ファースト・クラス #04 2014.10.20

人にも執行猶予の付いた有罪を言い渡しました。
現在のマウンティングランキングは

(小夏)その他…。
(ちなみ)はいそうです。
えっとですね…。
(小夏)ちなみさん。
(ちなみ)はい。
これから広告部とタイアップ記事の打ち合わせなの。
同席してくれる?えっ?現場はあなたに任せようと思うの。
はい。
(小夏)頑張ってね。
(白雪)あの…。
もしよければ私も何かお手伝いしたいです。
あっ…ありがとう。
じゃあコーヒーお願い。
(白雪)はい。
(美也子)広告部の真田美也子です。
美也子さん吉成とは初めてですよね?
(美也子)新人?はい。
大丈夫ですか?
(小夏)彼女根性あるのよ。
私が育てていこうと思ってるの。
(美也子)そうですか。
よろしくお願いします。
新人だろうがベテランだろうがクライアントにとってはあなた自身が詢香社の顔になる。
くれぐれも失礼のないようにね。
分かりました。

(ノック)
(白雪)MIINAさんいらっしゃいました。
(美也子)今回のクライアントである加賀美真珠さんから「ぜひMIINAさんに」とおっしゃっていただいたんです。
大きく打ち出せるし広告部にとっても大切な仕事です。
よろしくお願いします。
(小夏)よろしくお願いします。
企画書の方ご覧ください。
(秋葉)今月号は絶好調だね。
次号はセンターモデルの発表だからまた売れちゃうだろうな。
(留美)ありがとうございます。
(秋葉)あっこの子いいね。
こういう新しい子を活躍させれば『FIRSTCLASS』も生まれ変わるんじゃない?頑張ります。
『FIRSTCLASS』はわが社のワン&オンリーのファッション誌という認識で間違いないですよね?もちろん。
どうして?少し噂を小耳に挟んだので。
噂?お気になさらないでください。
ただの噂ですから。
(ERENA)ねえ総選挙の結果って今どんな感じなの?
(レミ絵)途中発表がないんだよね〜。
どれだけ買った?
(ERENA)売り上げに貢献してるよ。
都内は結構パパに買い占めてもらっちゃった。
(レミ絵)都内?日本中で買ってもらったら?Yeah,you’reright.
(レミ絵・ERENA)フフフフ。
(拓海)ちなみちゃんのページ良かったよね〜。
検索ページのトップニュースになるなんてさ。
さすが静香さんが本気で撮っただけはある。
(静香)別に…普段どおりに撮ったけど。
(拓海)そう?気合入ってたよな?西原。
(樹)あっまあ。
(拓海)ああいう子タイプなんじゃないの?あっ?愛があるというか何というか。
(静香)西原準備OK。
(樹)はい。
(MIINA)やっぱり気が重いな…総選挙。
大丈夫ですよ。
今回のクライアントだって「ぜひMIINAさんに」って言ってるんです。
心配し過ぎです。
(MIINA)何か不思議。
そうやってちなちゃんに言われるとそう思う。
それじゃあお疲れさま。
また今度ご飯行こうね。
あの…。
この前の薬のことなんですけど。
薬?レストランのトイレで…。
あ〜ダイエットピルのことか。
薬とか言うから何のことかと思っちゃった。
いつもあんなふうに飲むんですか?「飲み過ぎは体に悪い」ってネットに書いてあったんです。
副作用もあるみたいだし。
お説教?私そういうの大っ嫌いなんだけど。
あっ…ごめんなさい。
余計なことだって分かってるんですけど…。
でもやっぱり心配なんです。
MIINAさんのこと。
薬に頼る必要なんてないんじゃないかな。
MIINAさんは今のままでじゅうぶんすてきです。
みんなにそうやって思ってもらうためには痩せ続けないとね。
でもMIINAさん…。
もういいって。
お疲れさま。
センターモデルの読者投票の締め切り時間になりました。
これって留美の予想どおり?
(小夏)じゃあ結果を配ります。
はい。
おはようございます。
MIINAさん…。
(留美)おはようMIINA。
早かったのね。
(MIINA)総選挙どうだった?
(留美)MIINAは2位だった。
えっ?
(留美)1位はERENAよ。
でも僅差。
だけど公言どおり来月号からセンターモデルはあなたからERENAにチェンジしなきゃならない。
ごめんなさい。
この結果を受けて動かなきゃならないの。
あなたが今までトップモデルとしてずっとうちを引っ張ってきてくれたっていうのは事実よ。
人気も実力も本当のナンバーワンはあなただってみんな分かってる。
すぐに返り咲けるように特集も組むから。
返り咲けるように?また総選挙やるの?入れ替え戦?そうやって盛り上げて売り上げ伸ばしていくの?私は一生懸命頑張ってきた。
それなのにどうしてこんなことに巻き込まれなきゃならないの?どうしてこんな思いをしなきゃならないの?笑顔作って「次は負けません。
トップになります」なんて言えない。
言いたくない。
