地球ドラマチック「土の不思議〜解明!生命を育む力〜」 2014.11.03

春。
植物は芽吹きの時を迎えます。
植物の命を支えているのが「土」です。
クリス・ビアードショーは岩のデザインを手がけるガーデンデザイナーです。
ガーデンデザイナーの仕事は常に土に左右されます。
土と向き合ってきたクリスは土に秘められた自然の不思議に迫ります。
地球はかつて何十億年もの間このようなむき出しの岩に覆われていました。
不毛な生命の存在しない場所です。
地球を生命に満ちた活気あふれる場所に変化させたものそれが土です。
土はどのように誕生したのか?何からできていてなぜ生命にとって重要なのか?ずっと関心がありました。
クリスは土を徹底的に調査する事にしました。
見えてきたのはこれまで知られていなかった土の姿。
複雑で奇妙な命あふれる世界です。
土は私たちがふだん目にしているよりもずっと複雑で入り組んだもろいものです。
そのすばらしさには驚かされます。
土を見る目がきっと変わりますよ。
土の不思議を解明するため調査に乗り出したガーデンデザイナーのクリス・ビアードショー。
まずは森で土を掘ります。
植物は生きていくために必要な栄養を土から得ています。
土には養分があるからです。
畑などに肥料をまくのは土の養分を補うためです。
何度も植物を育てると養分が失われますからね。
一方このような自然の森の中では植物はもともと土に含まれる養分によって支えられています。
畑や庭なら人間が肥料をまく事で養分を補う事ができます。
では自然の土はどのようにして養分を補っているのでしょうか。
森の土には冬の終わりでも植物の栄養の基になるものがたくさん落ちています。
枯れ葉です。
木から落ちたね。
でもこのままでは植物は栄養を吸収する事ができません。
枯れ葉や枯れ枝の中には養分が眠っていますが植物が直接吸収するには硬すぎます。
養分はどのようにして植物に届けられるのでしょうか?これはただのスコップではありません。
研究用の器具なんです。
蓋を外すと地表に近い土の層の断面を見る事ができます。
一番上には枯れ葉の層があります。
冬の間に落ちた葉などがそのままの状態で残っています。
その下の層は上の層よりも色が濃いですね。
粉々になった枯れ葉がギュッと詰まっています。
更に下が土の表面の層です。
土はこのようにさまざまな層に分かれています。
こうした土の層の断面を「土壌断面」と言います。
下の層にいけばいくほど葉や枝は細かく砕かれ最後には分からなくなります。
葉や枝は時間と共に分解され中に含まれている養分が土の中に解き放たれます。
自然の中で最も重要なプロセスの一つです。
分解のプロセスは意外な生き物の活躍によって始まります。
クリスは菌類学者リン・ボディーと共にその生き物を探す事にしました。
こけが生えていますね。
ええここならいるかも。
そっと裏返してみましょう。
すごい。
いい感じね。
まるでクモの巣に覆われているかのようですね。
そうこれが菌類です。
菌類は養分を放出して植物の成長を支えています。
菌類の体は「菌糸体」と呼ばれるとても細い糸状のものでできています。
通常は肉眼では見えませんがここでは集まってひものような形になっているのではっきりと見えるでしょ?なぜ糸状なんでしょう?菌糸体の役割は新たな食料を探す事です。
元いた場所から糸を伸ばし枯れ葉や枯れ枝などを探します。
そして枯れた植物を見つけたら酵素を出して組織を分解していきます。
枯れ葉や枯れ枝などを分解し養分を土に解き放つ。
菌類はこのたぐいまれな能力によって自然界において重要な役割を果たしています。
菌類がいなくなれば地球は枯れた植物で埋め尽くされるでしょう。
枯れ葉は分解されず新たな植物も育たないはずです。
菌類が枯れ葉などを分解すると「腐植」と呼ばれる物質ができます。
この腐植によって菌類は私たちの目には見えないある世界を支えています。
特殊な顕微鏡を使ってその知られざる世界をのぞき見る事ができます。
