ここがポイント!! 池上彰解説塾 2時間スペシャル 2014.11.03

こんな人、こんな国があったなんて
報道の自由がない国のランキングで北朝鮮を抜いてナンバーワン
なんと、60歳の人まで徴兵の対象
女性も同じ
更に、徴兵が終わっても強制労働が待っている
道路工事やダム建設などを強いられその期限は一生続く
国民が海外へ行くことは基本的に禁止
最悪の場合射殺されるという
そんな国だからこそ抜け出したい
驚きの脱出計画が
去年、ケニアで行われた国際試合でエリトリア代表チームから8人の選手が失踪
5年前には選手全員が姿を消した
エリトリアでは最初から国外脱出するためにサッカー選手を目指す子どももいるという
バシール大統領は女性や子どもも関係なく反政府派を虐殺
見かねた国際機関が世界初の対応をした
2009年に逮捕状が出されて以来大統領は、今も逃れ続けている
この国では性暴力を止められないのか?
アフリカ中部の国コンゴ民主共和国は90年代から2000年代にかけて内戦が続き、治安は最悪
政府に対立する者を容赦なく虐殺する光景が繰り広げられた。
それが、こちら
そんな状況の中父の後を継ぎわずか29歳で大統領になったのがカビラ大統領
経験不足への非難をさせないためか…
更に、世界中が信じられないと驚いたこと。
それが…
アメリカの雑誌の調査によればこの国の性暴力の被害者は世界最多。
その数なんと…
一説には犯人の多くが軍人のため大統領は、積極的な対策をしていないといわれている
国連に訴えようと声を上げた国民に対しカビラ大統領が言った言葉は…
脅して中止させたという
世界には驚きの独裁者、独裁国家がまだまだ、たくさん
しかし独裁イコール悪ではない?
事実上の一党独裁国家中国なしでは世界経済は成り立たないといわれるほど
さまざまな独裁国家を見ることで今こそ、国家とは何かリーダーはどうあるべきか考えてみよう
独裁者、あるいは独裁国家といいますとイコール悪というイメージありますよね。
そうなんですけれども実は、独裁者がいることによって国の経済が発展したりですね逆に独裁者を倒して民主化したために混乱してしまったりということこれも現実問題として起きているんですね。
そもそも民主主義ってなんだろう?改めて、皆さん考えていこうと思います。
今回は、イギリスの雑誌『エコノミスト』の調査部門エコノミスト・インテリジェンス・ユニットが発表している民主主義指数ランキングやこれまで世界で起こった虐殺の歴史などをもとに独裁者、独裁国家とはなんなのかというのを学んでいきたいと思っています。
167の国と地域で民主主義で1位から167位までランキングしたんですね。
167の国と地域について選挙制度や言論の自由度などをもとに順位を付けた、この調査
「完全な民主主義」と評価された国は、上位25か国
これだけ自由な国でしょやっぱり、日本は。
答えは23位。
上位を占めたのは北欧の国々
日本は、意外と順位が低いのは選挙の投票率が低いことや女性議員の割合が低いことなどが影響しているそう
今度は、下のほうはですねこれが権威主義国という言い方されてます。
権威主義国って、いってみれば独裁国家っていうことなんですけどこれが何か国ぐらいあるか渡辺さん、どうですか?あんまり、なじみないし聞いたこともないんで…。
池上:3分の1はそういう独裁国家と。
およそ25億人がそこで住んでいる。
誰とでも結婚できる
アフリカ南部にある人口わずか100万人の小さな国スワジランド
国王ムスワティ3世の権力は絶大
その花嫁選びの儀式がこちら
毎年1回、未婚の女性が集まりダンスを踊る
この年、集まったのはなんと7万人
国王は、この中から気に入った女性を誰でも花嫁にすることができるのだ
ここで、国王の目に留まれば妻に選ばれ宮殿を与えられて豪華な生活ができるのだ
現在14人の妻がいるといわれるが父親の前国王には100人以上の妻がいたのでまだまだ増えそう
もちろん、国王の花嫁にはなりたくない女性もいる
10番目の妻は彼女が18歳のときに学校から誘拐して結婚
花嫁の母親から訴えられたが却下
自分のことを偉大な科学者と主張する独裁者
2007年に国内でエイズが広まったとき自称科学者ジャメ大統領が立ち上がった
いまだ根本的な治療法のないエイズの特効薬を完成させたというのだ
本当なら世紀の大発明
大統領自ら治療を行った貴重な映像がこちら
イスラム教の聖典コーランをかざし…
秘密の薬草を塗る
更に、薬草を飲ませる
これが特効薬なのだという
国民は貧しいのに自分だけは世界有数のお金持ち
アフリカ中部の国赤道ギニアはアフリカ有数の産油国なのに多くの国民が、1日2ドル未満で生活する貧困層
しかし、ンゲマ大統領は世界有数の資産家
その個人資産はなんと6億ドル
日本円にして600億円以上ともいわれている
そう、石油収入を独り占めしていると批判されているのだ
国の石油収入がいくらなのか国家機密だとして公開していない
アジアのアゼルバイジャンもまた、豊かな産油国
しかし、大統領が石油の利益を国民に十分に還元せず私腹を肥やしているといわれている
家族名義でドバイに不動産を購入
その値段およそ4000億円以上
更に、アリエフ大統領は大のカジノ好き
ある報道では、ひと晩ですった額、およそ8億円
今後は、石油を全世界に輸出し更に儲けようと考えているらしい
批判すれば逮捕されかねないため国民は何も言えない
優木:ひどい…。
宇賀:ここまでいろいろ見ていただきましたが横山さん、どうでしたか?自分だけ、カジノやったりとかしてるのが、ビックリして…。
ただ逆に、なまじ石油が出てしまったためにあんな国になっちゃったのかもしれないという部分があるかもしれないですよね。
それにしてもですね今、出てきた独裁国家結構、アフリカ多かったでしょ。
なんで、アフリカに独裁国家が多いんだろうって疑問に思ったことありません?そこにはいろんな歴史があるんだと。
