイプなんだけど違うから認め合うっていうか。
大好きだったの私。
薫も私の事大好きだったの。
へぇ〜。
あっ私しゃべりすぎる?仕事から帰ってきた旦那さんに自分の話ばっかり機関銃みたいにしゃべる女の人になってる?それは嫌なの。
そういうふうになってる?なってないよ。
友美のこうなりたくないのっていうのは全部お母さんの事だろ。
ああ…。
そうかも。
お母さんみたいになりたくないと思って生きてるのかもずっと。
友美。
大丈夫。
友美は友美だから。
うん。
ありがとう。
ごめんなさい寝る前にこんな話して。
お休み。
お休みなさい。
私は大丈夫に決まってる。
もう行くぞ!早く車乗って。
車乗って。
シートベルトして。
閉めるよ。
食べる?いらな〜い。
食べる?ううんいい。
(翔太と大樹の話し声)「青になりました。
左右の安全を確かめてから渡りましょう」。
「信号が変わります。
無理な横断はやめましょう」。
(車のクラクション)
(車内の音楽)・「プールサイド光る君にくぎづけなのさ」・「Stoptheseasoninthesun」
(受付係)いらっしゃいませ。
お預かり致します。
お願いします。
ではこちらご署名下さい。
(春子)友美!あぁ〜!あ〜春子!変わらないね友美は。
え〜そんな訳ないでしょ。
春子は…太った?太ってないよ。
これでも痩せたんだよ。
ほんとに?白っぽいからかな。
カズちゃ〜ん久しぶり!ちょっと〜久しぶりに私に会ったのに薫捜さないで。
そんな事ないよ。
まだ来てないよ。
そう。
会ってないの?薫と。
うん久しぶりなんだ今日。
そっか。
(同窓生)友美!えぇ〜!もういいかい?
(健人)もういいよ。
おっ隠れたか。
健人どこ行ったかな〜?よいしょ!あれ?健人は〜どこに行ったか…ここだ!ほら見つけた健人!よし!次は健人が鬼ね。
はい。
よしパパどこに隠れようかな?よし!じゃ上行って10数えて。
(健人)はい。
絶対見つかるからね。
(春子)薫!薫!春子!太ったね。
え〜何それ。
友美いるよ。
久しぶり。
うん久しぶり。
うれしい。
えっ?ちょっとなにあんた泣いてんの?だってうれしいんだもん。
重大発表があるんだけど聞きたい?何よ?重大発表?あのねうちの旦那が本社に異動する事になったの。
だから私も東京なの!私も東京に戻ってきたの〜!へぇ〜。
おめでとう。
ちょっともうちょっと喜んでよ。
これからは昔みたいにしょっちゅう3人で会えるんだよ。
昔みたいに!何よ昔っからそうなんだから。
私がいないとうまくいかないくせに。
私が接着剤にならないとあんたたちはうまくいかないの。
あ〜おなかすいた。
ねえおいしい?ここ。
おいしいよ全部。
ほんとすっごくおいしい。
あんたのおいしいは昔から当てになんない。
おいしいよ。
特に春巻き。
嫌いなの知ってるくせに。
克服してないんだ。
しないわよ。
私はね嫌いなものは死ぬまで嫌いなの。
あ〜もういいから食べよう。
(校歌)は〜い渡りま〜す。
渡ります〜。
はいはいはい。
はい速やかに〜。
なんか今日は誇らしかったなぁ私。
うん?だってどう見ても友美と薫の2人が飛び抜けて輝いてたもん。
ほんとだよ。
女のさすてきな女のタイプの代表って感じ。
友美はさすてきな旦那さんと結婚して都市計画…とか何かやってるんでしょ。
すっごいよね〜。
子供もかわいくて優秀でさ。
なのに全然所帯じみてなくてきれいでおしゃれで。
薫…薫!薫はさなんかもう仕事に生きるって感じで。
映画のプロデューサーでしょ。
男になんか全然負けてなくてかっこよくてきりっとしてて。
あ〜もうなんかそれこそ映画とかに出てきそう。
恋愛とかもいっぱいしてそうで。
自由奔放?あ〜どっちもすてき。
どっちも輝いてた!あ〜!あ〜!もう置いてかないでよ!もう!3人でずっと一緒だからね。
ずっと友達なんだからね!ずっとさ…ずっと私はね自分はあなたたちみたいに輝けないけど2人と親友…。
2人と親友でいる事がうれしいの。
私の自慢なの。
私の誇りなの。
だから…ず〜っと親友でいてね。
お願い。
こういう事言ってる女がね人生の最後には一番結果的には幸せになってたりすんのよ。
それ分かる。
そうなの?そうよ。
自由奔放なの?薫。
う〜んどういうイメージか分かんないけどさ…。
でもまあ誰にも束縛されてないしね。
結婚する気もないし。
ないの?ないよ。
いいな〜自由で。
ほんとにそう思ってる?
