大丈夫!私が働く!えっ!?えらい事になったね。
さあどうする?マッサン。
どうする?エリー。
秋の京都。
見どころ満載です。
食欲の秋。
読書の秋。
そして本日は芸術の秋。
ぴったりの場所はここ…100年以上の歴史を持つ博物館がこの秋新装オープン。
記念の特別展は連日満員御礼の大人気。
何しろ博物館にあるお宝は1万2,000点以上!そのうち国宝重文の総数は900点余り。
「あっどこかで見た事ある!」というものから「えっこれが国宝ですか?」というものまで京都の…いや日本のお宝がぎっちり詰まっているんです。
5年をかけて建てられた新館もオープン。
設計はニューヨークの近代美術館を手がけた世界的建築家谷口吉生さん。
4年掛かりの修理を終えた国宝人気ナンバーワン「鳥獣人物戯画」も一挙公開。
そんな京都国立博物館の探検に挑むのがこの2人。
もう隅々まで楽しんだ方がいいなと思うので。
「日曜美術館」の司会でもおなじみの…実はこの博物館の文化大使。
ちょっと楽しいですね。
楽しいんですよ本当に。
そして今年の秋こそ美術館に初挑戦したいという「あさイチ」のご常連…青木さんは美術館や博物館に足を運ばれたりしますか?私はほとんど来た事がないんですよ。
…で行きたいなっていう興味はあるんですけどどう楽しんでいいかがよく分からないんですよね。
教えて下さいいろいろと。
いや!あの…僕何を教えられるかあれなんですけどもでも一緒に楽しみましょう。
分かりました。
ちょっと心配な2人ですがとにかく行ってみましょう!京都国立博物館略して京博。
まずは初めてお目見えの平成知新館を大探検!オープニング展のキャッチフレーズは「ズラリ国宝、ずらり重文」。
自慢の名品がめじろ押しというのですが…。
うわっ広いですね!広いですね。
青木さんあの…山本さんです。
山本さん。
今日よろしくお願いします。
こちらこそ。
山本です。
よろしくお願いします。
お願い致します。
山本英男さんは京博勤務27年の研究員。
まさにこの博物館の生き字引!今年の9月に建てられたんですよね。
まだ出来たばっかりなんですよね。
そうです。
出来たのは建物が完成したのは1年前なんですがからし期間というのがあってオープンという事になりますので。
つまり文化財を出来たからすぐにガラスケースの中やこういう空間の中に入れてしまうと有害物質で傷んでしまったりとかっていうのもあるので空気を一回全部入れ替えるために1年間かかるって事なんですよね。
良質な素材を使って造っていくんですけれどもそれでも有害物質がゼロではないのでそれを完全に取り除くのに大体1年ぐらいかかるっていう感じですね。
今この平成知新館には京博が誇るえりすぐりのスター軍団が展示されているというのです。
早速展示室へ潜入。
ここがまず第1室目になりますけれども。
現れたのは巨大な空間。
次々と現れるのはこれまた大きな仏像たち。
さすがは京都です。
大きいですねえ!ひときわ目を引くのが真ん中にある金色の仏像。
大きいなあ!大きいですよね。
この仏像は大日如来といいまして大阪の金剛寺というお寺さんの本尊なんですね。
平安時代に造られた巨大な大日如来像。
金剛寺というお寺のご本尊なのですが現在お寺は修復中。
その間博物館で修理をし工事が終わるまで展示されているというのです。
思わず見入ってしまいますがご本尊をジロジロ見るのはちょっと失礼ですか?仏像自体は信仰の対象ですけれどもこちらに運ばれるにあたって魂を抜くという事されるんですね。
ですからこちらでは美術作品という事でご覧頂ければと思います。
ついてる…。
みんな表情違いますね。
どこから見ても罰は当たらないというので2人は大胆にも仏像の裏側へ。
まずは壁と仏像の間の隙間をよく見ると…ライトを埋め込み後ろからほのかな明かりを当てているんです。
立体的なライティングで細部まで一目瞭然。
全体を浮かび上がらせる事で仏像の背後から光が当たるという事でちょっと厳かに見えるという。
