(大竹)最近の若いもんはパンツ出して歩いてみたりそれから男なのに髪の毛チリチリのロン毛だったり全く理解できないですね。
(又吉)確かにそうですね。
…って大竹先生それ僕の事ですよね。
えっ!?いや。
そういう訳じゃないですよ。
いやでも又吉さんもそう思うでしょ。
まあ確かにねもっと若い世代だとなんかこう僕が何か言っても微妙っていう。
ああ。
それは肯定的な意味なのか否定的な意味なのか分からん言葉があったりとか。
確かに分からない部分はあったりはしますけどね。
そうですよね。
チリチリのロン毛は僕の事ですよねさっきの。
いやいや一般論ですよ。
一般論ですか。
いつの時代もなかなか越えられないのが世代の壁。
その世代の壁に今経済学が挑む!格差など世代間の問題を解決できないかと研究が始まっています!
(テーマ音楽)こちらが今回の会場。
ここですかねぇ。
そうですねぇ。
又吉さんどうぞ。
はい。
ああどうも。
こんにちは。
こんにちは!
(一同)こんにちは!先生すごいですね。
そうですね。
今日はこんな大人数で。
はい。
初めてですよね。
こんなにたくさん。
初めてですね!いつも大体2人でねこじんまりやってますもんね。
そうですね。
番組最多の50人が参加!20代から60代の本音聞いていきましょう。
まあ今回はね進行をお任せするために。
(華恵)よろしくお願いします。
お願いします。
先ほどドアを開けてくださった方ですよね。
はい。
そうです。
進行役はエッセイストの華恵さん。
20代の本音も聞けちゃいそうですね!更に今日はもう一人経済学者に来て頂いてるんですよ。
えっ!?経済学の先生に。
はい。
よろしくお願いします。
(近藤)よろしくお願いします。
近藤絢子さん。
自身の経験から若者の労働問題に切り込む気鋭の経済学者です。
あれ!?近藤先生もさっきドアを開けて下さってたんじゃないですか?そうです。
いやなんでそんなゲストの方々にドアを開けさすんですか?先生。
予算があんまりないんですよ。
(笑い声)自分で開けますから僕。
だとしたら。
又吉さん。
はい。
又吉さんは氷河期。
私はしらけ。
これなんだか分かります?いやこれがニックネームやとしたらすごい残酷ですよね。
(笑い声)僕の「氷河期」もなかなかですけどご自身で「しらけ」とか言わないですもんね。
呼ばれたくないですね。
何ですか?これは。
これはね各世代に名付けられた名前なんですよ。
それぞれの世代には生まれた年によって世代を象徴する呼び名があります。
戦後のベビーブームで人口が激増した「団塊の世代」。
学生運動に乗り遅れ政治に無関心と言われた「しらけ世代」。
「バブル」や「就職氷河期」と言った世相を反映した世代もありますね。
ところで「さとり世代」って一体どんな世代なんでしょう?華恵さんはどの世代ですか?私は1991年生まれなのでまあ「ゆとり」ですね。
「ゆとり」の中でしかも「さとり」。
「さとり」も入ってるんですかね。
悟ってるってことですか?91年やったら入ってますよね。
そうですよ。
そっか。
さとり世代というのは?これはね物心付いた頃にはもうバブルが崩壊してたと。
だからもう氷河期世代はバブルを前の世代がバブルだと知ってるじゃないですか。
それも知らないと。
絶望の中で生まれてきたみたいな。
言い方悪すぎますけど。
それが当たり前だと。
なるほど。
どうですか?そういう実感あります?ゆとりよりもさとり。
初めて聞きましたけどちょっと腑に落ちますね。
あっちょっと思い当たる節が。
うん。
何かあんまり…ちょっと頑張ろうかなと思ったものでも状況的に厳しいかなって思うと「まあいっか」ってすぐ…。
悟ってますね。
なる事が多いので。
なるほどね!もしかしたらそれ世代的な感覚なのかもしれないですよね。
近藤先生は世代的には?氷河期世代ですね。
氷河期世代ですか?はい。
又吉さんの1つ上。
じゃ僕と同世代で。
どうですか?先生も氷河期世代という意識あります?なにしろ私就職活動して普通に就職できる気がしなかったので大学院に行っちゃってこうなっちゃった。
(笑い声)悪い事みたいに言わないで下さい。
すばらしい事ですから。
はい。
こういうふうに世代によって名前が付くということはやっぱり世代によって独特の価値観とか行動様式があるように思うんですよ。
だからまあ名前付いてるんじゃないかなと。
なるほど。
世代ごとに異なった価値観が見えると社会問題を解決する糸口がつかめるかもしれません。
経済学で始まった新しい研究の一部を今日は実際に体験しましょう!どんな気持ちで皆さんそのTシャツを…。
(笑い声)それぞれの世代のいろんな思いがあったでしょうけどね。
ええ。
スタッフまで。
ああ。