(春子)うん。
まあいいけどさ。
この間もさ仕事終わって急にどっか行きたくなってさ。
パスポートだけ家寄って取ってそのまま成田直行。
隣の席になった男の子と仲よくなって現地でも一緒に過ごしたり。
えっ?一緒に?セックスもまあまあよかったなぁ。
こういう店で飲んでて気が合ってみたいなのもたまにある。
体だけの関係っていうのも悪くはないよ。
もう〜うそだよ!そんな自由奔放な訳ないでしょ。
な〜んだもう…。
変わらないね。
悪ぶるけど大した事ない。
全部うそとは言ってないけどね。
(店員)お待たせ致しました。
チーズの盛り合わせになります。
ありがとうございます。
友美は?幸せ?うん。
まあ何にもない訳じゃないけどね。
何かあるの?そんな簡単には説明できないよ。
そんな絵に描いたような幸せな人なんていないって事。
子供は?健人くんだっけ?かわいい?う〜ん!あの子のためなら何だってできる。
へぇ〜。
5歳だっけ?かわいいよね〜そのころは。
天使だよね。
う〜ん!その天使がさ悪魔になるんだよ。
「黙ればばぁ」とか言うんだよかわいかった子が。
やめて!やめてよもう…。
天使か〜。
友美の髪につかまって寝るんでしょ?
(春子)かわいい。
えっ?うん?そんな話私したっけ?ああ…ほらほらいつだっけな?2年前だっけ?私が東京帰ってきた時お茶したじゃない。
あの時してたよ。
そうだっけ?うん。
(春子)その天使がさ「黙ればばぁ」だよ。
もうやめてよもう〜。
よし。
じゃ次は春子の話を聞こうかな。
じゃ今度は春子の話聞こうか。
私?え〜長いよ。
そしてそんなに面白くないよ。
大丈夫大丈夫。
大丈夫よ。
笑えるから。
ねぇ〜。
うん。
絶対笑えるよね。
じゃ話す?うちのお父さんがね…。
うちの旦那がさ…。
(笑い声)
(春子)何よもう!まだ何も言ってないじゃん。
何も言ってないじゃん!ねえ!天使か〜。
友美の髪につかまって寝るんでしょ?言ってない私。
言ってない絶対。
そんな話私したっけ?うん?ああ…。
どういう事?健人はじゃあホウレンソウ。
パパはじゃあレーズンかな。
ありがとう。
(健人)ママ〜!どうぞ。
あ〜ん!どう?おいしい?
(健人)うん。
おはようございま〜す!おはようございます。
おはようございます!
(2人)よろしくお願いします。
お預かりします。
じゃあねママ。
行ってきま〜す!行ってらっしゃ〜い。
お箸上手になったね。
幼稚園でも練習したから。
そっか。
偉いね。
うん。
ごはん終わったらさちょっとだけお出かけしようか。
うん!お願い。
お願い。
お願い!
(車のクラクション)ごめん健人。
ごめん…。
や〜だ!遅い。
ああ…ごめん。
ううん。
突然ごめん。
大丈夫?きつい?何言ってんの。
これぐらい…。
私は結構きつかったよ。
あのころのようにはいかないね。
そりゃそうよ。
どうしたの?私たちってさ親友だったよね。
ほんと性格とか育った環境とか全然違うのにずっと親友だった。
よく言われたよね2人が結婚すればいいのにとか。
大学出てからさ人生っていうか少し違ってきて少しずつ距離ができちゃった。
私ねなんか複雑だったのね。
薫と会って話してると専業主婦の私がすごくちっぽけに思えて薫が話してくれる仕事の話とかと比べると私にはすごくちっちゃな世界しかなくて。
でも私が望んだ暮らしだし。
でも私には分かったんだ。
薫も同じなんだろうなって。
薫も私の幸せに対して負けたような気持ちを感じるのが嫌なんだろうなって。
だから…。
何が言いたいの?言いたい事があるなら言いなよ。
私に何か言いたい事があるんでしょ?私に何か腹を立ててるんでしょ?だったら言いなよ。
そういう時に冷静でいつもにこにこして「私は全然大丈夫です」みたいな顔してさ。
洋介だけはやめて。
はっ?意味分かるでしょ?洋介だけはやめて。
やめてくれたら何も聞かない。
何も言わない。
だからやめて。
何それ?なに優等生ぶっちゃって。
私には分かる。
あなたがそういう態度する時は後ろめたい時。
私に悪いと思ってるんでしょ?どうしていいか分からないんでしょ?どうしていつもそうやって高みから人を見てるの?あなたに私の何が分かるっていうの?分かるわよ親友だもん。