なるほど。
なかなか仏像の後ろって見えない。
見られないんですよね。
後ろからもご覧頂けるという事です。
ただし仏像の真後ろは危ないので入って頂けないので結界がしてありますんで。
井浦さんどう思います?後ろですか?後頭部?後頭部?後頭部…。
こういう見方で合ってるんですか?いや自由…自由ですもう。
そうか自由か。
アートの見方は自由という井浦さん。
おすすめは…。
おすすめは今まさに展示されてるので。
おすすめです。
はい。
大使おすすめ。
そういうふうに考えた事なかったな。
一押しです。
はい。
それはまか不思議な仏像なのだとか…。
正面から是非見てみて下さい。
あ〜何だか…。
なんと顔の中にもう一つの顔。
えっ!?これは中国の伝説の僧侶…絵描きが和尚の顔を描こうとしたところ和尚は指で自分の顔を引き裂き中から十一面観音の顔が次々と現れたというのです。
こりゃシュール!いや最初怖かったですよね。
僕も怖かったです。
何でこんなふうになってるんだろうって。
思いますよね?思います。
思いますよね。
はい。
本当に不思議だなあと思ったんですよね。
もちろん宝誌和尚という人がどういう人かとかも全然知らなかったですし。
着ている衣もものすごいシンプルじゃないですか。
はい。
言ってみれば特徴がないけど下からバ〜ッて見ていった時のあの顔に行った時にものすごい驚いて。
仏像はこんな表現をしていいんだっていう。
「えっこんなふうに造っていいんですか?仏像は」っていうのが本当にもう第一印象でもうその衝撃が大きくて。
へえ〜。
それがこの宝誌和尚との出会いでしたね。
今京博で人気ナンバーワンの仏像。
みんなこの自由な表現にくぎづけなんです。
では実際に仏像を彫っている方はどうご覧になるんでしょうか?仏師の松本さんです。
松本さんよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
52年にわたって1,000体以上の仏像を彫ってきた松本明慶さん。
京都を代表する仏師の一人です。
明慶さんのおすすめはこちら。
この観音様なんですけどね。
きれい!スタイル見て下さい。
スタイルいい〜!いいでしょう?完璧ですね。
それはあの清水寺に伝わってきたスタイル抜群の仏様。
ちょっと足を前に踏み出そうとしている動きのあるたたずまい。
細身で柔らかい体のライン。
かの天才仏師運慶作とも伝えられる仏像なのです。
この胸のラインを見てもろうても非常に柔らかいラインで。
しかもこう人体のバランスがええでしょう?これ鎌倉時代の特徴なんですけどもそして足なんかでも優雅に立つように。
モデルさんと一緒ですよ。
腰が入ってますよね。
こう左に。
そういうふうに彫ってるんですよ。
私初めてきちんと仏像を見てるんですけどどういうふうに見たら楽しめるんですか?という事は自分が好きな仏像の所に行くとまあ前から見られたり横からも一遍見て下さい。
左右の顔見られたら…こちら来てみて下さい。
すごい顔が違う…変わりますから。
この辺の角度が多分…。
それ行き過ぎますね。
この辺が一番いいと思います。
ここですここです。
いい?この顔。
顔が変わったでしょう。
本当だ。
優雅でしょう?もっと前よりも。
はい。
りりしいです。
そういうふうに変わるんですね。
右側から見るとりりしく見える仏の顔。
ところが…。
反対側から見て下さい。
もっと女性に見えるはずですから。
本当だ。
仏像には人と同じようにさまざまな表情があるというんです。
左右ね一生懸命合わせて造ってあるやつ見ると左右が顔が違うんですよ。
ポイントは目元の左右僅かな違い。
仏の顔に温かみを出すためにあえてずらして彫っているというんです。
これを左右対称にしてしまうと確かに冷たく血が通っていない感じです。
その作品はやっぱり死んでますね。
うまくは見えますけどもやっぱり硬いんです顔がね。