ごめんなさい。
えっ?3位って…。
えっ?
(白雪)こんなことってあるんだ。
すごいですねちなみさん。
(小夏)ちなみさんもう1つすごいことがあるのよ。
えっ?何とねあなたの企画連載することになったの。
うわホントにすごい。
ちなみさんおめでとうございます。
(小夏)どうしたの?私が推したのよ。
あなたならできると思って。
もっと喜んでくれてもいいんじゃない?あっ…。
あの…私これでいいんでしょうか?じゃあやめる?えっ?
(小夏)複雑だろうが何だろうがこれをチャンスと思えないようなら無理だと思うわ。
チャンスだと思ってます。
だったら中途半端に「これでいいのか?」なんて口にしないことね。
すいませんでした。
ほら皆さんちなみさんに拍手拍手。
(小夏)ちなみさん頑張ってね。
はい。
(白雪)それじゃあちなみさん総選挙第3位と連載決定の決意の一言をどうぞ。
うれしいです。
このチャンスを生かせるように精いっぱい頑張りたいと思います。
よろしくお願いします。
拍手拍手。
あっ。
んっ?
(美也子)ちなみさんちょっといいかしら?大忙しですね。
(ERENA)あっMIINAさん。
お疲れさまです。
編集長に呼ばれたんです。
何だか私トップ取っちゃったみたいで。
でも私次回の総選挙で落ちちゃうんだろうな〜。
追われるってIt’sveryexciting.いつ抜かれるかドキドキ。
MIINAさんっていつもこんな気持ちだったんですね。
Let’senjoytogether.MIINAさん!あっ…。
MIINAさん…。
MIINAさん。
来ないで。
話がしたいんです。
話?心の中で私のことバカにしてたくせに。
そんなことありません。
連載って何?あなたからそんな話聞いてない。
それは…。
あなたに流れた票が私をおとしめた。
待ってください!お願いします。
話を聞いてください。
あんたなんて信用できない!MIINAさん!触らないで!MIINAさん。
MIINAさん!しっかりしてください!MIINAさん!あっ…。
(MIINA)言わないで…。
誰にも言わないで。
(シャッター音)
(ノック)大丈夫ですよ。
一晩たてば帰れますよ。
でもちょっと肝機能が弱ってるみたいです。
やっぱりダイエットピルの飲み過ぎじゃ…。
(笑い声)どんなに頑張ったってシンデレラにはなれない。
時間が来ちゃえば…。
ただの惨めで貧しい娘に戻る。
そういうことでしょ。
そんなこと…。
夢の時間はもう終わり。
トップモデルになりたいなんて夢を持つことがそもそも間違いだった。
今までが出来過ぎ。
もう十分。
ERENAにトップの座を奪われてあとは落ち目になるだけ。
惨めな姿をさらすくらいなら自分から身を引く。
MIINAさん。
これ…。
トップかどうかは読者にとって関係ないじゃないですか。
そんなことよりMIINAさんを待ってる人がたくさんいると思います。
この業界に何人のモデルがいると思う?トップかどうか関係ない?ふざけないでよ!何千何百のモデルがその身を削ってトップを目指すんだよ。
私の気持ちは誰にも分からない。
あなたにも。
帰って。
あした待ってますね。
(戸の開閉音)MIINAさんまだですか?ええ。
連絡がつかなくて。
家まで行ってみます。
お願いします。
(静香)西原ライト2灯持ってきて。
(樹)あっはい。
(樹)12時26分。
(静香)あっ…MIINA入った?まだです。
大丈夫?クライアントも来るのに。
大丈夫です。
準備お願いします。
こちらでお待ちください。
(美也子)ちなみさんMIINAは?ご挨拶させようと思ったらメークルームにいないみたいだけど。
もうすぐ来ます。
(美也子)どういうこと?ちょっと遅れてるみたいで。
(男性のせきばらい)
(美也子)何か召し上がりますか?
(男性)いや。
それよりそろそろ撮影開始の時間だよね?
(美也子)すいません。
ちょっと前のスケジュールが押してるみたいで。
彼女ホントに来るのよね?まさか総選挙の結果で落ち込んで来ないなんてことないわよね?来ます。
何で言い切れる?私はMIINAさんを信じます。
はっ?願望か…。
信じてます。
冗談じゃないわよ。
あなたたち編集部の人間は自分たちだけで雑誌作ってるような気でいるのかもしれないけどこっちが必死にクライアント探してお金出してもらって成り立ってるって分かってる?私がどんな思いでこの仕事取ってきたかあなた分かる?すみません。
(美也子)遊びじゃないの仕事なの。
あなたの思いに振り回されたらたまったもんじゃない。
もう少し…もう少しだけ待ってください。
お願いします。
(樹)あっ!あっすみません。
ストロボの接触不良です。
えっ?あっいやだってそれ…。
(樹)あっ!替えのケーブル取りに行ってきます。
急なアクシデントでご迷惑お掛けします。
大変申し訳ありませんが30分ほどお時間下さい。

