(司会者)321!
(クラッカーの音)9月。
山梨県甲府市であるイベントが開かれた。
地元のアーティストたちが商店街をジャック。
アートの力で街を楽しもうというのだ。
今日の主人公はその仕掛け人の1人飯田圭さん。
実はある悩みがある。
そう。
今日の主人公は自他共に認める…大学卒業後戻って来た地元はすっかりシャッター街。
ふるさとに何かできる事は?もやもやが募った。
そんな飯田さんにチャンス到来!大事なイベントの企画を任される事に。
しかし…。
果たしてもやもやが晴れる日は来るのか!?その先に見えてくるものとは?
(男性)いらっしゃいませ。
(一同)いらっしゃいませ。
(男性)お待たせいたしました。
(一同)お待たせいたしました。
(男性)ありがとうございました。
(一同)ありがとうございました。
今日の主人公飯田圭さん。
実は地方銀行で働く入社3年目の銀行員。
勤務する支店は地元の人々にとって身近なお金の相談窓口だ。
飯田さんは融資の担当。
取引先は地元の中小企業や個人事業主だ。
企業の社長を相手に事業の内容や経営の状態を聞き融資ができるか判断する。
責任は重い。
(飯田)なかなかやっぱ普通の会社員だと社長さんと直に話す事ってないと思うのでそういうところは銀行員ならではかなと。
しかし飯田さん実は事務作業がちょっと苦手。
この日は個人のお客さんから申し込みがあった住宅ローンの書類を作る。
「子供部屋を別棟に建てる」って言ってその費用です。
1つの案件でも書類は30枚を超える。
融資に必要な細かい条件を確認しながらまとめていく。
もちろんミスは許されない。
項目の1つ1つにまで上司の細かいチェックが入る。
2時間かかってやっと書類の作成が終わった。
地元の人と関わりはあるが事務作業に追われる毎日。
これが自分のやりたかった事なのかだんだん分からなくなってきた。
やりがい…。
そうですね一生懸命やってるって感じでそれがまあ融資とかはやって感謝された時はすごいうれしいですけど。
それがどうやってっていうのはまだそこまで分かんないですけど。
社会人3年目。
自分の人生まだまだ悩むよね〜。
地元のためにもっと自分が生かせる場所はないか。
模索していた時ある活動に出会った。
こんばんは〜。
こうふのまちの芸術祭。
週に1度準備のミーティングに参加している。
今年で5回目となるアートプロジェクト。
街が元気をなくしていく中でも思い切りふるさとで遊びたい。
そんな思いから20代30代が中心となってアートの力で街をもり立てようとしている。
芸術祭を運営するのは…3人とも一度は東京で暮らしふるさとに戻って来た。
職業はバラバラだが甲府の街を面白くしたいという思いで集まった。
これまではサポート役だった飯田さん。
今年初めてトークイベントを企画する事になった。
結構悩んでるんですけど…。
この日は2人にテーマと内容を発表。
テーマが…大きなテーマを掲げ「地域に関心のない人を集めたい」というものだが内容がいまひとつ定まらない。
(齊藤)まぁ今これで決まってるのならねえうん。
「地域の見方を変える」っていうテーマで集めようと思う…理由みたいななんかこう…。
理由…。
自分でも整理ができていないため伝わらない。
(小林)圭ちゃん自身は本当に街をどう思ってるのかとか聞きたい。
街…甲府の街って事ですか?飯田さんやりたい事はあっても何だかはっきりしないんだよね。
結構きつい。
でもそこはやっぱ決めなきゃいけないんで頑張ります。
飯田さんの一週間がこちら。
仕事以外にも芸術祭の活動や友人との飲み会。
そしてサッカーの練習…?実は飯田さん社会人サッカーチームの中でも県内有数の強豪に所属している。
仕事の後なのに元気だねえ!あんまり深く考えないでその場を楽しめばいいから。
ハハハ。
スポーツそういうもんじゃないですか。
ハハハハ。
人生サッカー一筋だった飯田さん。
高校時代には全国ベスト8にもなった。
スポーツ推薦で入った東京の大学でもひたすらサッカー。
プロは目指さなかったの?諦めたというか…まぁそこそこ上までいってこれで食ってくのはちょっと俺には無理かなと思ったんですね。
ハハハ。
大学卒業後地元に戻った飯田さん。
(取材者)おはようございます。
大学で学んだ地域活性化や街づくりといった分野に引かれ地元の銀行を選んだ。
サッカーと同じように打ち込めるものを探していたのだ。
この日飯田さんは融資担当として次のステップに進むための仕事を任された。
取引先の経営に対して的確なアドバイスを考える。