奇妙な形をした無数の生物がうごめいています。
このどれもが菌類が放つ養分で生きています。
土は小さな生物たちの王国なのです。
菌類に取り出された養分は生物が動き回る事によって土全体に行き渡ります。
植物が育つ肥沃な土はこうして作り出されるのです。
しかし菌の力だけでは枯れ葉や枯れ枝などを全て分解する事は不可能です。
そこでクリスは土に大きな影響を与えるある生物を探しにいく事にしました。
生態系には鍵になる生物というのがいます。
「その生物の働きによって他の多くの命が支えられている」なんて事もあるんです。
この草地にはその鍵となる生物がおそらく200万匹以上生息しています。
僕が何を探しているか分かりますか?長年庭や畑で人々を感心させてきた生き物。
世界一優秀なガーデナーです。
いました。
ミミズです。
ミミズが土に与える影響は絶大です。
ミミズが地中に掘った穴はまるで巨大な換気装置のように土全体に空気を巡らせます。
生きる上で欠かせない空気をミミズのおかげで得る地中の生き物もいます。
またミミズは菌類と同じく枯れ葉を食べて消化しふんの形で養分を土に戻します。
ミミズが土に与える恩恵はそれだけではありません。
環境科学者マーク・ホドソンはミミズが何をどのように食べているかを研究しています。
ミミズって面白いんですよ。
雨のあと外へ出るとよく目にしますよね。
ミミズは日中は土の中で過ごし夜になると地表に出てきて食べ物を探します。
中にはお尻は穴の中に残したまま体を伸ばして食べ物を探したり食べたりするものもいます。
消化されたものはお尻から排せつされます。
この排せつされたふんが土を肥沃にするんです。
ミミズは驚くべき量の枯れ葉を分解します。
まるで枯れ葉を処理する巨大な工場です。
細長いチューブのような体の中で一体何が起きているのでしょうか?ホドソンはある実験をしました。
土とミミズのふんのサンプルを比較します。
その結果ミミズの体内である生物が活動している痕跡を見つけました。
バクテリアです。
シャーレに付いた丸い点はバクテリアのコロニーです。
ミミズのふんの方が土よりも多くのバクテリアが繁殖しています。
ミミズの体内にはもともとバクテリアが生息しています。
ミミズの消化器官は程よい湿気があり中性でバクテリアが生息するのに適した環境だからです。
バクテリアも枯れ葉などを分解します。
地中では無数のバクテリアが活動しています。
工場の生産ラインのように枯れ葉などを次々と養分の豊富な土に生まれ変わらせます。
しかもその活動はミミズによって驚くほど活発になります。
ミミズが排出したふんには周りの土壌と比べてバクテリアがおよそ1,000倍も活発に活動している事が分かっています。
つまり「ミミズがバクテリアの活動を活性化させている」という事です。
枯れ葉などに含まれる養分を土にかえす。
命の循環を完成させているのはミミズの体内に潜むバクテリアだったのです。
土と言えば「冷たく生気のないもの」をイメージするかもしれません。
しかし土の中には水中や地上空中よりも多くの生物がいます。
それらの生物はただバラバラに生息している訳ではありません。
地上の生命を支えるために複雑に連携し合っているんです。
命を育む土。
その土を支えているのが菌類やミミズバクテリアなどの生物です。
死んだ命から新たな命へと養分を受け渡し新しい土を作ります。
その結果土は養分を補給し続ける事ができより多くの命が育まれるのです。
それでは土はもともと何からできているのか?地中奥深くには何があるのか?クリスはある実験をする事にしました。
ここに地表の土が入っています。
火であぶり植物からできた土の割合を調べます。
100%植物性なら全て燃え尽きるはずです。
土には植物以外の物質も混ざっているのでしょうか?およそ100グラムの土を火にかけます。
火にかける事で徐々に色が変わってきました。
初めは茶色だったのがすっかり黒っぽい色になっています。
燃え残った炭のようです。
