相棒 警視庁ふたりだけの特命係 2014.11.03

(無線)
(無線)「至急至急警視庁から警視135」至急至急警視庁どうぞ。
(無線)「篭城事件が発生。
場所は江東区新大橋1−10」「犯人は拳銃を所持」「人質1名をとって立てこもっている模様」「至急向かってください。
どうぞ」警視135了解。
(パトカーのサイレン)…急げよ!はい!ごめんなさーい。
すんません。
(電話)大至急現場に行きましょう!今信号待ちで。
(美和子)広沢君なんかあったの?
(広沢)篭城事件が起きたんですよ。
人質は何人?いや1人らしいんですけど。
従業員?それとも客?それが…刑事らしいんですよ。
刑事?はい。
(内村警視長)人質が刑事なら事態の収拾が最優先だ。
(中園警視正)はい。
人命尊重にこだわるな。
多少手荒な手段を用いても構わない。
一刻も早く解決するよう指示したまえ。
わかってます。
後ろ下がってください!危ないですよ!犯人はね拳銃を持ってるんだ。
ほらっ後ろ下がってなさい!
(伊丹刑事)下がって下がって!危ないですから…。
犯人はね拳銃を持ってるんだ。
未だに膠着状態です。
現場からの中継です。
(室谷警部補)「こんな事をしても無駄だぞ!」「もう逃げ道はない!速やかに出てきなさい」
(パトカーのサイレン)
(アナウンサー)出てきました!たった今です!たった今犯人が姿を見せました!「黒い革ジャンを着ています!男です!」犯人出てきたぞ!30代前半で黒い革ジャン。
長身で短髪。
すいません。
しょうがねぇなバカ野郎ホントに。
(銃声)「落ち着きなさい!」違います!犯人は後ろの男です!最初の人物は人質のようで…。
どうするつもりだこれさ…。
(テレビ)「現場は非常に危険な状態です」
(室谷)「どうだ!?この状況よく見てみろ!」「えぇ!?阿部!」「無駄な抵抗だって事がよくわかったろう!?」
(阿部貴三郎)車用意しろ!
(室谷)「何!?」車だ!考え直せ。
逃げられっこねぇぞ。
うるせぇ!わかったわかった…。
興奮すんなよ危ねぇからな。
はいどいてどいて!どいてどいて!あっ係長。
なんでこういう事になるんだ。
手柄焦ったんじゃないですか?危ないから下がって…!下がりなさい!バカじゃないの…!
(ため息)ういーっす!へいらっしゃい!いらっしゃいませー。
えーっとねサンマうまそうだな。
サンマ定食。
はいよ!サンマ定食一丁!
(鼓動)
(電話)はい金子。
あ?阿部貴三郎?間違いないのか!?間違いありません。
確かに阿部です。
ちょっちょっと待て…。
よしいいぞ。
新大橋の…うん…。
「めしや食堂」だな?あぁわかった。
すぐ向かう。
目を離すなよ!あぁ…!係長!ワッパは俺が掛けますからねぇ。
それだけは譲れませんよ〜。
心配するな。
誰も手柄を横取りしたりやせんよ。
うちにはずるがしこいのが約1名いますからねぇ。
すぐ行く!係長行きます!おいっ斉藤行くぞ!おい…伊丹!
(阿部)オヤジお勘定。
(店員)ありがとうございます!
(店員)えーっと1720円になります。
あー!すいません…。
(小銭が落ちる音)気を付けろよ。
すいません…。
阿部貴三郎だな。
どういう事かわかるよな?お食事中の一般市民の迷惑にならないように穏やかに済ませようぜ。
この野郎…!
(店員)お客さんやめてください!ほら〜何やってんだ!
(叫び声)ほらっ警察呼ぶぞ警察を!
(店員)お客さんやめてください!警察です〜!警察でーす!大丈夫です〜!阿部貴三郎!お前を逮捕する!お前には黙秘権が認められてる。
もちろん弁護士も要請出来る!だけどなぁ…黙秘なんかすんじゃねぇぞ!時間の無駄だからなぁ!よぉ!?よーいしょー!…ん?ん!?ヘヘヘ…物騒な世の中になったよねぇ。
トカレフか?ロシア製?それとも中国?中国製は故障が多いって聞くよ。
…本物?試してみるか?冗談冗談…。
勘弁してくだせぇよ…。
(パトカーのサイレン)来んなよバカ野郎!うるせぇギャーギャー騒ぐな!あぁごめん!興奮すんな!なっ。
落ち着いて…落ち着いて…ね?落ち着こう…落ち着こう。
まだか?え?車だ!知らねぇよ俺に訊くなよ。
依然として膠着状態のまますでに事件発生から40分が経過しています。
犯人は逃走用の車を要求している模様ですが現場にはまだそれらしい車が到着する気配はありません。
(銃声)あぁ…。
おい!早く用意しろ!これは遊びじゃねぇんだ!「今こちらに向かっている!間もなくだ!」遅過ぎる!渋滞だよ!何!?道が込んでんだよ!
(銃声)
(斉藤刑事)また撃ちやがったな…!下がってろ!バカ野郎!だってさ。
大人しく待とうぜ。
短気は損気だぞ。
(携帯電話)なんだ?電話だよ。
電話!?携帯だよ。
出ようか?ふざけんな!はいはい…。
うるせぇぞ!出りゃ収まるんだよ…。
じゃ…出るぞ。
手短にな。
わかってるよ。
(携帯電話)もしもし?私生活安全部の杉下です。
は!?余計な受け答えは結構。
今あなたをテレビで見ています。
犯人に替わって頂けますか?僕が気を引きますから君はその隙をついて犯人を確保してください。
ちなみに今の君の体勢で狙える急所は足の甲だけだと思います。
では替わってください。
なんだよ?あんたにだ。
俺に?車両担当の者が話したいって言ってる。
出れるわけねぇだろう!?あっ耳に当ててやるから話せよな?
(舌打ち)
(大音量の『第九』)よーし!間もなく8時45分!よしよし!
