情熱大陸【高澤義明/予約殺到!大富豪うならす料理人、NYセレブと勝負】 2014.10.19

ついひと月前のことだ
ニューヨーク・マンハッタン
どこか秘密めいた高級レストランで一人の日本人シェフが腕を試されようとしていた
慣れないキッチン
気心の知れたスタッフもわずか
だがそれは彼にとって心躍るような挑戦だったに違いない
(澤義明)サービスいくよGOGOGOGO!
60人の富豪たちが集まった様子はまるで映画のワンシーンを思わせた
有り余る財力に恵まれたセレブにとって魅力的な料理は投資の対象になる
値踏みされる男…
日本国内よりもむしろ欧米の目利きたちとりわけ料理人からの評価が高い
サイド焼いてるよね?
(調理スタッフ)はい?サイド焼いてるよね?
(調理スタッフ)はい?サイド焼いてるよね!
7年前一流で知られるイギリスの新聞『サンデー・タイムズ』はこう書いた
タイの国民的旅番組もそのユニークな料理に注目した
オォ〜
澤の店は華やかなネオンを避けた裏通りにある
オープンして9年
目立たない構えは隠れ家のようだ
茶室をイメージした店内で澤は亭主よろしく客席に気を配りながら料理を仕上げていく
10人で満席
客の中には海外の大富豪や王族トップレストランのシェフも多い
送り出す料理は意外性に満ちていた
食感が異なる15種類もの野菜にそれぞれひと手間を施し赤キャベツでくるんだスペシャリテ
フランス料理の定番ラタトゥイユがスプーンの上に凝縮されていた
初めてのお客にとってそれはほとんど未知との遭遇だろう
ジャンルにとらわれない澤は組み合わせの妙にも冴えを見せる
そして演出
ハスの葉にのせたのはトマトのエキスを固めたしずくだった
これを梅のスープでハモの上に注ぐ
名付けて…
驚きの後にはえも言われぬ香りがやって来る
店の評判には妻・明子さんも大きく貢献していた
堪能な語学力を生かし客席で料理の種明かしをしてみせる
アイデアは次々に繰り出される
持ち出された炊飯器も遊び心にあふれた演出だった
中にはカレー風味のライスペーパーが入れてある
つまり…
じゃがいもにんじんたまねぎらっきょうです
最後は色とりどりの…
ハーブは全て自家製だった
澤は都内に農園を借りている
食材を収穫するために足しげく通っていた
海風が吹き抜ける…
そこはビルの屋上だった
よ〜しよしよ〜し2個今日は2個?
創意工夫の料理はこんな空中庭園にも支えられている
(スタッフ)これは?フヌイユの花とかこういうフレッシュな種って…さあさあさあさあどこ?えっ?いた!よ〜しさあさあみんな一緒に行こうやばい!入ってくれよいしょ!やった〜よしよし
(鶏の鳴き声)よしあぁ〜出るなよ
レストランの営業は午後6時から
澤はいつも昼過ぎに店に出る
あれっ
(口笛)
ひと月近くも姿を見せなかった野良猫がまた戻ってきてくれた
ねっ?やだね何か撮られてるね
おいしいおこぼれが恋しくなったのだろうか
国際色豊かな夜の赤坂
澤の店も予約の外国人で埋まっていた
どこに肉のっけんの?これ
遠来の客を前に澤はいつも張り詰めている
スタッフへの注文は厳しかった
はいいつまで何やってんの?タッパーに入ってんだろうよちっちゃいのはい何やってんのお前それ何人持ってくの?だから何に持ってくの?手で4つ持ってくの?
働き始めて半年になる二十歳の若者がこの夜辞めたいと言いだした
修業の時期は誰だってつらい
切り捨てることはたやすいが澤は若者の未来を案じた
はい半年ですはいはいあとコバのためにもそれは今じゃないな
(明子さん)なにくそ根性に持っていったほうがいいのにって
(明子さん)私は今話聞いててねもったいないなって思うからさ同じだよだって…宝くじとは違う…当たらないものを…
可能性があれば愚直に試す
そんなやり方を貫いてきた
折を見ては食材を求めて日本各地を巡っている
訪ねたのは青森のリンゴ園
世界で初めて肥料も使わず無農薬のリンゴ栽培に成功した木村秋則さんに会いたかった
生産者の苦労を知れば料理にも生きる
(木村さん)これ…えっ?虫食ったんじゃないんですか?あぁ〜この草の原を見るとささまざまなこと…うんそうですね
新潟にはうまいとうわさのそばの店があった
来ました
製粉する時最初に取れる最も柔らかな一番粉だけで打ったそば
うん
うわさにたがわぬ味だった
この店では二番粉は使わないという
外皮の部分なんですごくこれは…ふんふんそんな黒い印象もないですね多少は色ついてますけどまだ二番粉なんですよおそばの香りは絶対これがありますけど…
どうやら何かひらめいたようだ
日本ならではの食材をもっと生かしたい
澤は絶えずそう考えている
譲り受けた二番粉で早速パスタを作ってみた
そば風味満点のパスタに合わせるのは松茸
これをラビオリ風に仕立てていった
イタリアで生まれたラビオリはそもそも中国の餃子が原型だそうだが換骨奪胎のオリジナル
まずは常連に提供して味を見てもらう
スープの具材は秋のキノコたち
今日はラビオリ仕立てにしてみましたラビオリ!?そう
好評ならばメニューに加えるつもり
すごい松茸
和の食材への執着は尋常ではなかった
外国からのお客にも馬刺しを出す
眉をひそめるかもしれないことは承知していた
それでも澤は臆さない
(女性客)It’swhat?Horsemeat
(女性客)Oh,myGod!
手をつけないお客もいるがそれはそれで構わないのだという
営業を終えて残ったものは大切な招き猫にお裾分け
澤には哲学がある
経験値で多分……ってねそういうのを見せてやってるんですよね
両親は高円寺で食堂を営んでいた
料理で人をもてなす楽しさに目覚めたのは高校時代
フレンチイタリアンから懐石まで多彩な店で腕を磨いた
29歳で明子さんと結婚
同時に独立して今の店を持つ
一流になることが夢だった
この子ピカイチじゃないですか?
家でくつろぐ時間はわずかしかない
アハハハ…何か…営業中だからさ…っていうのはありました
ニューヨークでセレブ相手に腕試しをする日が迫っていた
でも違ういろんな…
アメリカに飛んだ澤はまずサンフランシスコへ
以前東京で澤の料理を食べたシェフから是非俺の所にも来いと誘われていた
そこは『サンフランシスコ・ミシュラン』で2つ星に輝いている店
澤の料理が知恵を凝らした驚きに満ちているとすればここで出される料理は素材の突き詰め方に個性が光るという
それが一番目立つからいいんじゃないの
澤が思わずうなったひと品が大根の一種ラディッシュ尽くしだった
一切れ一切れに異なった調理を施してバターオイルが絡めてある
(明子さん)アハハハハこれうまい何だこれまぁ何か何と…みたいな素材の重ねでこれだけ持ってくっていうのありえないすげぇな…
(明子さん)これ今悔しい顔ですアハハハ…
腕試しを前に格好の刺激になった
ニューヨークに入った澤は料理を披露する当日の朝セントラルパークにいた
既に食材の準備は済んでいる
公園で拾い集めていたのは落ち葉だった
秋色に染まった枯れ葉は料理を引き立てる演出に使うようだ
アメリカの雑誌が毎年主催しているイベントはいわば料理人の品定め
今年は澤にチャンスが与えられた
読者の平均年収が1億2000万円というスペシャルマガジン
会場には有望な料理人を見いだして投資しようという思惑も渦巻いている
海外出店の意志など持ち合わせてはいないがこの場で評価されれば口コミの威力は計り知れない
アハハハ
(笑い)
(笑い)
皿は朝の落ち葉で飾られた
アメリカ産の松茸をはじめ6種類のキノコで作るスープは豆乳ベース
秘密兵器は料理用に開発された特殊な耐熱フィルムだ
スープを封じ込め鉄板の上で更に温める
ちょちょちょ…サービス!GOGOGOGO!
テーブルにはあらかじめ手袋とハサミが配られていた
袋を切り開くと一気に広がる芳醇な秋の香り
澤に反応を確かめている余裕はない
キッチンで神経をとがらせている
マグロのステーキは和食ファンが多いニューヨーカーを意識したもの
少しでも手を抜けば見透かされる
60人のセレブたちは日本からやって来た料理人の力量を量っていた
(拍手)
笑顔と拍手
それが勲章だ
ThankyouOK…Yourbirthday?みんながああいうふうにね…言ってくれると…それがやっぱ…
ニューヨークでセレブたちを驚かせた澤に日常が戻っていた
その仕事にゴールはない
自分との果てしない闘いがあるばかり
辞めたいと言っていた若者も…
お前セッティングしてくれよはい
ふんばっていた
そしてもう一つの気がかり
ちょっと来て…
あの招き猫も立ち去るつもりはなさそうだ
この人働き過ぎ?
10代の圧倒的な支持を集める理由とは?
2014/10/19(日) 23:00〜23:30
MBS毎日放送
情熱大陸[字]【高澤義明/予約殺到!大富豪うならす料理人、NYセレブと勝負】