だからこう見えます仏さんはずっと見ても見飽きません。
仏像を鑑賞する時は表情の微妙な変化を楽しむべし。
この一体の仏像の中でどこが一番好きかっていう。
どこが一番好きか?はい。
私は肉感的な健康的なところのように見えるところが。
そうですね。
だからこうまるまると太った…。
だからみんな肉感的な感じなんですか。
へえ〜。
確かに具合の悪そうな仏像はちょっと…。
やっぱり仏様も命みなぎる健康が一番です!お次は2階に向かいましょう。
お〜!オープニング展のもう一つの目玉は秀吉と桃山文化。
秀吉!秀吉だ。
「豊臣秀吉肖像画」。
さすが天下人。
肖像画はもちろん重要文化財です。
貧しい農民から関白太政大臣に上り詰めた豊臣秀吉。
あの「軍師官兵衛」でも竹中直人さんの秀吉がおなじみですね。
この人は誰でしょうって言ったら秀吉って答えられるぐらい有名な絵ですよね。
教科書にも載ってるし。
まさにこういう顔で載ってますよね。
何通りかのパターンはあるんですけれども秀吉の顔まこんな感じというものですね。
猿って呼ばれてたんですよね。
そうですよね。
似てますもんね。
似てますね。
その雰囲気はもう。
あとはこう寒い日に織田信長の草履を温めて渡したっていう気配りのできる人っていう印象です。
ここで突然ですが山本さんからクイズです!床の方に注目して頂ければと思うんですが何か妙なモノが見えてくると思うんですが。
例えばあちらとか…。
妙なモノ?妙なモノ!?えっこれですか?はい。
あ…これですね。
これです。
これがその妙なモノ?一体何なのか…。
ここで山本さんが取り出したのは一枚の絵!謎を解く鍵はこの絵に描かれた建物なんだとか。
何だろう?これ実は…え〜?大仏殿っていうのは大仏が入っているおうちって事ですか?そうです。
秀吉が奈良の大仏より大きな大仏を京都に造った事をご存じですか?実はこの丸い印大仏が安置された方広寺大仏殿の柱があった所なんです。
秀吉が造った大仏と京都国立博物館。
ここはまさに秀吉ゆかりの場所なんです。
(山本)帯匠の山口源兵衛さんです。
よろしくお願いします。
どうも。
こんにちは。
よろしくお願いします。
井浦と申します。
青木です。
山本です。
いやもう秀吉の部屋なんていうと感無量みたいなとこありますね。
ああもう何かもう何しろインパクトがおありでというか…。
確かにすごいインパクト!どうぞよろしくお願いします。
京都の老舗帯問屋の10代目。
斬新な帯のプロデュースも手がける山口源兵衛さん。
戦国時代の衣装にほれ込み現代にその精神をよみがえらせようとしています。
背中にチョウの…。
すごい気になりますよね。
はい。
まあチョウチョっていうのは戦国武将のエンブレムです。
背中には織田信長や多くの戦国武将が好んだというチョウチョの紋。
あっ青木さん。
ちょっとよく見てみて下さい。
このチョウの羽の模様がそれこそまさに山口さんが今着られているそのものなんですね。
本当だ。
すてき〜。
それをこう重ねてるんです。
へえ〜。
源兵衛さんおすすめの一品はこれ。
秀吉が戦で鎧の上に着たという陣羽織。
なんと生地は当時インドから海を渡り伝わったとされる豪華なペルシャ絨毯。
秀吉ゆかりの寺高台寺で大切に保管されてきました。
金や銀の糸を惜しげもなく使ったつづれ織。
今でも色鮮やかです。
獲物に襲いかかる獣の模様が戦場で羽織るにはうってつけだったのかもしれません。
源兵衛さんはこの衣装から秀吉の真の姿が見えてくると言います。
衣装から見るんですよ。
衣装から秀吉が見えてこなあかんですよ。
これを着てこうふんぞり返らないといけなかった訳ですよね。
そやけど秀吉はこれを着ざるをえない天下人やったんですよね。
何で着ざるをえなかったんだと思われますか?天下人になった時のむなしさそれと不安。
そういうのを全部抱えてる裏返しやと思うんですよね。
こういう衣装を着ざるをえないっていうね。