(歓声)ワッパは俺だ…!俺に任せろ…!俺がパクッた!俺がパクッたぞ!人質になるような間抜けな刑事…君ならどうしますか?出来るだけ手元から遠ざけます。
部下の失態でとばっちりを受けるのは我々ですから。
所轄へ出しますか?いえ辞めてもらっても惜しい人材ではないからいっそ…。
島流しですかな。
はい。
後顧の憂いをなくすためにも。
そうですねぇ。
おっと…。
おっ!スッ…!はぁ…。
オッス!皆さんよろしく頼みます。
(一同)はい!あぁ…どうもどうもどうも〜。
上田。
覚醒剤で捕まった山本まだ留置場いんのかな?
(上田)あぁ拘置所に回ったんじゃないですかね?拘置所…。
あっ。
失礼!はい。
特命係は?特命…。
えぇ。
突き当たり。
突き当たり。
奥。
奥。
あっ今日から特命係になりました亀山でーす!よろしく!あれだろう!?昨日の!
(女性のあえぎ声)
(女性のあえぎ声)ウソ…。
おはようございますぅ…。
もろですね…。
えぇ。
あっこれ全部ですか?はい?全部…裏?…かどうか今確かめてるところです。
え?保安課が昨夜押収してきたものです。
すなわち証拠物件。
あぁ…なるほど。
え…こうやって1本1本確認するわけですか?えぇ。
あ…。
え?特命係というのはそういうお仕事も?特別に命令があればなんでもします。
だから「特命係」。
あぁなるほど…。
あっ…。
亀山君ですね?…あぁ!申し遅れました!本日付けでこちらに配属になりました亀山薫です!机はそれを適当に。
あっはい!よろしくお願いします!こちらこそ。
あっあとそれから…これなんですけどもね。
なんですか?あっあの実家が造り酒屋やってましてね。
先日のお礼に…。
お礼?電話のお礼です!お陰様で無事犯人を逮捕出来ました。
あぁあれですか。
その節はありがとうございました!君にお礼を言われる筋合いはありませんよ。
え?あれ以上グズグズしていたら犯人の命が危うかった。
だから電話したんです。
あ…は?あの時狙撃班が出動していたのを知ってますか?しかも現場で指揮を執っていた特殊斑捜査1係の室谷は超タカ派で有名な男です。
非常に危険な状態でした。
いや…そんな簡単には撃たないでしょう…。
撃ちますね。
警察の威信のために。
信頼失墜の甚だしい昨今上層部は警察の復権を強く望んでいます。
多少の危険を冒してでも凶悪犯罪には断固立ち向かう。
そんな強い警察のイメージを作りたがってますからねぇ。
そんな折りもおりあんな無様な事件が起こったわけですから。
無様って…。
テレビに映った君の姿は無様でしたよ。
警察のイメージダウンも甚だしいですね。
ですから過激な手段も辞さなかったと思います。
いくら凶悪犯でもきちんと裁判を受けて法によって裁かなければなりません。
それが法治国家の原則というものです。
違いますか?偉そうに言いやがってよ〜!確かに言ってる事は正論よ?いちいちお説ごもっとも!だけどよ〜あんたにそんな事言われる筋合いねぇよって感じだよ。
聞いてる?はい…。
サンキュー…。
昔捜査二課にいたんだってよ。
ん?その杉下右京っての。
二課か…。
そういやインテリっぽいもんな。
相当の切れ者らしいわよ。
インテリはどうも肌に合わねぇ!切れ者過ぎて上から疎まれて今の席に追いやられたらしいわ。
はあぁ〜!あ?…追いやられた?ねぇ特命係って「警視庁の陸の孤島」って言われてるんでしょう?陸の孤島?知らなかったの?じゃあ何かよ…俺は陸の孤島に追いやられたって事かよ。
黙んなよ…。
杉下右京は人材の墓場。
下についた者はことごとく警視庁去るって噂よ。
ウソ〜。
ひょっとして薫ちゃん栄転だと思ってたの?いやだって…だって…「特命係」だぞ!?名前からしても特別に選ばれたって感じするだろう?あぁ…。
ん?何?俺って…左遷なの?上層部は亀山君に見切りをつけたという事ですね。
彼らは出世にしか興味がない。
自分たちの汚点になりそうなやっかいものを早々とお払い箱にしたのさ。
(笑い)お払い箱ですか。
ん?あぁ…ハハッ!そういう意味じゃない。
もう少し器用ならなぁ…。
はい?お前だよ。
相当上を狙えるはずなのに。
それは…買いかぶりです。
出世になど興味はないか?無駄な…労力に思います。
俺はいつも出世を考えてがむしゃらにやってきたよ。
かつて「銃器摘発の鬼」と異名をとった先輩の姿が目に焼き付いています。
拳銃の摘発一筋で係長のイスを手に入れたようなもんだ。
位はたかだか警部だが俺は満足してる。
定年後にいい警察人生だったと振り返る事が出来ると思ってる。
どうですか?ん?あぁ!タバコはやめたんだ。
娘にね「少しは体を労れ」と注意されたよ。
そうですか…。
亀山にな腐らず頑張るように伝えてくれ。
要するに俺は…リストラされたわけだ。
頑張りようがねぇじゃん…。
頑張んなさいよ。
おはようございまーす。
(ため息)おはようございますっ。
おはようございます。
君も飲みますか?あっ…。
ミルクティー。
あぁ…結構です。
朝はコーヒーなもんですから。
僕はもっぱら紅茶です。
あぁそうですか…。
あぁ…。
はい?金子警部から伝言です。
「腐らずに頑張るように」と。
伝言確かに伝えましたよ。
あ…はい…。
ありがとうございましたー。
あぁそれから…。
はいぃ?奥寺さんというのは彼女ですか?え?『帝都新聞』社会部の奥寺美和子さん。
美和子に…会ったんですか?さっき1階で。
杉下さん…。
はい。
『帝都新聞』の奥寺と申します。
そうですか。
よろしくお願い致します。
こちらこそ。
…何か?亀山薫の事もよろしくお願いしますね。
は?あんまりいじめないでね。
失礼。
僕は特に…いじめたりしませんけどね。
(ものを落とす音)おい…!あいつに余計な事言ったろう!?
