ららら♪クラシック「言葉にできない思いを〜ラフマニノフの“ヴォカリーズ”〜」 2014.11.17

あのクラシックの名曲をあなたのものに。
人生を豊かにしてくれる一曲を一緒に見つけませんか?「ららら♪クラシック」今回は…。

(「ヴォカリーズ」)切なく甘く愁いのあるメロディーで有名ですよね。
でも知ってました?この曲の完成度を高めるためラフマニノフがとった行動とは?「ヴォカリーズ」切なさの秘密は…。
重なり合ってるクロスしてる。
あらら美濃さん涙ぐんでません?どうしたの!?あなたはこの美しい旋律を聴きながら何を思い浮かべますか?「ららら♪クラシック」今日はラフマニノフの「ヴォカリーズ」をご紹介します。
本当に美しい曲ですよね。
そうですね。
今回のゲストはフリーアナウンサーの魚住りえさんです。
ようこそお越し下さいました。
よろしくお願いします。
本当に大好きな番組で念願かなって出演する事ができてとてもうれしいです。
ありがとうございます。
魚住さんはふだんからクラシックよくお聴きになる方なんですか?とっても好きなんですねクラシック音楽が。
3歳からピアノを習ってまして両親にクラシックのコンサートにたくさん連れてってもらっていてピアノもですしオーケストラもですしなのでクラシック音楽を聴くとなんかほっとする。
ちょっとこう泣きたい時には盛り上がって感動的なオーケストラを聴くとか…家で。
聴きながら1人で泣くんですか?泣くんです。
泣きたい魚住さんにはぴったりかもしれませんね。
今日の一曲「ヴォカリーズ」というのは。
どんな印象を持っていらっしゃいますか?この曲。
なんか聴いた事あるというか有名なメロディーラインで実はラフマニノフだとは知らなかったという恥ずかしい…。
でも美濃さん聞くところによるとこの曲大好きだそうで…。
そうなんですよ。
もうほんとに…全クラシックの中のベスト1?そうですね。
この曲だけは絶対やってほしいとスタッフに頼み込んでようやく今回念願がかなっていますのでうれしいです。
魚住さんにここで早速ですが「ららら♪クイズ」。
え〜!ラフマニノフの「ヴォカリーズ」と共通点のある曲はどれでしょうか?1「北国の春」。
・「帰ろうかな」2番「北の国から〜遙かなる大地より〜」。