その秀吉のある種悲しさもあると思うんですね。
源兵衛さんいわく衣装は着ていた人に思いをはせながら鑑賞すべし。
秀吉家康なんてこれ時々「誰が好きですか?」とか言いますよね。
僕それ言うレベルの人らではないと思ってるんですよ。
もうこれは3人の大天才です。
そういうふうに思うてますから。
もちろんちょっと信長好きやけどね。
そうなんですね〜。
あんまりここの部屋でそれ言うとちょっとまずい。
これ一つでこんなに盛り上がるともう一日じゃ回りきれませんね。
回りきれないですよ。
秀吉が催した花見の様子を描いた金屏風。
なんと5,000人もの一行を吉野まで引き連れていったのだとか。
金箔に彩られた豪華絢爛な品々を生み出した秀吉の桃山文化。
華やかな見た目の裏には戦国の世のさまざまな悲しみが隠されているのかもしれません。
さてここで平成知新館を離れ敷地の東の端に向かってみましょう。
京都国立博物館に茶室があるのをご存じでしたか?今日はすごい方がいらしてるのでちょっと是非中の方へ。
なかなか会えない人ですか?僕もすごい緊張しています。
初めてですか?初めてです。
え〜?堪庵と呼ばれるこの茶室。
どんなすごい方がいらっしゃるんでしょうか?入ってきたのは一人の男性。
この人は一体どんな方なのか?ヒントはズバリ名字!そうご先祖はあの千利休。
武者小路千家の第14代家元千宗守さんです。
すいません。
千利休のあの…ご子孫ですか?私は見た事はないんですけどそう言われて育ちましたから多分そうなんでしょうね。
へえ〜!利休といえば秀吉の茶会を仕切り後に対立し切腹を命じられた因縁浅からぬ人物。
今日は博物館側の格別のご厚意でつい先日まで展覧会場にありました国宝のね。
これは西行さんの大変な数少ない真筆のね一つといわれている和歌なんですが…。
和歌なんですか…。
実は国宝である西行の書を掛け軸に京博の新装オープンを祝うお茶をたててくれるというのです。
西行といえば平安時代を代表する歌人。
それにしてもかの西行の直筆。
貴重なものなのでしょうが何をどう見ればいいのか…。
書いてある字も読めないし。
でも…。
すごく美しいものだなっていう感じがします。
それでいいんですよ。
美しいでしょう?はい。
ねえ本当に確かにそうですよね。
仮名読めないんですけど。
でもじ〜っと見てるとだんだん読み解くっていう事よりかもパッと見で筆の跡がきれいだな伸びやかだなとか。
形自体が…字の形自体がきれいだなって思いますよね。
思います。
…でまあ難しい解釈はいくらでもできるんですがそれよりもこの連綿の崩し字が何とも言えない美的じゃないですか。
その美しさね。
何とも言えない仮名の美しさ。
むしろ茶の湯はそういう…もちろん思想的な事も大切ですがそういう美しさですね。
それを一緒に鑑賞するのが一つの大きな眼目になっておりますのでね。
西行の書に対して用意されたのは武者小路千家に伝わる名品の数々。
床の間には必ず花を添える事になっておりましてね。
千利休の愛用した鼓形の水差しを少し持ち出してきて。
こちらは利休好み湯の釜辻与次郎造。
この釜は千利休さんの時から使ってるっていう事ですよね。
もちろんもちろん。
じゃあ教科書に載ってるような歴史上の人物もこのお釜を見た可能性があるって事ですね。
可能性ってもう十中八九そうでしょう。
例えば誰が見てるんですか?毛利元就とかも呼ばれてるでしょうし…。
信長も…。
信長ももちろんそうです。
ひょっとしたらこれ信長「まずい」って蹴飛ばしたかも…。
感動的ですねじかに見させてもらえるというのは幸せな気分になりますね。
何となく昔習った事なのかなとか知識がないから恥ずかしいなみたいな気持ちが…。
だから恥ずかしいという気持ちがいけない。
向上心を妨げるんじゃないですか。
ぶっちゃけりゃいいじゃないですか。
そういうのを楽しむのも茶の湯の大きな醍醐味ですよね。