(ため息)ちょっと挨拶しただけ。
言うに事欠いて「いじめないでね」とはどういう言い草だよ!だっていじめられたら困るでしょう?俺はガキか?お前は俺の母親か?もう6人も辞めてるんだってよ。
何が〜?特命係に配属された刑事。
(宮部たまき)またすぐ辞めそう?さぁどうでしょう。
6人目だっけ?7人目です。
実家は造り酒屋で父親は市会議員。
地元ではかなりの名士らしいですよ。
いわゆるボンボン育ちですねぇ。
ふ〜んそうなの〜。
人柄はよさそうですがすぐに頭に血が上るタイプみたいですね。
しかし一方であの脳天気さは評価出来ます。
そうやって分析するから…。
ん?みんなから嫌われちゃうのよ。
(笑い)
(店頭アナウンス)「いらっしゃいませ…」
(ため息)あ?あぁ…。
ん…んえぇ…。
あらら…。
ハハ…危ねぇ!
(早川純弥)どうぞ。
あぁありがとう。
ん?何これ…。
何…これ…味しないねぇ…。
酔ってらっしゃるから口が麻痺してるんですよ。
俺酔ってないよ…。
ねぇあの…ちょっと話していい?は?突然の異動でさ。
はぁ。
あの…リス…リストラ?嫌がらせ…うん…。
そうですか。
うん〜。
それでさぁ新しいのがさもうこれもういじわるな上司でさぁ〜。
俺のコレがね…「いじめないでね」なんて挨拶しやがってさ…。
「いじめないでね」だって…。
(笑い)おかしいの?いえ…。
いやおかしいよ。
おかしいんだよ。
面目丸潰れ…もうホントに…。
これさ変えてくんな…味すんのに変えてくんないかな?はい。

(目覚まし時計)あぁ…!よいしょ…。
あぁ…。
あぁ〜…。
…え?え?えぇ!?どこ…?あっ…。
すいませーん…。
あの〜すい…。
何?
(パトカーのサイレン)
(カメラのシャッター音)1つ2つ3つ。
今んところ確認出来るのは4か所ですねぇ。
致命傷はこれかな?心臓ですからねぇ。
凶器はあのナイフかな?すいませんけど〜邪魔しないでもらえますか?失礼。
(伊丹刑事)その女に誘われたのか?あぁ。
どこの女だ?わかんねぇよ。
(伊丹)名前ぐらい…。
わかんねえ!わかんない事だらけだなぁ〜。
とにかく!目が覚めたらこういう事になってたんだよ。
「あれ?どうしたのかな?」って感じだよ。
君は目覚まし時計で起こされたんですよねぇ?えぇ!7時ですね?だから…そう言ったでしょう1?
(伊丹)すいませんけど警部さん。
横からチャチャ入れないでもらいたいんですよねぇ。
これは捜査一課のヤマですから。
失礼。
でその女とは何するつもりだった?何?行きずりの女に誘われてのこのこやって来たわけだろう?ここで何するつもりだったか訊いてるんだよ。
んな事捜査に関係あんのかよ。
個人的興味だよ。
ふざけんなよ!この野郎!!「東荻窪署地域課松原俊輔」。
タバコなんか吸ってんじゃねぇよ。
やめろよお前何すんだこの野郎。
ちょっちょっとあんた…何やってんですか〜!?ガイシャは無職なんですかねぇ。
(伊丹)はぁ?もう昼前です。
無断欠勤したわけでしょう?心配して電話ぐらいありそうなものですよねぇ。
あのねぇまだ鑑識の途中なんですよ。
あっちこっち勝手にいじらないでくださいよ〜。
警察官みたいですよ。
(2人)あぁ…!うちに捜査本部を設置するんですか?そうです。
殺されたのは現職の警官で第一発見者も現職の刑事です。
マスコミがスキャンダラスに騒ぎ立てるのは目に見えてる。
あちこち突かれるのは鬱陶しい。
なるべく穏便に速やかに解決してください。
マスコミには事後報告だけにしてください。
わかりました…。
はめられたんすよあの女に〜。
顔も名前も覚えてないんじゃ話になりませんね。
何しろ酔っぱらってたもんですからねぇ。
酒屋の息子がだらしない。
何か特徴を思い出せないんですか?特徴って言われてもねぇ…。
あぁ…。
真っ赤なマニキュアしてたのを覚えてますよ。
ロングヘアに真っ赤なマニキュアですか。
あと背が高かったような…。
ロングヘアに真っ赤なマニキュアの背の高い女ですか。
えぇ!そんな女世の中に5万といますよ。
わかってますよ〜。
つまりほとんど何も覚えてないという事ですね。
だからさっきからそう言ってるでしょう!?注意力が甚だしく欠如してますね。
はぁ?刑事としては致命的です。
亀山君。
はいっ!おぉ…。
ガイシャと面識は?だからありません!そうですか。
なんべん同じ事を訊くんですか!?そうやってすぐにカッとなるのもよくありませんねぇ。
亀山。
ちょっと面貸せ。
何?
