ひるブラ「民話の里は冬仕度!〜岩手・遠野市(とおのし)〜」 2014.11.17

生字幕放送でお伝えします
かわいい馬たちでしょう。
この馬がいるのはただの厩
(うまや)じゃないんです。
この厩のすぐそばには人が暮らす母屋そう、馬と一緒に暮らすために一つ屋根の下にあるんですよ。
見えているのはL字形に曲がっていて小さいほうに厩があるんですね。
この地方の伝統の建物になっておりまして南部曲がり家といいます。
今、来ているのは岩手県遠野市ふるさと村です。
こうした南部曲がり家や伝統的な暮らしを守っている施設で実際に使われていた曲がり家が移築されています。
井上さん、今じゃ想像できないかもしれませんけども昔は農作業というのは物を運ぶときとか馬がいなければ生活できないぐらい重要なパートナーだったんですよ。
大事だったので一つ屋根の下に暮らそうとなったわけですよ。
雰囲気がすごいいいですよね。
すごく、いいですよね。
南部曲がり家なんですけどとにかく馬との生活を第一に考えているんですよね。
馬が、本当になくてはない存在で厩のすぐそばにこんな釜があるんですね。
これ大きいでしょ。
これ、馬のための釜馬釜
(うまがま)といいます。
外は寒いんですけれどもこの厩のすぐそばにある釜。
実は24時間ずっと火をくべているんですね。
なので冬でも馬はあったかく暮らせるんです。
あったかのために。
暖房の役割があるんです。
馬の保湿ためじゃないんですね?
そうなんですね。
今、馬釜に火をくべてくださっているのが菊池初元さんです。
菊池さんは守りっ人
(まぶりっと)といわれる地元の方なんです。
この地域に伝わる伝統などを守ってらっしゃいます。
今、火を調整してますけどやっぱり火の調整、大事ですよね。
あんまり煮えすぎるとまずいから。
馬釜こちら開けてもいいですか…。
馬って大体、何度ぐらいが適温なんですか。
8度ぐらい。
あんまり熱くてもいけないんですけども冷たいのもだめなんです。
では、こちらの馬釜ちょっと開けさせてもらいます。
重さがある。
さてさて、何が入っているかというと…見えますか、ほら。
大豆!大豆を煮ているんです。
実は馬にとってのごちそうなんです。
冬に栄養をつけさせるためにこうやって大豆を煮てこれを食べさせてるんです。
イメージは草とかですもんね。
餌を温めるほど馬を大事にしているということです。
やはり温かい餌は馬は喜ぶんですか?
寒いから、やっぱり冷たいのだとかわいそうだっていうんでちょうどぬるめにして与えるんです。
大豆なんていったら人間にとっても重要なたんぱく源じゃないですか。
それを馬にやっちゃうわけですね。
冷えとか…。
人間だけのものじゃないです。
人間の食べるものも作るんですよね。
豆腐とか。
この馬釜のすぐこちら側が人間の部屋なんですけども朝、お湯ができてたりすると人間にとっても暖かい釜なんですよね。
曲がり家なんですけど造りからも馬を感じることができるんです。
また雰囲気のあるみんなで囲みたい…。
いいじゃないですか。
あったまりますよ、これ。
こちらは家族が集まる居間になっていましてごはんを食べながらでも馬を見ることができるということですね。
馬を見ていたいう愛情の表れで、馬が見える部屋はこちらだけじゃないんです。
この曲がり家は曲がってると言いましたよね。
なので厩がすぐそばになくてもいろんな部屋から馬を見ることができるんですよ。
その部屋なんですけども…。
こちら客間になっております。
お客さんをもてなすための部屋ですね。
お客様、来たらここで皆さんでお話しするという。
またこちらの景色がすてきなんです。
そして、外をのぞくと…。
そして井上さん、ご覧ください。
馬が見えます。
お客様がいらしたときも馬を見ていたい。
それだけ馬を気遣っていたということです。
もし、お客さんと話をしているときでも馬の体調がちょっとよくないってなったときもすぐ分かるように見えるようにしているんです。
家族同然と話す人もいましたよね。
さらに遠野では馬が信仰の対象にもなっているんですよ。
奥に行けば分かります。
この部屋は結婚式など重要な行事があるときに使われる部屋なんですけど。
そして、こちらご注目してください。
奥に、お人形がいるんですけどもこちら、よく見てください。
こちらの床の間に…この下にブルーのほうが馬のお顔をしております。
耳がありますよね。
こちら女性の顔をしております。
遠野の古い家には今でも今でも祭られているオシラサマという神様なんですね。
馬の顔の人形と人間の女性の人形の2体で一つの神様といわれています。
それぐらい馬が大切な存在ということですもんね。
このオシラサマを大事にすると家が栄えるといわれていまして小正月など新しい衣装を着せてあげたりお化粧をしてあげたりすることもあるんですね。
神様にご機嫌よく過ごしてもらって家を守ってもらおうという地域の伝統なんですよ。
そんなに馬を大切にしている地域があるって知らなかったです。
馬が神様になってるのが遠野なんですね。
馬はそれほどまでに人の生活にとって重要な存在だったんです。
その大事にしてる馬のためにこの時期やるある作業があるのでいってみましょうか。
縁側で行っているんです。
作ってらっしゃる。
ご覧ください、こちら。
これが完成品かな。
これ、なんだと思いますか?
