午前8時、総理官邸に現れたのは小渕優子経済産業大臣だった。
午後1時、松島みどり法務大臣も安倍総理のもとを訪れた。
内閣改造からわずか1カ月半。
安倍総理が目玉人事として配置した5人の女性閣僚。
その2本の柱が、崩れた。
小渕大臣の政治とカネ。
松島大臣のうちわ。
一日のうちに2人もの大臣が不祥事で辞任するのは異例中の異例。
これまで高い支持率など絶頂にあった安倍政権は、急転直下崖っぷちに立たされた。
第1次安倍政権のドミノ辞任を思い起こさせるような、今回のダブル辞任。
またも繰り返される政権の不祥事に国民の政治不信は高まっている。
安倍政権が先月の内閣改造で目玉としていた女性閣僚が相次いで辞任し、官邸の混乱や辞任会見など一日に同じ光景を2度見るという異例の展開となりました。
竹内キャスターが総理官邸前にいます。
私は朝8時前に、後ろに見えます総理官邸に到着して取材を続けていました。
ただ、今日一日、非常に目まぐるしい動きがあったんです。
まず大臣2人が次々と辞表を提出、その後で安倍総理が謝罪会見を開きまして今晩には後任の発表です。
このスピード決着、政権への打撃を少しでも減らそうという巧妙な戦略が見え隠れしています。
安倍総理に辞表を提出した小渕大臣、今、記者会見場に入ってきました。
国会審議を急きょキャンセルした小渕氏は、午前9時半過ぎに会見を開いた。
冒頭、深々と頭を下げた後、不明朗な資金の流れについて釈明した。
小渕氏は、自身の政治資金管理団体が購入した地元の名産品やベビー用品などは適切との認識を示した。
そして今回、一番の焦点となっていたのが観劇会の資金の流れ。
小渕氏が関係する政治団体の収支報告書では、参加者から受け取った会費に当たる収入に対し、明治座に支払った支出が上回っていた。
さらに、2012年の報告書には観劇会が行われていたにもかかわらず、記載そのものがなかった。
自ら収支報告書の記載には疑念があるとした小渕氏。
今後、政治団体に関係のない税理士などの専門家を入れて調査することを明らかにした。
小渕恵三元総理の次女として生まれた小渕氏。
恵三氏が総理大臣に就任したことをきっかけに父の私設秘書に。
そして翌年、小渕元総理が急死すると…父の地盤、群馬5区を引き継ぎ、衆議院選挙に初出馬。
2位に10万票以上の差をつけ、26歳という若さで初当選を果たす。
麻生内閣で少子化担当大臣として当時34歳という戦後最年少で初入閣を果たすと在任中には第2子の妊娠を発表。
その後も順調にキャリアを重ね、将来の総理候補との声も一部で上がっていた。
それが、就任からわずか1カ月半での辞任。
資金の不透明な流れについて、気づかなかったとした小渕氏。
その理由を問われると…小渕優子後援会を含む3つの政治団体などの会計をチェックしていたというのが父の代から秘書をしていた群馬県中之条町の折田謙一郎町長。
折田氏は今日、責任をとる格好で地元議会に辞表を提出した。
一方、小渕氏の地元の市民団体、市民オンブズマン群馬は一連の問題は政治資金規正法違反などに当たるとして小渕氏などを東京地検に刑事告発した。
小渕氏が辞任した数時間後、今度は、あの大臣も辞任を表明。
一日に2人の閣僚が辞める午後1時過ぎ、シンボルカラーの赤ではなく、真っ白なスーツ姿で総理官邸を訪れた松島法務大臣。
これ以上、安倍内閣の足を引っ張ることはできないと辞任したことを明らかにした。
小渕大臣と並び、注目の女性閣僚だった松島大臣が連日、国会で追及されてきたのが、うちわ問題。
選挙区内の祭りで配布したものだった。
松島大臣は、うちわではなく活動報告や政策などを記した討議資料で公職選挙法が禁じる寄付には当たらないと主張。
しかし、答弁ではついつい…その後、法務大臣就任後の秋バージョンのうちわ、議員を浪人中につくった、今度こそうちわの存在も明らかになった。
