今年6月に誕生した東京の新名所そのオープニングセレモニーを前に巨大な花の固まりを作っている男がいました。
花々の個性を凝縮させ鮮やかで濃密な世界を創り上げる東さんの作品。
植物を使ったまったく新しい表現を次々に発表。
花の世界に衝撃を与えました。
花の作品を。
常にそれは。
超一流ブランドセレクトショップ。
高い美意識を持つ人々がこぞって注目する東さんの花。
今や彼のもとには世界中からオーダーが届きます。
そんな東さんは花屋として1軒の店を構えています。
しかし店といってもあるのはステンレスとコンクリートでできたまるで実験室。
花のひとつも見当たりません。
ここは注文を受けてから花を仕入れ作る業界の常識を覆すやり方です。
この日大量の花が到着しました。
店に花が入荷するのは週に3日。
すべてオーダーに応じて手配したものです。
すぐさまハサミを握り水揚げに取りかかる東さん。
花に命を吹き込む大切な作業です。
水を吸い上げにくいアジサイは茎を砕きます。
強い塩分を含む明礬をすり込んでやるとよく水を吸うようになるそうです。
おや?鳥の声?水のせせらぎも聞こえています。
自然の音には水を濁りにくくする効果があると聞き実験的にとり入れたのです。
スタッフが皆白衣か黒衣を着ているのにも理由があります。
ここではすべてが植物優先なのです。
10時花作り開始。
オーダーシートに細かく書き込まれた内容を一つひとつ確認しイメージを膨らませていきます。
こちらは娘から母への誕生日プレゼント。
イメージカラーは濃いピンク。
繊細で愛情深い美人と書いてあります。
東さんそれをどんな花でどう表現するのでしょうか?お母さん像を思い描き花を作る東さん。
なんかバサーッて感じでもないし。
やっぱりなんか丸っこくてころっとしてかわいらしい…。
すごく繊細さがなくなってくるので。
やっぱり濃いものと薄いものをちょっと少し混ぜながら作品自体にコントラストをつけてあげると表情が非常に出てきますよね。
主役の濃いピンクに色調の異なるピンクを配してお母さんの繊細さを表しました。
こちらがお花になります。
花の贈り主が来店。
実は彼女自身も以前友人から東さんの花をプレゼントされたことがあるそうです。
強く見えるけど繊細な部分があるっていう表現をしてくれたみたいです。
母もすごい花が好きなので絶対喜んでもらえると思ってここにしました。
人を喜ばせたい。
東さんのいちばんのモチベーションです。
今度は花をギュウギュウ詰め込んでいます。
このボトルフラワーと呼ばれるスタイル。
もともとは一度飾り終えた花を再利用した実験的な作品でした。
花の命を絶つことは人間のエゴ。
それでも東さんは人が人に花を贈る行為に寄り添いたいと言います。
その日東さんの花を置かない花屋がいつになく色とりどりの花で溢れかえっていました。
実はこれすべてたった一人のクライアントのための花です。
ボンジュール。
そのクライアントとはこの方。
世界的パティスリー界のピカソとも称されるエルメさんのお菓子は清楚で美しい外見に独創的なフレーバーで人々を魅了してやみません。
そんなエルメさんから新作発表のためにお菓子と花による作品づくりを依頼されたのです。
色鮮やかな新作のマカロン。
こちらはバナナ味ですがエルメ流の斬新さが仕組まれています。
天才パティシエとの対話のなかで東さん何かひらめいたようです。
ピエール・エルメと東信のコラボレーションが始まりました。
マカロンの黄色を基調に花をいけていきます。
取り出したのはその個性的な色と形をアクセントに添えます。
そしていよいよ主役のマカロンをあしらい撮影です。
鮮烈な花の世界に遊ぶお菓子。
色と色との競演。
それにしても主役のお菓子を圧倒するほどの東さんの花。
クライアントのエルメさんはどう反応するのでしょうか?お菓子と花がまさしく幻想的な絵画を描きました。
21歳のときパンクバンドでの成功を夢見て上京。
食べるために始めた近所の花屋さんでのアルバイト。
それが出会いでした。
花の「は」の字も知らないし。
そもそも花とかっていうのは自分の母親が庭で作ってそれを収穫して玄関に飾るとかそういう概念だったからまさかこれだけ花というのが都会においてね…。
人にとってそれだけ必要なものというのがわからんわけですよ。
以来花の魅力にとりつかれ独学で技と知識を身につけていきます。
25歳高校時代からの友人椎木俊介さんと花屋を開業。
以来椎木さんは東さんとともに花屋を切り盛りしまた写真家として東さんの全作品を撮影しています。
常に高い目標に挑み続ける。
しかしその心意気で始めたフルオーダーメードの花屋は当時一般には受け入れられず経営は苦境に陥りました。
転機はパリで訪れます。
何のツテもなく有名セレクトショップにまさに飛び込み営業。
するとショーウインドーのディスプレーを任されることになったのです。
そのときの高い評価をきっかけに東さんはフラワーアーティストとしても活動を開始しました。
彼の名を世に広めた作品「式」。
根っこがついたままワイヤーで吊るされた盆栽の松はさまざまな感情を喚起させる問題作でした。
東さんは見る人の度肝を抜く作品を次々と発表。
これ本物の肉です。
8月東さんは海外から入った前代未聞のオーダーに取り組んでいました。
依頼主はフランスを代表するハイジュエリーブランドブシュロン。
