ららら♪クラシック「たかが練習曲 されど練習曲〜ショパンの練習曲〜」 2014.10.20

あのクラシックの名曲をあなたのものに。
人生を豊かにしてくれる一曲を一緒に見つけませんか?「ららら♪クラシック」今回は…。

(「革命」)
(「別れの曲」)そして…これらの曲実は…練習曲なんです。
ピアノの練習曲っておうちで一生懸命練習するための曲ですよね。
だけどショパンが作曲した練習曲は特別!一流ピアニストたちがコンサートで堂々と演奏しているんです。
ショパンの練習曲を初めて生で聴いたつるの剛士さんは…。
なぜショパンはこんなにすごい練習曲を作ったのでしょうか?その理由はショパンが抱えていた弱点にありました。
ピアノの詩人ショパンが生み出した練習曲。
そこに込められた彼のピアノへの熱い思いに迫ります。
「ららら♪クラシック」今日はショパンの練習曲「革命」と「別れの曲」です。
どちらも有名な曲ですね。
美濃さんこの曲お好きですか?そうですね。
ほんとに練習曲とは思えないぐらいの芸術的な作品ですよね。
ピアニストにとっては避けては通れない曲過酷な難曲でもあります。
それでは本日のゲストをご紹介しましょう。
つるの剛士さんです。
どうもよろしくお願いいたします。
この曲はでももう何度も…。
もちろん耳なじみあるし「別れの曲」に関しては僕初めて多分クラシックで自分でCD買ったのが「別れの曲」だった。
それぐらいなんかこうポップというかすごくメロディーラインがきれいでそういう思いがありますね。
中学校1年生の時だったかな。
これ練習曲なんですけどつるのさんもいろんな楽器を演奏されますけど練習曲とか教則本とかで頑張って練習したって覚えあります?僕こんな事言うとすっごい申し訳ないかもしれないですが教則本とか買った事ないですね。
ええ!?何だろう耳コピで好きな例えばアーティストのCDから全部それ聴いて自分で探して演奏したりとか。
じゃあもう基本的には練習するとか練習曲大嫌い?もうこの番組もリハーサルなくてほんと好きです。
アハハハありがとうございます。
それはありますね。
ほんとに僕…確かに「練習」っていう響きが嫌ですよね何となく。
でもこれが練習曲だったんですね。
そうなんですよね。
練習というイメージとはだいぶかけ離れたような美しい作品の感じがしますがフランス語で…ショパンのエチュードってやっぱり一つのジャンルというかね別物という感じがしますよね。
ではなぜショパンはこのような練習曲を作ったんでしょうか。
こちらをご覧下さい。
ピアノのお稽古といえば練習曲。
上手になるために毎日何度も何度も同じ曲を練習したものですよね。
そんな練習曲が作られ始めたのは19世紀に入ってから。
楽器の普及とともに多くの人がピアノを弾くようになり誰でもピアノが上達する練習方法が必要になったのです。
当時一般的だったのは指を訓練する事に重点を置いた機械的な反復練習でした。
しかし作曲家そしてピアニストとして活躍していたショパンはそんな練習には反対でした。
ショパンは一体どんな練習をすれば良いと考えていたのでしょうか?ショパンの練習曲は練習の目的ははっきりしていますが他の練習曲とは随分違います。
例えば一般的なアルペジオの練習といえば…。
ではこのアルペジオの練習がショパンの手にかかると…。
細かな音の連なりの中でメロディーを美しく響かせて演奏する事を求められるのです。
その他の練習曲も機械的な練習にとどまらない表情豊かで個性的な音楽です。
そんな練習曲をショパン自らも演奏会で披露。
他のピアニストも注目する作品となりコンサートで演奏する練習曲として広まっていったのです。
ショパンの練習曲っていうのは…
(林)そこには…
(林)ですからこの作品は音楽史上全く類を見ない一つの…練習曲を芸術作品にまで高めた曲。
それがショパンの練習曲なのです。
すご〜い。
でも考えてみると新しい一つのジャンルをつくったって感じですかね。
コンサートでかけられるマスターピース傑作ででちゃんと練習曲でもあるというね。
聴いた事ありますもんね。
なんかお宅にも流れて…。
自宅のトイレの便器が開くとこの曲が流れるんでこの曲ショパンだったんだって今僕知りました。
しかも練習曲。
練習曲の上で僕いつも用を足してるって事ですもんね。
ショパンの上で。
失礼な話ですけど。
ナイスセンスですけどびっくりしますね。
でもほんと耳なじみのある曲ですね。
ちょっとイメージを立て直して頂いて。
ショパンが考えたいろんなテクニックがこの曲には入っているんですがショパンは本当にピアノの演奏についての研究をまあ研究熱心で完成しなかったんですけれども「ピアノ奏法」という本もね書こうとしていたそうなんですよね。
なるほどね。
すごい。
技術革命を。
僕でも「ピアノの詩人」とか言われてるんでもっと感覚派の人かと思ったら研究熱心というかそういう部分もあったんですね。
もっと僕も大ざっぱな感覚的な方かと思ったんですよ。
でもこんな高度な練習曲を作曲したショパン自身もすごいピアニストだったんですが実は弱点もあったんです。
それは一体何だと思いますか?ショパンの弱点?何だろう?譜面が読めなかったとかそういう事じゃないですよね?まさか書けるのに?まさかですよね。
書けるのに!ショパンはつるのさんとはちょっと違っている感じですね。
それでは一体どんなところがショパンの弱点だったのでしょうか。
こちらをご覧下さい。
ポーランドの首都ワルシャワ近郊の小さな村で生まれたショパン。
4歳の頃3つ年上の姉からピアノを習い始めます。
しかしその腕前はすぐに姉を追い越してしまいました。
その後ショパンはピアノについては独学。
伝統に縛られず自由に演奏していたのです。
そのためショパンの弾き方は他の人とは違う独特なものでした。
実はショパンはピアニストとして弱点を抱えていました。
「手が小さい事」そして「病弱な体質」。
人を圧倒するような大きな音で演奏する事はできなかったのです。
ピアニストとしてのショパンには称賛の声が多くある一方「その演奏方法は他とあまりに違う」「音が小さい」といった批判もありました。
しかしショパンは「ピアノの演奏に必要なのは手の大きさ指の強さではない。
大切なのはニュアンスをつけた美しい響きである」と考えていました。
そして開拓したのが手首の柔軟性とそれぞれの指の強さの違いを生かした画期的なテクニックだったのです。