利休が選びに選び抜いた名品を前に互いに刀を外し一服の茶を味わった武将たち。
そこにはどんな時間が流れていたのでしょうか?お味の程は…。
どうでした?おいしいです。
それは先ほど少しお話をしました木守といいましてね。
利休が大変愛用した赤い樂茶碗。
それの少し時代を下った…それを写しといいますかね変わらず使ってきましたから。
武者小路千家で300年にわたって使われてきた利休好みの茶碗。
今もこれでお茶が飲まれているんです。
ちょっとそれ取ってこう後ろお尻見てもらえますか?お茶碗のお尻。
くるっと。
そういう時はよくそういうとこをご覧になる事ですね。
特徴がよく出るんです。
上から見ただけではそれほど特徴は分かんないお茶碗もねその後ろの高台際を見るとですね印が押してあって誰の作品かっていうのが分かるんですね。
茶器は落とさぬよう低い姿勢で鑑賞すべし。
一期一会のもてなしを彩った美しい道具たち。
京都の人たちは何百年もの間代々手に取り使いながら受け継いできたのです。
何とも奥深い京都国立博物館。
今度は今までカメラが入った事のない極秘の場所へ向かいます。
地下なのか地上なのか…全く分からない空間に来てしまいましたね。
倉庫みたいな…感じですね。
セキュリティーのため場所は秘密。
文化大使の井浦さんでさえ入った事のない謎の部屋に初めて潜入です。
なんと史上初公開!どうもこんにちは。
京都国立博物館の浅見と申します。
浅見さんよろしくお願いします。
どうぞよろしくお願いします。
専門は…。
いやまだ言うのはやめておきましょう。
中に入ってみると…。
え〜すごい。
ここは…え〜?え〜!?機械の中には1体の仏像が!これは一体どういう事か?今年4月に導入された最新鋭の美術品用のCTスキャンです。
ここからX線を出してあちら側フィルムの代わりにあそこに画像が記憶されてコンピューターで立体にするという形です。
360度…。
はい。
何か仏像が人間ドックを受けてるみたいな感じがしてすごくシュールな感じがするなって思うんですけど…。
人間ドックを受けてるって何かすごいズバリだと思うんですけど…。
そうなんですか?そうですね。
まあ例えばお像の中に何かが入ってる。
あるいはお像がどういうふうに造られてるかってそういった事が分かる。
仏像の中にはお経や仏舎利などが埋め込まれている事があります。
今までのX線調査では形だけしか分からなかったものがこの装置を使えばよりクリアーな画像で立体的に見る事ができるんです。
ではこの仏像の中はどうなっているんでしょうか?すごいすごいすごいすごい…。
測定されたデータはコンピューター画像で表示されます。
まるで実際に頭の中をのぞいているかのよう。
縦切りも横切りも自由自在。
素材の木目まではっきり分かります。
うわ〜!すご〜いですね。
内側のこの質感までも見えるっていう事ですか。
木目の上に何かこう塗っているみたいな。
しかもここが光ってるって事は金属質のものを含むものが塗ってあるっていう。
ですから恐らく朱色。
水銀を含んでる朱色が塗ってある可能性がありますね。
これは初めて今日CTを撮った事によって分かる。
まあ朱かどうかはまだはっきり分かりませんけれども。
その可能性があるという…。
そしてもう一つ分かった事が…。
なんと顔の中に2つも顔があったのです。
まずは心木と呼ばれる木で出来た土台に彫られた顔。
その上には木の粉に漆を混ぜてペースト状にしたものが2層にわたって顔の形に塗り重ねられていたんです。
じゃあそれはどういう事なのかっていうのはこれから解釈を考えていく。
過去を知って好きなものをひもといていくというんですかね。
その作業ってすごく魅力的だし。
すごいですね。
そして最後は今からおよそ120年前に造られた明治古都館へ。
こちらの建物も重要文化財。
その前には連日のように長〜い行列が出来ています。
お目当てはそうあれです!人気ナンバーワンの国宝「鳥獣人物戯画」。