難しいが地元企業を支える銀行マンとして必要不可欠だ。
結局具体的な提案は全然できなかった。
(望月)会社に対していかに貢献できるかを考える事が今一番必要じゃないかと思いますね。
だからまあ仕事中だけじゃなくって……っていう事がやっぱり求められる事ですしそれは避けて通れない事だと思いますね。
やるべき事はどんどん増える。
でもやりたい事に近づいてる実感がない。
ハハハ…。
芸術祭の活動でも仕事でも手探りの日々が続く飯田さん。
遅くなりました〜。
遅〜い。
お疲れ〜。
お疲れ〜。
遅〜い。
この日はいつもの場所に大勢の仲間たちが集まっていた。
お疲れさまで〜す。
すみませんでした〜。
音楽やデザインなどそれぞれの立場から芸術祭に協力している仲間たちだ。
中でも飯田さんが頼りにするのが地元で家業のみそ蔵を継ぐ五味仁さん。
芸術祭には資金面もアイデア出しにも協力してきた。
実はトークイベントを最初に企画したのも五味さん。
地元の事をざっくばらんに語り合う場として始めた。
2年前にはゲストを招いて熱いトークが繰り広げられた。
この時初めて参加した飯田さん。
忘れられない経験となった。
まだ形にできない今年のトークイベント。
五味さんに率直に相談してみた。
何かもやもやしてる人とかに「こういう事をしてるんだ」っていう人とか地域の事をやってたりしてる人をまずは知ってもらうっていう機会を作りたいっていうのが。
そう。
(笑い声)そう。
でもそこを…。
そう。
「自分と同じような人が興味を持つためにも背伸びせずにまず自分の気持ちに向き合うべき」と五味さんは指摘した。
もう何かよく分かんなくなってきました。
正直正直…ハハッ。
何かいろんな意見を聞いて。
飯田さんもしかしてもっともやもやしてきちゃった?地元に戻って地域の事ならサッカーと同じ情熱を持てると思った気持ち。
一体どこから来たんだろう。
記憶あんまないですけどあんな小っちゃい時は。
いつからこのお店やってますか?ここはえっと2年…今3年目ですね。
3年目。
8月で2年です。
あっ本当。
これからもずっとこの街を好きでいたい。
そのために自分ができる事って何なんだろう。
それがどうやってやるとかっていうのはまだはっきりとはあれですけど。
う〜ん。
飯田さんヒントは見つかったかな?イベントの内容を改めて考え飯田さんは再び五味さんを訪ねた。
じゃあ企画書を作ってきたんで見て頂けますか?うん。
あとは「りそな」とかの人とかで公務員の人とかを呼んで…。
ゲストとして考えたのは大手の銀行や市役所で働きつつ地域でのプロジェクトを成功させている人たち。
今の飯田さんにたくさんヒントをくれそうだ。
そうか。
でも…うん。
五味さんも賛成してくれた!よかったね飯田さん。
貯金は月に6万円。
すごいね〜!そして交際費と交通費が合わせて8万円!芸術祭の活動もあって何かと出費が多くなっている。
この日飯田さんは長野県に向かっていた。
結構シャッター多いっすね。
うん。
仲間と一緒に商店街で行われているアートプロジェクトの見学にやって来た。
こうふのまちの芸術祭を長く続けるためにも同じような試みをしている地域プロジェクトから学ぼうというのだ。
(店主)こんにちは。
どうも。
作家さんたちが描いて下さる…。
(店主)そうです。
ええ。
それぞれにお店を担当して描いて下さってた。
へ〜。
アーティストたちの活動がお店の人たちを盛り立てている。
銀座商店街とかでも使えるんじゃないですかね。
お店の人の声を直接聞く事もできた。
(店主)だんだん少なくなってあ〜やっぱり。
スナックばっかになっちゃってね。
でもやっぱりだんだん抜けちゃったりして。
今でもこの花山さんとかこういうところが若い方がどんどん入って来てくれてうんと盛り上がっているんですよ。
う〜んいいですよね若い方が。
(店主)おかげさまではい。
お店の人が喜んでるのがやってもらって何かうれしいなっていうのがすごいいい関係性が築けているんじゃないかなというのは思います。
1人1人の喜びが街を生き生きさせるんだね。
山梨に戻って来た飯田さん。
「今回のイベントに地元の人こそ来てほしい」と直接呼びかけて回る事にした。
うん。
そうです。
そうですね〜。
う〜ん。
イベント告知のつもりが具体的な商店街の課題を聞く事になった。
それをきっかけに何か思いとかも変わってほしいし銀行も少し考え方も変わったり微々たる事かもしれないけれどもそうなってほしい。
そういうイベントにはしたい。
(司会者)321!
