赤道に近い小さな島
驚くべき巨大生物が発見されたのは
100年あまり前のことでした
コモドオオトカゲまたの名を…
縄張り意識が強く性格は凶暴
たとえ仲間でも彼らは容赦なく攻撃をしかけることがあります
それがコモドドラゴンなのです
今日の世界遺産は…
まるで恐竜がかっ歩していた時代を思わせる光景です
彼らを絶滅から守ったのは…
そこは魚達の楽園でもありました
コモドドラゴンの生息地はインドネシアのコモド島と
周辺の小島に限られています
熱帯というのに島にはジャングルが見当たりません
木々もまばらな乾燥した大地がドラゴン達の住みかです
第一の驚きは…
彼らは人間が暮らす場所にも平然と出没します
レンジャーの同行なしに観光客が島を歩くことは
認められていません
かつて村人が何度も襲われているのです
歩いているときうっかりドラゴンの尻尾を踏んでしまいましたそのときにやられた傷がこれです大きな爪でひっかかれました
幼い子供が犠牲になったこともありました
悲惨な事故は毎年のように起きています
この鋭い爪を立てられたら確かにひとたまりもありません
何とも不気味なのは25センチもある長い舌です
舌は獲物のにおいをキャッチし位置を知る役目を果たします
二股に分かれた先端で
別々の方向から漂うにおいをとらえるのです
風向きによっては
10キロあまり離れた獲物さえ見つけ出します
口に入る生き物は何でも食べてしまうコモドドラゴン
主に狙うのは野生のシカやイノシシです
サルが餌食になることもあるといいます
国立公園の協力を得て死肉を置いてみました
何と骨ごと丸のみです
強じんな首の力で肉をひきちぎります
彼らは最も原始的なトカゲの生き残り
獲物の奪い合いも珍しくありません
コモドドラゴンは体重100キロの体に
80キロもの餌を詰め込むことができます
食欲が満たされれば木陰を選んで昼寝
一度満腹になると1ヵ月以上も何も食べなくて平気です
は虫類が食物連鎖の頂点に君臨する世界
ここは極めて特殊な島なのです
レンジャーが何かを見つけました
ドラゴンの赤ん坊がいますよ
生後6ヵ月の子供
体が小さい間コモドドラゴンは木の上で暮らします
親は一切面倒を見ません
ヘビや小さなトカゲそれに昆虫などを自力で捕らえ
成長していきます
地上におりるのは体長が1.5メートルを超える2歳頃
樹上で生活するのは大人に狙われないようにするため
コモドドラゴンは共食いをすることがあるのです
大人はもう木に登れません
コモド島には一ヵ所だけ集落があります
高床式の住居はドラゴンの侵入を防ぐためです
生活しているのは1700人ほど
漁業と観光で生計をたてています
木彫りのドラゴンは人気の高い土産物
島には不思議な伝説が語り継がれていました
遠い昔双子が生まれたんだよ一人は人間の男の子で一人はコモドドラゴンだったのさだからドラゴンは私達の仲間なんだ
村人達はドラゴンへの親しみを込めて
地元の言葉で「オラ」兄弟と呼びます
昼寝をしている間は
近づいても危険はないそうです
コモドドラゴンは変温動物なので
自分で体温を調節することができません
朝は体を温めることから始まります
島のビーチは日光浴に最適です
第二の驚きは…
複雑な潮の流れがコモドドラゴンの楽園を守りました
島を取り巻く海も世界遺産の一部です
コモド島の周辺は海面が激しく波立ち
渦を巻く様子も見られます
ゴムボートなどでうかつに近づくと渦に巻き込まれ
コントロールを失ってしまいます
上空から見るととりわけ小島の周りで
うねりが強いことが分かります
一体なぜ激しい流れが生まれるのでしょう?