青木さん今回この「鳥獣戯画」の修復を携われた岡さんです。
初めまして。
青木です。
岡です。
よろしくお願いします。
およそ130年ぶりに「鳥獣人物戯画」を修理した工房の代表者です。
「鳥獣戯画」は知ってますよ。
教科書に載ってますもんね。
京都の北西栂尾にある古刹高山寺。
この山寺で代々受け継がれてきた「鳥獣人物戯画」。
日本のアニメのルーツだと親しまれるこの絵巻物が4年間の全面修理を終え一挙公開されているんです。
あ〜木があってウサギと猿が…。
最初の巻は全長およそ11m。
長すぎるので半分ずつ展示してあります。
最初に登場してきたのは猿とウサギなんですね。
本当だ。
水遊びしてるのかな?ねえ。
最初に登場するのは猿やウサギなどの動物たち。
しぐさはまるで人のようです。
これが800年以上前に描かれたなんて驚きです。
ここで弓を射る競技を…。
へえ〜。
的なんですね。
的が蓮の葉っぱでウサギがこう…。
ウサギチームとカエルチームに分かれて弓を射って。
へえ〜。
かわいらしいですよね。
これのTシャツちょっと欲しくなりますもんね。
なりますね。
平安時代鳥羽僧正が描いたともいわれてきましたが実ははっきりした事は何も分かっていません。
これほど有名な国宝なのに謎だらけの絵巻物。
でも今回の全面修理でいろいろな新事実が分かってきたというのです。
こうやって見て今普通にうわ〜カエルがウサギがってなるんですけどもものすごい冷静に見ると本当にきれいになったなって思うんですけども…。
へえ〜。
あっそうですか。
「鳥獣人物戯画」の始まりの場面。
修理前はびっくり!ボロボロだったんですね。
どうやったんですか?こういう巻物というのは紙に描かれているんですけどその裏側に和紙がのり付けされてます。
裏打ち紙という…それがもう弱ってしまっていたので。
今回の修理ではこの裏についている紙を取り除いて…。
基本的に水で時間をかけて直していくっていう事になるんですか?のりは水に溶けますから少し湿りを与えるとのりが緩んで裏打ち紙が自然に取れると。
昔と同じように小麦のでんぷんを自分たちで鍋で煮たのりを使って裏打ちをまたすると。
紙や布に描かれてきた日本の伝統絵画はとてもデリケート。
保存も難しく定期的な修理が必要です。
装師と呼ばれる修理の仕事は実は奈良時代からありました。
「鳥獣人物戯画」を今もこうして見る事ができるのも高度な修理技術のおかげなのです。
そして今回の修理で驚きの新事実が発見されました。
その一つが紙の質。
後半部分が描かれた紙に見つかった黒い点。
これはリサイクル紙だったという証拠なんだとか。
つまり前半と後半は明らかに違う紙に描かれていたのです。
前半と後半でどうして紙がそんなに違うのか。
違うのか。
ですから…分からない訳ですよね。
おっと〜。
そういう謎が解き明かされるというか少しでもその謎に近づいていくお話聞くとドキドキしますね。
え〜もう一つご紹介するのが3巻目の丙巻が非常に興味深い事が分かりました。
(井浦青木)えっ!?修理を通して…。
青木さん来ましたね。
それをじゃあちょっと見て頂けますか。
別の部屋がありますので…。
見ますか?是非お願いします。
見ますか?是非お願いします。
行きましょう。
3巻目には何が見つかったのか?早速向かってみると…。
これが3巻目ですか?「鳥獣人物戯画」丙巻。
前半に描かれているのは動物ではなくさまざまな遊びに興じる人々の姿。
当時はやっていたんでしょうか。
楽しそうに。
でも何か裸の…裸の人がいますよ。
本当だ。
赤ちゃんも。
赤ちゃんいて…。
あと耳引き。
耳で引っ張り合う。
耳引き。
どうやったら勝ちなんだろう?倒した方が勝ち。
倒す…。
…で首引き。
首引き。
うわ〜。
何か危険な遊びが多い。
危険な遊びが多いですね。
問題の場所はこの危険な遊びが終わったあとにやって来ます。
ここで犬がいて。
はい。