(ため息)なんだよっ。
(斉藤)凶器の果物ナイフから先輩の指紋が検出されました。
ウソ〜。
改めて詳しく話を訊きたい。
任意同行願います。
何言ってんだお前…。
いいから来いよお前な。
ふざけんなよ!そんなもん行くか!任意だろう?行かない。
しょっ引きたきゃなぁ逮捕状持ってこい!素直に行った方がいいんじゃありませんか?あぁ?潔白ならば何も恐れる事はありません。
「潔白ならば」って…俺を疑ってんですか?残念ながら君が犯人じゃない確証はどこにもありません。
俺は刑事ですよ?知ってます。
しかもあなたの部下ですよ?だから?「だから?」って…。
どちらも殺人を犯さない理由にはなりませんねぇ。
あぁ!僕ちょっと出掛けます。
さぁ行くぞおら。
来い来い。
行かないっつってんだろう…。
何すんだよ…!俺犯人じゃねぇんだよ!早く来い!やめろ!この野郎!彼は遅刻の常習者でしてねぇ。
だからいちいち電話などせんのですよ。
なるほど。
素行の芳しくない奴でした。
素行も?えぇ。
ですから警察官としてこれからという年齢なのにフフ…こんな場末の交番勤務なんですよ。
あっお茶でも淹れましょうか?どうもありがとう。
参考になりました。
あの…犯人は?心配しないでください。
ちょっといいですか?荻窪のアパートで事件がありましたよねぇ?ん?単なる事故ですか?所轄署には捜査本部が設置されてません。
なのに付近を刑事さんたちが聞き込みに回ってるんですよ。
これって妙じゃありませんか?係長さん…。
どうしてそれを?うちの社に問い合わせがあったんですよ。
問い合わせ?多分…事件のあったアパートの住人だと思います。
警察が来て血だらけの遺体が運ばれるのを見てたんじゃないでしょうか?なるほど…。
どういう事ですか?仕事熱心なのは結構だが…。
はい?この件に関しては解決するまで騒ぎ立てない方がいい。
というと?亀山のためにも…。
はぁ!?こんな事してる暇があったら女捜せよ〜。
ナイフの指紋だってなぁその女が付けたんだよ。
そうに決まってる!時間の無駄だよ!俺もそう思う。
何?お前がいくらバカでも殺しの現場からわざわざ俺たちに通報してくるわけねぇもんなぁ。
凶器に指紋をベッタリ付けたままで。
だろう?現場に転がってた100万の出所も気になるし。
怪しい奴いねぇのかよ!?松原の交友関係に。
1人ちょっと気になる女いるんですよ。
いたらとっとと調べろよ!昨夜から行方が…。
余計な事は言うな!すいません…。
何…?何?
(ノック)伊丹さん。
おう!所轄が例の女の居場所突き止めました。
連中張ってます。
斉藤!行くぞ。
どうしたんだよ…なんかわかったのか?もう帰っていいぞ。
帰っていいぞ…?人を容疑者扱いしやがって人権問題で訴えるぞ!!ヤクザ?ここだけの話ですが…。
えぇ。
警官の格好したヤクザですよあいつは。
タダ酒食らうは女にはちょっかい出すわ。
なまじ警官だけに始末が悪い。
ヤクザの方がまだマシですよ。
松原がどうかしたんですか?ここだけの話ですけどね。
えぇ。
死にました。
えぇ?死んだ…?あぁっクソォ!
(ため息)ただいまー。
(物音)ただいまぁ。
何やってんの?おい…何やってんだよ。
何?旅行?何…?痛っ…痛ぇ!お前何すんだよ!?自分の胸に訊いてみな!自分の胸って…何を?何訊くの?どう…な…。
(電車の警笛)中野南署の北村です。
こちらです!さっき帰ってきたところです。
(北村)こちらです。
(チャイム)
(女性の声)はい。
小泉綾子さんですか?警視庁の伊丹と申します。
ちょっとお話をお伺いしたくて参りました。
(解錠する音)お忙しいところすいません。
いいえ…。
美和子…ブラックでいいよね?これ…ねぇこれ薫ちゃんの?違う。
あっそう。
じゃあ私。
いや…だ…だからさぁ…あの…酔っててさぁ…ついね?ついてっちゃっただけでさぁ…。
うん…だけどねなんにもしてないよ!これは誓う!これはもう神に誓って言う。
これは?僕の。
あっそう。
じゃあこっち。
これもこっち。
おい…。
ホントに出てくのかよ?結婚もしてない男と女が一緒にズルズル暮らしてるなんてよくないわ。
今更何言ってんだよ〜。
あとは…これは…?よしっわかった!結婚しよう!ん?…ん?な?結婚。
私をおちょくってんの?何が?状況わきまえてプロポーズしなさいよ!!いやだって結婚の話題が出たからさ。
そういう事言える立場?見ず知らずの女に誘われてホイホイついてくような男なんかと結婚すると思う?だからそれは不可抗力であり…。
何が不可抗力よ〜。
だってホントだもんなんにもしてないんだからさ…。
ほぉ〜何もしてなければいいんだ?いやいいとは言ってない。
反省すべき点も多々ある。
あげくには殺人事件に巻き込まれて…。
参っちゃったよねまったく…。
なさけなくて怒る気にもなれない。
怒ってんじゃねぇかいきなり殴りやがって。
いいか…いいか?俺はなぁ潔白だぞ?殺してなんかいない!そんな事わかってるわよ。
もちろん女についても潔白だ。
何…。
松原を殺っちゃいないし!女ともやってないし!とにかくなんにも覚えてないんだからさぁ!ちょっと…ちょっと開けろよ〜!ちょっと〜!出てこいよ!まぁ…美〜和ちゃん!
(ものが割れる音)
(携帯電話)もしもし?「あぁ僕です」あぁすいませんけどねちょっと今取り込み中でして。
重要参考人が連行されました。
「え?」女です。
髪の長い。
すぐ行きます!ちょっと…美和子!出掛けるぞ!行ってくるからな!いろよ!いろよ!開けんなよ!出るなよ!!
(伊丹)現場から押収されたものです。
あなたが映ってます。
(小泉綾子)私がやりました…。
すいませんでした。
あなたと松原との関係は?テレクラで知り合って…。
(伊丹)テレクラ。
ちょっとイタズラで掛けてみたテレクラで知り合ったんです。
いつ?半年ほど前です…。
(伊丹)で?なんとなく意気投合して…付き合うようになりました…。
交際してた。
どうして…恋人である彼を殺したんですか?話してください。
悪魔だったんです…。
悪魔?善人の皮を被った…悪魔。

(ノック)
(松原俊輔)はい。
お願いだからこれで。
これで何?あのビデオ…私に売って。
よそうよこういうの。
お願い!趣味だよ趣味。
個人的に見て楽しむだけなんだからさ。
変態!!一緒に見て楽しむ事も出来るよ〜。
やめて…。
やめてよ…。
やめてってば!
(松原)2人の愛の記録でもあるんだぜ。
イヤ…!大人しく見ろよ!イヤー!