パリで開催される世界最高峰の美術品の祭典アンティークビエンナーレでの花の演出を任されたのです。
そのオーダーが難題でした。
つまり白以外の花は使えないということ。
結構質感を思いっきり出していってやらんと…。
それしか見せられるものがないもんね。
白い花だけという難題にどう挑むのか。
東さんは信頼する花の生産者のもとに向かいました。
観賞用植物の輸入や栽培を行っている東さんが探しに来たのはエアプランツと呼ばれる空気中の水分を吸収して生きる植物。
佐々木さんのエアプランツは栽培環境が非常にいいため質が高くまたその植物に対する真摯な姿勢にも共感しているそうです。
今もかっこいいけどさそうそう…。
そういうのいきましょうか。
これは結構ポイントになるね。
なんでかっていうとこういう質感の花ってないじゃないですか。
白の世界観の中にこういうのを…。
ちょっと違和感のあるようなものを入れていくと作品として結構際立ってくるので。
東さん満足のいく白い植物が手に入ったようです。
高級宝飾の代名詞ヴァンドーム広場に本店を構える150年の歴史に磨かれたジュエリーは世界中のセレブリティーを魅了し続けています。
パリに到着後すぐにそのアトリエへ足を運んだ東さん。
伝統の職人技に触れたいと思ったのです。
すごいよね。
今回展示する新作はブシュロンの歴史に深く関わった国々をテーマとするジュエリーたち。
1900年パリ万博のために建てられたその鉄とガラスに覆われた美しい屋根の下がアンティークビエンナーレの会場です。
出展するのは世界的高級ブランドばかり。
ブースは皆同じ大きさ。
そのなかで展示の美しさを競い合うのです。
東さんが向かったのはパリ郊外。
フランス最大規模の花市場。
その一画を借りて今回の制作にあたります。
用意したのは300種類にもおよぶ白い花。
いよいよ花作りが始まりました。
今回東さんとスタッフ総勢6名はパリ市内に4LDKのアパートを借り合宿状態で仕事に取り組みます。
いただきます。
東さんはこうして海外で仕事をするたびに感じることがあるといいます。
それを僕らを介してでしかやっぱり広がらないじゃない。
この日最初に手にしたのは巨大な花。
インドの煌びやかさを表すのにふさわしいと選びました。
ではその王者の風格に合わせるのは?目をつけたのはあのエアプランツ。
キングプロテアの隣に大胆に置きました。
もう一種類のエアプランツテクトラムもアクセントに添えていきます。
巨大な花の横でエアプランツが華麗に存在感を放ちます。
大量のカスミソウをいくつもの束にします。
どんなふうに使うのでしょうか?日本をテーマにしたジュエリーブシュロンがインスピレーションを受けたのは実は北斎のこの代表作。
東さんは白い波しぶきをカスミソウの小さな花に重ねました。
時に大胆に時に細やかに。
花作りは進みます。
予定した2日間をめいっぱい使って市場での作業が終わりました。
この白い花々がどんなブースに仕上がるのでしょうか?会場のグランパレで花の設置作業が始まりました。
そこへいよいよジュエリーが入ります。
この輝きを引き立てそして負けない花。
東さん渾身の一作。
永遠の輝きを放つジュエリーと儚い命を咲かせる純白の花。
対極にある2つの美の競演です。
オープンと同時に世界中の宝飾関係者やメディアが殺到しました。
東さんの白い花々はビエンナーレ11日間の会期中来場者を魅了し続けました。
常に進化を追い求める花屋東信さんの挑戦を応援します。
2014/11/01(土) 22:30〜23:00
テレビ大阪1
クロスロード <フラワーアーティスト 東信>[字]
世界の超一流ブランド、セレクトショップ…高い美意識を持つ人々がこぞって注目するフラワーアーティスト、東信が登場。“花を殺して、生かす男”東の挑戦を追いかける。
詳細情報
出演者
【ナビゲーター】
原田泰造
番組内容
植物を使った全く新しい表現の作品を発表し、今や世界中の美意識の高い人々から注目を集めているフラワーアーティスト東信。アルバイトがきっかけで花の魅力に目覚め、独学で技と知識を身につけて、現在は南青山に完全オーダーメードの花店を構える。その東がパティスリー界のピカソと称される、ピエール・エルメとのコラボや、パリで開催される世界最高峰の美術品の祭典「アンティークビエンナーレ」の空間演出に挑む姿を追う。
番組概要
様々な分野で活躍する、毎回一人(一組)の“挑戦し続ける人”を紹介。彼らが新たなる挑戦に取り組む今の姿を追う。挑戦のきっかけになったもの、大切な人との出会い、成功、挫折、それを乗り越える発想のヒントは何からつかんだのか?そして、彼らのゴールとは?新たにどこへ向かおうとしているのか…。そんなクロスロード(人生の重大な岐路)に着目し、チャレンジし続ける人を応援する“応援ドキュメンタリー”。
音楽
【エンディングテーマ】
「クローゼット」
Superfly(ワーナーミュージック・ジャパン)
ホームページ
http://www.tv-tokyo.co.jp/official/crossroad/
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ドキュメンタリー/教養 – その他
趣味/教育 – 園芸・ペット・手芸
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