NHKニュース7 2014.10.20

こんばんは。
ニュース7です。
内閣の重要課題の一つである女性の活躍の象徴として、先月の内閣改造で起用された小渕経済産業大臣と、松島法務大臣がきょう、相次いで辞任しました。
安倍総理大臣は、後任の法務大臣に、元少子化担当大臣で自民党の上川陽子氏を、経済産業大臣に元内閣府副大臣で自民党参議院議員の宮沢洋一氏をそれぞれ起用することを決めました。
安倍総理大臣は先ほど記者団に対し、次のように述べました。
閣僚の交代について、正式に決めたのはきょう、辞表が提出をされてからであります。
難問が山積をしています。
われわれ、経済最優先で政策を前に進めていかなければなりません。
そういう意味においては、行政、政治に遅滞があってはならないという観点から、後任の選任を急いで決定したところであります。
総理大臣官邸は、朝から慌ただしく動きました。
午前8時半前、総理大臣官邸に入った小渕経済産業大臣。
安倍総理大臣と会談し、みずからの政治資金を巡る問題について、国民の理解を得るのは難しいとして、辞表を提出しました。
このあと会見し、収支報告書の記載にさまざまな疑問を持たれていることについて、謝罪しました。
その上で、小渕大臣は。
午後、再び総理大臣官邸に動きが。
松島法務大臣が安倍総理大臣と会談し、みずからの選挙区の祭りでうちわを配ったとされる問題で、これ以上、国会審議に影響が出ることは避けたいなどとして、辞表を提出しました。
辞任を決断した理由については。
先月の内閣改造で、内閣の重要課題の一つである女性の活躍の象徴として、起用された女性閣僚の相次ぐ辞任。
政権へのダメージは避けられず、政府・与党内からは、今後の国会審議や、政権運営への深刻な影響を懸念する声が出ています。
2人の大臣の問題、改めて整理します。
まず松島法務大臣ですが、ことしまでの3年間に、合わせて2万1980本のうちわを作製し、大半を選挙区の祭りで配ったとされています。
野党からは、公職選挙法で禁じられた寄付に当たると追及されています。
小渕経済産業大臣は、政治資金収支報告書の問題が指摘されました。
後援会などが開催した観劇会について、平成21年からの3年間で、劇場への支出が参加者からの収入を4300万円余り上回り、収支に大きな食い違いが明らかになりました。
平成24年の観劇会については、記載もありませんでした。
2人の大臣は、指摘された問題について、どのように説明したのでしょうか。
小渕経済産業大臣は、銀行口座のコピーなどを示しながら、次のように述べました。
大臣の説明によりますと、観劇会の参加者は、毎年2000人に上ります。
参加費は、平成19年は1万1000円、その後は1万2000円だったということです。
小渕大臣は、外部の弁護士や税理士など、第三者を入れて、客観的な調査をすることを明らかにしました。
今後、求められる実態の解明。
小渕大臣の元秘書で、群馬県中之条町の折田謙一郎町長は、収支報告書についてはすべて自分がチェックし、作成してきたことを明らかにし、きょう、辞表を提出しました。
一方、選挙区の祭りでうちわを配ったとされる松島法務大臣。
会見では、法に反することをしたとは考えていないと述べました。
ただ関係者によりますと、松島大臣が落選中のおととしに作られたうちわの中には、名前とともに、働かせてください、もう一度と書かれていたものもあったということです。
2人の閣僚の辞任。
専門家は。
では、各党の反応です。
公明党の山口代表は、松島法務大臣の辞任は、小渕大臣と同様、女性が輝く社会を作る象徴的な人事だっただけに、極めて残念だ。
1日に2人の大臣が辞任をするのは極めて異例のことだが、このような決断をしたことは、しっかり襟を正して反省し、国民の期待に応えたいという強い決意の表れだ。
政府・与党として団結していくことが、国民に対するわれわれの証だと述べました。
街の人は。
そして安倍総理大臣は、後任の法務大臣に、元少子化担当大臣で自民党の上川陽子氏を、経済産業大臣に元内閣府副大臣で自民党参議院議員の宮沢洋一氏をそれぞれ起用することを決めました。
上川氏は、衆議院静岡1区選出の当選4回で61歳。
第1次安倍改造内閣と福田内閣で、少子化担当大臣を務めました。
現在は政権の重要課題の一つである、女性が輝く社会の実現に向けて、党の女性活躍推進本部長を務めています。
宮沢氏は、参議院広島選挙区選出の当選1回で、64歳。
総理大臣を務めた故・宮沢喜一氏のおいで、平成12年の衆議院選挙で初当選して、衆議院議員を3期務めました。
その後、平成22年の参議院選挙に立候補して当選し、現在は党の政務調査会長代理を務めています。