(松原)なんかゾクゾクしてくるなこういうの…。
来ないで!そう簡単に刺せるもんじゃないぜ。
あなたそれでも警察官なの?警察官だよ。
ほら強いだろ?警察官は。
やめて…。
(刺す音)
(刺す音)
(刺す音)痛ぇ…!果物ナイフで刺したわけですね。
お茶でも淹れようか?間違いないと思います。
うん。
早速逮捕状を請求して容疑者に切り替えて事情聴取を続けます。
そうしてくれ。
はい。
待ってくれ。
あ?彼女じゃない。
なんだと?俺を誘った女は彼女じゃない。
その根拠はなんですか?もっと大柄だったような気がします。
彼女は犯行を自供してるんだ。
だったら俺を誘った女は誰だい!?こっちが訊きたいよ!確かめましょう。
バカにしやがって…。
ウフフ…ねぇねぇ俺の事覚えてる?どこかでお会いしました?新宿のショットバー「REFRAIN」で。
「REFRAIN」?うん。
いいえ…そんな店知りません。
ちょっといいですか?はい…。
あなた松原を何回刺しました?ちょっと…勝手な尋問はやめてもらえませんか?捜査が混乱します。
正確に。
何回刺したかお訊きしたいんです。
3回…。
3回ですか?4回だろう!?4回…そうだったかもしれません。
今のは誘導尋問ですよ。
あなたに尋問する権利はないだろう!?3回か4回かはっきり思い出せませんか?ホントに覚えてないんです…。
すいません…!係長!杉下あとはうちに任せてくれないか?失礼しました。
チキショウ…なんだこの記事は!?これじゃあまるですっかり事件が解決したみたいじゃねぇかよ!まだ終わってねぇんだよこのヤマは!君の言う謎の女の存在ですか?もう1人確実に事件に関わってる女がいますよ!捜査一課では酔っぱらいの証言にはあまり重きを置いてないようですねぇ。
わかりました。
証人連れてきます。
証人?俺を誘ったのが小泉綾子じゃないって証言してくれる人がいればいいんですよね?そういう人がいれば言う事ありませんね。
連れてきますよ。
あっちわっす!すいませんまだ準備中なんですよ。
ああ悪いね。
ちょっとだけちょっとだけ。
ねえねえ俺の事覚えてる?ええ。
一度おみえになったお客様の顔は忘れませんから。
ああそう!よかった〜!何か?あっあの晩の事でちょっと確認したい事あんだよね。
確認?うん。
ああ…俺ねこういう者だから。
怪しい者じゃないから安心して。
刑事さんでしたか。
そうそうそうそう。
ねえあの晩さ俺のあとに女の客来たよね?ええおみえになりました。
ね!俺の隣に座ったよね?ええ。
ねっ!それさ…この女かなあ?どう?この方じゃないかな。
えっ?この女性ですよ。
いや…よく見てよ。
絶対間違いないです。
この方です。
いや…いやそんなはずないんだけど…。
ちょっともっぺん見て。
ねえねえ。
何度見ても同じですよ。
手に取ってさよく見てよ。
ちょっと…。
ちょっとよく見てって!絶対この方です。
ホント!?
(唸り声)戻ってたんですか。
おかえりなさい。
証人は連れてきましたか?あ…それが…。
うん?いや彼女だって言うんですよね。
なるほど。
逆の証人が現れたわけですね。
いやでもホント彼女じゃないですよ。
印象が違います。
絶対別の女いますよ。
僕もそう思いますよ。
えっ?松原の解剖所見です。
刺し傷は全部で4つあります。
ええ。
脇腹から腹部正面にかけて3つ。
それから心臓部分に1つ。
はい。
3つの傷は極めて浅い傷で残りの1つつまり心臓部分の傷は非常に深くそれが致命傷になったようですね。
ですね。
気付きませんか?えっ?3つの浅い傷についてはナイフの刃が下向きで刺されたものであるのに対して致命傷の深い傷だけナイフの刃が上向きなんですよ。
あっ…。
複数つまり小泉綾子以外にもう1人松原を刺した人物がいる可能性を示唆しています。
なるほど。
いやしかしですね…。
はい。
持ち替えたという可能性もあるんじゃないでしょうか?つまりですね何回かまあここでは3回ですけれども浅い傷をつけて相手がひるんだところをナイフを持ち替えてですね心臓をめがけてとどめを刺した!素晴らしい洞察力です。
あまあそれほどでも。
まったくのバカじゃなくて少し安心しました。
えっ?君の指摘する可能性ももちろんあります。
ですから昨夜彼女に刺した回数が正確に何回か訊いたんですよ。
残念ながら彼女の供述がその辺りあいまいで確証を得る事が出来ませんでした。
君を松原殺しの容疑者だとは言いません。
しかし君は第一発見者でありひょっとすると真犯人の唯一の目撃者でもある。
誰よりも今回の事件に一番近いところにいるんですよ。
違いますか?今の君が刑事を名乗るなんておこがましいですね。
これを見てください。
解剖図面の方です。
致命傷は心臓へのひと突き。
ナイフを持ち替えています。
小泉綾子以外に松原を刺した人物がいる可能性があると思うんですが。
4回だよ!4回刺したんだよ!小泉綾子がそう自供した。
供述調書にもそうちゃんとサインがある!供述を誘導しませんでしたか?なんだとおい…。
ああ…。
この件に関してはお前は部外者だ。
余計な口出しはしないでくれ。
わかっております。
我々も謎の女の行方を追ってる。
しかし一向に捜査線上に浮かんでこないんだ。
引き続き捜査をお願いします。
ああ。
これいいですか?うん。
(携帯電話のバイブ)はいもしもし。
「ああ俺」ごめん仕事中。
俺さぁ故郷に帰って造り酒屋のオヤジでもしようかな。
えっ?辞めちゃうの?刑事。
そうだねしんどい思いして続ける事ないかもね。
だよなぁ。
だけど行かないよ私。
何が?薫ちゃんの実家には。
誰もそんな事言ってないだろ。
言うかと思ってさ。
造り酒屋の嫁になってくれないかって。
長過ぎたのかもな俺たち。
うん?学生時代からだもんな。
もう…10年になるか。
そうだね。
悪かったな仕事中に。
何おセンチになってんのよ。
(館内アナウンス)「間もなく課長・係長会見です」「担当者は3階会議室にお集まりください」「間もなく課長・係長会見です」「担当者は3階会議室にお集まりください」ちょっちょっちょっと待ってください!すいません。
おはようございます。
おはようございます。
何階ですか?3階を。
(エレベーター)「3階です」あっつ!だからいじめないでねって言ったでしょ?あいつ打たれ弱いんだから。
フーン!いじめてませんけど…。
(一同)はいっ!おはようございます。
おはようございます。
どうかしたんですか?おいっ!何やってんだ!やあ。
容体は?幸い発見が早かった。
命に別条はない。
なんでこんな事に?送検を急ぐあまり多少取り調べに行き過ぎがあったようだ。
行き過ぎといいますと?君の言う別の女の存在がやはり送検の邪魔になって…。
お前がやったんだろう!伊丹さん!うるせえ黙ってろお前!おい…。
(金子の声)小泉綾子はウソをついている。
その線で締め上げたようだ。
ウソ?君と会った事がないという彼女の主張がウソだという事だ。
いや現に俺は会ってないんすから。
小泉綾子がウソだと認めたら酔っ払いの君の証言など黙殺出来る。
そんな乱暴な…。
彼女が犯行を否認しているならまだしも全面的に認めてるんだから…。
許されるんですか?そんな事が。
失礼します。
(ドアの音)
(記者)刑事部長!被疑者が自殺した原因はなんですか?