アフリカ大陸にある54か国のうち独裁的といわれているのはおよそ半数の26か国
そこには、ヨーロッパによる支配が関係していた
それはですね、植民地支配というのがありましてね。
1884年から85年にかけてベルリン会議というのがありましてね。
特に、ヨーロッパの国々が集まってですね勝手に、アフリカを分割しちゃったんですよ。
つまり、国境線を引いたわけですね、みんなで。
ここは俺のものだ、こっちはあんたのものだみたいなことで勝手に線を引いた。
よくアフリカの地図見てください。
直線の国境ってありますでしょ。
礼二:あります、あります。
池上:普通、国境ってそれぞれの自然によって線がクネクネするものでしょ。
定規で引いたような真っすぐな線。
そう、定規で引いたんですよ。
いい例です。
世界地図の上でここはこっち、ここはこっちって勝手に線を引いてしまったんですね。
もともとアフリカには言葉や文化の違う数多くの部族が存在
しかし、ヨーロッパが部族の生活圏など全く無視して勝手に国境を引いて支配したのです
そのため、1つの国の中に数多くの部族が存在
60年代に植民地支配から独立し始めるとその悪影響が出るようになったのです
それぞれの民族が争うようになってきたりするわけですね。
そうすると、その中でたまたま、少数民族になってしまったところは虐げられますし人数の多いところはこういう内戦で勝つわけですね。
そうすると、他の民族を抑圧するというような構造になりやすい。
こういう中で、例えば内戦、あるいはクーデターで権力を握った人がいるとします。
さあ、自分がこうやってねこの中で、クーデターで権力者になったとしましょう。
さあ、何が不安ですか?優木:仕返しされそうですよね。
池上:自分がクーデターでなったら次に誰かがクーデターするかもしれないって思うわけですよ。
自分も、ひどい目に遭うんじゃないかということになるとクーデターを起こしそうなやつを捕まえて処刑をしたり、拷問をしたり。
結局、国民を信じられなくなるわけですね。
国民が自分の悪口を言ってる。
なんか、自分をひっくり返そうとしてるんじゃないか。
その前に捕まえてしまえっていうことになる。
結果的に独裁政権が生まれやすいと。
あるいは、いつクーデターを起こされるかもしれないというとあちこち転々するということが。
例えば、かつて、イラクのフセイン大統領っていたでしょ。
アメリカが攻撃をしてフセイン政権、倒れましたけど。
あのフセイン大統領、いつ自分が狙われるかもしれないといって毎晩、寝る場所を変えていたといわれていますけどね。
もともと、ムガベ大統領はイギリスの植民地支配から独立を勝ち取った英雄
選挙で圧倒的な支持を受け大統領に
ところが、権力を握ると次第に強欲に
2006年、国内でダイヤモンド鉱山が発見されたときそれを聞いたムガベ大統領は驚きの行動に出た
軍隊を送り込んで鉱山を占拠
強制的に自分のものにしてしまった
数百人が強制労働させられているためとれたダイヤモンドはこう呼ばれる
更に、1996年41歳年下の女性と結婚したときは結婚式に7億円かけたという
そして、妻のためにコンゴ民主共和国のダイヤモンド鉱山を丸ごと購入したという報道も
その国で紛争が起こると…
鉱山の利権が危ないと思ったのか1万人を派兵し、紛争に介入
多額の軍事費を使い込みここでも、やはり軍隊の私物化といわれた
今年90歳を迎えたムガベ大統領
盛大なバースデーパーティーを開催
たった1回のパーティーにかけた費用はなんと、およそ1億円
もちろん、相当なお金持ち
その資産は…
長女が海外留学したときには
長女が海外留学したときには6億円の豪邸をプレゼントしたという
その一方で、国民は…
ムガベ大統領が行ったある政策のせいで…
更に、お金がとんでもないことになった
パン1個買うのにこの状態
池上:このジンバブエ昔は南ローデシアと呼ばれてましたというとああ、そうそうって前田さん、思い出しません?前田:記憶にありますね。
かつて、南ローデシアと呼ばれるイギリスの植民地だったんですね。
そのもとでは非常に豊かな国として知られていたんですよ。
大変豊かな国だったんですけど彼が何をしたかといいますと…。
そもそも、大勢の白人が大地主としてここに農地を持ってたんですね。
豊かな農地を白人たちから取り上げて自分たちのものにしてしまいます。
どうやってこれを管理していいかわからない人たちばかりで結果的に…。
池上:食糧が一気になくなってしまう。
白人がいなくなって農業がうまくいかず食糧不足が起きたという説があるのです
更に、ムガベ大統領は外資系企業は持っている株の半分をジンバブエ政府に提供しなければいけないという法律を作り利益を得ようとしました
もちろん、外資系企業はジンバブエから撤退
こうして、物を作る企業も農地もなくなり瞬く間に、食べ物や生活用品が消えていったのです
そのため、物価がどんどん高くなり、インフレに
経済に詳しいとはいえないムガベ大統領
新たな法律を作りました
そんなわけにはいかないとお店の人たちは闇市場で売買
そのときの映像が、こちら
池上:見てください。
池上:ないでしょ。
だから、最初はねちょっとあったんですよ。
だけど、安く売らなければいけませんって法律を作った途端これ、このとおり。
なんにもなくなっちゃった。
結果的に、このお店の人たちは闇のマーケットで高い値段で売るというやり方を取るようになったわけですね。
さあ、どれくらいなのかといいますと…。
一時はですね牛乳500ミリリットル600億ジンバブエドル。
牛肉1kg4380億ジンバブエドルと。
このままでは全く物が買えない
そこで、今度は…
その結果、普段の買い物がとんでもない事態に
有名な写真があります。
こちらを、ご覧ください。
パンを買いにいきました。
これだけ積み上げてこれだけ持っていかないとパンひと切れ、買えないという。
一同:えー!ひと切れ?池上:厳密、1斤ですね。