確かにスタッフさんも。
ねえ。
ああプロデューサーさんが緑のTシャツを着ていたり。
あっ皆さんそうだったんですね。
(笑い声)今日はね又吉さんも30代の1人として皆さんに混ざって「一斉!?オイコノミア的YES・NO世代調査2014」に参加してもらいます。
これから出されるいくつかの質問にあなたも答えてみて下さい。
すると各世代の特徴が見えてくるんですね〜!ナハハハッ。
なるほど。
今からいろいろな質問をしていくということですね。
それでは質問です。
ええ?これ迷いますね。
どうやろ?どうですか?…とは私は思います。
いや僕もね迷うところなんですけど。
う〜んノーかな。
答えがイエスの人は赤いブロックをノーの人は青いブロックを世代別に積み重ねていきます。
う〜ん。
どの世代も大体同じくらいノーが多いですね。
働かないでお金をもらうことを恥だと感じる人は少ないんですね。
又吉さん質問に答えてみてどうですか?これはでも世代というよりは個人的な考え…。
(笑い声)にもなってくるんじゃないですか。
そうですね。
確かにねまあこういう意見は世代だけで決まるわけじゃないんですよね。
でもまあ私たち調査したんですけど比較的世代によって違う意見だったんですよ。
実際ね私たちの調査は2013年に2度ほど調査したんですけども1つはインターネットを使って大体質問数70問で国内の3,570人の方に質問をした事があるんですよ。
へぇ〜!それによると結構世代によって差が出たんです。
あっそうなんですね!3,570人って人数も多いですけど70問答えてもらうって大変ですよね。
そうですね。
おかげさまで親切な方がこんなにたくさんいたわけですけども。
次の質問。
よ〜く見ると世代によって随分答えが違います。
この質問40代を境に答えが割れているようです。
今回の質問はかなり世代で分かれましたね。
そうですね。
あのう実は予想以上でした。
予想以上でした?はい。
この質問というのはですね実は近藤先生の研究と非常に深いつながりがあるんですよ。
今回は世代によって若い頃に景気が良かったか悪かったかというのがすごく深く関係する。
なるほど!はい。
そっか氷河期世代僕らの青チームはだいぶ運とかコネが大事だと。
それがないと就職できないという。
そう!はあなるほど。
実はこの若い時の不況の経験というのがですねもちろん若い時に不況だとその時も困るんですけれどもそのあとの…将来ですね今30代の方々「氷河期世代」と言われてますがその20代の時じゃなくて今現在もやっぱりその就業率仕事をしている確率が低いとかあと年収も卒業した時の景気が悪い人たちほど今の年収が低いと。
不況だと企業は新人の採用を見送ります。
就職できない人たちの多くは職業スキルが身につかずその後も正規で採用されにくくなるため収入も低いと考えられます。
こうした社会状況がこの質問に「努力よりも運やコネ」と答えた背景にあるようです。
努力をすごくしてもやはり成功しない人はいて努力も運もないとやはり成功はできないと思ったんですね。
「バブルの人ってずるいなぁ!」とかねがね思っていて。
成功のためにコネクションを広げるとか大切なものは運とかコネ。
これを見逃さないようにする事が大事だなと思ってます。
努力でやっぱりかなってきたことも多かったし努力でやっぱり成功する世の中であってほしいという願いも込めて。
私自身夫婦でいずれも努力一筋でやってきてそれなりに報われてきてるかなと。
大学の卒業の時の景気次第で景気が悪かったらもう諦めるしかないということになっちゃうんでしょうか?個人レベルだと諦めない方がいいですねやっぱり。
そういう世代の中でも頑張って上に行ける人はいるので。
自分がそこに入っちゃったら諦めない方がいいんですけどもそうじゃなくて外側から見てる人たちに関しては「お前ら努力が足りないんだ」という見方はしないべきだと私は思いますね。
ただひとつこれは強調しておきたいんですがこれはあくまでも平均的に見て統計データで見るとそういう人の割合が多くなりやすいという事であってもちろんキャッチアップできる人もたくさんいるんですけれどもできない人はやっぱり他の世代よりも多く出てきてしまうというようなことが知られています。
先輩の芸人さんで結構バブルの時代の方々ってみんなすっごい元気で明るいんですよ。
いまだに短パンはいてるような方が結構多いんですよ。
「お前ら元気ねえんだよ」と言われるんですけどいや多分そういうのも影響してると思うんですよね。
すごいパワーあって「わあいいな」と憧れるんですけど元気ないのは多少景気も影響してるんじゃないかなと。
そうですよね。
イケイケではいけなかったという。