大好きだもんあなたの事。
バカみたい!そういうとこほんとに嫌だ!分かってる。
羨ましかったんでしょ私が。
悔しかったんでしょ?だから私から洋介を奪おうとしたんでしょ。
何がおかしいのよ?あなたの旦那だから好きになったんじゃない。
一人の男として好きなのよ私は。
最初は知らなかったあなたの旦那だっていう事。
うそよそんなの。
それに私からじゃない。
洋介の方からよ。
うそよ。
うそじゃない。
私からだったらあなたに負ける事になる。
そんな事はしない。
彼の方からよ。
うそ!してないんだってね何年も。
子供生まれてからか。
私とはしてるよ会う度にね。
楽しくセックスしてる。
傷ついた?でも安心して。
私はあなたの家庭を壊すつもりはない。
(叫び声)ふざけんな!何すんのよ!やめてよ!やめなさいよ!イタタ…。
ああ…。
ああ…。
えっ…!?えっ?何?やだ…何?何これ…。
ねえ…何これ?分かんない…。
入れ代わった?私たち。
入れ代わった?そんな…。
そんな…。
まさかだよね…。
どうしよう?どうしたらいいの?落ち着いて…。
夢だって考えよう。
必ず元に戻るんだよ…こういうのは。
でも…!でもじゃないよ!ふだん優等生ぶってるくせにいざとなると全然ダメなんだから。
私の顔して言わないでよ!私だって自分の顔に言いたくないわよ!落ち着く…。
落ち着く。
しっかりする。
分かるね?
(チャイム)
(信太郎の母親)「はい」。
星野です。
ごめんなさい遅くなって。
(信太郎の母親)「いいえ。
健人くん。
ママいらしたわよ」。
ママ〜!ごめんなさい遅くなっちゃって。
これ信太郎くん好きでしょ。
召し上がって。
(信太郎の母親)ありがとうございます。
ごきげんよう。
(信太郎の母親)ごきげんよう。
(健人信太郎)さようなら〜。
さようなら。
ママ見て〜!折り紙してたの?うん。
お願いします。
健人…。
ただいま〜!今日…。
今日?
(チャイム)・薫開けてくれ。
(ノック)・薫?会いたかった。
違う…違うの。
何が?ママ早く〜!あっ…。
(健人)後ろ向きだよ。
はい…後ろ向きだよ。
(健人)いくよ〜!いくよ〜。
はい!戻れるよ…絶対。
ダメだよ…。
言ってしまいましょう知らない同士なんだから。
なんか今日いつもと違ったよね。
洋介は私の事あなただと思ってるんだよ。
私がどんな気持ちでしたと思ってんのよ!守るよ命懸けで守る。
約束する。
・「こんな風に私はいつも」・「掴んだ分だけ遠くなる」・「壊さないように生きるのに」・「壊れてしまうのは何故だろう」・「愛さなきゃこれからも」・「揺れるたびに掴むのに」・「離してしまうのは何故だろう」・「急がなきゃ」・「あなたを抱きしめるために」都内のインターネットカフェで2年前から生活している19歳の女性です。
2014/10/21(火) 01:25〜02:15
NHK総合1・神戸
ドラマ10 さよなら私(1)[新]<全9回>「彼だけはやめて」[解][字][再]
少女の頃、永遠の友情を誓いあった友美と薫。20数年後、運命は過酷な試練を用意していた。人気脚本家・岡田惠和が描く、女性たちの本音と真の友情物語。
詳細情報
番組内容
誰もが羨むような幸せな家庭を築いた友美(永作博美)。独身を貫き映画プロデューサーとして活躍する薫(石田ゆり子)。2人は高校時代のある事件をきっかけに親友になった。春子(佐藤仁美)の呼びかけで久しぶりに同窓会で再会した2人は、すぐに親密な時間を取り戻す。だが友美にひとつの疑念が生まれる。「薫が夫・洋介(藤木直人)と浮気しているのではないか?」その真相を突き止めたとき、信じられない出来事が2人を襲う。
出演者
【出演】永作博美,石田ゆり子,藤木直人,佐藤仁美,尾美としのり,谷村美月,高橋來,水田航生,萩原みのり,秋月成美,南川ある,今井稜久,山崎智史
原作・脚本
【作】岡田惠和
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz
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