礼二:1斤買うのにこんだけいるの?磯野:そんなにお金が…。
横山:どういうこと?池上:つまり、いわゆるインフレっていうやつですね。
政策を間違えるとこんなことになるわけですね。
じゃあ、それまでコツコツ貯めてたものなんかなんの意味もなかった…。
池上:そういうことですね。
だって、ないと枚数、すごいことになっちゃう。
いいところに目をつけましたね。
はい。
これでは不便だということで超高額紙幣が登場
ジンバブエドルがあるんですが。
ここにですねゼロがいっぱいあるんですが…。
画面で拡大してみましょうか。
これ、さあ、皆さんご一緒に数えましょう。
いいですか?はい。
一同:一、十、百、千、万10万、100万、1000万1億、10億、100億1000億1兆、10兆、100兆。
それ持ってたらなんでもできそうやな。
磯野:ちなみに日本円だといくらなんですか?日本円にして、大体20円ぐらいだといわれてます。
結局、お札は信用できないということになるわけですよ。
信用できるお金アメリカのドルあるいは、隣南アフリカのランドこれを、みんな使うようになってしまったんですね。
だから、本当に経済のことがわからない者が上に立つと、こんなことになってしまうというわけですね。
独裁者は信じられない法律も作った
世界には法治国家であることを利用して都合のいい法律を作る独裁者も
ナザルバエフ大統領は国営企業や政府の要職を親族で独占
更に自分のための法律を作った
その名も…
これは、初代大統領である自分のためだけの法律
その内容は都合のいいことばかり
何があっても財産を没収されない
たとえ殺人を犯しても罪に問われない
法に守られた究極の権力を手に入れた
ロシアの隣にあるベラルーシ
まだ国民から人気があった就任初期に法改正をし…
実際には、大統領が勝つよう票数を操作しているとの報道も
批判すれば逮捕されて収容所送り
そこで、民衆は考えた
批判を拍手で表現して、デモ
大統領は公共の場での拍手を禁止
これにより逮捕者が続出
中には、片腕のない男性さえも拍手をした罪で逮捕
有罪にされた
ニヤゾフ前大統領の政策は世界でも珍しいものばかり
なんと、自分が書いた本を読むことを全国民に義務づけ…
美しくないという理由で若い女性の金歯を禁止
小麦色の素肌が美しいのだからアナウンサーはメイク禁止
地方の人は病気になったら中央の優れた病院に来ればいい
図書館は首都や大学にだけあればいい
現在の大統領に変わってようやく、病院や図書館が地方で再開され始めているという
極め付きはニヤゾフ前大統領は自分はメロンが大好きだからメロン記念日という祝日を作ってしまったのだ
礼二:すごい。
嘘みたい。
宇賀:要は個人の趣味ってことですよね。
池上:そうですよね。
だって、メロンが大好きだからメロン記念日…。
今、出てきた3人は全部ソビエト崩壊の国じゃないですか。
そうすると、例えばベラルーシのルカシェンコなんて多分、すごい人気があったわけじゃないですか。
最初は、本当にベラルーシ人のことを思ってたんでしょうね、きっと。
池上:そうなんですね。
昔、ソビエトって国があったでしょ。
ソビエトが崩壊して、ロシアとそれ以外のたくさんの国が共和国として独立したわけですよね。
ソビエトの時代って本当の民主主義の選挙って行われてなかったでしょ。
だから、選挙で自分たちの代表を選ぶんだっていう仕組みをそもそも知らないまま国になっちゃったもんですから。
任期で次の人に代えようという発想がそもそも多くの国民になかった。
だから、そのまま独裁が維持できたっていう部分があるんですね。
独裁というと虐殺や利益独占など悪いイメージ。
しかし…
独裁的な国とされている中東の国、カタール
中東というと広大な砂漠、紛争地帯というイメージを思い浮かべる人もいるかもしれませんが…
カタールの街は驚くほど近代的
なぜなら世界有数の資源大国
しかし、政治は独裁
カタールは、サーニー一族が代々治めてきた王国
国のトップである首長は憲法で世襲制と定められており国の重要ポストの人事も首長が決め、政党も存在しない
実はカタールを発展させたのは資源だけでなく独裁あってこそといわれている
池上:所得税も消費税もありません。
教育費も医療費も無料です。
極め付きは、こっちですよ。
国営企業で5年以上働くとそこで辞めたあとも給与は、生涯その給与を保証しますよと。
カタールは世界有数の天然ガスの産地
更に、カタール国民は人口が少なく働いているのは多くが外国人労働者
資源で得た利益を十分に国民に還元しているので選挙がないなど政治が独裁でも不満はほとんどないのだとか
しかも、カタールの独裁者は国民のために堅実に考えた
カタールというのは天然ガスが大量に出ます。
だから、今は豊かだけど…。
その時に国がやっていけるように…。
資源は、いつかなくなる
資源に頼らないで収入を得よう
そう考えてハマド前首長の時代世界中に投資しました
およそ220億円でお買い上げ
2000億円でお買い上げ
年間30億円以上の契約でスポンサーに
これらは国民のための先行投資
例えば、イギリスのデパートハロッズを買っておけばそこからのお金が入ってくるだろう。
ラッフルズホテルからも入ってくるだろう。
このあとの人々のために国がやっていけるような投資を今からやっている。
あるいはですね、特に観光でもお客を呼ぼうじゃないかといって首都のドーハ。
今ほら、こんな状態ですよ。
これね、本当に数年前までほとんどなんにもなかったんですよ。
数年前に出た旅行ガイドブックだとね世界で最も退屈な街の1つって書かれてたんですから。
砂漠以外、なんにもない。
…だったのがこのように次から次へとわけのわからない奇妙なビルが次々にできてるんですよ。
これによって観光客が来たりあるいは空港を大きく拡張してカタール航空っていう航空会社があるでしょ。
カタール航空でとにかく、ドーハで乗り継げば世界中にどこでも行けますよという、やり方。