料理人/高澤義明▽東京1日10人限定の店…欧米やアジアの大富豪や王族・セレブ・美食家たちなどからの予約殺到!世界のグルメ最前線店の天才シェフ

詳細情報
番組内容
高澤が赤坂の路地裏に店を開いて9年。日本の伝統的な食材を大切にしながら、和食やフレンチなどジャンルを越えた発想で“タカザワ料理”を創ってきた。アメリカの高級グルメ雑誌で「人生を変える世界のトップレストラン10」に選ばれ、海外TV局がこぞって取材するなど、海外の評価先行の異色の存在だ。その彼がこの秋、世界の富裕層ターゲットの雑誌主催の晩餐会に招かれニューヨークへ。美食家たちを唸らせる事は出来たのか。
出演者
【プロフィール】
高澤義明
料理人。1976年東京都生まれ。
料理人の家に育ち、幼少から料理に触れる。様々なジャンルのレストランで働いた後、2005年赤坂に「ARONIA DE TAKAZAWA」を妻・明子と共にオープン。おととし店名を「TAKAZAWA」に変えてリニューアル。世界の名だたるホテルからもゲストシェフに呼ばれ、今年「ワールド・ベスト・レストラン・アジア2014年 トップ50」に選出。
制作
【製作著作】MBS(毎日放送)
【制作協力】SEPIC
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ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
情報/ワイドショー – グルメ・料理
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映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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