これが悟りなのか分かんないんですけど運やコネをスルーせずにちゃんと大切にするその能動的な動きさえ努力だと思ってるんで。
(笑い声)なるほど。
これは経済とは関係ないかもしれないですけど1999年にノストラダムスの大予言で世界終わるって。
僕らそれが二十歳前後にある事を前提で生きてたんですよ。
で景気も悪いと。
そう。
これね多分先輩方からしたらいやそんなの関係ないって言うかもしれないですが子供の時それずっと言われてると結構…。
そう分かります。
私も1個違いだから分かりますよ。
ええ?未来ないんやと思ってましたよね。
中学生ぐらいって本気で思ってますよね。
そうですよね。
それでは皆さん次の質問に参ります。
さ〜てあなたの答えはどっち〜!?はい。
この質問はイエスが大多数。
それでは次はどうでしょうか?似た質問でもコストがかかるとなると世代で答えに差が出ました。
これ一体何を調べたんですか?これはですね実はどの程度人が互恵的なのかというのを知る質問だったんですよ。
助け合う気持ちを持ってるかみたいな事?そういう事ですね。
一番最後の質問皆さん悩まれた。
ですよね。
自分がコストを負担してでも恩を返す。
そうですね。
私の調査というのはねこの価値観を調べると同時にどうしてそういう価値観を持ったかを研究したんです。
はい。
そこで互恵性の違いがどうして生まれたかを調べる質問がこちら。
運動会の徒競走。
最近では順位をつけない学校も多いそうですが…。
今回集まった参加者の皆さんの多くは順位がついたようですね!この質問50代60代に他の世代との違いを見ることができますね!こういうね教育の中身というのが実は世代でかなり異なっているということに目を付けたんですよ。
大竹先生たちは世代による互恵性の違いは教育の違いによるのではないかと考えました。
グループ学習はなんとなく分かりますよね。
そうですね。
グループ学習の経験があるとこういう互恵性が高くなると。
徒競走が無かったということはどういう影響を与えると思います?徒競走…多分なんか徒競走の勝ち負け決めないというのはなんか負ける子がかわいそうみたいなニュアンスなんかなと思ってたんですけどそれが互恵性に関わってくるんですか?想像できるのは「そういう競争をしないでみんなで助け合いをしよう」というふうな気持ちを持つようになりそうに思うじゃないですか。
はいはい。
私たちの研究結果は逆でした。
逆でした?はい。
だから互恵性が無くなる。
無くなるんですか?はい。
勝敗を決めない事によって。
ああなるほど。
誰が速くて誰が遅いか分かってたほうが遅い人のために速い人が助ける。
速い人をみんなで応援するとかそういうふうな相手を知ることによって助け方も明確になるというのはあるとは思うんですけどね。
そうですよね。
だからグループ学習も多分そういう効果があると思うんですね。
いろんな科目によって得意不得意があるんだという事がよく分かるじゃないですか。
私は運動がすごい得意だったのでそこで目立てれば別に他でなんか意地張らなくてもなんかちゃんと心から友達が光ってるものを喜べた。
キャラクターが分かるっていうね。
そうですね。
ポジションというかね。
うん。
そうですね。
だからやっぱり助け合うという気持ちを持つためにはみんなまあいろいろな得意不得意があるんだということをキャラクターが違うんだということを知らないと駄目ですよね。
それがやっぱり今のような質問をすることで結構きれいに因果関係として見えてくるんですね。
なるほど。
まあもっともねこれ注意しておきたいんですけど教育だけで全部が決まるわけじゃないんです。
他の例えば親からの教育というのも大事ですし大体私たちの研究結果だとそういう価値観の全体の変動の5%ぐらいはこういう教育で影響を受けるんだという程度の大きさですね。
まあ今回は各世代10人ずつ集まってもらったんですよね。
実際はこの10人という数で日本全体の特徴を推し量るにはやっぱり少なすぎるんですね。
でもある程度傾向が今日も見えたんじゃないかなっていうふうには思います。
はい。
こちらが互恵性と教育の関係を調べる質問で今回参加者が「イエス」と答えたポイント数。
なんとなく相関関係があるように見えます。
価値観の形成が何に影響されたのかが分かれば教育についての考え方も変わってくるかもしれませんね!それでは次が「一斉!?オコノミア…」。
間違えちゃった。
(笑い声)次が「一斉!?オイコノミア的YES・NO世代調査2014」の最後の質問です。
ちなみに苦学の末江戸幕府の家臣に上り詰めた二宮尊徳は勤勉のかがみとして石像のある学校ありますよね!回答が世代で分かれたこの質問。
でも一体何が分かるんでしょう?この質問は意味何かあるんですか?
