あのクラシックの名曲をあなたのものに。
人生を豊かにしてくれる一曲を一緒に見つけませんか?「ららら♪クラシック」今回は…。
(「ゴールトベルク変奏曲」)「チェンバロ」という名のこの鍵盤楽器のために作られた作品です。
この曲の中には円熟期のバッハが目指した新しい音楽の世界が!バッハの思いをひもとく鍵は「3」の法則。
数字とバッハの深〜い関係とは?数学好きな私としてはすごくうれしい。
今日はバッハの数学的音楽の世界に迫ります!バッハの「ゴールトベルク変奏曲」!「ららら♪クラシック」今日はバッハの「ゴールトベルク変奏曲」です。
僕にとってはクラシックを聴き始めるきっかけになった名曲ですね。
待ってましたという感じですかね。
そうですね。
今日は生き生きしてますねいつもにまして衣良さん。
そうですか?ありがとうございます。
バッハがねよく数学的と言われますけれどもこの曲にはそういう秘密がいっぱい詰まっているんですよね。
で僕は数が全然駄目なので今日は数学が得意なこの方をお招きしました。
女優の菊川怜さんです。
(一同)よろしくお願いします。
菊川さんクラシックってお聴きになる方なんですか?全然詳しくなくて…。
好きですけども。
今日はねバッハの名曲なんですが「ゴールトベルク」。
バッハにはどんなイメージを持ってますか?小学校の時の音楽の教室にやっぱり著名な音楽家の方の肖像画が飾ってあって…だから絶対最初の方って覚えるじゃないですか。
顔もね個性的で一度見たら忘れない顔なので「音楽の父」だっけ?そうでしたね。
とても偉大という事ですよねきっとね。
そうですね。
ではこの曲がどのようにして出来たのかこちらをご覧下さい。
1802年に発表された最も古いバッハの伝記。
ここに書かれたある逸話が「ゴールトベルク変奏曲」という名の由来となったのです。
「ゴールトベルク」とはバッハの弟子だったチェンバロ奏者の名前。
彼が仕えていた…バッハは伯爵を眠りにいざなうために曲を作りゴールトベルクに託します。
おかげで伯爵は心地よい眠りにつく事ができたとか。
そんな逸話のあるこの曲。
実は新しい時代の流れの中で生まれた音楽だったのです。
それまで音楽といえば宮廷のためのものか教会のための宗教音楽でした。
バッハもこうした音楽を多く作ってきたのです。
しかし18世紀初頭市民文化の隆盛によって音楽の場が市民に開かれていきます。
特権階級ではない人々も音楽を楽しめる新時代の到来です。
バッハが活躍したライプチヒの街では市民オーケストラ「コレギウム・ムジクム」が活動を開始。
バッハもその活動に賛同し中心人物としてさまざまな場所で市民向けの演奏会を行いました。
コンサートの呼び物はバッハ自身がソリストとなる「チェンバロ協奏曲」。
名人芸を披露するバッハに人々は喝采を送りました。
更に…限られた人々のものだった楽譜が広く市民にも行き渡るようになりました。
中でも人気があったのはチェンバロなど鍵盤楽器の楽譜。
それは市民の家庭にもチェンバロが普及し始めたからでした。
そんな時代の流れの中でバッハも初めての出版楽譜の題材に鍵盤楽器を選びます。
そして10年をかけて4冊の練習曲集を出版。
その最終巻が「ゴールトベルク変奏曲」だったのです。
バッハ57歳の時の事でした。
練習曲集の中で最も難易度が高いこの曲。
円熟期のバッハは最先端の技巧に加えこれまで積み上げてきた自分の音楽を凝縮させました。
「ゴールトベルク変奏曲」は彼の代表作の一つとなったのです。
もうそれはね新旧の結合。
すごくバッハにとっては新しい時代の先端を行く華々しい技巧の音楽ですね。
でもそれを裏付けているのは古くからの秩序であり音楽への考え方でありまた理論でありというふうにだからその古いものと新しいものがこのぐらい見事にね結合してるものはなくてそれはバッハが追求してきたものであったと思いますね。