それによって、今どんどん航空業も発展しているという国なんですね。
更に、教育にも力を入れ世界中から大学を誘致するなど国の将来を見据えて資源に頼らない国づくりを進めているのです
池上:アラビア語の放送局でよその国がね大体、国営放送でその国の政権を批判できないようなその国のことを褒めたたえる放送しかできない中でアルジャジーラというのはアラブ地域どこでも見られるようなことで自由な報道をやることによって周辺に、すごい影響力を与えてますよね。
あれ、前の首長のポケットマネーで作った放送局なんですよ。
極端ですよね。
当たり…。
これだと、日本の民主主義よりも逆に、いいんじゃないかと思ったぐらい…。
決められるから、いろいろ。
池上:そうなんですよね。
そう、それが独裁国家のメリット
例えば、こちらですよね。
決断・行動が早いわけですね。
独裁国家ですから自分でこうだと決めれば一挙にそこに進むわけですよね。
だから逆にいえばそのトップが本当に判断力に優れて人間的にも優れた人ならかなりいいところにいきますしこの人が、ちょっと相当、問題があったりするとその国自体がとんでもないところにいくということですね。
そういう非常に危険性もあるというわけですよね。
逆に、民主主義であるがゆえになんにも決まらない国というのもありますでしょ。
どことは言いませんけどね。
という風に考えると事と次第によってはよい独裁っていうのもひょっとすると、あるのかなって考えたくもなるようなそういう国もあると。
僕ね、映画界にねもう50年ぐらいいますけど独裁者ばっかりですよ。
みんなが話し合いで作ったやつっていうのは大体、当たってないね。
日本のすぐそばにも世界で非常に珍しい特殊な政治体制で経済発展した国があります。
今や、この国なしで世界経済は成り立たないといわれるほど
そこには、驚くほどよくできたある特別な仕組みがあった
リポーター:今、戦車の前に人が乗りました。
あの天安門事件では国民の民主化運動を軍隊で鎮圧
その後も…
現在の中国のトップはご存じ、習近平国家主席
しかし数ある独裁国家とは違い中国は、1人のトップが国を動かしているわけではない
池上:これまで見てきましたように、いわゆる独裁国家って、たった1人の独裁者がやってますよね。
ということは、その独裁者が優れていれば国が発展しますけどその1人の独裁者のために、国がめちゃくちゃになってしまうっていう例がよくありますよね。
そこで、独裁国家なんだけれども1人の独裁者でとんでもないことにならないようにしようとするシステム。
それが、中国なんですね。
中国というのは1人の独裁者ではなく1つの政党が国を指導するという仕組みを取ってます。
それが中国共産党。
中国は、中国共産党による事実上の一党独裁
世界でも珍しいこの特殊な政治体制こそが中国を経済発展させてきたのです
事実上っていうのは実は、共産党以外に8つの政党があるんですよ。
意外に知られてないんですけど。
8つの政党があるんですがそれぞれの政党が、いずれも中国共産党の指導に従うっていう方針なんですね。
ようわからへんなってきた…。
一応、だから中国は8つの他の党と一緒にある種の連立政権を組んでるんですよという建前になってるんですけど実際は共産党がやってるわけですから事実上の一党独裁という言い方をするんですね。
実際には、中国共産党が全ての実権を握っているのですがあくまで、民主主義国と世界にアピールするため形だけ、他にも政党を残しているといわれています
共産党が、どれだけ力を持っているかといいますと憲法より上に共産党が存在していると。
だから、日本の場合いろんな政党がありますけど当たり前ですけど憲法のもとでですよね。
憲法の仕組みがあって、その下でいろんな政党があるわけでしょ。
中国の場合は、この憲法の中に中華人民共和国は中国共産党の指導に従うって書いてあるんですよ。
礼二:えー!池上:だから憲法の中にはですね、例えば言論の自由とか、表現の自由とか憲法には書いてあるんですよ。
憲法には書いてあるんですけどそれを解釈、判断するのは共産党ですから。
憲法に書かれてもそのとおりにならないっていうことがいくらでもある。
例えば、裁判あるでしょ。
当然、裁判所の裁判官は共産党の指導に従うわけですからどのような判決を出すかということも共産党の指導に従って出すんですね。
裁判所以外にも警察や大学、企業などあらゆる場所で中国共産党が目を光らせており常にお伺いを立てないと物事は進まないといいます
そして13億人の国民を率いるのは中国共産党のトップ7人
中国というのは、13億人のうち党員が8600万人もいます。
8600万人で、会議なんかとても、できませんから中央委員というのを205人党大会で選んでるんですね。
でも、205人集まっていろんなこと決められないでしょ。
だから更に、政治局委員25人を選ぶんですね。
25人のうち、7人。
これが、政治局常務委員。
この7人で、全てを決めるというやり方を取っていまして。
これがまた、ちゃんと定年制があってですね、68歳を超えてずっと居座ることができないルールがあってこれがきちんと守られているんですね。
ですから、今例えば、次の党大会までに65にならないのは今の習近平国家主席と李克強首相の2人だけなんですよ。
あとの5人は入れ替わるわけですね。
定年制があることでトップ7人は定期的に入れ替わります
そのため、誰か1人が頂点に立ち続けて暴走することを防ぐことができるのです
でも、要するに党員にね最後、上り詰めるには党員にならなきゃいけないじゃないですか。
これ、党員っていうのは世襲なんですか?それとも、党員になれるかなれないかっていう…。
これは例えば学校で、とっても成績がいいとかいろんな仕事がよくできるっていう人がいると、上から君、共産党員にならないかねって勧誘を受けるんですよ。