初めての入閣です。
先ほどお伝えしました、各党の発言の中で、公明党の山口代表のコメントについて、字幕の名前に一部誤りがありました。
失礼いたしました。
では国会記者会館にいる政治部の岩田記者に聞きます。
岩田さん、相次ぐ閣僚の辞任というこのダメージを、安倍政権、どのように受け止めているんでしょうか。
1日に2人の閣僚が辞任するというのは、極めて異例の事態で、政府・与党内からは事態を深刻に受け止める声が出ています。
安倍総理大臣は、先の内閣改造で、みずからが優先課題の一つとして掲げる、女性が輝く社会の実現に向けて、女性閣僚5人を起用しました。
きょう、そのうちの2人が、改造から1か月半で辞任する事態となったわけで、安倍総理大臣は、自分に任命責任があると明言しました。
安倍総理大臣には、8年前に発足した第1次安倍内閣の際、政治とカネの問題などを巡って、閣僚が次々と辞任に追い込まれ、最終的に退陣に至った苦い経験があるだけに、小渕大臣や松島大臣の問題が明らかになった段階から、政府内からは、早期に事態を収拾すべきだという声が漏れていました。
同じ日に2人の閣僚が辞任を表明した背景には、対応が遅れて傷口が広がる事態はなんとしても避ける必要があるという、安倍総理大臣を含む、政権幹部の意向もあったようです。
ただ臨時国会はまだ序盤で、野党側は安倍総理大臣の任命責任を厳しく追及するとともに、辞任した小渕大臣と松島大臣についても、閣僚辞任による幕引きは許さないとして、国会の政治倫理審査会などで説明責任を果たすよう、迫っていく構えです。
第2次安倍内閣は発足以来、順調な政権運営で、国会審議も与党ペースで進んできましたが、政府内からは、これまでになく厳しい国会運営が続くことになるという見方が出ています。
そして、後任人事に込めた安倍総理大臣の意図はどのように見ているでしょうか。
政治とカネの問題などで、2人の閣僚が相次いで辞任に追い込まれたため、後任人事では、政治資金の問題がないことを重視しました。
さらに安倍内閣の金看板、アベノミクスや、女性が輝く社会の実現に向けた取り組みを失速させないため、政策に精通し、行政手腕が豊かなことも重視しました。
法務大臣に起用された上川氏は、第1次安倍改造内閣と、福田内閣で少子化担当大臣を務めたほか、現在は、女性が輝く社会の実現に向けて、党の女性活躍推進本部長を務めています。
また経済産業大臣に起用された宮沢氏は、総理大臣を務めた故・宮沢喜一氏のおいで、旧大蔵省の出身です。
自民党の政務調査会長代理を務め、党内でも、経済財政政策に明るいとされています。
安倍内閣の前には、消費税率の引き上げの是非の判断に加え、原発の再稼働、それに中国、韓国との関係改善など、内政、外交ともに多くの課題が山積しています。
臨時国会が開会中ということもあり、安倍総理大臣としては、即戦力となる人材の起用によって、着実に実績を積み上げることで、信頼回復を目指そうとしているものと見られます。
北朝鮮による拉致被害者などの調査は、進展するでしょうか。
政府は調査の現状を把握するため、担当者をピョンヤンに派遣する方針を決めました。
政府と与野党の国会議員で作る協議会。
北朝鮮側が、拉致被害者などの調査の詳細は、ピョンヤンで特別調査委員会のメンバーから直接聞くよう求めてきたことについて協議しました。
そして、菅官房長官。
また、派遣する時期やメンバーについては、現時点ではまだ決まっていないが、そんなに時間を置くことはない。
基本的には、これまでの日朝政府間協議と同様の構成となる予定だと述べ、日朝政府間協議で交渉に当たっている、外務省の伊原アジア大洋州局長らを、できるだけ早い時期に派遣することになるという見通しを示しました。
これについて、拉致被害者の家族は、政府から説明を受けました。
時期尚早、拙速。
拉致被害者の家族は、政府が担当者をピョンヤンに派遣することに、慎重な対応を求めていました。
現地で調査のプロセスを確認し、お墨付きを与えれば、将来、信ぴょう性が疑われる結果が伝えられても、反論できなくなるのではないかといった懸念があるためです。
平成16年に行われた前回の再調査では、現地を訪問した日本の調査団に北朝鮮側が渡した、横田めぐみさんや松木薫さんのものとする遺骨から、別人のDNAが検出されるなど、信憑性のある安否情報は示されませんでした。
こうしたことから、家族の間には北朝鮮の指導部が被害者を帰国させる決断をするかどうか、今は見極めるべきではないかといった慎重意見が多いのです。
拉致被害者家族の懸念の声に対し、菅官房長官は。
拉致被害者の家族は、政府の今後の交渉を見守る方針です。