今度は、この雑音という表現に反発が。
先週金曜には、民主党の議員がうちわ問題をめぐって東京地検に告発状を提出。
しかし、今日の会見でも松島大臣は法に触れることをしたとは考えていないと強調した。
2人の女性閣僚が辞任に追い込まれた安倍政権。
ここで改めて小渕、松島両大臣の疑惑の構図を整理しておきます。
まず松島大臣ですが、選挙区の盆踊り会場でこのようなうちわを配布していました。
このうちわのように価値のある品物を自らの選挙区で有権者に配るというのは公職選挙法が禁止している寄付に当たる違法行為だと野党が追及していました。
そして先週末に、民主党の議員から公職選挙法違反の疑いで刑事告発され、法をつかさどる法務大臣として厳しい立場に追い込まれていたんです。
そして一方の小渕大臣ですが、2010年と2011年に自身が関連する政治団体が支援者を対象に東京の明治座で観劇会を開きました。
政治団体はその参加費用としておよそ742万円を集めたんですが、政治資金収支報告書には総額でおよそ3384万円がかかったと記載されていましてその差額、この2642万円は政治団体側が負担した形となっています。
これが事実だとしますと、公職選挙法が禁止している有権者への寄付、そして利益供与に当たることになります。
その一方で、もし参加者から集めた費用を実際よりも少なく計上していたとしますと、今度は政治資金収支報告書の虚偽記載に当たることになりまして、どちらに転んでも違法行為に当たるという厳しい立場に立たされていたわけです。
さて、今ニュース速報が入りました辞任した2人の閣僚の後任として、宮沢洋一さん、上川陽子さん、この2人の入閣が固まったようです。
辞任した2人の後任として決まりました。
ここからは政治部の岩田キャップとともに話を進めたいと思います。
今日2人の閣僚が辞任しました。
こちらをご覧いただきたいんですが、第1次安倍内閣の辞任ドミノを思い出す光景ではありませんか?安倍政権は今回はまさに、前回のような形にしないように、つまりダメージを最小限に抑えるためにもあらゆる手だてを尽くしているという印象です。
問題が指摘されました2人の大臣の辞任を同じ日にまとめて、後任についてもこの後7時までに決めるということなんです。
今、宮澤さん、上川さんが内定したという情報が入ってきています。
つまり一日ですべてを決着させまして問題を長引かせないということです。
総理の日程を考えますと、6時半から7時半頃にはそのお二人が官邸に入るものと見られます。
今後の政権運営が一番気になるところですが、影響はありそうですか?今日の目まぐるしい動きが、どう出るかなんですけれども、野党側は官邸の狙いには乗らずにこれで幕引きとはさせない、そういった考えです。
野党側は今日午後、各党の幹事長ら幹部が集まりまして、小渕さんと松島さんには、引き続き政治倫理審査会など国会で説明責任を果たすべきだと求めること、そして、何よりも安倍総理自身の任命責任を徹底的に追及する方針を確認しました。
安倍総理は今日の日程を1つもキャンセルせずにこなして、ダブル辞任といっても、大した影響はないように演出すらしていたようにも見えたんですが、実際は日本の政治史の中でも前代未聞のとんでもない一日だったということは忘れてはいけないと思います。
竹内さん、私たちは政治とカネという言い方をするんですけれども、これはむしろ選挙とカネだという指摘があって、ほとんど政治=選挙活動となっている日本の政治のありようを今度こそ考え直さなきゃいけないという気もするんですが、どうでしょうか?今回の観劇ツアー、そして、うちわ問題なんですけれども、これは規模も性質も全く違うものなんですが有権者へのサービスであることには変わりはないような気はするんです。
しかし、こうした古典的なサービスによって支持を集めるのではなくて、政策によって有権者を集める、これが本来の政治家であるはずなんです。