逆にいえば、能力もない仕事もできないのに共産党員にしてくれと言っても簡単にはなれない。
つまり、逆にいうと出世するためには共産党に入らなければいけない。
更にいえばこの激しい競争の中で上に立ってくるわけですからいわゆる、ボンクラでは務まらないわけですよね。
エリートですねエリート。
池上:結果的に、優秀な人材はみんな共産党に入らざるを得ない仕組みになってるわけですよ。
その中で、更に選抜をして優秀な人材を上に吸い上げてこの仕組みができるわけですね。
だから、独裁は独裁なんですけどその中で優秀な人材が上に立つようなそもそものメカニズムがあるわけですね。
このシステムはいいシステムですよね。
1人の独裁者ではなく選ばれし有能な7人で国を動かし13億人が一斉に従うことなどで中国は、急激に経済発展してきたのです
しかし、最近では習近平国家主席1人に権力が集中しつつあるといわれ今後の動きに注目が集まっています
過去には、信じられないほど恐ろしい独裁者がいた
まずは…
ルーマニアは経済状態が、どん底
国民はパンも買えないような生活をしていた
チャウシェスク大統領はそんなの、お構いなし
部屋数3000もあった宮殿の中には…
高価な絵画や、つぼなどの贅沢品ばかり
この他にも、40もの別荘や宮殿を持っていた
しかし、1989年12月
24年間にわたる独裁は突然、終わりを迎えた
この時の映像は全世界で放送されることになる
この日、大統領は自らをたたえる集会を開催
ところが、このあと信じられない出来事が
集会の最中爆発音がしたことをきっかけに会場は、チャウシェスク大統領に反対するデモへと一変
10万人が大統領を包囲した
そしてエレナ夫人とともに逮捕され2日後に裁判が開かれた
その瞬間も全世界に流された
公開処刑という悲惨な最期を迎えた独裁者
独裁の傷跡は、いまだに多くの人々を苦しめている
実は、あそこに奥さんが横にいたでしょ。
私に触らないでよって。
礼二:気の強そうなね。
池上:気の強そうな。
彼女が、実は政治に口を出しててですね非常に無謀な政策を取っていたんですよ。
エレナ夫人は、後に社会問題にまで発展する政策を好き勝手に行っていたのです
とにかく国の力、国民の人口を増やすことが一番だ。
避妊、あるいは中絶を禁止する。
子どもを4人持つまで避妊と中絶は認められない。
少なくとも、とにかく子どもを増やしなさいということになりました。
でも、中にはね、貧しくて子どもを育てられない家庭があるわけですね。
そういうところがね子どもを捨てちゃったんですね。
いわゆる孤児というのが随分、増えてきちゃってですねその子どもたちは、こう呼ばれるようになったんですね。
チャウシェスクの落とし子と。
こういうことになりですね10万人近い孤児が出たと。
その10万人もの孤児たちを孤児院に収容したんだけれども食べるものもない栄養失調になってしまう。
手っ取り早く栄養補給をしようとして輸血が行われたといわれていましてねその輸血の血液の中にエイズウイルスが含まれていたことによってエイズに感染してしまう子どもたちが続出をした。
エレナ夫人は、共産国家にエイズは存在しないと言い張り大統領も同調。
なんの対策もしませんでした
これがいまだに大きな社会問題に
実はですねそのチャウシェスクの落とし子といわれた子どもたちが、その後大人になったことによってまた大きな問題が起きたんですね。
つまり、そもそも家族がいないわけでしょ。
彼らは、とりあえずどこで生活をするか。
ルーマニアっていうと冬、寒いですからね。
地下のマンホールで生活するようになるんですね。
なので、マンホールチルドレンと呼ばれるようになりました。
彼らが、大人になってまた子どもが次々に生まれたんですね。
それがみんな、エイズウイルスをそのまま持っているといってエイズウイルスに感染した子どもたちが、大勢になると。
これが今のルーマニア。
大変な社会問題になっているということですね。
独裁者は倒れたんだけれどもその独裁政権の間に行われた政策によって今も人々が苦しめられているんですね。
独裁者の妻といえばあの国を思い出す人も多いのでは?
その額は、なんと150億円に及ぶともいわれている
そのお金を妻とともに使い込んだ
それが、女帝と呼ばれたイメルダ夫人
イメルダ夫人の贅沢ぶりは想像を絶するもの
この映像を覚えている人も多いのでは?
2人が住む宮殿から見付かったのは高級ブランドの靴3000足
宝石類や高級ドレスなど数千点
更にニューヨークの高級不動産を買いあさったという
フィリピンで政治家として活動中
一部の国民に根強い人気があるという
黒いヒトラーと呼ばれた
元ボクシングの重量級チャンピオンで軍人からトップに上り詰めた肉体派大統領
数々の残虐伝説がある
歯向かった者だけでなくその家族や遠い親戚まで皆殺し
逮捕した者たちをハンマーで殴り合わせて死刑に
ウガンダにやってきた西洋人はスパイ扱い
事故に見せかけて殺すことも
およそ40万人を殺したとされている
中東の狂犬と呼ばれた独裁者
3年前、アラブの春で倒された独裁者・カダフィ大佐
その独裁ぶりは今や伝説となっている
1969年革命を成功させて英雄となり政権を握ったのは27歳のとき
以来、徹底的な言論統制で40年以上、リビアを支配
反欧米だったカダフィ大佐は数々のテロ組織に資金や武器を提供
1988年の死者270人を出したパンナム機爆破事件など世界中でテロを引き起こす原因になった
初めて、国連総会に出席したとき…
手にしているのは国連の決まりを書いた国連憲章
それを…
しかし、国民の支持を失い激しい民主化運動が発生
デモを鎮圧するためカダフィ大佐が取った作戦は…
戦闘機で空爆
自分の国の国民を無差別虐殺したのだ
見かねた欧米諸国が介入しカダフィ大佐を攻撃
逃げ回っていたカダフィ大佐は捕らえられ、殺害された
こうして、リビアで42年続いた独裁が終わったのだ
しかし独裁政権が倒れたことで逆に国中が大混乱
一体、なぜ?