土に含まれていた植物からできた物質が燃えて無くなる事で土の粒子がバラバラになってきています。
植物からできた物質は燃えて大気中へと消えていきます。
15分ほど強火であぶったあと再び土の重さを測ります。
およそ100グラムあった土が70グラムに減っています。
この土のおよそ30%は植物からできていて残りは植物以外の物質だという事です。
焼け残ったのは一体何なのでしょうか?クリスは地層の深い部分までむき出しになった森を訪れました。
ここでは普通なら見られない土壌の断面を観察する事ができます。
さまざまな物質でできた土の層があるのが分かります。
一番上には植物の層がありその下にはさまざまな種類の層が重なっています。
色や手触りが少しずつ違います。
そして上の層から下の層へと木や植物の根が突き抜けています。
しかし更に下の層を見ていくと植物からできた色の濃い土は見当たりません。
様子がだいぶ異なります。
この層は主に岩の破片でできています。
更に下が岩盤の層です。
この2つの層に含まれる岩の破片が土が生成される時の基礎になっているんです。
岩の破片は岩盤から地表まで土全体に含まれます。
土を火であぶった時に焼け残ったのは主にこの「岩からできた物質」だったのです。
岩からできた物質は粒の大きさによって砂シルトそして粘土の3種類に分けられます。
大きさの違いは土にどのように作用するのでしょうか?どのような実験なんでしょうか?3つのシリンダーを用意しそれぞれ砂シルトそして粘土を入れました。
ここに液体を注ぎどのように浸透していくかを見ていきます。
砂は素早くしみ込みます。
粘土はゆっくりです。
シルトはその中間です。
「土に水が浸透するスピード」いわゆる「水はけ」は岩からできた物質の粒の大きさによって変わります。
スピードがなぜ変わるのかはそれぞれを細かく見ていけば分かります。
この研究所では特殊な電子顕微鏡を使って土を詳しく調査しています。
これは3種類の成分を400倍に拡大した画像です。
3種類の画像を用意しました。
左から砂シルトそして下が粘土です。
粘土の画像を見ると粒子がギュッと詰まっているのが分かります。
粒子の間にほとんど隙間が空いていません。
一方砂は粘土と比べて粒子が大きく重なり合っている部分もありますが全体的に大きく隙間が空いています。
砂の通気性が良く水はけも良いのはこの隙間があるからなんです。
注目すべきは粒子の密度だけではありません。
仮にこのメモブロックを砂の粒子だとしましょう。
粒子は1つなので表面となるのは6つの面しかありません。
一方これが同じ量の粘土だった場合はどうなるかと言うと粘土は砂と比べて粒子が細かいため粒子の数が増えます。
数が多い分表面積が格段に増えるんです。
表面積にはどのような役割があるんでしょうか?水との関係は?粘土で興味深いのは粘土が表面に電気を帯びている点です。
そのため水に溶けた養分が表面にくっつきやすくなっているんです。
粘土は表面積が大きいためたくさんの養分が引き寄せられます。
この養分がやがて植物に届けられます。
粘土の粒子は表面の電気によって養分と水分を吸着します。
吸着した養分や水分は植物や動物の成長を支えます。
しかし問題もあります。
粘土が多すぎると土が水を含みすぎ水はけが悪くなるのです。
一方砂が多すぎると水はけが良すぎて養分が水と共に流れてしまい乾いた土になります。
ではどんなものが良い土なんですか?こちらがその画像です。
大きさの異なる砂の粒子があちこちに散らばっています。
また間には粘土やシルトの粒子も混ざっています。
なるほどこれが水はけが良く適度な湿度と養分のある理想の土なんですね。
微生物の働きはどうなんでしょう?微生物が生息しやすい環境になっています。
この画像の土は砂と粘土そしてシルトの粒子が絶妙に混ざりあった良い土の典型的な例だと言えます。
土は全く異なる2つの世界からできています。
生命に満ちた世界と冷たい岩の世界です。
2つが合わさる事で土は作られ植物は水と栄養を得ます。