(樹)あっすみません!お待たせしました。
(静香)遅えんだよ!
(樹)すみません。
MIINAさんは?えっ?
(男性)でMIINAは?ええあのもう少しで…。
ちなみちゃんもう…。
(男性)分かりました。
うちはよっぽどバカにされてるんですね。
とんでもありません。
そんなことございません。
(男性)もう結構。
(美也子)あの…。
日程を大至急調整させていただいて…。
いずれにせよ今後の詢香社さんとのビジネスは考えさせていただきますので。
申し訳ありませんでした。
今回のことは全て私の責任です。
私の仕事に対する認識の甘さが原因です。
ホントにホントに…。

(MIINA)遅れて申し訳ありません。
ごめんなさい。
ヘアセットに時間がかかっちゃって。
私加賀美さんのジュエリーが大好きなんです。
今日はホントに光栄です。
ジュエリーに合うヘアセッティングをしてたらこんな時間になっちゃって。
ホントに申し訳ありません。
それってうちの新作?はい。
すぐに撮影準備します。
じゃあよろしく。
(MIINA)はい!ちなちゃんやるよ。
はい。
皆さん撮影準備お願いします。
(静香)拓海君衣装早く。
(拓海)了解!
(樹)照明調節します。
(静香)急げ!
(樹)はい!
(静香)西原キー3分の1下げ。
もうちょい前出て。
(静香)いいよ。
(静香)はいOK!
(樹)お疲れさまでした。
(静香)お疲れ。
(拓海)お疲れさまでした。
(MIINA)ありがとうございました。
いい広告になりそうだ。
(美也子)後で記念撮影いい?
(MIINA)もちろんです。
じゃあこちらでお待ちください。
あなたこの仕事向いてないわ。
私が来なかったらどうするつもりだったの?来るって信じてましたから。
甘いわ。
ホントに甘過ぎる。
そんなんじゃ絶対につぶされちゃうよ。
そんなんじゃ駄目だって前にも言ったでしょ!MIINAさん…。
ありがとう。
今日はありがとう。
私ね昔すごい太ってたの。
子供のころずっと。
学校で一番のデブ。
からかわれていじめられてブスで醜くて自分でも自分が大っ嫌いだった。
だから性格も暗かったし誰かに必要とされることなんてなかった。
でも痩せたら世界が変わった。
ダイエットピル効くかどうかなんて関係ないの。
効くと思って飲むことが大事なの。
私にとってお守りみたいなもの。
でも…。
もういらない。
これからはこれがお守り。
はい。
いいんじゃない?ありがとうございます。
喜んでる場合?えっ?1時間も撮影遅らせて何をやってたの?申し訳ありませんでした。
私たちのクライアントはただお金を払ってくれるスポンサーじゃない。
お互いの企業イメージを高め合う大事なパートナーなの。
そのパートナーを一瞬でも不安にさせるなんてとんでもないことだわ。
(留美)来週きちんと契約する。
えっ?フリーのエディターとして。
同じ失敗は二度としないように。
はい!ありがとうございます!
(小夏)すごいじゃない。
頑張ってるものねちなみさん。
彼女最短で来ましたね。
白雪さんと同じ所まで。
契約!?うん。
え〜よかったな!うん…連載も始まるし今度お祝いしよう。
ちょっと奮発するよ。
樹君ってさ…。
(樹)んっ?優しいよね。
ありがとう。
樹君のおかげ。
いつも助けてもらっちゃって。
いや全然。
俺の方こそちなみちゃん見てると俺もこのまんまじゃなって…。
頑張らなきゃな。
うん。
(樹)うん。
(バイブレーターの音)仕事?んっ?いやいや…母親。
えっ?出なよ。
いやでも…。
お母さんでしょ。
早く。
うっうん。
ごめん。
(バイブレーターの音)はい。
(樹の母)あっ樹。
元気?うん元気だよ。
大丈夫。
(樹の母)仕事は順調?
(樹)うん…まあ。
(樹の母)でパパの会社のことなんだけどねやっぱり…。
(樹)親父の会社は兄貴に任せればいいんだよ!
(樹の母)だからお兄ちゃんだけじゃなくて樹にも継いでほしいってママ…。
あっごめん。
仕事中だからまた。
あっごめんね。
お母さん何だって?いやいつものこと。
それよりちょっと静香さんに呼ばれて。
何かトラブル?えっ?あっいや…飲みの誘いっていうか。
ああ…大変だね。
でもまあかわいがられてる証拠かな?うん。
(美也子)何これ。
留美さん!ちょっとこれどういうこと?
(美也子)加賀美真珠からも問い合わせが来てる。
どういうことなの?説明して!どうしたんですか?あれ…これってちなみさん?もしかして知ってたんじゃ…。
どういうこと?えっとそれは…。
小夏MIINAの事務所に確認して。
(小夏)はい。
(留美)美也子さんごめんなさい。
クライアントに謝罪したいのでアポを取ってください。
あの…。
全て白紙よ。
えっ?あなたに用はない。