アラブの春といわれたわけですよね。
あちこちで次々に民主化が行われてカダフィ独裁政権が倒れた。
めでたし、めでたしと多くの人たちが思ったんですが実は、その後大混乱に陥っているのがリビア。
どういうことかといいますともともと、リビアというのはイタリアの植民地だったんですが3つの地域が、イタリアの都合で1つの植民地にされてそれがリビアとして独立したんですね。
それぞれで、独立意識があって1つの一体化した国家だっていう意識がないまま独裁政権のもとで、みんなまとまらざるを得なかったわけですね。
その重しが取れてしまった途端それぞれ反目し合ってそしてこの反政府運動が起きたときに武器庫から大量の武器が出回ったわけですね。
みんな、武装してるんですよ。
みんながこんなものを持っているとちょっとしたことで銃撃戦というのが起きてしまっている。
つまりですね、こういった国々さあ、民主化だよっていわれてもそれまでの民主主義の経験がないわけですね。
つまりさあ、選挙で選べばいいですよ。
選挙って何?っていうところから始まらなければいけないんですよね。
リビアなどアラブの春が起きた国の多くは民主主義を経験したことがありません
だから独裁政権がなくなっても混乱が起こりやすいといわれているのです
我々日本と同じアジアでこれほど悲惨な独裁政権があっただろうか
このポル・ポトが一体どんなことをしたのか。
信じられないことをしたということを改めて確認してきました。
これまでの独裁者は敵対する者を殺した
しかし、ポル・ポトは理想の国家を築くためとにかく虐殺した
その数、3年8か月で50万とも100万とも…
なぜ人間がここまで恐ろしいことができたのだろうか
暗黒の歴史を知るため現地へ向かった
カンボジアといいますとアンコール・ワットを思い起こす人も多いのではないでしょうか。
世界遺産、アンコール・ワットに来ています。
アンコールとは王の都ワットは寺院。
つまり、アンコール・ワットとは寺院からなる都という意味なんですね。
なぜ、ポル・ポト…。
12世紀後半アンコール王朝時代に建てられたアンコール・ワット
世界中から観光客が集まるこの国で今も傷跡残る暗黒の歴史とは…
ここは、かつてアンコール王朝が栄えました。
12世紀後半にはインドシナ半島の大半を統治したんですね。
そこには農業を支える貯水技術ですとかあるいは、治水技術を持っていたということがあります。
大変豊かだった。
だからこそ、これだけの巨大な寺院群を造ることができたんですね。
カンボジアと聞くと貧しい国そんなイメージがある人も多いかと思いますが…
かつては、とても豊かな農業大国だった
しかし、突如現れた1人の独裁者によって世界で最も貧しい国の1つになってしまったのです
ポル・ポト政権が崩壊して35年
首都プノンペンへ向かうと…
カンボジアの首都プノンペンに来ています。
車の量が多いですよね。
高層ビルも建ち始めました。
でも、こちらを見るとですねかつて、フランスの植民地時代だった建物の様式今も残ってます。
内戦が終わったカンボジア。
経済が発展してるという話は聞いてたんですけどここへ来ますとね…。
東南アジアの中でも目覚ましい発展ぶり
ものすごい数の車とバイク
信号機は…
タイマー付き
しかし、一方で貧富の格差が広がり…
少し裏道に入ると、この雑踏
バイクに家族4人乗りなどは当たり前
目覚ましい発展を遂げるカンボジア
ここに信じられないような恐怖の独裁者がいたことを現地の若者はどう思っているのだろうか
日本語を勉強する彼らに聞いた
皆さん、30前後ですよね。
ということはポル・ポト政権が崩壊したあと生まれた。
経験してなかったです。
池上:経験してないですね。
どんなことを聞かされてきました?食べ物もなかったし、みんな…。
それは、だからお父さんやお母さんから最初から聞いてたんじゃなくてあなたが学校に入って、知ってそれで親に聞いて、初めて親がしゃべりだしたのね。
そうですね。
僕は聞いたんですよ。
池上:それほどつらかったわけですね。
ポル・ポトという名前は聞いていても何やったのかわからないという方多いと思うんですが…。
実権を握り、独裁者となったポル・ポト
理想の国家をつくるために行った脅威の政策、その1
それが、こちら。
とにかく階級のない、格差のない平等な国をつくろう。
これを一挙につくろうとしたんですね。
この階級や格差のない平等な時代。
昔あったなあと考えたわけですね。
原始時代といってもいいでしょう。
あの頃は、だってみんな貧しいわけですから。
みんなで一緒にやってたわけでしょ。
そもそも、階級も…なかったわけでしょ。
あの時代に戻せばみんな平等になるだろう。
極端やな。
池上:…と考えたんですね。
だから、ポル・ポトが…。
こちら。
農村に強制移住。
首都プノンペンの住民200万人を強制移住させました。
いきなり、なんの準備もないままみんな、とにかく歩いて農村に行けというわけです。
そう。
これまで、農業や肉体労働をしたことのない人を一気に移住させダムや農地を造らせたのです
するとどういうことが起きるかわかりますか?
農業の知識ないでしょ。
肉体労働なんかやったことないでしょ。
そういう人たちに堤防を造らせるわけですからちょっと雨が降るとすぐ堤防が崩れるわけですよ。
とにかく、農業生産性が激減してしまうということになります。
カンボジアで農業が壊滅状態になりとっても豊かな国だったのに餓死者が続出するっていうことが起きてしまったんですね。
それだけではないんですね。
脅威の政策、その2
池上:知識人を殺せ。
知識人は、ろくなことがない。
つまり、いろいろなことをやろうとするけど知識人は、それに抵抗する。
そんなことしちゃダメだと。
そんなことをしたらうまくいくわけがないなんていうことを言う連中は邪魔だ。
皆殺しにしろというわけですね。
でね、どうやって知識人を選んだのか。
最初、乱暴なんですよ。
礼二:言いがかり。
池上:つまりメガネをかけてるってことは子どもの頃から本を読んでいて目が悪くなったんだろう。
これは知識人だ。
だから殺せ。
まず皆殺しにし、それからメガネをかけていなくても知識人はいますよね。
学校の先生は知識人。
これをなんとかしようと考えてですね農村地帯に行ってみんなに呼びかけるんですね。
ここに学校を造ることにしましたと。
以前、学校の先生だった人協力してください。
名乗り出てください。
はい!って手を挙げた人はじゃあこっちに行きましょうって連れていかれて全員殺されたんですね。
磯野:信じられない。
あるいはですね当然、エリートですと海外で留学してる人たちもいるわけですよね。
そうするとその留学している連中がやがて、国外で反政府活動をするかもしれないでしょ。
そういうことがないようにしよう。
海外にいる留学生に対してですね我が国に、新しい国をつくることになりました。
皆さん、国に帰って協力してくださいと呼びかけるんですね。
海外に留学していたカンボジアの留学生。
みんな、国のために力を尽くそうとして戻ってきたんですよ。
全員、そのまま殺された。
礼二:えー!ひどい。
その壮絶な歴史を物語る傷跡
ここはトゥールスレン博物館
ガイドのナラバンさんによると…
これがトイレ?ここの部屋に1人ずつですか?