わらじ?
わらじなんです。
ちょっと人のわらじじゃないですよね。
馬のひづめに合わせて丸く作った馬専用のわらじです。
作っているのは守りっ人の仁田寛さんです。
こちら、わらだけじゃなくてよくご覧になると布を一緒に編み込んでいるんです。
使わなくなった手拭いなどを使用してこれは強度が増すんですね。
荒れた道や重い荷物を運ぶとわらじはすぐに壊れてしまうので馬がけがをしないように補強するために布を編み込んでいます。
これ、人間の場合は自分の足のサイズで合わせられるじゃないですかわらじを。
馬の場合はなんとなくの感覚で大きさを判断するんですか?
井上さん、いいところ気付きましたね。
もちろん、この馬のわらじもオーダーメードなんですね。
馬も前足、後ろ足、左右でひづめの形が違うんですよ。
それをやってるのがこの今仁田さんの作業なんですけどね。
一つ一つ微妙に違うっていうことですね。
馬によって違うんですね。
さっき見せていただいたわらじも、右と左で若干、白い部分も違ったりしてますし。
職人技ですね。
このわらじどうやって馬に履かせるのかお見せしましょうか。
白雪さん!こちら、白雪号です。
16歳。
人間でいうとおばあちゃんなんです。
大きいですよね。
こちら、ふるさと村のアイドルなんですよ。
この白雪に馬わらじをちょっと履かせてみたいと思っております。
仁田さんが、腰に…。
予備のものを持って履かせるわけですよ。
でも、馬の脚力って蹴られたりしたら危ないから危険じゃないんですか、これ。
それは、さすがに馬の里遠野の人たちですから。
わらじをひづめに。
結構、強引にいきましたよ今。
井上さん結構、わらじとひづめ合ってませんか。
大きさ。
ぴったり!
これが仁田さんの職人技なんです。
なんで履かせるかといいますと昔、道が悪かったんですよね。
岩山を歩かなきゃいけないと。
とにかくけがをしてほしくないという遠野の人の馬への愛なんです。
さすが、白雪。
おとなしい気性の馬ですからね。
これで、もう履かせるの完了ですか。
はいはい。
これでも1時間ぐらいで壊れちゃうそうですね。
岩道を歩くたびにどうしても、足をこうやるから…。
たくさん作らなければいけないということですか。
何個ぐらい作るんですか?
4本の足だから3回分、作って…。
仁田さんしかし、ひづめが全部違うのによく作れますね。
これはね、こうやってこれで測ってやるの。
自分の手で、こうやって。
大きい場合はいいんだけれども小さい場合は、小さくなるからこういうのを裏にして手をこうやって、作る。
わらじ、一つ作るのに時間どのくらいかかるんですか?
これ作るのにやはり、20分ぐらいかかるな。
でも、早いですね。
でも1時間で壊れてしまうんですよね。
そして、井上さん、私こんな格好になっております。
馬好きのとよたさんのためにきょう乗る準備をしたんですよ。
白雪は観光客を乗せたり馬車を引いたりと遠野でも大人気のお馬さんなんです。
ふだん、人が乗るときと同じ装備をきょうはとよたさんに準備しました。
大きな馬ですからね。
馬に乗ったときの景色ってなんとも言えないんですよね。
やっぱり違いますね。
見晴らしいいですし。
この先で馬も参加するお祝いがありますのでそこまで行きましょうか乗ったまま。
すっごいがっしりしててちょっと力強さが伝わってきます。
本当にすてきな経験をさせていただいております。
似合ってますよ。
昔はこうやって馬に乗って人が移動したんでしょうね。
この遠野ではね。
とよたさん美しさも相まって三蔵法師みたいですよ。
ありがとうございます。
私は孫悟空とかですかね。
すごいすてきな小川が流れております。
毛並みがきれいな…。
ちょっと温かみも伝わってきます。
とっても見晴らしよくて気持ちいいです。
音が聴こえてきました!
音楽、聴こえてきましたけどちょっと行ってみますか。
人が踊ってるんですよ。
これ、実はですねここ、遠野の伝統的な踊りの獅子踊りなんです。
地元の山谷獅子踊り保存会の皆さんが踊っています。
めでたいことがあると家を訪ねて舞を披露するんです。
♪「参り来て是のお屋根を」
この獅子踊りはふき替えが終わった屋根を褒めるための歌があるんですよ。
この後ろの屋根井上さん、この屋根、結構きれいじゃないですか?
