NHK短歌 題「コーヒーまたは紅茶」 2014.11.02

ご機嫌いかがですか?「NHK短歌」司会の濱中博久です。
第一週の選者小島ゆかりさんでございます。
今日もどうぞよろしくお願い致します。
一大事があったんですか?娘さんに。
あっはい。
そしてカナブンがいいアドバイスをしてくれたんですね。
「放っておけ」とちょっと高い声で言ってくれたんですね。
放っておかれた。
結果よかった?次へいきましょう。
でもアドバイスしてくれるカナブンが来てくれていいですよね。
今日の「NHK短歌」すてきなゲストをお迎えしております。
女優の愛華みれさんでございます。
ようこそお越し下さいました。
愛華さんは元宝塚花組のトップスター男役として活躍をされました。
退団後も舞台にテレビにとご活躍中でございます。
今年は宝塚100周年だったという事で特別な年ですね。
とてもにぎやかな100周年になりました。
愛華さんご自身は公開間近の映画も控えてるんですね。
「マンゴーと赤い車椅子」という。
車椅子を戦車に例えて女の子が戦うんですけど私はお母さんの役で鹿児島弁で頑張りました。
地元でいらっしゃるから。
ええそうです。
こんな若々しいのにお母さんの役なんですか?大丈夫です。
全然若くないので。
でも鹿児島弁を久しぶりに話して何となくふるさとの心がよみがえりましたけどね。
公開も楽しみですね。
さて愛華さんは短歌とのご縁はいかがでしょうか?短歌は宝塚の方たちは芸名に「小倉百人一首」からとるという事もありました。
天津乙女さんとかいい歌からとられたりしてるんですけどね。
霧立のぼるさんとかね。
皆さんいい歌をねとってらっしゃるんです。
愛華さんの世代は?残念ながらもう全部とられたあとで…。
私たちの時はもう歌がなかった。
先生の歌を知ってればそこからとりましたのに。
カナブンとか。
おかしいですね愛華カナブン。
そうおっしゃる愛華さんですがゲストにはいつも短歌はどんなイメージをお持ちですかと短い言葉にして頂いております。
どんな言葉でございましょう?私はこちらです。
かたまっちゃってますね。
さあどんなお話なんでしょう?後ほどゆっくりお聞かせ下さい。
よろしくお願い致します。
さあそれでは入選歌のご紹介にまいりましょう。
題が「コーヒーまたは紅茶」または自由でした。
小島ゆかり選「入選九首」です。
一首目。
これは大変よく場面が見えてくる歌ですよね。
多分列車が通過する時チンチンとかカンカンとかうるさいから皆ちょっと黙って待ったりあるいは大きい声出したりしてそして過ぎてしまうとまた元のように小さい声で囁きが戻るというので「田園」とありますからもしかしたらかつてはそこだけが人が集まるような場所だったのかもしれないですね。
ちょっと田舎のほうのね…。
…かもしれないですね。
踏切とコーヒー屋情景が浮かびますね。
では次にまいりましょう。
モカ・マタリっていいですね。
「コーヒー・ルンバ」をね踊りたくなるような…ありましたよね?歌で。
・「モカ・マタリ」とかって…。
踊って下さい。
そういうのがまたいいですね。
上等のコーヒーですよね。
「マタリ」というのは特にイエメン産のコーヒーらしいんですけど大変香り高くてコーヒーの女王とか言われてるようです。
ですけどこの歌は上の句のすばらしい比喩表現を見ますともしかしたら中でも自分の何か気持ちにぴったりなひそかな慎ましくしかし奥深いようなそんな味わいだったのかもしれないなと思いますね。
ふだんからコーヒー好きでいらっしゃるんだけどこれは。
かえって深い感じがしますよね。
感動されたんですね。
ご亭主に「何このコーヒー?」とか聞かれたのかもしれませんね。
「これはモカ・マタリだよ」。
さあそれでは次です。
山で飲むコーヒーは大変おいしいと思いますね。
雄大な風景の中にコーヒーの湯気が立っているようなそんな映像が目に浮かびますが下の句は恐らく「脚下に風が起つ」という事は日暮れが近づいてきたとか天候が変わるかもしれないとか寒さが来るとかそんな事かもしれないと思って油断してはいけないぞというね。
にわかにふっとというそういう瞬間なんですね。
なかなか上手ですよね。
この歌も。
さてコーヒーの歌が続きました。
次は紅茶が詠われていますよ。
興味津々の心理ドラマですね。
お相手の方はもしかしたら入りたいけどなかなかねちょっと入りにくい話題だったのかもしれない。
そうじゃなくて単におしゃべりな人だったのかもしれないですね。
でも作者は若干辟易しつつあるんですよね。
何度も回してる感じがね出てますよね。