ショパンの場合は特に…そして作曲された練習曲。
そこにはショパンの考えたテクニックが詰め込まれています。
手首を柔軟に使う事でショパンが理想とした多様な音色美しい響きを得る事ができる練習曲。
弱点が新たなテクニックを生みショパンは独自の音世界を切り開いていったのです。
すばらしいですね。
自分のコンプレックスを克服するために作った練習曲でこれだけ世の中に広がっていったって事なんですもんね。
そうなんですよね。
こちらにご用意したのがショパンの手のレプリカなんですけどショパンはねデスマスクも残っているんですけれどもその時に同時に型をとったもののレプリカ。
すごい。
すごく小さいというわけではないんですけれどね。
薬指とか小指のラインはかなり細くないですか?全体の中で。
小指長いですね。
長くて細いんです。
スッとしてる。
でもねどんな音を出していたのかっていう事を考えるとワクワクしてきますよね。
そうですね。
まあでももともと才能はあったんでしょうけれど自分の持っている音が小さいとかっていう弱点を自分のメリットに変えていくその発想の転換でやっぱりショパンの音楽って出来てきたんでしょうね。
でもそうは言いつつプロのピアニストでやっていて手が小さいとか体が弱いとか音が小さいとか言われたら衝撃はあったでしょうね。
確かにね。
でも言いたいやつは言っとけって感じですけどね。
ただそういうのを全部受け入れたうえで自分の音楽の世界をつくっていくんだって進めたところが病弱なんだけど心はやっぱりとても強かったんだろうなとは思いますね。
普通折れちゃいますもんね。
やっぱり批判を受けたらね。
僕もだからほんとに昔お勉強ができなくてですね小学生の時ですけど答案用紙を白紙で出したらさすがに先生に怒られると思って…。
でも全くできないんですよ問題は。
で答案用紙の裏に大作を描いたんですよ。
みんながテストやってる間にイラストが得意だったんで絵を描いて出したんですよ。
そしたら先生がですね100点くれたんですよ。
すてきな先生。
小学校4年生の時に。
そしたらこんなになっちゃったんです。
結局お勉強できないって事がずっとコンプレックスだったんですけどそれをなんとか笑ってもらえる方に転換したらいいなと思って一時それで僕ごはん食べてた事もあります。
つい何年か前。
ありましたね!懐かしいですね。
これこそだからそういう事なんですかね。
おうちでピアノのお稽古をするための…だけどショパンの練習曲は特別!彼は練習曲をコンサートで演奏するような芸術作品に変えてしまったのです。
その練習曲には自分の弱点をプラスに変えるための新たなテクニックが詰め込まれていました。
一体どんなテクニックなのでしょうか?作曲家の美濃さんが練習曲「革命」と「別れの曲」で解説します。
まずは「革命」。
左手の練習となるこの曲ではおよそ3分間指は激しく動きっぱなし。
しかも複雑な動きを繰り返します。
まず冒頭の所ドソドレミこの和音を一つずつ分散させて弾いていきます。
なるほど。
今度はもっと指を広げないと弾けない部分が出てきます。
手を目いっぱい広げます。
そして…。
かなり手首や肘も使って…。
これが繰り返されていくんですけども。
かなりのこの跳躍のね…。
指がこうパッと開いてやわらかくっていう柔軟性が必要になってくる。
手が見てるだけでつりますもんね。
次はなんと指を縮めなくては弾けない部分が出てきます。
すぐ隣の鍵盤を順番に駆け上がるんですけれども。
ほんとだ。
この幅がすごく狭まってまたちょっと広がっていくっていういろいろなパターンの幅が出てくるんですね。
すごいっすね。
こんなふうに左手の指の速い動きだけではなくて…でもこんなに……ってところがやっぱりすごいんですよね。
続いて「別れの曲」。
右手で美しく滑らかにメロディーを弾く練習です。
これはでもそんなに難しくないんじゃないですか?テーンテーンテーンテンテンテン…ですよね。
「革命」と比べたら全然じゃないですか?そう。
全くタイプの違う練習曲でなんとこれは右手の中指薬指小指ほぼこの3つの指だけで弾いていると言っても過言ではないくらい。
ではどういうふうになるかというと…。
ほんとだ。
分かります?しかもほんとは指余ってるじゃないですか。
ええ。
この残りの余ってる指は一体何をしているか親指と人さし指はこんな動きをしています。
ちゃんと動いてるんだこうやって。
右手だけねちょっと抜き出してもう一度弾いてみますとこんな動きをします。
複雑!こんな事…。
分解して見た事ないですけどこんな曲だったんですね!親指と人さし指が固定されていて残りの指を動かすのがどれぐらい大変かちょっと一緒にねこの辺りを鍵盤に見立てて指の運動をしてみたいと思いますけどまずは親指と人さし指をくっつけてそして345を動かしてみましょう。
345独立してますか?こっち12をターカーター。
そう。
121…。
それをしながら3と45…。
タタタータタター…。
手がもうおかしい事になりますね。
つりそうになりますよね。
つりますつります。
こんなふうに動かしづらいこの中指薬指小指を使ってメロディーを滑らかに美しく弾くという練習曲。
ショパンはねでも考えていたのはもっともっと深い世界ではないかというふうに思うんですけども…すばらしい。
奥深いな〜!今日の演奏ゲストはショパンを研究し尽くした…本日演奏して頂く仲道郁代さんです。
(一同)よろしくお願いします。
さあ仲道さんにとってこのショパンのエチュードというのはどんな曲ですか?決して楽器に負荷をかけませんし体も無理なく楽器を扱えるようになるために書かれたような曲。
でも指をねどの指も同じように打つんではなくてその音楽に合わせてこの指の使い方も工夫するっていうようなそんな曲です。
せっかくなので何か聞いてみたい事があったら…。
ショパンの練習曲っていうのを初めて知ったので「別れの曲」って素人で発言して申し訳ないんですけどそんなに別れっぽくないですよねタイトル的にね。
これね切ない曲なんですけど実は長調で書かれてるんです。
でもね人生ってうれしい事も悲しみを知ってるから喜びがより美しく感じたりその逆もあってそういった魅力そういった事を感じさせてくれるのがショパンの魅力です。
そうなんですね。
それでは仲道郁代さんの演奏でショパン作曲練習曲集から「別れの曲」と「革命」2曲続けてお聴き下さい。

