こんばんは中井貴一です。
これ何だ?なんともかわいらしいおにぎりなんです。
薄焼き卵の中に隠れているのは缶詰のポーク。
おかずもごはんも一口でパク〜ッと。
いいですね〜。
このおにぎりが大好物だという竹下繁樹さん37歳。
聞けばこちらではおにぎりといえば誰もが「ポーク卵」って答えるほど定番おにぎりなんだとか。
おお〜ちょっと大きめのおにぎりですねこれ。
さあおにぎり頬張りもう一仕事。
平日は農協の職員。
週末は実家の農作業を手伝っている繁樹さん。
9月末のこの時期は家族総出で刈り取り作業。
一体何を収穫してるかって?これ分かります?この島の特産品…せっかく実ったごまを駄目にする訳にはいかない。
だから次の台風が来る前に急いで収穫。
一番忙しい時期に本当すいません。
ちょっとだけお邪魔します。
ああ〜疲れた。
鹿児島市から南へ380キロ。
沖縄本島との間に位置する喜界島。
ここでは100年ほど前からごまの栽培が行われています。
種をまいてからおよそ90日で収穫できるためサトウキビの前作として栽培しているんだとか。
刈り取って10日ほど乾燥させればさやが開いて中にはほら島の恵みがぎっしりと。
喜界島は日本屈指のごまの生産地。
島でもお菓子や油に加工しますがほとんどがそのまま鹿児島市を経由して有名飲食店へ。
作っている農家さんでさえあまり口にできない貴重品なんです。
さやから出したごまはふるいにかけて更に天日干し。
もちろん全て手作業で。
一粒の小さなごまにも多くの手間がかかっているんです。
繁樹さんは島の農協に勤めて今年で12年目。
ごま持ってきたよ。
はい。
現在は係長としてごまをはじめとする農作物の管理や出荷先を確保する仕事をしています。
この時期のメインはもちろんごま。
粒の大きさや乾燥具合など納品されたごまの品質をチェックするのも大切な仕事です。
20キロと15キロで35キロで。
今年は台風の影響で収穫量が激減。
ごまを確保するのもやっとだそう。
ランチタイムまであと僅か。
(取材者)えっ?こんにちは。
事務所にやって来たのは同じ部署で働く義理の父…いや〜キャラの濃いお父様ですね。
そりゃかいちゃいますよね。
さあ気を取り直して昼ごはん。
近くに食事どころがないため弁当を持ってくる人がほとんど。
(取材者)どなたが作ってらっしゃるんですか?嫁です。
先輩達夫さんのサラメシは喜界島のごまをたっぷり使った愛妻弁当。
いや〜それにしても皆さん愛妻弁当羨ましいです。
で肝心の繁樹さんもねそりゃあ…。
あっあれ?これが…月の半分食べているという総菜店の弁当。
本人いわく店で買うけど愛妻弁当だそうです。
えっ?ってどういう事?えっ?ってどういう事?その訳を確かめに購入先の総菜店へ。
厨房は仕込み作業の真っ最中。
あっこれさっきほら繁樹さんが食べていたお弁当。
…で作っているのははいこちら。
ちょっと帽子とマスクが邪魔だけど分かります?店でも家の味ってこういう事だったんです。
ちなみにこの日の弁当のメインは豚肉と野菜の炒め物イッチャーシー。
作るのは玲央奈さんの母…建築現場の作業員や港湾関係者が早朝から弁当を買いに来るため皆さん出勤は朝6時。
毎日200人分を作っているそうです。
何でも早朝から働く玲央奈さんを気遣ってか繁樹さん「共働きなんだから無理して弁当作らなくていいよ」って言ってくれたんだとか。
お母さんが作って嫁さんが盛りつけて。
なるほどね。
店で買っても妻が作っていればこれも立派な愛妻弁当。
うん確かに愛妻弁当。
いつもおいしいごはんを作ってくれてありがとう。
それにしてもいろんなランチの形あるもんですね。
ところで竹下さんたちが畑で食べていたポーク卵おにぎり。
あまりにおいしそうだったので作り方教えてもらっちゃいました。
作るのは妻の玲央奈さん。
繁樹さんのおばあさんの代から食べられているという喜界島ならではのおにぎり。
子どもたちにも大人気だそう。
主役は島の人なら一つは常備しているというポーク缶。
確かにね。
一年を通じて気温が高い喜界島。