ミルクティーだからだるい感じになっていくんですね。
「饒舌」と結ばれてますからねちょっとうんざりしておられる。
では五首目です。
愛華さん。
「砂糖落とせば」って彼が何個も落としてる姿が何ともかわいいというか。
1つじゃなさそうですね。
甘くしてますね。
しかも相手の方は弟を見るように愛おしんでらっしゃる。
何ともかわいさと切なさと…。
好きなタイプですか?ええ年下は。
なるほどなるほど。
年上ももちろん好きですけど。
何で私を指すんです?幅広くいきたい。
歌の話に戻りましょう。
「弟を見るような」というまなざしの表現ですね。
ここに作者自身がちょっとてれておられるようなね大変いいと思いますね。
それでは六首目です。
少し悲しい歌なんですがお相手の方はそのちょっとした間の間に何かお話をしようと思われたんでしょうね。
それがたまたまこんな悲しい話題になってしまった。
ですから気心の知れたお二人なのかもしれないです。
作者の方はちゃんと知らなかったけどそれを伺って何か慎み深い淡々と表現してますから慎みの気持ちをこの歌で表現されてると思いますね。
では次の歌にまいりましょう。
七首目です。
さあ愛華さんどうでしょう?「望まない」ときたところが私はたまらなかったんですけど。
望まないお見合いの席だったのに最後には「いまの妻あり」ってきてるところが奥さんになったんだって。
一目惚れだったんでしょうかね?この「望まない」に結構引き込まれました。
心高ぶっちゃってますからね。
「望まない」にそんなに反応されるとは思いませんでしたが人生で意外とそういう偶然の人の縁とか運ってこういうものじゃないかなと思うんですね。
恐らく作者は奥様に大変出会いを感謝されている。
まあてれですねこれもね。
シャイな作者なんじゃないですか?とてもユーモアがすてきですよね。
このコーヒーの味を忘れないでしょうね。
さあでは次の歌にまいりましょう。
これはもう私などよりテレビをご覧の皆様の方がよくご存じな映画じゃないかと思います。
吉永小百合さんと浜田光夫さんの非常にお若い初々しいお姿が目に浮かぶんじゃないですかね。
すごく上の句の場面がいいですよね。
このシーンがね。
「飯碗で飲む」。
いいですね。
ご存じですか?「キューポラのある街」。
残念ながら年代は違うんですが小百合さんと光夫さんといえばベストカップルですからね。
時代が見えますよね。
埼玉県川口市が舞台で鋳物工場があるんですね。
そうですね。
鋳物工場ですね。
それではおしまいの歌です。
九首目です。
いかがでしょう?愛華さん。
きましたね!濱中さん「ラ・メール」ですよ!「ラ・メール」といったら歌いたくなりませんか?あのシャンソンの?そうです。
ご一緒にいかがですか?
(2人)・「ラ・メールラララララ」はいそこまでそこまで。
歌詞が「ラ・メール」しかないですから。
選評お願いします。
「ラ・メール」というこの響きはとてもすてきだなと思ったのとそれが海だって分かった時の何ともこう知識まで豊かになったような…テンションが上がったんですね。
それがコーヒーの良さと相まってよかったですね。
みれさんがこんなに高揚されただけでもこの歌はよかったと思います。
でも初めてコーヒーと出会った日を歌ってらっしゃるというね。
以上「入選九首」でした。
さあそれではこの中から小島ゆかりさんが選ばれた特選三首の発表です。
まず三席です。
三席は山口才智雄さんの作品です。
では続いて二席です。
二席は芝原佳子さんの作品です。
さあそれではいよいよ一席の発表です。
一席は緑川智さんの作品です。
ああこの歌ですね。
初めてお酒を飲んだ日とか言いますよね。
同じように初めてコーヒーをいつどこで誰と飲んだかも人生の一つの記念だと思うんですよね。
思春期から青春期へあるいは大人への扉をちょっと押すみたいな感じでね。
私もね父に初めていれてもらったサイフォンでちゃんといれるコーヒーだったんですけどそれの苦さがかえって駄目で。
子供としてはね。
最近まで全然駄目だったんですけど父が亡くなってからコーヒープラス父というイメージになってコーヒーが大好きになったんです。
しかもブラックでエスプレッソじゃなきゃ飲めないぐらいの苦いコーヒーが大好きになりました。
コーヒーといえばやはりお父様と結びつくわけですね。
初めて飲んだ日というのがまさかこの「ラ・メール」の作品にもっと深く入ってたと思うともっと好きになりました。
これも歌とみれさんの出会いですよね。
いいお話を伺いました。