秘密はその地形にありました
コモド島の南北を走る海流は…
それが激しいうねりを生むのです
海の中をのぞいてみるとまるで嵐のようでした
魚達も強い流れに翻弄されています
そしてこの激流が豊かな海を育んでいたのです
マンタも姿を見せました
インドネシアコモド島の海
そこは世界でもまれに見る潮の速さで知られています
腕に自慢のダイバーさえ岩をつかんでいないと
流されてしまうほど
しかし海の生き物にとってここは理想的な環境です
激しい流れが栄養豊富な深海の水を巻き上げ
大量のプランクトンを育むためです
強いあごの力でサンゴをかじっているのはブダイ
ゆらゆらと揺れるサンゴは触手を伸ばして
プランクトンを捕まえています
世界最大のエイマンタもやってきました
胸ビレを広げると5メートル
大きく口を広げてプランクトンを飲み込みます
サンゴ礁の崖を抜けると不思議な光景に出くわしました
泡が噴き出しています
コモド島を含むこの海域は火山地帯
火山ガスが発生しているのです
80度の温泉が湧き出している場所もあります
海底火山の噴火が無数の島々をつくり上げました
激流に阻まれた島には
コモドオオトカゲの天敵が渡ってくることもありません
だからこそここは彼らの安住の地となったのです
国立公園の隣の島フローレス島は
ドラゴン観光の拠点です
公園内には宿泊施設がありません
船で寝泊まりしながら島を巡ります
港の一角に市場がありました
エイをはじめ大きな魚が並ぶのは
海が豊かであることの証しです
屋台ではお好みの魚を
お好みのやり方で調理してくれます
こちらは小ぶりなハタの炭火焼き
揚げ物だってOKです
海を眺めながらのひととき
インドネシア名物とびきり辛いチリソースでいただきます
第三の驚きは…
コモドドラゴンはまだまだ謎の多い生き物です
地元の研究チームがワナで捕獲し
生息数や健康状態をチェックしています
1時間もすると肉のにおいを嗅ぎつけたドラゴンが現れました
おりの一番奥に餌が仕掛けてあります
入り込んだらもう出られません
生態調査で確認された生息数はわずか3000頭足らず
彼らは今絶滅が危ぶまれているのです
身動きがとれなくなったドラゴンを4人がかりで引きずり出します
真っ先に足を縛り暴れないように
続いてテープで口をふさぎます
こうすれば噛まれることもありません
捕獲したのは全長3メートル7センチのオスでした
尻尾の付け根の太さを測ると…
(ムハマッド)59センチですコモドドラゴンが健康かどうかは尻尾の太さを見ると分かるんですこいつは59センチですから十分健康でしょう
オスの寿命はメスの2倍にあたる60年ほど
このオスは推定50歳で体重100キロを超えていました
この爪を見てくださいとても鋭いです引っかかれたらひとたまりもありません
分厚い皮膚はまるでやすりのようです
最大の武器は口の中にあります敵に噛みついたとき強力な毒を出すんですよ
(うなっている)
その正体が分かったのは2009年でした
強力な毒はあごに隠されていたのです
本物の骨格を見てみましょう
獲物をくわえ込む歯は比較的小さく
それ自体の殺傷能力は高くありません
けれど舌あごに毒腺があり
噛みついたとき歯の付け根から毒がしみ出すのです
コモドドラゴンは
体重が自分の10倍もある水牛を狙うことさえあります
そのときに威力を発揮するのが歯の付け根から出る毒
ジリジリと獲物に迫ります
世界最大にして最強のトカゲコモドドラゴン
彼らの最も強力な武器は毒です
時に体重1トンの水牛さえも倒す毒
その効果はゆっくりと現れます
このコモドドラゴンは相手が力尽きてしまうのを
静かに待っていました
数日前に噛みつかれ毒を注入された水牛
傷を負っていたのは目の下と
足の付け根です
ドラゴンの毒には出血が止まらなくなる作用があります
相手はいつまでも血を流し続け
次第に血圧が下がってゆきます
なすすべもなく死を待つしかありません
水牛を襲ってから1ヵ月
ついにその時が訪れました
じっと相手の死を待ち続けていたドラゴンが
獲物にありつきます
分け前を求めて他のドラゴンも集まってきました
激しい海流に閉ざされた島で
奇跡的に生き延びてきたコモドオオトカゲ
コモド国立公園は1991年
世界遺産に登録されました
そこは
はるか恐竜の時代をしのばせる島です
2014/11/02(日) 18:00〜18:30
MBS毎日放送
THE世界遺産[字]【世界最強!オオトカゲがすむ島〜インドネシア】
コモド島に暮らすオオトカゲ「コモドドラゴン」は世界最大にして最強!毒をもって水牛をしとめ家畜をかみ殺し、人をも襲う獰猛なハンター、その恐るべき生態に迫ります。
詳細情報
番組内容
インドネシアの赤道近くに、恐竜時代を思わせる島があります。島に君臨するのはコモドオオトカゲ…またの名をコモドドラゴン。全長3m、体重100kgに迫る世界最大にして最強のトカゲです。コモド島と周辺の小島だけに生息するコモドドラゴン…最も原始的なトカゲの生き残りと言われ、生息数は3000頭にも満たない絶滅危惧種です。彼らの謎に満ちた生態に迫りました。
出演者
【ナレーター】
藤原竜也
音楽
【オープニングテーマ曲】
「風の詩〜THE世界遺産 version2013」小松亮太
【メインテーマ曲】
「Les enfants de la Terre fantaisie〜地球のこどもたち〜」 作曲 服部隆之 演奏 宮本笑里 with 仙台フィルハーモニー
制作
■番組HP
http://www.tbs.co.jp/heritage/
■facebook
http://www.facebook.com/heritage.TBS
■twitter @heritage_TBS
http://twitter.com/heritage_TBS
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32722(0x7FD2)
TransportStreamID:32722(0x7FD2)
ServiceID:2064(0x0810)
EventID:2026(0x07EA)