(テーマ音楽)
(江守徹)南フランスローヌ川の河の町アルル。
この町の気候と風土は人々をひきつける不思議な魅力を持ち紀元前10世紀ごろから栄えてきました。
町の中央に位置するローマ時代の闘技場。
60ものアーチが組み合わさって出来た円形の美しい建物です。
2万5,000人もの大観衆を収容する闘技場では剣闘士たちが死力を尽くして戦い人々は熱狂したといいます。
ここは4世紀に造られた大浴場。
床の下に熱い空気が流れる快適な浴場は市民たちの社交の場としてにぎわいました。
アルルを愛した時の皇帝たちは次々と建物を造りローマに次ぐ大都市となったのです。
その後もアルルはプロバンス地方の首都として繁栄しました。
12世紀に造られた建物はロマネスク様式の傑作です。
柱には「聖書」の物語を示した見事な彫刻が施されています。
海上貿易の拠点でもあったアルルにはさまざまな人種が集い独自のプロバンス文化がはぐくまれました。
黒い髪飾りと白のレースの民族衣装。
南国の太陽の下で映える情熱的な姿はいつの時代も人々をひきつけたといいます。
その姿を2人の天才画家が絵に残しています。
1人はヴィンセント・ヴァン・ゴッホ。
そしてポール・ゴーギャン。
2人の画家がここで共同生活を送っていたのです。
2人がよくスケッチに訪れたアリスカン墓地。
世界遺産に登録されている墓地は聖人たちが埋葬されたといわれ中世ヨーロッパで最も有名な墓地でした。
アリスカンに葬られることを望んだ人々は死後ローヌ川にひつぎを流してもらい墓守がそれを拾い上げ埋葬したといいます。
2人が描いた「アリスカン墓地」。
風景を忠実に切り取ることを好んだゴッホは静寂に包まれる長い参道を描きました。
方対照的にゴーギャンは想像を張り巡らせて描きました。
ゴッホと違った構図の絵にはアルルの女性たちも登場しています。
ゴッホはアルルで189点もの作品を残しました。
「黄色い家」はゴッホとゴーギャンが暮らした場所でした。
郊外の跳ね橋を描いた「ラングロワの橋」。
ゴッホの代表作「ひまわり」もアルルで描かれたものです。
天才画家の鮮やかな色使いは光あふれるアルルの町が生み出したともいえます。
情熱の町アルル。
皇帝から芸術家までいつの時代も美を愛する人々をひきつけてやまないのです。
2014/10/20(月) 04:15〜04:20
NHK総合1・神戸
シリーズ世界遺産100「アルルのローマ遺跡とロマネスク建造物〜フランス〜」[字]
美と情熱の街 ▽文化遺産 【語り】江守徹 【テーマ音楽】久石譲
詳細情報
番組内容
美と情熱の街 ▽文化遺産 【語り】江守徹 【テーマ音楽】久石譲
出演者
【語り】江守徹
音楽
【テーマ音楽】久石譲
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
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