(記者)取り調べに何か問題があったんじゃないですか?
(記者)部長ひと言お願いします!帝都新聞…チキショウ。
どっから漏れたんだ…。
君はコーヒーでしたよね?君の仕業でしょ?彼女に情報を流して記事を書かせた。
何しろ帝都新聞1社のスクープですから情報源の特定は簡単です。
君も危ない橋を渡りますねぇ。
僕は好きですよそういう無茶な人。
どうすればいいですかねぇ。
ん?小泉綾子がウソをついてるとは到底思えません。
ウソの自供を強要されて自殺しようとしたぐらいですからねぇ。
となると「REFRAIN」のマスターがウソを言っている事になる。
マスターの単なる思い違いかもしれません。
いやぁ自信満々に断言しましたから。
そうですか。
もう一度…確認すべきですよね?それがいいでしょう。
一緒に行ってもらえますか?もちろん。
(早川)またですか?ああしつこくて悪いんだけどさ。
よく見てよ。
多分この女じゃないかな。
多分?いや多分じゃ困るんだよ。
そんなふうに言われると自信なくなるなぁ。
えっ?違うかもしれないな。
お前なぁいい加減な事言うなよ!まあまあまあ。
なんで私が怒られなきゃなんないんですか?すいませんね。
あんた言ったろ?客の顔忘れないって!こんな商売ですからね。
なるべく忘れないように心掛けてはいますけどね。
「絶対」って言ったじゃねぇか!人間ですからね。
「絶対」はありえませんよ。
なんだと…!少し落ち着きませんか?せっかくですから何かいただきましょう。
トム・コリンズお願いします。
かしこまりました。
君も何か飲みますか?仕事中ですから。
適度のアルコールは頭を柔軟にしますよ。
酒で失敗してますから。
なるほどいい心掛けです。
まいったなぁわけわかんなくなった。
一体どこ消えちまったんだあの女…。
部下の方連れてきたの初めてね。
そうでしたっけ?この人ねお友達いないの。
だからいつも独りぼっちで来るのよ。
シシャモが焦げますよ。
あらやだ!コレっすか?いいえ。
またまたぁ。
別れた女房です。
なんだ女房…ええっ!?さあどうぞ。
あっすいません。
大変でしょう?はい?この人の下で働くの。
あ…はい。
みんな辞めちゃうのよこの人の下で働くと。
自信なくしちゃうんですって。
えっ?まあこの人が刑事としてどんなに優秀か知らないけど私から言わせてみればただの天邪鬼。
頑固で不器用で変わり者。
この人見て自信なくすのもどうかと思うんだけど。
あっあのご結婚されてたんですよね?
(たまき)うん1年ぐらい。
頑固で不器用で天邪鬼なところに惚れたんだけど頑固で不器用で天邪鬼だから夫としては最低でした。
クククッ…。
あなた少ししゃべり過ぎですよ。
やだ起きてたの?ちょっと失礼。
はい?あっ…何…?除光液持ってらっしゃいますか?ちょっ…何やってんですか!ティッシュありますか?えっティッシュですか!?ご協力お願いします。
あっすいません。
何なんですか?警察です警察です。
すいませんごめんなさい。
協力を。
なんの協力ですか?ご協力お願いします。
お願いします。
手帳これ見た事ありますか?ねっ。
落とさせてください。
落とさせて頂きます。
すいません。
あああ…。
こんな感じです。
そうまさにこんな感じでした。
えっ何がですか?あの時これと同じだったんです。
爪の根元に赤いものが残ってたんです。
あっご協力まことにありがとうございました。
旦那さんもありがとうございました。
(たまき)すみませんでした。
あれはマニキュアの取り残しじゃないかと。
なんでマニキュアなんか…。
女になるためですよ。
女!?ひょっとして君を誘ったのは女ではなくて男だったのかもしれませんねぇ。
男!?そうか…。
何か思い出しましたか?大柄だと思い込んでいたのは女にしては手が大きかったからかもしれない。
その線でちょっと突いてみますか。
えっどうやって?たまきさんお願いしますね。
じゃあ。
ホントに申し訳ございませんでした。
ああすいませんもう閉店…。
どうも。
たびたびごめんね。
もう閉店なんですよね。
ああ酒飲み来たんじゃないから。
じゃあなんか忘れものでも?いやこれをねちょっとね。
何それ?あカツラ。
そりゃ見ればわかりますけど。
ちょっとこれ被ってくんないかな?俺が!?そう。
やだよそんなの。
ちょっとだけちょっとだけ。
これどういう趣向なんですかね?こういう趣向なんですよ。
ちょっちょっ…!アアッ!おいっ!はっはい!ちょっとお前…ちょっとおい!おい!こういう感じでしたか?えっ…。
どうですかこういう感じですか?あはい。
いやなんとなく…。
ちょっとなんの真似だよ!そっちこそなんの真似ですか?何ぃ!?女装して彼を誘ったのはお前だろう!