(拍手)わあすげぇ!
(拍手)すげぇ!すごいっすね!鳥肌立っちゃった全身。
うわぁ〜!ショパンのすごさもちろんなんでしょうけどまずピアノがすごいなって僕思ったんですよ初めて。
僕今日かぎりで練習しない自分とお別れです。
お別れの曲です。
ほんとですか?はい。
もう今日からは…。
僕も40になりますしもうすぐ。
もう一歩練習をして深みのある表現をしていこうって今日ショパンに教わりました。
エチュードの人生ですね。
これからエチュードします!頑張って下さい。
はい!何事も日々練習!頑張っていきましょう!2014/10/20(月) 10:25〜10:55
NHKEテレ1大阪
ららら♪クラシック「たかが練習曲 されど練習曲〜ショパンの練習曲〜」[字][再]

今回の名曲はショパンの「練習曲」。練習曲なのにコンサートの定番曲となったこの曲。その美しさの秘密は、ショパンの弱点にあった?!練習曲の魅力に迫ります。

詳細情報
番組内容
今回の名曲はショパンの「練習曲」。練習曲でありながら今ではコンサートの人気定番曲。ショパンはなぜこのような曲を作ったのでしょうか?ピアノの名手ショパンにも実は弱点がありました。しかし、彼は理想の音を求めて新たな演奏テクニックを開拓し、そのための練習曲を作ったのです。ピアノを愛したショパンの究極の練習曲に迫ります。【ゲスト】つるの剛士【曲目】練習曲集から「別れの曲」「革命」【演奏】仲道郁代(ピアノ)
出演者
【ゲスト】つるの剛士,【ゲスト】ピアニスト…仲道郁代,【司会】石田衣良,加羽沢美濃,【語り】服部伴蔵門

ジャンル :
音楽 – クラシック・オペラ
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
劇場/公演 – ダンス・バレエ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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