しかし、中には先ほどの部屋を小さく仕切った独房に入れられる人も
ポル・ポト政権前の政府関係者やその家族が収容されていたという
中には、こんな子どもたちや赤ちゃんを抱いた女性も
池上:ねえ…。
こんな子たちがみんな殺されたんだもんな。
いやあ…。
つまり、今警察が容疑者を逮捕すると写真、撮りますね。
それと同じなんですね。
ここでは他に仲間はいないかなど厳しい尋問が日々、繰り返されたそうで…
当時、ここに収容されていた画家が見たという尋問、拷問の様子を描いたものがいくつも並べられている
そして用がなくなった者は…
ポル・ポト派が住民を虐殺した場所なんですね。
ここも、その1つです。
そう虐殺の場所へと連れていきそこで処刑をしたのです
ここには、かつて、大勢の人の遺体が埋められていました。
ポル・ポト政権が崩壊したあとその遺骨が掘り出されまして現在はあちらに安置されています。
こちら、ポル・ポト派によって殺害された人たちの遺骨です。
おびただしい数の遺骨がこうやって安置されているんですね。
彼らはですね、ポル・ポト派が銃弾はコストが高いから銃を使わずに殺そうというわけで手近にあった農機具すきや、くわなどで殴って殺したといわれています。
それはそれは、凄惨な殺し方が行われたんですね。
更に、目を疑うようなものが他のキリング・フィールドに
なんで乳幼児まで殺したのか。
親だけを殺すとですねその子どもたちが、やがて復讐に立ち上がるんじゃないかとそれを恐れて一家を皆殺しにしたというのです。
この鎖から先立ち入り禁止になってますがそこに布がいくつも見えますよね。
これ、衣服なんですね。
犠牲者が着ていた衣服。
つまり、ここに犠牲者がまだ埋まっているんではないかということです。
他にも、穴に落として殺すという処刑方法も
元ポル・ポト軍の兵士だった人物に、話を聞いた
どうして、ポル・ポト派に参加したんですか?ポル・ポト派は大勢の住民を殺しましたよね。
それにも加わったことはあるんですか?
ポル・ポト政権は隣国ベトナムに支援された反政府軍との戦いにより1979年に崩壊します
この男性はジャングルで戦っていた兵士
大勢の住民を殺してたって知ったときはどんな思いでしたか?
ポル・ポト時代はそういう時代だったと彼は言う
でも、あなたが元ポル・ポト派だってことを知った人の中には憎んだり、怒ったりする人がいるんじゃないですか?今になってですけれどもポル・ポト軍にいたことは後悔してますか?済んでしまったこと起きてしまったことはもう考えたくもない。
右足を失ったけれどももう考えたくもない。
恐らく、多くの関係者がそういう思いなんでしょうね。
その一方で、そういう人たちもまた、受け入れて国づくりをしているカンボジアという国。
お互い憎しみ合っていたらいつまでたっても国づくりができませんよね。
こういう人も受け入れながら国づくりをしている。
それが今のカンボジアなんだなと思いました。
過去にとらわれず国民が協力し合っているからこそ発展をし続けるカンボジア
日本企業も多く進出。
こちらは縫製工場
カンボジアの人は手先が器用で真面目
あなたが着ているのもメード・イン・カンボジアかも
しかし独裁政権時代の傷跡も深刻
ポル・ポトがベトナム軍や反政府軍に追われジャングルの奥地に逃げ込んだ際多くの地雷をまいていった
日本をはじめ、多くの国々が今もなお撤去作業を続けている
それを全て撤去するにはあと100年以上はかかるといわれている
なんか、初めてあんな場所というかを見たんですけどすごい生々しくて。
もう、大変な悲劇っていうかね。
池上さん、ポル・ポト派の元兵士の人が語ってましたけども最初の大学生の親は語らない。
まだ35年ですよね?解放されてから。
やっぱり多くのカンボジアの人は受け止めきれてないですよね。
あの元ポル・ポトの兵士もいろいろお願いをしてなんとかしゃべってくれる人をやっとの思いで見付けてインタビューができたわけで。
普通の人は、やっぱりしゃべらないですよね。
石原:ほとんど多分、まだ誰も語りきれないんでしょうねこれは。
池上:語りきれない部分があって。
本当は、それだから、きちっと語ってそれからやろうって考える人もいる一方でそんなこと始めたらカンボジアが前に進めないからもう、そこは置いといて前へ進もうみたいな人たちが多いというところはありますね。
10位から5位はご覧のとおり
10位のイランは…
国のトップに立てるのはイスラム教の学者だけと決まっていて国民が直接選挙で選ぶこともできないため民主主義度は低いとされた
トルクメニスタンと同率6位のウズベキスタンは…
大統領に逆らう者を生きたまま釜ゆでの刑にしたと国際的な人権団体に批判されている
ここからは、ワースト5
王族だけで国を動かしているため国会は存在しない
政府の重要ポストはもちろん地方の州知事も王族なのだ
この国の死刑制度は世界で最も厳しいといわれている
死刑執行は金曜日
広場で公開処刑されることも
こうした制度は、全てイスラム教に基づいて決められている
独裁的な政治を80年以上続ける王国
しかし、国際社会からの批判はあまり聞かれない
そのわけとは…
池上:今まで欧米から非難される独裁者いっぱい、いたわけですよね。
でも、サウジアラビアは独裁国家だ、けしからんという話あんまり聞かないんじゃないですか?礼二:そうですね。
池上:ねえ。
あるものが出るからなんです。
優木:あれか。
池上:あれです。
礼二:あれですか。
池上:石油が出るからです。
大量の資源が出てサウジアラビアの石油を欲しい人たちがいっぱいいるわけですよ。
とりわけ、欲しいのはアメリカということになるわけですね。
アメリカは、サウジアラビアの石油を大量に買います。
買うと、アメリカがそれだけのお金をサウジアラビアに払うでしょ。
サウジアラビアはそのお金を使ってアメリカの最新兵器を買ってくれるんですよ。
石油は売ってくれるわ大量に兵器を買ってくれるいいお得意さんでもあるわけですね。
となればいろんなことには、目をつむる。
批判しないわけです。
大体、世界でいろんな国が批判されるっていうのはまず、アメリカが言いだしてそれが国際世論になってみんなで、たたくってことになるわけですがアメリカはたたかない。
結果的に、国際社会から批判されることなくここまできている。
それが、サウジアラビアと。
中東の国、シリアは親子2代続く独裁国家
2011年、大規模な民主化運動が発生すると…
アサド大統領は信じられない行動に
戦車で、国民を攻撃
反政府デモに参加した女の子が取材カメラに向かって歌っていた、その瞬間…
