ダーウィンが来た!生きもの新伝説「“トラの王国”復活大作戦!」 2014.11.16

インドの森の王者ベンガルトラです。
今数が激減しています。
トラを絶滅から救うため前代未聞のプロジェクトが始まりました。
トラが消えた国立公園に他の場所からトラを運び子孫を増やそうというんです。
しかし見知らぬ土地でトラたちは悪戦苦闘。
狩りも失敗続き。
更に強力なライバルヒョウが立ちはだかります。
果たして「トラの王国」は復活できるのでしょうか。
波乱万丈の日々に密着します。

(テーマ音楽)インド北部のサリスカ国立公園です。
広大な森には多くの動物たちが暮らしています。
鳥の種類は200以上哺乳類も20種類以上。
まさに「野生動物の楽園」です。
でもインドを代表するある動物だけいなくなってしまったんです。
その動物とはトラです。
かつては「トラの王国」と呼ばれるほどここにはたくさん生息していました。
しかし毛皮や薬にするための骨を目当ての密猟により数が激減。
2004年ついに最後の1頭が殺されてしまいました。
そこで2008年前代未聞のプロジェクトが立ち上がりました。
他の保護区で暮らすトラをサリスカ国立公園へ連れてきて繁殖をさせ子孫を増やそうという作戦です。
重大な任務を任されたのは若くて健康なオスとメス。
移動中暴れないように麻酔で眠らせます。
行動を記録するため発信器が取り付けられました。
移動距離は150キロ。
空軍のヘリコプターが使用されました。
インドではトラを絶滅から救うため国を挙げて保護に取り組んでいます。
サリスカ国立公園に4年ぶりにトラが戻ってきました。
「トラの王国」復活へ。
長い挑戦の始まりです。
長年トラを撮影してきたカメラマンのナラ・ムトゥーさん。
今回プロジェクトに密着します。
更に自動で撮影ができるカメラをあちこちに仕掛けます。
このカメラなら動物に警戒されることはありません。
トラと他の動物たちの関係も見えてきそうです。
プロジェクトが始まったのは雨期のこと。
こちらは連れてこられた若いメス。
「バガニ」と名付けられました。
あれ?背中に何か乗っています。
カエルです。
小さな音にもびっくり。
慣れない土地でとまどっている様子です。
でも食べないことには生きていけません。
森をひたすら歩き回り獲物を探します。
茂みの向こうに何かいます。
大型のシカサンバーです。
それをじっと見つめるのはバガニ。
サリスカに来て初めての狩りに挑戦です。
まだ少し距離があります。
(鳴き声)あっ!気付かれてしまいました。
(シカの鳴き声)初めての狩りは獲物に近寄ることすらできませんでした。
気を取り直して…。
また別のサンバーです。
今度は気付かれないよう風下に回り込みます。
シカはもう目の前。
背後から襲えるようタイミングを探ります。
その時です。
(シカの鳴き声)他のシカが警戒の声を上げました。
あ〜残念。
サリスカにトラがいなくなっていた間に草食動物の数は増えていました。
一見獲物がとりやすいようですが見張りの目が多ければ多いほど狩りは難しくなるんです。
慣れない森で生きるバガニ。
試練の日々が続きます。
バガニとは対照的にこの森で幅を利かせている動物がいます。
ヒョウです。
夜自動撮影カメラがその動きを捉えました。
ヒョウが大きなシカを捕まえたようです。
トラがいない間に同じ肉食動物のヒョウがサリスカの生態系の頂点に君臨していたんです。
一方まだ狩りが成功していないバガニ。
トラの狩りは「待ち伏せ型」です。
身を隠す場所や獲物を追い込む場所などすんでいる森を知り尽くしていないと狩りは難しいんです。
シカの群れの近くまでやって来ました。
サンバーより一回り小さなアクシスジカもいます。
子どものシカは一度もトラを見たことがないはずです。
バガニ今度こそ慎重にね。
飛び出しました。
(鳴き声)また失敗でしょうか。
あっ子ジカをくわえています。
アクシスジカの母親は自分が食事をする時子どもを草むらに隠す習性があります。
バガニはふるさとの森でこのことを知っていたんでしょうか。
ようやくサリスカに来て初めて狩りに成功です。
小さな獲物ですがバガニにとっては大きな自信となりました。
バガニがサリスカ国立公園にやって来て数か月。
乾期を迎えました。
バガニもこの森にようやく慣れてきたようです。
皆さんバガニのお尻にご注目。
ほら今おしっこを木にかけましたよね。
こうしてにおいを付けて自分の存在をアピールしているんです。