(「北の国から〜遙かなる大地より〜」)いいですね牧歌的な…。
思い出しますねドラマをね。
3「夜明けのスキャット」。
・「ルルルルル」由紀さおりさん好きなんですよ。
本当に透明感のあるお声でね。
えっ!?共通点があるもの?はい。
1番は歌詞がついていた。
2番はアーアーアアアアアー…。
「ア」だった。
で3番はルールールルルー…。
ラ行ですよね。
とすると変わってるのは2とか3だから2番。
「ア」にします。
正解はこちらです。
どうだろう?
(「北の国から〜遙かなる大地より〜」)そう!正解はこの曲。
「ヴォカリーズ」との共通点分かりました?
(「ヴォカリーズ」)どちらも…「ヴォカリーズ」という言葉ラフマニノフの作品名でもありますがもともとはある音楽用語なんです。
音楽辞典で「ヴォカリーズ」という単語を調べてみると…。
母音で歌うのはとっても大事なんだそうですよ!母音がいかに大事か?お邪魔したのは声楽の授業です!エエエエエー。
エエエエエエエエエー。
まさにちょうど今発声練習してますね。
イイイイイイイイエエエエエエエエエー。
今やっているのは母音の「イ」と「エ」を使った発声練習。
美しい歌声のためには母音がとても重要なんだそうです。
19世紀半ばには母音だけで歌う「ヴォカリーズ」の楽譜が数多く出版されます。
声楽を学ぶうえで欠かせない練習曲だった「ヴォカリーズ」。
しかしその後別の角度から注目を集めるようになります。
19世紀末フランスを発端にヨーロッパの芸術界に「象徴主義」という新たなムーブメントが起こりました。
それは具体的写実的な表現ではなく目に見えない魂や内面的なものを抽象的に表現しようというもの。
例えばこちら。
人間のような表情を持った不気味な蜘蛛。
画家ルドンは実在しないこの蜘蛛で写実や具体的な言葉では伝えられない印象や感情を表現しています。
音楽の分野でも抽象的な表現に注目が集まりました。
フランスの作曲家たちは歌詞を使わず母音のみで歌う「ヴォカリーズ」を練習曲ではなくれっきとした作品として書き始めたのです。
この流行はロシアにも広がりました。
作曲家ラフマニノフも歌詞のない世界で自分の思いを伝えてみたいと「ヴォカリーズ」に挑んだのです。
1915年ラフマニノフはソプラノとピアノによる歌曲「ヴォカリーズ」を書き上げます。
その後もさまざまな形にアレンジされたこの曲。
今日もラフマニノフの代表曲の一つとして愛されています。
言葉にとらわれない新たな芸術へと羽ばたいた音楽。
それが「ヴォカリーズ」だったのです。
初めて知りました。
でも見事正解でしたね。
やった〜!ウフフフ。
なるほどそういう事だったんですね。
母音が大事っていうのを私たちはアナウンサーなのでね「あいうえお」っていうのをものすごく口の形を訓練するんです。
で実際にこう「アエイオウ」っていう練習をするんですけど。
そうですね。
ただ私は実は…高校生で?はい。
その時…NHKの添削講座っていうのがあるんです。
自分でテープに朗読を吹き込んでアナウンサーに送るんです。
でNHKのアナウンサーさんが助詞が上がってますとか語尾がのびてますとかっていって書いて送り返して下さるんですね。
それを聞いて必死で練習してそれで…なんかもうそんな話を聞くと僕たちがさたどたどしく…。
申し訳ないです。
これほんとに番組では普通に流れてますけど…ほんとに!?すごいとちるので。
美濃さんは作曲家の立場として歌詞のない「ヴォカリーズ」っていうのはどういうふうに感じるんですか?やっぱりふだんの歌曲ってどうしても日本語の言葉の持ってるリズムとかイントネーションに導かれて書くという事が多いので。
美濃さんが好きに書けるわけですね?そうですね。
やっぱり一番制約がないので本当の気持ちっていうのが出しやすい。
ロシアを代表する作曲家ラフマニノフ。
美しいピアノ曲の数々で知られますが実は80曲を超える歌曲も残しているんです。
そんな彼が生涯に一曲だけ歌詞のない歌を作ります。
それが「ヴォカリーズ」です。
1915年の春ラフマニノフは「ヴォカリーズ」を作曲します。
しかしこれで完成ではありませんでした。
ラフマニノフは書き上げたばかりの「ヴォカリーズ」の楽譜を持ってある人のもとへと向かいます。
当時ロシアで最も優れた歌手の一人ネジダーノヴァです。
美しいソプラノの歌声が評判でした。
彼女に信頼を寄せていたラフマニノフは出来たての「ヴォカリーズ」を弾いて聴かせこの曲について助言を求めたのです。
ネジダーノヴァは歌い手という立場からいくつか気になった点をラフマニノフに告げていきました。
後にこの時の事をネジダーノヴァは回想録で次のように述べています。
ネジダーノヴァの助言を受けて改訂された「ヴォカリーズ」。
そこにはラフマニノフの人間性がかいま見られるといいます。
なんてラフマニノフは謙虚なんだろうとびっくりしますし…。
ネジダーノヴァは初めてこの曲を聴いた時ラフマニノフにこう尋ねたといいます。
ラフマニノフは答えました。
う〜んなるほど〜。
いかがですか?大作曲家が演者にアドバイスを求めるっていうのはそれぐらいその曲に対する思いが強かったんだなと思います。
アナウンサーでも私は会社員だった頃はやはりいわゆる作曲家というのは演出家にあたりますけれども言われた台本をそのとおりやる。
やらなければならなかったんですね。
フリーになって自分を出すっていうか魚住りえとしてテレビに出る時には自分なりの解釈ですとか言い回しを付け加えないといけないしそうすると番組がよりよいものになるっていうのを感じました。
お互いに高め合って上っていくというね。
プロ意識といいますかね。
でも最後のラフマニノフの言葉よかったですね。
あんな事言われたら本当はほれちゃいますよね。
言葉なんて必要ないんだと。
言葉がないっていう意味ではバイオリンだってチェロだってみんな一緒じゃないですか。
それとはやっぱり違うんですか?人の声っていうのは唯一無二のものなので誰も持ってないこの音色声で独特のビブラートとか音程もあえてちょっと不安定なところも含めてその人の味なので。
不安定なところによさを感じるんですね。
味があるっていう部分ですよね。
その時はオーケストラ版で演奏されたんですけれども…。
ダイナミックだったでしょうね〜!その時に歌ったのは…やはりネジダーノヴァ。
やはり彼女だったんですね。
という事でしかも…でもさサインをササッとして世界の名作をポンってプレゼントされるってさもうやってらんないよね。
ほんとですね。
衣良さんだって衣良さんのご本にガアーってサインしてもらってね「美濃さんへ」ってやったやつやっぱ家宝になりますもんね。
そうですよ。
ほんと?やってみます。
クラシックにまつわる素朴な疑問にお答えしま〜す!実際女性ピアニストはどうしているのでしょうか?仲道郁代さんに聞きました!ピアノってあんなに大きい楽器なんですけれども…お分かり頂けましたでしょうか?良い演奏のためには爪のお手入れまで大切なんですね。
番組ではクラシックにまつわる疑問・質問をお待ちしています!今日の名曲は…「ヴォカリーズ」とはもともと母音で歌う声楽の練習法。
それが時代を経て芸術作品となりました。
ラフマニノフは絶大な信頼を寄せていた歌手にアドバイスを求めこの作品に改良を加えたのです。
甘く切ないメロディーが特徴ですが実は伴奏のピアノが重要な役割を果たしているんです!作曲家の美濃さんが解説します。
「ヴォカリーズ」は美しい旋律で知られる曲ですけれどもピアノは伴奏的な動きをしているかと思いきやとても重要な役割を果たしているんですね。
これぞラフマニノフというピアノの使い方がすばらしいんですね。
楽しみ!そんなポイントを2つご紹介したいと思います。
まず1つ目冒頭の部分ですね。
私が伴奏部分を弾きますので…おやおやまたむちゃぶり出ましたね。
ちょっと待って下さい!やばい。
ではいきますよ。