(寝息)
(早川)知るかっ!離せよ!なんの事だかわかんねぇよ。
とっとと帰れよ。
閉店なんだよ!聞こえねぇのか!やるんだったらやってやるぞコラ。
あっちょっ…!文句があれば…こちらへどうぞ。
(ドアの音)ちょっとやり過ぎじゃないですかね?口はばったい言い方ですけど人権問題ですよ。
覚悟しておいてくださいね。
えっ?何もやましいところがなければ彼は我々を訴えるはずです。
しかし逆に訴えてこないとしたら彼には訴えられないだけの理由があるという事です。
いずれにしても彼の出方待ちましょう。
「ちょっと突く」って言うからツンツンやる程度かと思ったけど。
はい?いえ。
ああ。
刑事が2人来やがった。
まったく冗談じゃねぇよ!ああわかった。
係長。
ちょっとよろしいですか?うん?マスターの女装です。
女装!?はい。
てっきり女に誘われたとばかり思ってましたけど実は俺男に誘われた可能性が。
正確に言うと女の格好をした男です。
ああそりゃそうです。
いくら酔ってたっつっても男に誘われたってついてきませんよ。
そういう趣味ないですからね。
そのマスターは…?早川純弥35歳です。
その早川って男が女装して君を誘ったっていうのか?もちろんまだ断定は出来ませんが。
あんまり突飛な話でなんとも言いようがないが…。
とにかく早川が松原殺しに関わってる可能性がありますから小泉綾子の送検は慎重になさるべきかと思いまして一応ご報告にあがりました。
杉下。
はい。
老婆心ながら忠告しておく。
余計な事に首を突っ込まない方がいいぞ。
上は一刻も早くこの事件を終わりにしたがってる。
そう簡単には終わらせませんよ。
そうだろうなお前なら…。
(電話)はい捜査一課。
殺し!?ああうん…。
わかった。
係長新宿のバー「REFRAIN」で殺しがありました。
「REFRAIN」!?おいまさか殺されたのはマスターの早川じゃねぇだろうな!だからそうだよ!
(パトカーのサイレン)いつもこの時間に配達に来るわけですね?はい。
カギを預かってまして。
勝手に開けて足らないものを補充して帰るんですけど今日はカギが開いていたんで変だなぁと思って入ってきたら…。
(カメラのシャッター音)詳しい鑑識の結果が出るまで断定は出来ないが状況を見る限り自殺だな。
クッソー…。
(金子)君たちが脅しをかけるからこのザマだよ。
なんだこりゃ?そっちは?おーい…。
伊丹さーん!すごいもん出てきましたよ。
俺たちゃ雑用係かよ…。
純正ですね。
「CCCP」ロシア製。
純正トカレフには安全装置はありません。
危険な銃です。
しかしよくまあこんなに集めたもんだ。
出回ってるトカレフは主に中国製ですからねぇ。
阿部も確か純正を所持してましたね。
えっ?君が人質になった阿部ですよ。
俺が捕まえた阿部と言ってください。
あのこの数字なんだと思いますか?シリアルナンバーか!早川は案外几帳面な男ですねぇ。
自分の商った拳銃の製造番号を控えていたらしい。
末尾にアルファベットがついてるのとついてないのがありますね。
「200998」手帳にありますか?200998…あっありました!末尾のアルファベットは?Aです!今僕が言った製造番号は阿部から押収したトカレフですね。
はい。
どうやら「A」というのは阿部のイニシャルの「A」みたいですね。
ああ…。
早川からトカレフを買った。
そうだな?「道端で拳銃拾った」なんてのが通用するわけねぇだろ。
素直に吐け!入手ルートを明かさないというのはあなたたちの一種の仁義でしょうがもう早川に義理立てする必要はありませんよ。
ええ?死んだよ。
死んだ?ああ。
あれは早川から手に入れた銃ですね?ああ。

(早川)純正だぜ。
すげえなぁ…。
どっから手に入んだこんなもん。
頑張んねぇと後ろ盾なくしちまうからな。
後ろ盾?なんでもないこっちの事だ。
早川が「後ろ盾」と言ったんですか?ああ。
なるほど読めた!はい。
後ろ盾というのは松原ですよ。
早川と松原はねんごろだった。
持ちつ持たれつの関係だった。
ところが何か揉め事があって早川は松原を殺した。
正確に言えばとどめを刺した。
そして偽装工作に俺を使った。
どうですかね?こんな推理は。
なるほど。
早川にしてみれば松原みたいなチンピラ警官でも一応警官と繋がってるわけですからね。
心強かったんじゃないですかね。
だから後ろ盾。
もはや松原も早川もあの世ですからね。
推測に過ぎませんけどね。
しかしなぁちょっとぐらい脅しかけたからって自殺するようなタマには見えなかったけどなぁ。
自殺だと思いますか?違うんですか?あっまた…。
あれっ?何か気付きましたか?あれいや早川の奴右のこめかみ撃ってますね。
ええ。
あいつ左利きじゃないのかな。
聞こえねぇのか!やるんだったらやってやるぞコラ。
僕もそう思いますよ。
早川は左利きだった印象があります。
左利きの奴がわざわざ右手に拳銃持って撃ちますかね?撃ちづらいと思いますよ。
ですよねぇ!という事は…どういう事ですか?自殺じゃない可能性があるという事です。
自殺じゃないとすると?他殺の可能性があるという事です。
他殺だとすると一体誰が?早川の言う後ろ盾。
えっ…。
松原なんかよりもずっと強力な後ろ盾。
2人お揃いでなんのご用でしょうか?金子警部は?係長ならさっきそっちへ行くって言って出ていきましたよ。
さっきっていつだよ?だからさっき。
話を聞かれたかもしれませんね。
探します。

(携帯電話)もしもし。
「僕です。
屋上です」えっ!「すぐ来てください」わかりました!どうして気付いたんだ?警部の現場での第一声です。
君たちが脅しをかけるからこのザマだよ。
我々が早川に脅しをかけた事をどうして警部はご存知だったんでしょうか?早川が女装趣味かもしれない事。
それを利用して亀山君を殺人現場に誘い込んだ可能性のある事はご報告しました。
しかし我々が脅しをかけた事は報告していません。
つまり警部は我々が脅しをかけた事を早川本人から聞いた。