ここで突然またウサギと猿とカエルの甲巻に似たようなものが擬人化したものがここから突然始まります。
本当だ。
どういう事ですか?唐突ですよね。
唐突すぎますね。
これが全く研究でも分かっていなかったですね。
なぜか場面転換。
全然脈絡がない。
それがですね実は…。
分かったんですか?はい。
分かった!?人から動物への唐突な場面転換。
これは一体どういう事か?謎を解く鍵は意外なものでした。
黒い墨の丸い染みがありますね。
はい。
こっちもありますよね。
はいありますね。
すっごい気になってました。
こういうようにこの後半また10枚分ぐらいこの擬人化されたものがどんどん続くんですけども実は…それをどこかの時点で両面なので1枚の紙をこうピュ〜ッと相剥ぎというんですが1枚の紙を2枚にそぎ取って…でつなぎ合わせた。
謎解明の手がかりになった染み。
人物側と動物側両方についていたこの染みは実は同じものだったのです!1枚の紙の表と裏に描かれた人の姿と動物の姿。
どちらも1枚にして残したかったので紙を剥がして2枚にしました。
表と裏に描かれていた全く違う場面。
これをつなげて一本の巻物に仕立て上げたため不自然な場面転換になってしまったのです。
ちょっと感動ですよね。
だってそれを直していくっていう修復していくっていう事から分かるっていうのがすごいですよね本当に。
これで修理が一旦終わりましたけれども必ずまた100年200年たつと我々が仕立てたのりも弱ってきます。
そうすると恐らく200年ぐらいすると誰かがまたそれを取り替えてまたこれ以上悪くならないように修理をすると。
そういう人たちに恥ずかしくないような仕事をしたいというのが装師が大体みんな心の中で思っている事ですね。
100年の時を超えみやこの美を守り続ける京都国立博物館。
一つ一つの名品にはそれを生み出し使い伝え続けてきた京都の人々の熱い思いが息づいているのです。
青木さん刺激的な時間でしたね。
心がものすごい動いている状態なんですけど。
何回も見てる訳じゃないですか井浦さん私と違って。
それでもそういう気持ちになりますか?なります。
陣羽織をこう秀吉が着ているんだとかやっぱりその文化財のその先にはやはり人っていうものが必ずあるという。
今日結構たくさん見ましたし長時間見ましたけど何か序章にすぎないって気がするんですよ。
なるほど。
ただ一つだけ…歩きやすい靴で来るべきだなっていうふうに思いました。
すごい。
そういうところも大事なんですよ。
そうですか?絶対そうですよ。
2人の話は尽きないようですが本日はこの辺で…。
2014/11/03(月) 08:15〜09:00
NHK総合1・神戸
大探検!京都国立博物館〜みやこの美へようこそ[字]
京都国立博物館の新装開館展には、彫刻、絵巻、書蹟、陶芸まで国宝62点重文130点が勢ぞろい。俳優の井浦新、青木さやかが京都の伝統美と京博の魅力を徹底紹介する。
詳細情報
番組内容
9月に新装開館した京都国立博物館。完成お披露目展は、彫刻、絵巻から書蹟、染色、陶芸まで国宝62点重文130点が勢ぞろい。同時に開催中の「鳥獣戯画展」も連日満員が続く。今回のリニューアルでは、茶室を取りまく庭園も改装され新たな見どころにもなっている。美しい紅葉の季節。新しくなった京博の魅力を徹底的に紹介する。【出演】井浦新、青木さやか、千宗守(武者小路千家家元)、松本明慶(仏師)、山口源兵衛(帯匠)
出演者
【出演】井浦新,青木さやか,仏師…松本明慶,武者小路千家家元…千宗守,帯問屋・誉田屋源兵衛社長…山口源兵衛,文化財修復岡墨光堂社長…岡岩太郎,京都国立博物館美術室長…山本英男,【語り】勝村政信
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
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