今日ご紹介しました入選歌とその他の佳作の作品はこちら「NHK短歌」のテキストに掲載されています。
是非このテキストもご覧下さい。
さあそれでは続いて「うた人のことば」です。

(高野)ミズキというのは深い山に生えている大木なんですけど学生時代の作品なんですけれども四国へ時々帰ったりする時に当時は非常に遠い所へ帰るという感じがしてまして大木の下を通う風とか遠い所で輝いてる線路とかそういうイメージを組み合わせて自分が若かったわけですから何か遠いものに憧れる気持ちというそういうものを歌おうとして作った歌ですね。
頭に浮かんだイメージですね。
自転車のイメージが浮かび霧が浮かんでそれから夜の公園そういったものを組み合わせて作った歌です。
単に公園でなくて草が生えてるというイメージを出したくて「草」という言葉を使いました。
自転車のハンドルが濡れて光ってるというイメージなんですけどそれを思い切って「つばさが濡れてる」というふうにちょっと全体的に少しこうファンタジックな歌にしてみました。
さあ続いては「入選への道」のコーナーです。
たくさんお寄せ頂くご投稿歌の中から一首小島さんが取り上げてちょっと手を入れられますがさあどうなるでしょうか?はい今日はこの歌です。
今日は添削ではなくこんなアイデアもありますよという事なんですが最後「をらねど」のところですね。
大変いい歌なんですけれども「をらねど」というととりわけ誰かを待っているわけではないわよというちょっと淡い感傷とそれからもう一つは特定の方が心にあってその人は今「をらねど」とやや迷うんですね。
ですからそれを緩やかに含めるような形でこんなふうにしてみました。
こうすれば人生のいろんな場面でいろんな人を待っていた。
その事を思いながら今は誰かを待っているわけではないというちょっと深みが出るかなと。
たった一文字。
すごいですね。
一文字です。
「あ」と「を」が違うだけ。
すばらしい!あっ!と思ったでしょ?はっ!と思いました。
さて投稿のご案内をしてよろしいでしょうか?
(2人)すみません。
テーマ詠ですから…。
これテーマ詠ですので「形」という言葉そのものをお詠みになってもよろしいですしもっと具体的に丸とか三角とか円柱形とかそういう事でも結構です。
さあそれでは選者のお話です。
「うたを読む楽しみ」今日のお話は「我が子羽ぐくめ」です。
これは8世紀半ばぐらいの作品なんですけれども遣唐使の一行が難波津から唐へ向けて船出を致します。
その一行の中の一人の青年のお母さんが詠んだ歌なんですね。
なんとその船出は4月旧暦ですから今で言えば初夏であったんですね。
ですけどこのお母さんはもう霜が降る寒い季節の心配をしているんですね。
「旅人が仮の宿りをする野辺に霜が降るそんな寒い夜にはどうぞ私の大事なあの子を羽ぐくんで羽で温めて下さいな。
天翔る鶴たちよ」こういう鶴への呼びかけですね。
「羽ぐくむ」というのは今で言う「育」という字を書くあの育むの語源になった言葉です。
きれいな響きですね。
それでそんな鶴はとても子供を大事に育てたというところからそんな言い伝えがあるんですよね。
「鶴」というところもすてきですよね。
「鶴」というのは歌語いわゆる歌の言葉で歌の中でだけ用いられる言葉なんですね。
そうですか…母心いっぱいですね。
きれいな響きの歌ですよね。
はい選者のお話でした。
さあそれではゲストにお迎えしている愛華さんにもいろいろとお話を伺ってまいりましょう。
まずは最初短歌のイメージを言葉にして頂きましたね。
もう一度お見せ下さい。
「かたまり」でございます。
私は宝塚時代に「あさきゆめみし」という作品をさせて頂きまして光源氏が藤壺への思いとかいろんな思いをとても強く持っているんですけど。
こちらに当時の写真がございます。
それを言葉にするより情感というのは歌に詠む方がキュッと込められていて心が固まったように情熱的になるんだなと思ったのが短歌です。
思い出深い歌とかありますか?藤壺に会う時に源氏が詠みました。
いい歌ですよねこれね。
これは源氏が2度目の逢瀬だったんです藤壺と。
もう滅多に会う事できないですから今会ってもまた今度会う事はほとんどできないかもしれない。
それだったらもう夢の中に自分は紛れ入ってしまいたいと。
難しいのは「我が身ともがな」のところ。
今上手にお読みになりましたけども「と」は格助詞で「もがな」が願望の終助詞なんです。
だからそうしたいとかそうなってしまいたいというね。
もう藤壺に会えないなら夢の中に入って消えてしまいたいとか恋する事が罪というなら…。
不倫ですからねこれね。