縄張りを持つための大切な行動です。
連れてこられた当初バガニが行動していた範囲です。
獲物を求めて広い範囲をあてもなく動き回っていました。
しかし今ではバガニの行動範囲は半分ほどになりました。
獲物の多い場所を自分の縄張りにしたんです。
バガニの狩りの腕前はますます上がってきました。
視線の先にはイノシシです。
鋭い牙を持ち凶暴なイノシシ。
一歩間違えればバガニ自身もけがを負いかねない相手です。
息を殺して忍び寄ります。
勝負は一瞬でつきました。
手ごわい相手にも全くひるまず向かっていくバガニ。
その姿は自信にあふれています。
あれ?獲物を置いて立ち去ります。
実はこれも自信の表れ。
誰にも横取りされないと分かっているんです。
見知らぬ土地での苦労を一歩ずつ乗り越えてきたバガニ。
挑戦はまだまだ続きます。
第2章ではトラとヒョウライバル同士が激突。
緊迫の攻防が繰り広げられます。
そしてバガニとオスがアツアツに。
待望の2世誕生はあるんでしょうか?突然ですがここで「ダーウィンNEWS」です。
日本一大きな湖びわ湖で有名な滋賀県。
7月日本一の生きものが見つかりました。
こちら日本一長いミミズです。
なんと92センチ!現在も飼育中だそうです。
ちょっと見せて頂けますか?うわっいました!田んぼなどにすむこのハッタミミズ。
滋賀石川福井の3県でしか見つかっていないとっても珍しい種類なんです。
色が黒く大きくなるのが特徴ですが寿命など詳しい生態は分かっていません。
もっともっと大きいものもいるかもしれないんです。
新記録を目指してハッタミミズを探している子どもたちがいました。
うん?早速発見?残念ハッタミミズではありませんでした。
探すこと30分。
やった!ハッタミミズ発見。
でもちょっと小さいですね。
それでも子どもたち小学校に持ち帰ります。
捕まえたハッタミミズを育てて大きくしようというんです。
こちらが飼っている中で最も長いハッタくん。
全長は60センチ。
今年6月に捕まえてから10センチほど長くなりました。
ハッタくんを日本一のミミズに育てることがみんなの目標です。
オ〜!日本一になったら教えてね〜!トラの復活作戦が進められているインドのサリスカ国立公園です。
こちらはオスのラジョール。
バガニのお婿さん候補としてやはり他の保護区から運ばれてきました。
将来2頭の間に子どもが生まれることが期待されています。
(イヌの鳴き声)おや?逃げていくのはイヌですよね。
この時ラジョールは人の住む村のすぐ近くまで来ていました。
国立公園の中には30ほどの村があり1万5,000人が暮らしています。
ラジョールは村人が育てている家畜を狙ってやって来たのかもしれません。
ちょちょっと待った!やっぱり来ましたかヒゲじい。
いやそりゃそうでしょう。
家畜どころか人間だって危ないじゃないですか。
どうして人が住んでいる所にトラを放したりしたんですかね?う〜んちょっとご説明させて下さい。
まずこのサリスカ国立公園は獲物の動物が多くトラにとってすみやすい環境であることに間違いはありません。
密猟でいなくなってしまいましたがその数年前まで25頭ものトラがすんでいたんです。
だけど人間は危なくないんですか?事故が起きないよう公園のレンジャーたちが24時間態勢で厳重なパトロールを行っています。
更にインド政府は補償金を用意して住民に立ち退きを求めています。
ただなかなか条件が折り合わずうまくいっていない現状もあります。
う〜ん確かに難しい問題ですな。
でも事態はもはや一刻を争うんです。
100年ほど前インドには4万頭ものトラがいました。
密猟や開発により今では1,700頭ほどしか残っていません。
次のとら年の2022年までに野生のトラが絶滅する可能性を指摘する専門家もいます。
えっそりゃ大変だ!はい。
だからこそトラを生息に適した場所に戻し積極的に増やしていこうという今回の作戦に大きな期待がかかっているんです。
う〜ん待ったなしということですな。
どんなに苦労しても人もトラも「トラ」イするしかありませんな。
(トラの鳴き声)森に大きな声がこだまします。
(鳴き声)メスを呼ぶオスのトラの声です。
(鳴き声)バガニがそれに応えています。
(鳴き声)何度も呼び合う2頭。
呼んでいたのはラジョールです。
トラは今恋の季節を迎えています。
バガニが近づいてきました。
共にサリスカ国立公園に連れてこられたバガニとラジョール。