では生命と岩はいつどのようにして結びつき土が誕生したのでしょうか?土が誕生した謎を解き明かすためには地球上に土が現れる前の時代までさかのぼらなければなりません。
ここはイギリスにある「ヨークシャー・デールズ国立公園」。
石灰岩の断崖は氷によって削られてできました。
この場所ははるか昔まだ土が存在しなかった頃の地球がどんな様子だったかヒントを与えてくれます。
氷河期の終わりになると気温は上昇し氷が解けて岩がこのようにむき出しになりました。
やがてここでも土が形成されましたが流されとどまる事はありませんでした。
つまりここにあるのは比較的新しい土だという事です。
土は今も作られ続けています。
むき出しの岩から生命を育む土へと変化しているんです。
土壌学者スティーブン・ノートクリフは土ができる過程を研究しています。
土が誕生するために最初に必要なのは岩が崩れる事です。
ここでもその最初のステップが見られます。
岩は隙間に氷ができる事で割れていきます。
水は凍ると膨張するからです。
水は凍ると膨張し岩を割るほどの力が生じます。
氷に岩を割るほどの力があるとは驚きました。
岩の割れ目という閉ざされた空間の中で膨張するためです。
氷は横に向かって広がるしかありません。
それによって岩が割れる訳です。
膨張という物理的な力によって岩が破壊されていくこの現象は「物理的風化作用」と呼ばれます。
しかしこれだけではまだ土はできません。
更なる現象が起こる必要があります。
雨です。
石灰岩に塩酸を落とします。
反応していますね。
音がします。
すごい勢いだ。
ええ。
この実験は雨が降るたびに石灰岩に起きている現象を誇張したものです。
雨は弱酸性です。
酸性の雨が石灰岩に落ちるとどうなるか?石灰岩は溶けていくんです。
この実験のように?そうそのとおり。
雨に当たる事で岩が少しずつ溶けていくこの現象を「化学的風化作用」と言います。
土への2つ目のステップです。
雨が岩を溶かしていく様子を確認するためより強い酸を使って実験をします。
岩はほとんど溶けあとには砂のようなものが残ります。
この砂のような岩の破片が土の基です。
ここから土が生成されていくんです。
この岩の破片はまだ土とは呼べません。
重要なものが欠けているからです。
生命です。
しかし岩肌をよく見るとあるものに覆われている事が分かります。
地衣類です。
地衣類は藻類と菌類が結びついてできた共生体です。
地衣類は岩も分解し内側の栄養を吸い取って成長します。
地衣類は長い年月をかけて広がり死んだ地衣類の上には新しい地衣類が成長します。
死んだ地衣類が雨で溶けた岩の破片と混ざる事で土が誕生するのです。
土は生命のほとんどない岩の世界と生命にあふれた地上の世界が出会う場所です。
そこには驚くほど複雑でとても繊細な生態系が広がっています。
生物は枯れ葉や枯れ枝などを分解し岩を砕く事で土を生み出します。
一方で生物は土に依存しています。
栄養や水分生きる場所を土に与えてもらっているからです。
土と生命は絶妙なバランスの上に成り立っています。
土が脅かされれば生命も脅かされます。
今太古から続く生命と土のバランスがかつてない脅威にさらされています。
要因は人類です。
「人類が農耕を始めた」と考えられるのが今からおよそ1万年前。
地質学的な時間で考えればほんの一瞬です。
でもそのほんの僅かの間に人類はかつてないほど土を大きく変化させてきました。
土を掘り切り開き耕しそして時には土から水を抜いてきました。
こうした行為が想定外の結果を引き起こす事もあります。
イギリス東部のイースト・アングリアは湿地や小川が集まる場所として有名です。
しかし今ではほんの一部しか残っていません。
人々はたび重なる洪水に悩まされてきました。
そこで17世紀以降この土地で幾度となく排水が繰り返されてきたんです。
排水によって思いもよらない事態が起こりました。
地盤が沈下し始めたのです。
地主のウィリアム・ウェルズは地盤が沈下する過程を記録しようと考え長いポールを先がすっかり隠れるまで地中深くに埋めました。