(笑い声)いや今までの質問もそうだったんですけどこれもやっぱり実際に私たち世代調査で回答してもらったんですよ。
へぇ〜!一番最初に何か今まで取り上げてなかった質問をやったじゃないですか。
はい。
皆さん覚えていましたか?この質問。
これ二宮金次郎像と関係あったんですよ。
へぇ〜!これはね私たちのアンケートで調べると最初「働かないでお金をもらうのは恥である」というふうに考えた人たちというのは実は二宮金次郎像が学校にあったという人と相関があるということが分かりました。
やっぱり私たちが知らない間に身につけてる価値観というのはこういっぱいあるわけですね。
その銅像からも影響を受けてると。
ところが今その二宮金次郎像に異変が起きているというのですが!最近の二宮金次郎像ですよ。
えっ!?えっ!?座って読んでるじゃないですか!
(華恵)えっ!?やっぱり歩きスマホ危険じゃないですか。
はいはい。
歩きながら本を読むのも危険ですから。
衝撃だな!すごい!ねえ。
でもこれ後ろには背負ってるんですよね。
いやこれはですね横に置いてるんですよ。
(笑い声)横に!これでも休憩中に本読むって普通の行為じゃないですか!
(笑い声)だからちょっとこの銅像が増えてくるとあんまり勤勉が大事っていう価値観につながらないかも…。
面白くなっちゃいますもんね。
はい。
又吉さん。
はい。
ある世代がね共通に体験した世界情勢とか経済的なショックとかそれから教育が世代に結構大きな影響を与えているというの分かりました?すごい分かりました!はい。
でもね更にね世代の特徴を左右する要因があるんですよ。
何だか分かります?何でしょう?まだあるんですか?あるんですよ。
実はね今日又吉さんたちの後ろにいた応援団。
あれですねあれがヒントなんですよ。
ああなるほど!分かりました。
いっ…。
それはね次回に取っておきましょう。
言っちゃ駄目なんですね。
駄目です。
2014/10/21(火) 00:00〜00:25
NHKEテレ1大阪
オイコノミア「世代の“格差”ってどういうこと?」(前編)[字][再]
いつの時代も立ちはだかる世代の壁。今、経済学はこの難題に着目、原因分析を始めている。なぜなら収入や就労など世代間格差を解消する手がかりがあるかもしれないからだ。
詳細情報
番組内容
ここで質問。「人生は努力より運やコネで決まる」「親切にしてくれた人には、身銭を切ってでも恩返しする」あなたはイエス?ノー?実はこれ、大竹教授が世代別の価値観を見るために用意した質問の1部。若者から高齢者まで、全国3570人に70問の調査をしたところ世代による差が浮き彫りになったという。しかもその原因には就職したときの景気動向が強く関わることが判明。人生は予想以上に経済状況の影響を受けているのだ。
出演者
【ゲスト】作家・モデル…華恵,【解説】大阪大学教授…大竹文雄,横浜国立大学准教授…近藤絢子,【出演】又吉直樹,【語り】朴ろ美
ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
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