だからそういう意味ではバッハの集大成ですよ。
一つのね。
バッハの傑作「ゴールトベルク変奏曲」。
それは音楽がみんなのものへと変わっていった新しい時代の作品だったのです。
全然知りませんでした。
やっぱりね皆さん一般の人にはちょっと最初は手の届かないものだったんですね音楽ってね。
そうですね。
やっぱりこう王様とかそういう方々がお食事したりお休みするための音楽という感じでしょうかね。
でもぜいたくですよね。
「眠れないから曲を書いて」ってバッハに言えるんですよ?羨ましい。
今の市民オーケストラのコレギウム・ムジクムですか。
これ考えてみたらそうですよね「ミュージックカレッジ」って事ですもんね。
そこの学生に交じってバッハ先生が。
これちょっといいですよね。
街角でバッハが演奏してくれるという。
皆さん感激したんじゃないですか?当時の学生さんたち。
そうですね。
当時からもうバッハはオルガンとかチェンバロに関してはものすごい腕だという事で有名だったので街角に立ってパッとみんなのために演奏してくれたら盛り上がったでしょうね。
スターがね。
ぜいたくな時代ですね。
ですから教会とか貴族や王様のために音楽をいっぱい書いていてもやっぱり…バッハにとっても時代にとってもよかったですよね。
そうかもしれないですね。
ではそんな「ゴールトベルク変奏曲」ですけれどもこの「変奏曲」って一体何なのかという事で分かりやすい例としてモーツァルトの「きらきら星変奏曲」で見てみましょう。
先ほどのテーマを変奏すると…。
私多分知らなかったら今の「きらきら星」って分からないような気がします。
…というのが変奏。
より豊かに変化していってそれが1曲だと「変奏」なんですが……というふうに作品になっていくわけなんですよね。
この「ゴールトベルク」も元に1曲アリアというのがついています。
そしてそれをたくさん変奏していくんですがここからは菊川さんお得意の数学の分野に入ってもらいます。
あるんですか?どう関わってるんだろう?
(「ゴールトベルク変奏曲」)「ゴールトベルク変奏曲」の中には実はある数字がたくさん潜んでいるんです。
その数字とは…一体どういう事なのかまずはこの曲の全体像を見てみましょう。
始めと終わりはアリア。
変奏のテーマとなるメロディーが出てきます。
その間に30の変奏。
そう。
変奏の数が…そして3の倍数にあたる変奏は最後を除き全てカノン。
メロディーが追いかけっこする独特の形式です。
つまり3曲1セットの構成になっているんですね。
3尽くしのこの曲。
なぜバッハはこれほど「3」という数にこだわったのでしょう?当時の音楽家にとって…ハーモニーを表す神聖な数字でした。
更にキリスト教では「3」は「三位一体」という神の世界を象徴する数字なのです。
バッハは敬けんなクリスチャンでした。
「音楽は神様へのささげもの」という考えを持っていたバッハ。
彼は「3」の法則のもとすばらしい音楽を作る事で神への信仰心を表したのです。
そして30の変奏を経て再び現れるのが冒頭と同じアリアです。
始まりと終わりが全く同じ曲。
これは変奏曲においてもとても特殊な事。
バッハの意図とは…。
だから美しいアリアが生まれました。
それがいろんな変奏をとって成長しました。
最後にまた元のものへ戻るという事は当時死ぬという事は再びお母さんのおなかの中にかえる事だっていう考え方がありましたのでそれが安らぎであり終息なんですね。
綿密に作られた規則的な構成の中にバッハの世界観をかいま見る事ができるんですね。
「3」にそんな思いが込められていたとは驚きましたね。
やっぱり好きな数字とかあるんですか?数学がお好きな方って。
でもあんまりないですね言われてみると。
だからバッハのこの「3」に対するこだわり方ってある種ちょっと異常なぐらい執ように繰り返してますよね。