こまめな塩分補給は欠かせないですよね。
ごはんにも多めに塩をまぶしギュッと握らずふっくらと。
ちなみにおにぎり1個でお茶わん1膳分。
(玲央奈)マヨネーズ。
マヨネーズもつけるの?軽く握ったごはんが崩れないようのりを巻いて。
仕上げは次男慎之佑君もお手伝い。
ラップでくるくるっと巻いてはい完成。
喜界島で見つけたおふくろの味。
皆さんも明日のランチにいかがです?続いてはこちら。
何だかおいしそうな料理がずら〜っと。
実はこれとある会社の…どれどれ?リゾットにアボカドサラダ?パエリアに…えっ?バニラアイスまで手作り!?月に一度開かれるこの持ち寄りランチ。
作ったのはこちら…って全員男性?男だらけ。
月に一度の持ち寄りランチ。
行っているのは東京・神田にあるこちらの会社。
従業員35人。
主な仕事は競輪の車券を販売するウェブサイトの運営とそのシステム開発。
あっよく言うIT系ですね。
全国各地でほぼ毎日開催される競輪。
その車券の販売から各レースの情報更新。
更にウェブサイトにあるさまざまなコンテンツのプログラミングを行っています。
一人一人が任された仕事を黙々と締め切りまでに仕上げる職場。
だからふだんのランチもばらばら。
コンビニ弁当やファストフードが多いそう。
えっ?じゃあさっきのは何?あの楽しそうな持ち寄りランチ。
えっまさか「サラメシ」用じゃないでしょうねえ?そういう事。
…でどうせやるならと周りに声をかけたところ6人が参加。
自由に持ち寄った1回目。
なんと6人中3人が肉巻きを持参。
肉ばかりはきつい。
そこで導入したのが…これで主食野菜肉魚など担当を決める事に。
参加は自由材料費は自腹で金額設定もなし。
でも1つだけルールが。
身近に親や妻のいる人が有利にならないようルールを設けたそうです。
結果参加者が増えいつの間にやら男だらけのランチ会に。
ちなみに女性スタッフは「面倒くさいから」と見ているだけだそう。
こちらは会社きっての料理上手という…いや別にね疑ってる訳じゃないんですよ。
いや本当に自分で作ってるのかってのがね「サラメシ」的にはちょっと気になっちゃうんですよ。
こう思っちゃうと「サラメシ」って意外としつこいんですよね。
こんばんは。
こんにちはこんばんは。
こんばんは〜。
という訳でお邪魔させて頂きました。
持ち寄りランチはいつも月曜日。
そうすると日曜日にゆっくり作れるって訳。
時任さん今回は主食の担当。
うん?パエリア?難易度高くないですか?とはいえもともと料理好きな時任さん。
持ち寄りランチも皆勤賞なんだとか。
鶏肉は塩こしょうで下味を。
こちらは…えっ鶏ガラを30分煮込んだスープに洋風だしのフュメ・ド・ポワソン。
そしてサフランね。
はあ〜鍋もパエリア専用ですか。
もうこうなっちゃうとお店だねレストランだね。
お米はこれまた水分量の少ないタイ米を。
具材を載せて特製スープをかけたら…うわ〜これいい音だ。
…で蓋をして15分炊けば完成。
いや時任さんお見それしました。
えびにあさり鶏肉と具だくさんのぜいたくパエリア。
うわ〜おいしそう。
お〜っとここで妻登場です。
でも手伝いに来た訳じゃないんです。
何でも時任家では妻のOKが出ないと持っていけないというルールが。
しかもおいしくできたら自腹の材料費を半分家計で出してもらえるんですって。
うん!ああ〜じゃあ大丈夫。
(愛子)大成功。
うんおいしい。
でもね時任さんみたいに料理上手ばっかりじゃないんです。
こんばんは。
こんばんは。
こちらは…今回は肉魚の担当に。
元板前の父親に相談したところ煮つけが簡単だよと。
まずはうろこを取って…。
ああ〜…。
実は首藤さんこれまで料理経験はほとんどなし。
鍋や炊飯器も持ち寄りランチが始まってから買ったんだとか。
お次は水でぬめりを取って…。
ああちょっとちょっと水強すぎる強すぎるって。
まあでもほら煮ちゃえば分かんないですよ。
調味料はお父さん直伝の配合で。
ネットで調べて作った落とし蓋をして待つ事数分。
おっおっおっおっ。