皇后さまはきょう、80歳、傘寿の誕生日を迎えられました。
社会の人々にも見守られ、支えられてまいりました。
皇后さまは誕生日に当たり、記者の質問に文書で回答を寄せられました。
皇后さまは、傘寿を迎えた感想について、子育てを含め、家庭を守る立場と、自分に課された務めを果たす立場を両立させていくために、これまで多くの職員の協力を得てきています。
社会の人々にも見守られ、支えられてまいりましたと、周囲への感謝の気持ちを記されました。
また、天皇陛下が去年、傘寿を迎えられたことがうれしかったとしたうえで、50年以上にわたるご一緒の生活の中で、陛下は常に謙虚な方でいらっしゃり、また子どもたちや私を時に厳しく、しかし、どのようなときにも寛容に導いてくださり、私が今日まで来られたのは、このおかげであったと思いますとつづられました。
皇居では、皇后さまの誕生日の祝賀行事が行われ、皇太子ご夫妻をはじめとする皇族方や、安倍総理大臣、それに衆参両院の議長らが祝賀に訪れました。
夜には、天皇ご一家が両陛下のお住まいの御所に集まりました。
そして引き続き、皇太子ご夫妻、秋篠宮ご夫妻、それに黒田清子さんが、両陛下とお祝いの膳を共にされています。
歯止めがかからない少子化。
地元を出て行く若者たち。
今、地方は深刻な人口減少に直面しています。
将来的に存立が危ぶまれる自治体を中心にした全国172の市町村などが、自治体連合を設立し、連携して対策に取り組むことになりました。
都内で開かれた設立総会。
出席した自治体の代表は、危機感を訴えました。
参加した自治体の多くは、民間の有識者などで作る日本創成会議の推計で、子どもを産む中心世代の20代から30代の女性の数が、2040年までに半分以下に減り、将来的に存立が危ぶまれるとされています。
中には、独自の対策に乗り出した自治体もあります。
三重県名張市が、市内15の公民館に設けた、まちの保健室。
看護師などの資格を持つチャイルドパートナーが常駐し、妊婦や子育て中の母親の相談に乗ります。
少子化対策で先進的なフィンランドの子育て支援にならいました。
さらに、地域で子どもが生まれると、民生委員が訪問します。
予防接種などの情報を伝える一方、変わった様子がないか、目を配ります。
頑張ってくれてるな。
こうして得られた情報は、民生委員とチャイルドパートナー、それに市の保健師の間で共有され、切れ目ないサポートを実現しようとしています。
若い世代を呼び込み、定住してもらおうという自治体も。
鳥取県南部町です。
2040年までに人口は40%近く減り、7000人にまで縮小すると推計されています。
そこで町は、若者向け住宅条例を施行。
35歳以下を対象にした専用の住宅を建設し、来月から入居者を募集します。
家賃は相場より安い月2万円です。
あの2階建ての家です。
また、いったん、町を出た若い家族が戻って両親と住む場合、住宅のリフォーム費用も補助するなど、総額8億3000万円を投じます。
急がれる人口減少対策。
自治体連合では、自治体ごとに人口の将来予測を行ったうえで、若い世代が暮らし、子育てができる地域づくりを、当面5年間、集中的に進めることにしています。
気象情報、お伝えします。
今、日本付近には、帯のように雲が広がっています。
この雲はこのあと、ゆっくりと南へと下がるため、全国的に天気が下り坂です。
さらにこの雲は季節の境目に当たります。
北側には冬の空気を伴っていまして、この影響で、このあと、北海道では雪の降る所も出てきそうです。
ではあすにかけての雨の見通しです。
北と南にそれぞれ雨雲があります。
この南の雨雲はこのあと東へと移動して、あすの朝の通勤・通学の時間帯は、関東付近でも雨の降る所があるでしょう。
そして午後は次第にこの北側の雨雲が活発になってきます。
夜は日本海側にかかって、雷を伴う所がありそうです。
また夜遅くにかけては、北海道の東部、雪の降る所があるでしょう。
日本国万歳!2014/10/20(月) 19:00〜19:32
NHK総合1・神戸
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▽小渕大臣辞任・影響は ▽皇后さま80年の歩み 【キャスター】武田真一,【サブキャスター】上條倫子,【気象キャスター】寺川奈津美

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【キャスター】武田真一,【サブキャスター】上條倫子,【気象キャスター】寺川奈津美

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