ついに2頭が出会いました。
若いメスのバガニはラジョールのことが気になってしかたがない様子。
連れ立って初デートですか?初々しい!あら?一緒に水浴び。
何だかとってもロマンチックなムードですね。
バガニとラジョールの仲はうまくいっているようです。
今度は追いかけっこ。
こうして2〜3日の間ぴったり寄り添います。
アツアツな2頭。
このまま愛を育んでいけば2世誕生も期待できそうです。
「トラの王国」復活に明るい兆しが見えてきました。
夜バガニの縄張りにヒョウが現れました。
いくつもの目が光っています。
母親と子どもたちです。
食べ盛りの子どもたちのためにヒョウの母親は獲物を探しに来たんです。
その様子を自動撮影カメラが記録していました。
獲物を分け合うヒョウの親子。
でもここはバガニの縄張りです。
母親は危険を承知で狩りをしたんです。
食べ残しを土で覆い隠しています。
トラに気付かれないようにおいを消しているんでしょうか。
母親はかなり神経質になっているようです。
更にこんな映像も。
ヒョウが通った道をトラも使っています。
何やら不穏な気配です。
ナラさんが決定的なシーンを目撃しました。
岩場に現れたヒョウの母親。
するとすぐそばにバガニです。
ヒョウに緊張が走ります。
バガニもヒョウに気付きました。
木登りの得意なヒョウが樹上へ。
その木の下にバガニ。
緊迫したにらみ合いです。
トラとヒョウ。
森の王者の座を懸けた戦いは一体どうなるのでしょうか。
数日後意外な結末が待っていました。
ヒョウの死骸が見つかったんです。
ナラさんはバガニが殺したに違いないと考えています。
もしバガニに子どもができればヒョウは子どもにとって一番危険な天敵となってしまいます。
トラが命をつなげていくためには避けて通れないことだったんです。
(鳴き声)それからしばらくのことです。
(鳴き声)大きな声で鳴きラジョールを呼ぶバガニ。
(鳴き声)しかしいくら呼んでも返事がありません。
バガニはかすかに残るラジョールのにおいを頼りに森じゅうを探します。
ラジョールは一体どこにいるのでしょうか。
心配になったナラさんもラジョールを探します。
足跡が見つかりました。
発信器の電波を使い居場所を絞り込みます。
ラジョールは変わり果てた姿で見つかりました。
家畜の被害を恐れる村人たちに毒殺されてしまったんです。
プロジェクトを見守ってきたナラさんは力を落とします。
「トラの王国」復活作戦は大きく後退してしまいました。
(雷鳴)サリスカ国立公園に再び雨期が訪れました。
最愛のパートナーラジョールを失ってもバガニはひたむきに生きています。
プロジェクトに新たな動きがありました。
新しいオスがバガニのもとに運ばれることになったんです。
今度こそ子どもが生まれることが期待されています。
トラと人との関係にも進展がありました。
家を壊し引っ越しの準備をする村人たち。
説得に応じ村を立ち去る人が増えてきたのです。
インドサリスカ国立公園で「トラの王国」復活の希望を託されたトラたち。
慣れない土地で自らの生きる道をたくましく切り開いてきました。
その挑戦は今も続いています。
バガニたちの未来はインドのトラの未来そのものでもあるのです。
(秀頼)父上…父上!2014/11/16(日) 19:30〜20:00
NHK総合1・神戸
ダーウィンが来た!生きもの新伝説「“トラの王国”復活大作戦!」[字]

インドの森の王者・ベンガルトラ。絶滅から救うため、壮大な計画が始まった。トラが消えた保護区に再び放し、子孫を増やすのだ。“トラの王国”復活へ!激動の日々を描く。

詳細情報
番組内容
インドの森の王者・ベンガルトラ。いま密猟などで数が激減している。絶滅から救うため、壮大な計画が始まった。トラが消えた国立公園にオスとメスのトラを再び放し、子孫を増やそうというのだ。しかし見知らぬ土地でトラたちは悪戦苦闘。狩りも失敗続きなうえ、同じ肉食動物のヒョウがライバルとして立ちはだかる。さらに、大きな悲劇にも見舞われる。果たして“トラの王国”は復活できるのか?波乱万丈の日々を描く。歌:平原綾香
出演者
【語り】首藤奈知子,龍田直樹,豊嶋真千子

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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