現在のマウンティングランキングは
Areyouready?
(白雪)Yeswecan.
(留美)《全て白紙よ。
あなたに用はない》
(綾奈)プリントアウトできました。
(白雪)ありがとう。
綾奈ちゃん読モも集めといてくれない?60人。
(綾奈)はい。
すごいですね白雪さん。
がぜん張り切ってますね。
(レミ絵)《あなたは働きアリ。
私は女王アリ》え〜?そんなことないよ。
要領悪いだけで。
(白雪)《プレーボール!》
(レミ絵)そういえば今日外資系企業の男たちと合コンなんですけど行きませんか?1人欠けちゃったんで。
《私の引き立て役として》
(白雪)えっ?
(白雪)《あかん…。
こんな釣り球に乗ったらあかん》私も行きたいです!
(レミ絵)ごめん。
定員オーバーなんだ。
(綾奈)えっ何で…。
(レミ絵)《私より若くて賢い子はスタメン資格なし》そういえば白雪さんの彼氏って何してる人なんですか?
(レミ絵)《いないだろうけど》
(白雪)《きた。
内角高め》彼氏なんて全然。
(白雪)《そんな球振らへんで》
(レミ絵)へぇ〜そうなんですね。
(レミ絵)《そうでしょうね》
(白雪)レミ絵ちゃんの彼氏は?何屋さん?
(レミ絵)どの彼氏のことですか?
(白雪)《はいきましたモテ自慢》《攻め方が一辺倒でメジャーじゃ通用せんな》すごい。
レミ絵さん何人も彼氏いるんですか?
(白雪)《おい。
そこ乗るとこちゃうで》まあね一人に絞れなくって。
(白雪)《はい気持ち良くなっちゃった》
(綾奈)そうなんですね。
結婚とかはしないんですか?
(白雪)《おーい広げるな》まあ言われるんだけどまだ遊びたいし。
(白雪)《はいそれ100万回聞きました》レミ絵さんモテモテですね。
(レミ絵)そんなことないよ。
(白雪)《あ〜あどんだけ気持ち良く投げさすねん》そういえば綾奈ちゃんは?彼氏とか。
(レミ絵)《まっそこそこだろうけど》私これなんで。
(白雪)《綾奈さんこっちのカメラにもお願いします的な?》
(レミ絵)《「プロポーズの言葉は?」「それは秘密で」》《つうかホントは興味ないけど一応聞いてます的な》あっ…まさか旦那も?理

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