そうとしか考えられないんですよ。
早川は左利きだったか。
その可能性が濃厚です。
うっかりしてたよ。
君にしちゃあ上出来の発見だったな。
ホントに係長が早川を…?俺はな昔「銃器摘発の鬼」といわれたんだ。
摘発された銃のほとんどは純正のトカレフです。
調べたのか。
はい。
さすがに早いな。
それら摘発された拳銃はすべて早川の手帳に控えてあったシリアルナンバーと一致しました。
末尾に「K」とあるものが摘発されています。
金子の「K」…だと思います。
そう。
種を明かせば神業といわれた摘発も単なる八百長だったんだ。
早川から必要なだけの銃器を譲り受けていただけの話だ。
その見返りは奴の闇商売を黙認してやる事。
奴とはずっと二人三脚でここまで来たわけさ。
学歴も何もない俺にとってはそうするしかなかった。
そうやって念願の捜査一課に移りやっとこさ警部の地位と係長の椅子を手に入れたんだ。
それをあの不良警官が…。
松原ですね?あのチャラチャラしたチンピラ警官がどこから嗅ぎつけたのか知らないが俺をゆすり始めた。
ちょこちょこと小遣い貰えれば俺は全然いいんで。
俺は口は堅いですから安心してください。
いくら欲しい?いくらって…。
欲しい時連絡しますよ。
じゃあ。

(金子)悪党の上前をはねてたんだ。
大した奴だよ。
あの晩松原にとどめを刺したのは係長なんですね?初めから殺すつもりで行ったんじゃないよ。
(金子の声)小遣いをやりに行ったんだ。
(松原)やられちまったよ…。
痛くてさう…動けねぇんだ…。
救急車…救急車呼んでくれよ。
早く…。
(松原)よかったよ来てくれて。
(早川)殺したんすか?放っといたって出血多量でおだぶつだったんだ。
なら放っときゃいいじゃないすか。
殺したかったんだよこの手で。
で大丈夫なんすか?足ついたりしないんすか?現場に俺の痕跡はないはずだ。
松原の部屋を出る時も十分注意した。
けど…。
えっ?部屋に入る時はこんな事になるとは思ってないから無防備だった。
アパートの誰かに見られてる可能性がある。
それが不安だ。
なるほど。
任しといてくださいよ。
なんとかしますよ。
フンお前に何が出来る。
(金子の声)奴がまさか俺の身代わりに見立てた男を部屋に連れ込むなんて思ってもいなかった。
それもよりによって君だなんてね。
皮肉なめぐり合わせに愕然とした。
どうあがいても破滅する運命だったんだな俺は。
小泉綾子は傷害罪に切り替えて送検して頂けますね?彼女には気の毒な事をした。
気の毒!?そんな言葉で済む問題ですか?しかし松原が死んでいる以上は誰かが殺人罪で送検される必要があったんだ。
いつだってね貧乏クジを引くのは弱い人間なんだよ。
あんた!あんたそれでも警察官かよ!警察官だよ。
何ぃ!?腐った警察官だよ!
(パトカーのサイレン)俺も警察官だ。
この期に及んで見苦しい真似はしない。
自ら罪を名乗り出るよ。
そうしてください。
迷惑かけたな。
その前に…拳銃はお預かりします。
さあ。
何言ってるんだ!早川から警部に渡った拳銃のうちの1丁。
つまり末尾に「K」とある拳銃のうちの1丁だけが摘発されていません。
その1丁を今ここでお預かりします。
いかせてくれないか。
ダメです。
武士の情けだ!死にに行かせるわけにはいきません!頼む…頼むよ杉下!杉下右京個人なら目をつぶります。
このまま行かせます。
生き恥をさらす先輩を見るのはつらいです。
しかし僕は刑事です。
ですからあなたを行かせるわけにはいきません。
あなたが自分の手で自分の罪を裁くのを見過ごすわけにはいきません。
申し訳ありません。
証拠品として押収してください。
はい。
タバコあるか?はい?一服してからでもいいかな?もちろんです。
すまなかった。
おかえりなさい。
なんだよ来てたのか。
元気出せ。
ああ?電話があったよ。
電話?そう。
あの人から?うん。
薫ちゃんちょっと打ちのめされてるから優しくしてあげなさいって。
余計なお世話だよ。
ホントだよねぇ。
で?ん?どう優しくしてくれるんだよ?どう優しくして欲しい?どうってお前…。
言えないよそんな事。
スケベ。
何が?だって…。
なんだよ。
…でしょ?スケベ。
ハハッ。
もう!おかしいなぁ…。
ここ置いたのになんでない…。
おはようございます。
グッ…!おはようございます。
どうしました?いや…随分早いですね。
君こそ随分早いですね。
いやまあちょっと…。
何か探しものですか?えっいやあの…。
ひょっとして辞職願ですか?あっ…。
もうありませんよ。
ああありませんか。
はい。
そうですか。
ありがとうございます!私亀山薫思うところありましてもう少し刑事を続けようかと思っております。
精一杯頑張りますのでよろしくお願いします!何か誤解されてるようですけど。
は?辞職願はもう部長に渡しました。
えっ?ひょっとするともうその上までいってるかもしれませんね。
いやそんな…!撤回するなら早く追いかけた方がいいかもしれませんよ。
ウソでしょ?そういうものを発見したら普通破くでしょまともな上司なら!急がないと上の上のその上までいってしまいますよ。
いやまた…。
わかんねえ…あの人だけはわかんねえ!どいて!どいてどいて!まだまだですねぇ。
2014/11/03(月) 14:00〜15:51
ABCテレビ1
相棒 警視庁ふたりだけの特命係[再][字]

刑事が警官を殺した?赤いドレスの女に誘惑され…死体に残る“4−3”の謎とは?

詳細情報
◇出演者
水谷豊、寺脇康文、鈴木砂羽、益戸育江、勝部演之、甲本雅裕 ほか

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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日本語
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