(テーマ音楽)ベネチア商人が世界中から集めた薬草の数々。
ここは医学と薬学の最先端の研究拠点でした。
イタリア北東部ベネチアに隣接するパドヴァ。
世界遺産の植物園を生んだのはこの町が誇る大学です。
パドヴァ大学は1222年に創立されました。
壁にはベネチアのシンボル翼のあるライオン像。
ベネチアは15世紀にパドヴァを支配する以前からこの大学を人材育成の拠点としてきました。
この日は卒業式。
学生たちは誇らしげです。
この大学ではコペルニクスが学びガリレオが教べんをとったこともありました。
特に秀でていたのは医学や自然科学の分野でした。
校内には特別な部屋が残っています。
16世紀に造られた世界最古の解剖教室です。
上の方が学生たちの席。
中央の一番低い所が解剖台となっていました。
教授が行う解剖の様子を医学生たちが上からのぞき込んで勉強したのです。
そして植物園は大学付属の薬草園として生まれました。
現在およそ4,000種の植物が栽培されています。
植物園が造られた16世紀薬の原料の8割は植物でした。
薬草の種類や効能を学ぶことは極めて重要だったのです。
植物園はその研究の拠点となりました。
園長が1585年に植えられた植物園の中でも一番古い木に案内してくれました。
この木はゲーテのやしと呼ばれています。
18世紀ここを訪れたドイツの文豪ゲーテはやしの葉が成長に従って形を変えることに感銘を受けました。
そして著作に取り上げこの木はヨーロッパ中で知られるようになったのです。
薬草の産地はさまざまです。
こちらはアフリカ産で便秘の薬として使われたもの。
水辺に植えられたこの植物は東南アジア産。
血管を拡張する働きがあるといいます。
この大木は中国のいちょう。
葉や実に薬効があるとして古くから珍重されてきました。
柿もあります。
日本からも運び込まれていたんですね。
世界中の薬草はどのようにして集められたのでしょうか。
植物園に世界中から植物が集まったのは当時ベネチア商人が活躍していたからです。
インドやアラビアを通ってさまざまなスパイスがもたらされましたしシルクロードを通じて中国とも行き来がありました。
現在は薬草の研究とともに絶滅にひんしている植物の保存も行われています。
これまでに100種類の種を確保しました。
16世紀から続くパドヴァの植物園は今も最先端の研究拠点であり続けているのです。
2014/11/17(月) 04:15〜04:20
NHK総合1・神戸
シリーズ世界遺産100「パドヴァの植物園〜イタリア〜」[字]
世界の薬草を求めて ▽文化遺産 【語り】松平定知 【テーマ音楽】久石譲
詳細情報
番組内容
世界の薬草を求めて ▽文化遺産 【語り】松平定知 【テーマ音楽】久石譲
出演者
【語り】松平定知
音楽
【テーマ音楽】久石譲
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
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