ちょっと白いとこ見えてるけどいけてんじゃない?これ?でもほら見た目より味味味。
(取材者)どんな感じですか?駄目だったか…。
どうなる?首藤さんのかれい。
そして翌日。
7回目の持ち寄りランチ。
今回は10人が参加。
もちろん男だらけ。
ほら給湯室には男性の列が。
首藤さんも出陣。
あのあとうまくいったんですかね?こちらが…主食に野菜魚デザートまで力作ぞろい。
あっ首藤さんのかれいもいた!いた!みんなが真っ先に手を伸ばしたのは…豪快にちらしたかいわれがワイルドだろぉ〜?疑われるほどおいしいって事。
並んで人気なのは…。
時任さんのパエリア。
余った食材でラタトゥイユも作りました。
首藤さん自分のかれいが気になります。
ほかにも男たち渾身のメニューが。
今回2度目の参加で主食担当になった塩谷さんはリゾットを2種類も。
なるほどね。
…で回を重ねるごとにどんどんハードルが上がっちゃったんですって。
ふだん愛妻弁当の鈴木さんは今回初めて揚げ物にチャレンジ。
取締役の高崎さん栗かぼちゃの煮物は妻に言われてちゃんと面取りもしました。
いやでもちょっとこれみんな頑張り過ぎじゃないの?でもまあ分かるかなこれが男の料理。
どんどん突き詰めたくなるのが男ってもんなんですよね。
おっそうこう言ってるうちに首藤さんのかれいが…。
うまいっす。
誰のですか?実はあのあと2回作って形のよい方を持ってきたんですって。
偉い偉い。
よかったよかった。
うれしそうだね。
締めにはデザートも。
これアイスもソースも手作りですって。
これが男の持ち寄りランチ。
仕事中とは違い会話も弾みうまいランチも食べ放題。
まさにおいしい事尽くし。
いいねえ〜。
月一ぐらいなら僕も参…いやちょっと無理かもしれませんごめんなさい。
あの人も昼を食べた。
その独特の語り口から20世紀を代表する落語家と称された五代目古今亭志ん生。
なじみの店は東京・千駄木に。
近所に住んでいた志ん生が寄席の前に訪れ好んで食べたのは親子丼。
しかしそれは普通の親子丼とは少し異なる。
具材は竹の子と水で戻した干ししいたけ。
たれとだしとの相性を生かすためあえてたまねぎは入れず鶏肉と一緒にじっくりと。
仕上げに卵でとじ待つ事しばし。
ある時志ん生は店の人にこう言った。
「親子丼をもっとぜいたくに食べたい」。
出来上がった親子丼に卵の黄身を更にもう一つ。
これが昭和の噺家志ん生流のぜいたく。
人々の喜怒哀楽を笑いに変えた噺家は黄身がからんだ鶏肉を前に思わず表情を緩めた事だろう。
「びんぼうはするもんじゃありません。
味わうものですな」。
という名ゼリフを残した志ん生。
そんな彼のささやかなぜいたくがあの親子丼だったのかもしれない。
その破天荒な生涯を陰で支えた妻りんさん。
世話になっている近所の店への差し入れはいつも彼女の役目だった。
それはかつての下町にあった何気ない日常。
親子丼の向こうに噺家とその妻の粋な姿あり。
これが五代目古今亭志ん生が愛した昼ごはん。
ごちそうさまでした。
今日もお相手は中井貴一でした。
2014/10/20(月) 22:55〜23:20
NHK総合1・神戸
サラメシ[字]
東京のある会社では男子社員が持ち寄りランチを実施。料理に無縁だった人々が次々と料理好きになったというランチをのぞき見!鹿児島県の喜界島でゴマを育てる人々の昼食。
詳細情報
番組内容
▽東京のある会社では男性社員が持ち寄りランチを実施。料理には無縁だった人々が次々と料理好きになっているというランチタイムをのぞき見! ▽鹿児島県の喜界島でゴマを育てる人々が収穫作業の合間に食べるポーク卵のおにぎり。 ▽5代目古今亭志ん生が愛した東京・千駄木の親子丼。
出演者
【語り】中井貴一
ジャンル :
情報/ワイドショー – グルメ・料理
バラエティ – 料理バラエティ
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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