今日のスピード決着によって、こうした根本的な問題、その焦点がぼけてしまってはならないと私は思います。
政府は北朝鮮による拉致被害者らに関する再調査の現状を担当者から直接聴取するため、調査団をピョンヤンに派遣すると正式に発表しました。
来週にもピョンヤン入りする方向で最終調整しています。
菅官房長官は派遣の時期については時間を置かないでと思っていると述べたが、複数の政府関係者によると、外務省の伊原アジア大洋州局長を団長とする調査団が来週、ピョンヤン入りする方向で最終調整している。
今回の訪朝は再調査の中間報告が想定より遅れている中、調査を取り仕切る北朝鮮の特別調査委員会の幹部らから直接、説明を受け、調査を急ぐよう促すためのもの。
一方、説明を受けた拉致被害者の家族会は訪朝について慎重な姿勢を崩していないが政府は、交渉を前に進めるためには担当者との対話が欠かせないと判断した。
ニュース速報でお伝えしておりました、小渕さん、松島さん、2人の大臣が辞任しましたが、その後、宮沢洋一さんと上川陽子さん、2人の入閣が固まっています。
経済産業大臣に宮沢さん、そして法務大臣に上川陽子さん、富士山の大規模な噴火を想定した訓練が国と3つの県合同で昨日、初めて行われました。
富士山の噴火は最悪の場合、死者が実に1万3000人に上るとされています。
見えてきた課題は何だったのでしょうか。
今回の訓練に最も多くの住民が参加した静岡県御殿場市。
普段は静かな道路がかつてない量の車で埋め尽くされた。
富士山に近い地区ではおよそ800人が噴火の知らせと同時に自家用車で逃げる訓練に臨んだ。
警察や消防の交通整理にもかかわらず大渋滞となっています。
噴火が事前に予知できた想定だったが、それでも整然とした避難の難しさが明らかになった。
富士山が噴火して最悪の場合、死傷者数は山麓の地域で1万3000人に上るとされている。
問題は、渋滞だけでなく、この地域の高齢化にもある。
多くのお年寄りが訓練に参加しなかった。
高齢者しかいないような時間帯に動きがあったらどうするのか。
地域の人は気をもむ。
さらに…3週間前、御嶽山では突然の噴火で56人の命が奪われた。
噴火の予知に限界が突きつけられた一方で富士山ではこれまで突発的な噴火や観光客の対策がほとんど進められてきていない。
予知できた場合でも、多くの課題が浮上している富士山の噴火。
まして御嶽山の噴火を踏まえればさらに多くの備えが急がれている。
大阪市の橋下市長と在特会のトップが面会し、冒頭から怒号の応酬となりました。
大阪市の橋下市長と在日特権を許さない市民の会、いわゆる在特会会長が会談したが、ヘイトスピーチの規制が必要とする橋下市長と在日の韓国朝鮮人らを対象に差別的な発言を繰り返す在特会との議論はかみ合わず2014/10/20(月) 17:50〜18:15
MBS毎日放送
Nスタ ニューズアイ[字]
取材経験豊富な竹内明を中心に、佐古忠彦も新加入。TBSアナウンサー・加藤シルビアらがお届けする大型報道番組。ニュースを速く、深く伝えます。
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番組内容
きょうのニュースを速く深くわかりやすく。徹底取材したVTRに加え、今さら人に聞けないニュースのポイントもわかりやすく解説。政治・経済・事件はもちろん、身近なニュースや生活情報もお伝えします。「Nトク」では全国各地で起きているホットな出来事を徹底的に掘り下げます。
出演者
【Nスタ ニューズアイ】
竹内明(TBS報道局)
佐古忠彦(TBS報道局)
加藤シルビア(TBSアナウンサー)
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