そうですね…「私は罪人になろう」っていう。
そういうセリフだった?ちょっともう一回もう一回。
こんな女の格好して…。
もう一回。
「私は罪人になろう」。
もっと男らしくやってましたけど「罪人」って衝撃でしたけどね。
藤壺の方の変化も見てみましょう。
こんな歌ですね。
光さんが「夢の中に入って紛れてしまいたい」と言ってますよね。
それに対して藤壺の方は「いえいえ世間の人々が噂として後々まで語り伝えちゃいますよ。
そんな夢の中に紛れようなんて…夢と思おうとしたってこんなつらい身をそんなふうにしたって世間の人たちは語り伝えるでしょう」と。
たしなめたんですよ。
来てももう無駄よと。
光源氏18歳藤壺23歳です。
源氏は罪人になったっていいんだというはやるのを抑えて…。
若い男は夢に溺れてそして年上の女は夢から覚めて詠んでいるというなかなかすごい場面なんです。
濱中さんどうですか?私になぜ振るんですか?光源氏の気持ちはどうですか?いやそういう事じゃなくて心のかたまりが歌にして託されるわけでしょ?「源氏物語」はねそういう事を演じられて歌って深いなというふうにお感じになったわけですか?歌に詠むと急にその場面がとても雅的になるしかえっていろんなセリフやいろんな言葉で言わないより言う方がやすくなるというか歌の方がより思いを伝えられているような気がしました。
例えばこの場面藤壺の髪をパッと握る場面があるでしょ?あれとか扇の使い方とかお衣装の感じとか今と全然違うと思うんですよね。
どんなふうにそれは?時間の流れ方が本当に違うんですけれども何かゆったり感もあるしでも恋する時は今の方よりももしかしたら文に書く事とかすぐに連絡がとれない事がより強い思いを持ってらした気がして。
ガバッといくとこあるでしょ?激しいんですよ。
激しいけど品良くね。
そこの動きはとても筋力を使います。
その時は完全に男の心になっているんですか?そうですよ。
今もその話をすると微妙に男っぽくなるんですけど。
何か恋しちゃいそう。
いやいや。
私も18〜19の頃がありましたのでそのころはまだ男らしくやっておりました。
なりきるわけですね?「なりきる」というのもおこがましいんですけどでもその者になったようなというか。
歌ってそうなんです。
例えばこれ紫式部が書いてるんですよね。
紫式部はそのつど女君の心になり男君の心になって詠うんですね。
でも千年も超えて二千年も超えてもまだこうやって色あせないんですからやはり共通する思いは固まっているんではないかと。
「源氏物語」はいまだに人気がありますからね。
女性は好きですよね。
男女の情熱というのは普遍であると。
いつの時代もと。
ただ忘れてほしくないのは「源氏物語」は歌物語なんですね。
ストーリーの方が大変有名で皆さんに愛されるんですけど当然王朝の歌物語ですから今日は本当にね歌の心をよく理解してご紹介頂いたんですけどもっともっと皆さんに「源氏物語」の中の歌を味わって頂きたいなと思います。
先生もいっぱいお書きだからここから私も学んでより深くなっていきたいと思います。
歌からお名前をとるというかつての宝塚のスターのお話最初に伺いましたが本当に小島ゆかりさんの歌からひとつお名前を。
100周年続きましたけれどもこの後の子たちは先生の歌から付けましたみたいな…。
今日は愛華みれさんをお迎えして楽しいお話を伺いました。
愛華さんどうもありがとうございました。
では小島さん来月もよろしくお願い致します。
では時間でございます。
ごきげんよう。
2014/11/02(日) 06:00〜06:25
NHKEテレ1大阪
NHK短歌 題「コーヒーまたは紅茶」[字]

選者は小島ゆかりさん。ゲストは愛華みれさん。宝塚のトップスターとして活躍。光源氏を演じたことのある愛華さん。源氏物語に登場する和歌を題材にお話を進めて行く。

詳細情報
番組内容
選者は小島ゆかりさん。ゲストは愛華みれさん。宝塚のトップスターとして活躍。光源氏を演じたことのある愛華さん。源氏物語に登場する和歌を題材にお話を進めて行く。【司会】濱中博久アナウンサー
出演者
【出演】愛華みれ,小島ゆかり,【司会】濱中博久

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 文学・文芸
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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