デモの参加者は容赦なく逮捕、拷問
長引く混乱で今、新たな問題が浮上
それが…
先日も、日本の大学生がイスラム国に参加しようとして向こうに行こうとして警視庁の取り調べを受けたっていうことがありますよね。
今、世界の多くの若者たちがイスラム国に参加をして戦おうという動きが出ていると。
イスラム教の教えを極端な考え方で解釈しているイスラム国
最近は、奴隷制を復活させるという形まで始めました。
敵を攻撃して、男は皆殺しにし女性や子どもたちは奴隷にするという。
1400年前には奴隷制度があったもんですからそれを今、再現しても構わないだろうというのが彼らの考え方。
磯野:ダメダメ…。
池上:とんでもないことだとなるわけでしょ。
これを、なんとか今抑え込もうとしているんですがここで欧米諸国苦渋の選択が迫られてる。
もともとイスラム国は反政府勢力と一緒にシリアのアサド政権と戦っていました
しかし自分の国をつくるために反政府軍の支配地域を横取り
これを、なんとか抑えようとして今、アメリカとかイギリスなどがイスラム国に対する空爆というのをしているわけですよね。
なんとか空爆でこれを止めようとしている。
そうしたらイスラム国の中の幹部連中はシリアに逃げ込んじゃったんですね。
さあ、そうなりますとアメリカ、イギリスなどはシリアを攻撃するかどうか。
攻撃をすると結果的に、アサド政権がこれからも続くことに手を貸すんじゃないか。
そう、欧米がイスラム国を攻撃することは結果的に、独裁国家の手助けをすることになってしまうのです
でも、放っておくとこれが勢力を伸ばしてしまう。
…というので非常に苦渋の選択を迫られているということなんですよね。
1960年に独立して以降5人の大統領が就任
特に、ひどいといわれたのはハブレ前大統領
反対派がいると聞けば村ごと焼き討ち
見かねた軍部がクーデターを起こし大統領を国外追放
新たに就任したのは軍幹部だったデビ氏
始まったのは民主化ではなく、言論弾圧
批判する者を逮捕、殺害しているという
西アフリカにある九州と、ほぼ同じ面積の国ギニアビサウ
過去20年間内戦やクーデターが頻発
政治家や軍幹部の暗殺が繰り返されている
国内の混乱を治める力が政府にないと民主主義度は低いとされる
ギニアビサウの政府の…
一糸乱れぬ、マスゲーム
こちらは首都ピョンヤンにある幼稚園
3年前池上さんが訪れたときには…
池上:これじゃありませんか?質問し、答え、みんな一斉に拍手をするという…。
幼いころから徹底した教育で統制されている北朝鮮の子どもたち
北朝鮮の現在のトップ金正恩第1書記が初めて軍の視察に訪れたときは…
大勢の兵士たちが一斉に歓迎のポーズ
島から帰ろうとすると…
ずぶ濡れになってまでお見送りするほど徹底している
その実態とは?
一応、選挙はあるんですね。
選挙で選ばれているという形を取ってるんですよ。
北朝鮮では選挙も管理されています
全国に選挙区があるんですがみんな1つの選挙区から当選するのは1人なんですけど立候補するのも1人なんですよ。
それぞれの投票所に行きますと投票用紙に立候補している人の名前が印刷されていまして…。
礼二:無理、無理…。
優木:でも、クーデターが起こる危険っていうのは常々あるんですかね?
多くの独裁国家で、デモやクーデターが起きています
しかし北朝鮮にはありません
デモやクーデターを起こさせないため…
これまでには、実は、これはおかしいんじゃないかといってクーデターの試みが、何回かあったといわれているんですが最後の最後に、これが露見して失敗になるんですね。
なぜかといいますと、5人組の監視体制というのがあって。
5人組?池上:はい。
5世帯ごとに1人、リーダーがいてですね残りの4世帯が謀反の企てがないかどうかということを常に監視をするわけですね。
で、何かあったらすぐ、それを密告しなければいけない。
そうすると、密告しないでいて誰かが反政府活動で捕まったりするとなんで見付けられなかったのか。
お前も仲間ではないかということになっちゃえばちょっとでも怪しければ密告しておいたほうが自分の身を守ることができるわけですね。
更に言うと、家族が全員強制収容所に入れられてしまうんですよ。
だから、自分1人が犠牲になってもいいと思っても家族がみんな犠牲になるんだと思うと、どこかでブレーキがかかるわけですね。
礼二:躊躇しますね。
だから、クーデターが起きないといわれていますね。
みんなが一斉に立ち上がることで初めて、デモが起こせます
しかし、北朝鮮では国民同士、監視させ合うことで誰かが裏切るかもしれないとみんな、疑心暗鬼
国民への徹底した管理が長い間、続いているのでデモやクーデターが起きないのです
池上:中には、いわゆるいい独裁者と呼んでいいような人もいたりするわけですよね。
でも、その人がそのまま長期政権になってとんでもない独裁者になるかもしれないしその息子が、次を継いでとんでもないことになるかもしれないわけですよね。
少なくとも、リーダーがおかしなことを始めたら次の選挙でこれを引き降ろすことができる。
2014/11/03(月) 20:00〜21:54
ABCテレビ1
ここがポイント!! 池上彰解説塾 2時間スペシャル[字]

世界にはまだまだ独裁者がいた!?いい独裁と悪い独裁って?…池上彰が独裁者&独裁国家を解説します

詳細情報
◇番組内容
なんと世界の3分の1の人が暮らしているという、独裁国家。今もいるという独裁者とはどんな人たち?いい独裁・悪い独裁があるってどういうこと?悪名をはせた過去の独裁者から、今も強権をふるう独裁者まで、池上彰が徹底解説!国家のあり方についても考えます。
◇出演者
【ニュース解説】池上彰
【進行】宇賀なつみ(テレビ朝日アナウンサー)
【ゲスト】前田吟・石原良純・磯野貴理子・中川家礼二・優木まおみ・渡辺裕太・横山由依(AKB48)
◇おしらせ
☆番組HP
 http://www.tv-asahi.co.jp/ikegami/

ジャンル :
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ニュース/報道 – 解説
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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日本語
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