めちゃくちゃきれいです。
3日前にふき替えたばかりなんです。
雪が降る前に大急ぎで終わらせたんですよ工事を。
これ江戸末期の建物なんですけどこの屋根のふき替えは30年から40年に一回しか見ることができないということなんですね。
ちょっと見ていきましょうか。
しかし、この勇壮な踊りが迫力ありますね。
♪〜
皆様ありがとうございました。
すばらしかったです。
山谷獅子踊り保存会の皆さんです。
こちらの馬を愛する遠野はこちらの獅子踊りにも馬を入れているんですよ。
こちら取り入れてます。
このひげ、実は馬の尻尾の毛なんです。
丈夫な素材として馬のたてがみや尻尾の毛が使われているんですね。
井上さん、獅子なんだけど馬なんですよ、遠野は。
馬がそれだけ大事なんですね。
こういったお祝いのときは馬もごちそうがあるんです。
それが、あちらなんですけど。
先ほどの仁田さんと初元さんのところにごちそうがあるんですけども食べてますね。
煮た大豆ですね。
こちら、ほかほかですよ。
あったかい。
出来たてですよ。
とっておきのごちそうですからね。
むしゃむしゃいってますやん。
相当、おいしいんでしょうね。
馬が楽しむときは当然、私たち人間も楽しみたいということで用意しました、こちらです。
こちらなんですけれども遠野のどべっこです。
遠野弁でどぶろくのことをいいます。
遠野は全国初のどぶろく特区なんですね。
これは今の時期取れたばかりの新酒なんですよ。
さらにきょうはお祝いということでこのように紅白のどぶろくをご用意しました。
きれいなピンクでしょ。
これは発酵するとお酒がピンク色になる酵母菌が出した天然の色なんです。
何かで着色してるんじゃなく。
違いますよ。
だから女性向けに開発されて。
かわいらしい色なんで。
きれいですよね。
せっかくなんでとよたさん。
ちょっといただいてもよろしいでしょうか。
ちょっと皆様を代表して味をお伝えしたいと思います。
本当にほのかに甘くちょっと、お酒を感じないからくいくい、いってしまいまそうな。
すーっと入ってきますよ。
さらにこの後ろ側のこれはふるさと村で取れた米で作ったここでしか飲めないどぶろくなんですよね。
せっかくなんで。
私も少しいただきます。
これ、とろとろして…。
少しだけいただきますね。
味見ということで。
香りもいいですね。
あー…酸味があって確かにアルコールの臭さもそんなにないので、これもなかなか、いっちゃうようなお酒ですよ。
これ、気温的には寒いじゃないですか。
遠野市は。
寒い中で、外でお酒を飲むのはどんな感じなんですか?
ぽかぽかしてくるのでテンション上がってきますよ。
飲みたいんじゃないですか?井上さん。
飲みたいですよ。
そりゃ。
私たち、もう飲んでますので。
プチ打ち上げになっております。
井上さんお三方だけではありませんよ。
獅子踊りの皆さん手に持って、ほら、どぶろくを。
遠野の人はこの時期にできた新酒を飲むというのがこの冬の前の楽しみなんですよね。
寒いからどぶろくを飲んで暖まりたいということなんです。
お酒で体を温めてぽかぽかさせて新年を迎えると。
もちろん馬はそういうときは大豆を食べるという。
お馬ちゃんもどぶろくくれみたいな感じになってますやん。
お馬さんにどぶろくはちょっとね。
お馬さんにはお酒はあげないですよね?
酔っ払うからね。
これからの時期この雪化粧の遠野もまたいいんですよね。
おかわり、おかわり!いかがでしょうか。
井上さんこれから寒くなって雪化粧になるんですけどもそうした雪景色の遠野もまたいいので、ぜひ遊びに来てほしいと思います。
すごいすてきな場所です。
とよたさんの音頭で乾杯しましょうか。
(政春)どうも。
ご苦労さんです。
2014/11/17(月) 12:20〜12:45
NHK総合1・神戸
ひるブラ「民話の里は冬仕度!〜岩手・遠野市(とおのし)〜」[字]

民話の里として知られる岩手県遠野市の伝統的な冬暮らしを体験!馬と一緒に暮らした南部曲がり家に残る馬のためのユニークな暖房とは?身も心も温まる絶品どぶろくも堪能!

詳細情報
番組内容
【ゲスト】とよた真帆,【コメンテーター】井上裕介,【司会】魚住優 〜岩手・遠野市(とおのし)から中継〜
出演者
【ゲスト】とよた真帆,【コメンテーター】井上裕介,【司会】魚住優

ジャンル :
バラエティ – 旅バラエティ
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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