(クラッカーの音)いよいよ芸術祭がスタート。
(拍手)
(司会者)ありがとうございます。
今年は甲府の銀座通り商店街を会場にアーティスト11組が参加した。
今年初めて行われた古本市ともコラボし街は大いににぎわった。
午後7時。
ついに飯田さんのトークイベントが始まった。
客席には「是非来てほしい」と声をかけた銀行の先輩や友達の姿。
五味さんも来てくれた。
飯田さんの呼びかけに応え地域について熱い思いを持つ人たちが参加。
アーティストで地域の活動にも力を入れる人。
県内の市役所職員。
飯田さんと同じ銀行の大先輩。
そして大手の銀行員だ。
(笑い声)「もうやってられんわ」みたいな。
「一度は退職まで考えた」という経験談も飛び出した。
銀行や役所など堅い印象のある職場でもいかにやりたい事を実現してきたかが熱く語られた。
(アサダワタル)結構飯田さんとかでね僕も気になってたのが…。
ここで飯田さんにも鋭い質問が。
銀行と今の活動とを行き来する飯田さんに「これから先はどうしていくのか」という質問だ。
銀行と実際に活動している中の両面を持ってるという状況で…話を聞いて感じた飯田さんの自然な言葉が出てきた。
そんな飯田さんにゲストから激励が飛ぶ。
やりたい事のためには今いる場所を最大限に生かす方法をまず考える事。
2時間の熱いトークが終了。
(拍手)飯田さん得るものあったんじゃない?アートツリーと銀行っていうのはすごいつながるっていうのは思ってて銀行員としてもその地域の事はやっぱより寄り添って課題とかも聞いていったりまあ「アートツリー」の活動でも地域でどういう課題があったりっていうのを……っていうのを常に考えていきたいなとすごい思いました。
イベントを終えた飯田さん。
日常に戻って窓口でお客さんの相談を受けていた。
ホームページを作りたいがどこにお願いしようか発注先を迷っていた社長。
すると…。
あっ!あ〜!名前聞いた事があります。
(社長)有名なの?えっと〜…芸術祭の活動で得た人脈でお客さんに役立つ情報が提供できた。
飯田さん少し晴れ間が見えてきたんじゃない?
(取材者)行ってらっしゃい。
ありがとうございました。
もやもや系男子卒業の日きっと来るよね。
私野田ともうします。
2014/11/03(月) 23:25〜23:50
NHKEテレ1大阪
人生デザイン U−29「銀行員・地域イベントスタッフ」[字][再]
銀行の仕事にも地域おこしの活動にもハッキリした目標が見つけらない“もやもや系男子”飯田圭さん(25)。初めて企画を任された地域おこしイベントの行方はいかに?
詳細情報
番組内容
主人公は山梨の銀行で働く“もやもや系男子”飯田圭さん(25)。「地域活性化を仕事にしたい」とUターン就職したが、書類作成に追われる毎日に「やりたい仕事ができるのか」と悩む。そんな時に出会ったのが地域おこし活動。こちらの方が銀行の仕事より地域に貢献できるのでは…と思い始めた飯田さんにイベントの企画が任された。だがアイデアは浮かばない。仕事も地域おこしも先が見えない。果たしてイベントは成功するのか?
出演者
【語り】Mummy−D
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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