(「ヴォカリーズ」)「ららら♪」至上ゲストでは一番の歌声でした。
ありがとうございます。
実はこの冒頭のメロディーの部分なんですけれども…鍵盤を見ていいですか?はい。
どんな動きをしているのか。
そうなんです。
実は右手は…。
主に3つの音が鳴っているんですけれども。
みんないっぺんに下がってくるのではなくてところどころ…。
ここで上の2つが下がって。
今度下が下がって。
また上が下がって。
なのでただ下行しているだけでもとても気持ちがこう切なくなっていくところにもっともっと繊細な感情がのっていくという部分なんですね。
余韻を残しながら下がっていってる感じですね。
さあそしてもう1か所ピアノが大活躍する部分があります。
曲の終盤なんです。
先ほど魚住さんに歌って頂いたあの旋律がもう一度返ってくるんですがここは…そうそう。
歌はどうしてるんですか?いい質問ですね。
クロスしたとこ分かりました?はい。
最初のうちはもとの歌のメロディーをピアノが弾いている。
そこをそっと支えてるんですけれども途中で完全にピアノを追い抜いて主旋律のように美しく盛り上がっていって両方が主役のようでいて最後この…。
とても高い上の音までくるんですけれども。
この辺りではもうほんとに歌が一気に…。
クライマックスに近いですか?そうなんです。
色っぽいですね。
これピアニストと歌手の人と一緒にやったら盛り上がりますね。
絡み合い絶妙にピアノとお互いに高め合っている部分を是非注目して聴いて頂きたいと思います。
楽しみです。
今回歌って頂くのは…
(一同)よろしくお願いします。
幸田さんは「ヴォカリーズ」という歌詞のない歌曲どのようにお考えになってますか?そういう作品なんじゃないかなって思います。
(魚住)すてきな表現!
(幸田)光とか風とか色とか…この曲は幸田さんにとってはどんな曲ですか?私にとってもとても思い出深いんですけれど…その時は皆さんが涙をしてほんとに…そうやって毎回どんな演奏になるだろうどんな思いがそこに湧いてくるだろうっていうのをいつも思う作品です。
それでは幸田さんの歌を聴いて頂きましょう。
ラフマニノフの「ヴォカリーズ」どうぞ。

(拍手)
(魚住)すてき!
(拍手)すばらしかったですね。
言葉がない分必死で伝えようとしているそのパッションが伝わりましたね。
ちょっとしばらく言葉出なかったですね。
歌詞がなくてよかった。
ものすごくイメージ広がりません?そうですね。
最後にこう交差して低いところから上に上がって最高音にきた時はちょっと震えがきましたよね。
音色も変わったし。
こんなにドラマチックなんだっていう「ア」っていう言葉の一つにこんなに種類があってこんな深みがあるんだっていうのは…。
さすが美濃さんいちおしの名曲ですね。
ほんと一番お好きだっていうのが今日よく分かりました。
すばらしい作品です。
これだけ伝わるんならほんとに「ア」だけで小説書きたいよね。
言葉のない歌の世界皆さんは何を感じましたか?「ららら♪クラシック」今日はこの辺で。
2014/11/17(月) 10:25〜10:55
NHKEテレ1大阪
ららら♪クラシック「言葉にできない思いを〜ラフマニノフの“ヴォカリーズ”〜」[字][再]

今回の名曲はラフマニノフの「ヴォカリーズ」。切なく甘く…憂いのある美しい旋律で知られる名曲。曲の完成度を高めるためラフマニノフがとった行動とは!?

詳細情報
番組内容
今回はロシアの作曲家ラフマニノフの「ヴォカリーズ」。切なく甘く…憂いのある美しい旋律で知られる名曲だ。ヴォカリーズという言葉、ラフマニノフの作品名でもあるが、もともとはあることを指す言葉だった!ラフマニノフは数々のピアノ曲でも知られるが実は歌曲も数多く残した作曲家。その彼が「ヴォカリーズ」の完成度を高めるためにとったある行動とは!?【ゲスト】魚住りえ(フリーアナウンサー)【ソプラノ】幸田浩子
出演者
【ゲスト】魚住りえ,【出演】幸田浩子,河原忠之,一柳富美子,【司会】石田衣良,加羽沢美濃,【語り】服部伴蔵門

ジャンル :
音楽 – クラシック・オペラ
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
劇場/公演 – ダンス・バレエ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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