そのポールがこちらです。
ポールの先端がもともとの地面の高さです。
1850年以降この一帯は4メートルも沈みイギリスで最も海抜の低い場所の一つになりました。
地盤沈下が人間のせいで起きた事は明らかです。
しかしなぜ沈んだんでしょうか?そしてその影響は?土壌学者イアン・ホルマンはこの一帯を広範囲にわたって調査してきました。
湿地では「泥炭」と呼ばれる特殊な土が見られます。
まずは土壌の断面を調べます。
きれいに採れた。
ええ。
泥炭は湿地帯などの土が水につかった環境で形成されます。
含まれる酸素が少なく酸性です。
水浸しで酸素がなく酸性という環境では地中のバクテリアやその他の微生物が枯れ葉などを分解するスピードが遅くなります。
そのため枯れ葉などが分解されないまま少しずつ堆積していくんです。
枯れた植物が分解されずそのまま蓄積される。
これが重要な意味を持っています。
植物は大気中の二酸化炭素を吸収して成長します。
植物が枯れたあと分解されないと植物が吸収した二酸化炭素は土の中に閉じ込められます。
泥炭は大気中の二酸化炭素を地中に蓄えておく上で大きな役割を果たしていました。
しかし水を取り除くとバランスが崩れます。
土に酸素が入り込みバクテリアや菌類の活動が活発になるからです。
イースト・アングリアでも土のバランスが崩れ深刻な事態が起きています。
調査の結果この一帯では毎年400万立方メートルの泥炭が失われている事が明らかになりました。
活発になった微生物は泥炭の中の枯れ葉などを分解して二酸化炭素を放出します。
そうなると年に100万トンから150万トンの二酸化炭素が放出されている事になります。
環境が変わった事で本来ならば土の中に閉じ込められているはずの二酸化炭素が放出されてしまっているんです。
最悪の事態ですよね。
二酸化炭素を蓄えてくれる泥炭が失われているだけでなく大気中に二酸化炭素が放出されているんですから。
そうですね。
4メートルもの泥炭層がたった数十年のうちに消えてしまいました。
これだけの泥炭が生成されるには何千年もの時間がかかったと考えられています。
20世紀に入ると更に深刻な事態が発生します。
アメリカ中西部を南北に走るグレート・プレーンズは1930年代に農地に生まれ変わりました。
これが大惨事につながります。
大規模な農業活動の結果土のバランスが崩れてしまったのです。
日照りが続くと土は乾燥し風に飛ばされて巨大な砂嵐を巻き起こしました。
およそ40万平方キロメートルの土地が被害を受け1940年までに250万人が移住を余儀なくされました。
それはアメリカ史上まれに見る大災害でした。
しかし今私たちを取り巻く問題は深刻さを増しています。
世界の人口は70億を超えています。
過去これほどの人口が暮らしていた事はありません。
人間は現在より多くの収穫を望みかつてないほど土に依存しています。
食料を得るために私たちは土を耕し肥料をやり手を入れ続けています。
その結果土の繊細なバランスは崩れてしまいました。
これは非常に深刻な問題です。
食糧危機について考えるならまずは土壌の危機を考えるべきかもしれません。
イギリス南西部のある農地は危機的な状況に陥っていました。
アスパラガスを栽培しているジョン・チンはある日畑が浸食されているのを発見しました。
栽培で弱った土が作物もろとも雨に流されていたのです。
土が侵食された原因は何だったんですか?栽培方法に問題があったんでしょうか?原因は2つありました。
1つ目は土が常にむき出しだった事。
2つ目は水はけが良くなるように斜面に沿ってまっすぐに作物を植えて水が流れるように工夫していた事です。
その結果ものすごいスピードで水が流れるようになりました。
しかも畑の土を一緒に運んでいってしまったんです。
水はおそらく水路か道路まで流れ出しあとには溝が残りました。
溝は斜面を下るほど深くなりました。
これに豪雨が追い打ちをかけ畑は壊滅的な被害を受けました。