確かにねバッハは本当に数へのこだわりがいろいろあって例えば「バッハ」っていうのはスペルで…これ「A」を「1」とすると「BACH」の文字を「B」が「2」「A」が「1」っていうふうに足していくと全部で…。
6と8で14。
そう14。
自分の名前を数で足してね。
こちらにちょっとバッハの肖像画があるんですけれども手に何か持ってますよね?楽譜。
そうなんです。
これは実はバッハの「ゴールトベルク変奏曲」初版の出版譜の巻末に自分でカノンを書き加えている楽譜なんですけれどもこのカノンが14の曲から成っているという事なんですよね。
へぇ〜!こちらなんですけれども実は当時出版された初めての楽譜の復刻版なんですね。
見ただけで非常に図形のような…なんでしょう美しさ。
作曲家にはもう見ると分かるんですよね。
いい曲は楽譜がいいんです。
そうなんです。
どの辺りですか?例えばこうやって徐々に均等に近づいていたものがふっと去っていったりっていう動きがずっと続くんですよ。
でもここの所なんかはすごい鏡のようにきれいに対称形になってますよね。
離れて近づいてギューッと集まって…。
それがこう一気に凝縮している感じとかほんとに図形のような。
でも数学の世界でも公式がシンプルならシンプルなほど良いって言ったりするじゃないですか。
でもすごいシンプルな問題だけどすごい難しい問題ってありますよね。
そう言われると僕かっこいいなと思うだけなんですよ。
高校1年の夏に数学を全部捨てたので。
早いですね。
でも過程がすごいワアーって黒板を埋め尽くすぐらい…微分積分とかも公式すごいシンプルですよね。
もう何にも覚えてないですね。
でもバッハはやっぱりすごく数字とかシンメトリーである事にこだわっていて。
でもそうやってこだわっているからじゃあ音楽として聴いたらつまらない曲なのかっていうとバッハの場合は全く違うんですよね。
今思いついたメロディーがあふれ出しているっていう感じの自然な流れになるのでそこがなんか僕のバッハの一番不思議なところですね。
…みたいなのが両方ある。
すごいといつも思うんですけど。
クラシックにまつわる素朴な疑問にお答えしま〜す!答えて下さるのはこの方…見てのとおりティンパニはとても大きい楽器なので自分の家と実際オーケストラで持ち運んで練習する事はできません。
私たちはオーケストラで実際に使う楽器で練習する事をとても大切だと思っていて毎日のリハーサルの前あと公演の時の会場で…音を出す時間以外に家でスコアを読んでどういう音楽でどういう音色を出したいかっていうのを勉強してイメージづくりをして…イメージトレーニングも大事な練習なんですね。
番組ではクラシックにまつわるあなたの疑問質問をお待ちしています!今日の名曲は…音楽が市民に開かれた新しい時代の新しい音楽でした。
「3」という数にこだわったバッハが音楽に込めた神への愛。
そして30の変奏に潜むある重要なメロディーとは?バッハの巧みな変奏テクニックを作曲家の美濃さんが解説します!さあこの「ゴールトベルク変奏曲」は1曲目のアリアの中に出てくる1つのメロディーから変奏を展開させています。
こちらがそのアリアの冒頭部分の楽譜になりますけれどもこのアリアの中の基本のメロディーが一体どこにあるのかをちょっと考えながら冒頭部分を聴いて頂きたいと思います。
きれいですね。
みやびやかなメロディーですよね。
すごいいい。
なんかもう気分が変わっちゃいますよね。
しっとりとしてきますけれども一体どの辺りがこれから展開していく変奏していくメロディーになっているかというと実はね普通の先ほどの「きらきら星」みたいに本来はメロディー一番上の…。
このメロディーラインを例えば…。
こんなふうにして装飾していくようなイメージがあるんですがこの曲は低音部。
こちらですね。
このように一番下に出てくる…。
「ソファミレシドレソ」。
この…もう一度ねこの音を強調しながら聴いて頂きたいと思います。
ファ。
ミ。
レ。
「ソファミレ」という音階のようになっていますがこのベースラインに注目していきたいと思います。
ではこのテーマがどんなふうに変奏されていくのか今日演奏されるものから見ていきたいと思います。
まずは第14変奏。
まず出だし「ソファミレ」なんですけれども複雑です。
手をこうクロスさせます。
そして右手で低音でまずは最初の「ソ」です。
ソ。
今度ファ。
またここでミ。
最後は上でレ。
ええ〜!?なので「ソファミレ」というふうにしてこの「ソファミレ」を使って変奏させています。
これはピアニストなんかが聴くとすぐに分かるんですね?これを使ってるって。
いやすぐには分からないかもしれないですね。
軸になっているのは何だろうというふうにじっと聴けば…。
分かる。
うん。
もしくは譜面をゆっくり見ていくと謎がどんどん解けてもいくし深まる一方っていうところもあるんですけどね。
面白いですね。
さあでは今度はね第18変奏を見ていきたいと思います。
菊川さん18はある数字の倍数です。
3の倍数ですね。
すばらしいです。
3の倍数の部分は全部カノン形式というふうに追いかけっこになっているんですけれども18変奏では今度は先ほど下の方にあった「ソファミレ」が一番上に来ます。
私の…高音右手の上の方を注目して頂きたいと思います。
ソ。
ファ。
ミ。
レ。
ありますよね。
非常に美しい追いかけっこの音楽なんですけれども実は高音に「ソファミレ」が隠れていた。
すごい。
なるほどね。
僕この曲ね何百回も聴いてるんですけどここでこうやって解説受けるまで全く分からなかったです。
やっぱ聴き方変わってくるんですかね?「ソファミレ」が入ってると思うと…。
そうなんですよ。
どんどんこう深まり方が違うと思うので。
響きもね。
ますますちょっとね生で聴いてみたいですよね。
聴いてみたいです。
(拍手)すごい。
チェンバロのねまた音で聴くと一層別世界に連れてって頂けるというか変奏曲って今日いろいろ教えて頂きましたけど間あんなふうに変わっていくんだなっていうのがもう音楽すごいですね。
でもチェンバロってすごいですね。
なんかトンボの羽みたいだった。
すごく柔らかくてふわりとしてるんだね。
王様とか王女様の気持ちになって聴ける感じ。
そうそう。
あれうちにあったらかっこいいけどね。
菊川さんこれからもクラシックをどんどん楽しんで下さいね!「SWITCHインタビュー達人達」。
本日はバカリズムが登場。
バカリズムさん。
2014/11/01(土) 21:30〜22:00
NHKEテレ1大阪
ららら♪クラシック「数学×音楽=バッハ!〜ゴールトベルク変奏曲〜」[字]
数学×音楽=バッハ!〜ゴールトベルク変奏曲〜30曲もの変奏からなる変奏曲。その背景には音楽の新時代とある数字への思いがあった。数学とバッハの深い関係にせまる!
詳細情報
番組内容
数学×音楽=バッハ!〜ゴールトベルク変奏曲〜アリアと30曲の変奏からなるチェンバロのための音楽。この曲が生まれた背景には、音楽の新時代の到来と、バッハのある数字への強い思いがあった…数学とバッハの深い関係にせまる!そしてバッハが繰り広げた驚きの変奏テクニックを分析!【司会】石田衣良、加羽沢美濃 【ゲスト】菊川怜 【演奏】曽根麻矢子
出演者
【ゲスト】菊川怜,【出演】曽根麻矢子,礒山雅,【司会】石田衣良,加羽沢美濃,【語り】服部伴蔵門
ジャンル :
音楽 – クラシック・オペラ
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
劇場/公演 – ダンス・バレエ
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