土壌学者のロブ・シモンズは雨による土の浸食を研究しています。
雨は雨粒の質量と速度によって運動エネルギーが変わります。
雨が降るという事はその分の運動エネルギーが土の表面に衝突するという事なんです。
土はダメージを受けます。
雨が強くなると短期間に大きなエネルギーが発生します。
また雨粒が大きくなると運動エネルギーが増し土の表面により大きなダメージを与えます。
集中豪雨とか?ええ近年増えています。
実験から大量の雨が降ると水はその場所にとどまる事なく土と共に流れ出す事が明らかになりました。
科学者たちはこの現象を「土壌流出」と呼んでいます。
あっという間に土壌流出が起きました。
広い畑だったら大問題ですね。
土壌流出を防ぐにはどうすればいいんでしょう?畑でもできる対策はありますか?もちろんです。
でもまず行ってみないと。
太陽の下?そうですね。
シモンズは土壌流出に見舞われたアスパラガス生産者のジョンに3つのアドバイスをしました。
どれも驚くほど簡単な対処法です。
1つ目は斜面に沿ってまっすぐに作物を植えず斜めに作付けする事。
2つ目は間に草を生やす事。
こうする事で水の流れを遅らせ土を浸食する力を減らします。
シモンズは更に雨からエネルギーを奪う方法を考案しました。
3つ目の対策です。
降雨シミュレーターを2つ用意しました。
一方にはむき出しの溝もう一方にはわらで覆った溝を作りました。
水を降らせてみましょう。
わらはいわば毛布のように雨のエネルギーを吸収します。
また水も多少吸収するので土が流出するのを遅らせます。
むき出しの溝とわらで覆った溝。
2つを比べると違いは明らかです。
むき出しの土に雨が当たると土はダメージを受けすぐに水と共に流れ始めます。
一方わらで覆うとわらが雨の衝撃を吸収するため雨は土に当たる前に砕け散ります。
水もほんの少し流れる程度です。
雨のエネルギーを吸収する事で土が侵食されるのを防ぐ事ができるんです。
シモンズが提案した農法は周囲の農家にも受け入れられました。
過去の過ちから学び貴重な資源である土を守る動きは徐々に広がっています。
人類と土の間には常に波乱に満ちた歴史がありました。
私たちはようやく土がいかに貴重なものであるかを理解し大切にするようになったんです。
地球上で最も重要な資源の一つ土。
土は複雑で繊細な生き物の王国であり生命と岩が出会う場所でもあります。
それぞれが相互に作用する事で土が生まれ生命は支えられているのです。
今度土の上を歩く時は足元に隠れた豊かな世界を思い起こしてみて下さい。
2014/11/03(月) 00:00〜00:45
NHKEテレ1大阪
地球ドラマチック「土の不思議〜解明!生命を育む力〜」[二][字][再]

土はどこからきて、何でできているのか?身近な土の知られざる真実に迫る。植物を育み、生き物の命を支える土は枯葉などがミミズや菌により分解されることで生まれる。

詳細情報
番組内容
土の成分は主に2つ。枯葉や木の枝が分解されたものと岩だ。枯葉などは菌やミミズの力で分解され、養分が土に放たれる。この養分を使って植物が育ち、多くの生き物の命を支える。一方、さまざまな粒の大きさの岩が混ざることで、土は適度に水分を保つことができる。長い年月をかけて土が作られる過程を追う。今、土が急速に失われている。宅地化や農地開拓が要因の一つだ。どうすれば土を守ることができるのか?(2014年英国)
出演者
【語り】渡辺徹

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
ドキュメンタリー/教養 – 宇宙・科学・医学
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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日本語
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