(長政)石田三成を出して頂きたい。
(清正)数々の無礼もはや許せませぬ!
(正則)徳川様!長政たちと三成の対立はここに極まった。
しかし家康は三成を匿いその命を救った。
(三成)仰せに従い所領佐和山へ帰ります。
(家康)安心して隠居なさるがよい。
(如水)徳川のねらいは天下を揺るがす大乱じゃ。
(善助)大乱?生かされた三成は死に物狂いで味方を集めるであろう。
(如水)国中の大名がどちらにつくのかを迫られる。
(太兵衛)大殿はいかがなさるので?わしは我が道を行く。
(テーマ音楽)慶長4年9月9日。
家康は重陽の節句の祝いを述べるため大坂城を訪れた。
(家康)秀頼君ならびに淀のお方様には息災なご様子。
お慶び申し上げまする。
出仕大儀である。
大坂は久しぶりでござるが相変わらずにぎわっておりますな。
これも豊臣繁栄の証し。
いやめでたい限り。
(淀)内府殿はいつまで大坂に?もはや命を狙われる事もござりませぬゆえゆっくりさせて頂こうと思っております。
のんびりされるがよい。
ありがたきお言葉。
(九郎右衛門)徳川様は一向に伏見に戻る気配がありませぬ。
大坂に長逗留の構えでございましょう。
(善助)大坂城が欲しいのか…。
(九郎右衛門)徳川様ならやってのけるであろう。
あらゆる手を使って大坂城に乗り込みそのまま居座るつもりなのだ。
それに逆らう者が出てくればむしろ徳川殿にとっては好都合という訳か…。
戦を起こす格好の口実となる。
フッ。
面白くなってきよったのう。
政所様。
この西の丸を徳川様にお譲り頂きとう存じまする。
(マグダレナ)何を申されますか!
(おね)如水殿。
何をお考えか分かっております。
私もそのつもりでおりました。
フフッ。
家康殿が同じ城にいては淀殿はさぞ嫌がるでしょうね。
いらぬ諍いを避けるため…。
まことにそれだけですか?如水殿あなたは最後まで殿下に仕えてくれました。
されどその殿下はもうおらぬ。
まあよい。
菩提を弔うためにいずれ京に移りたいと思っておりました。
ちょうどよい潮時です。
遠慮はいりませぬ。
思いどおりになさるがよい。
ありがたきお言葉。
如水は次の手を打つため九州の中津に戻る事を決めた。
おねは大坂城を去りそれと入れ代わるように家康が西の丸に入った。
(家康)大坂は住み心地がよいのう。
(長政)大坂は天下の要。
大老の筆頭であらせられる徳川様がこの地で諸大名に指示される事こそ一番かと。
うむ。
(長政)幼い秀頼君では三成らの思うがままにされてしまいます。
今天下の太平を導く事ができるのは徳川様しかおられませぬ。
この黒田長政どこまででも徳川様をお助け致す所存。
よう言うてくれた黒田殿。
はっ。
ところで如水殿はいかが動かれるであろう?父は隠居の身にございます。
うむ…。
(お富)お帰りなさいませ。
糸はどうした?気分がすぐれぬと先にお休みになりました。
そうか…。
(足音)・
(長政)糸入るぞ。
(長政)いつまでくよくよしておるのだ。
世継ぎとなるおのこは次に産めばよいではないか。
(糸)もう…無理でございます。
里にお戻し下さい。
もう…無理でございます…。
もう…。
(九郎右衛門)早船を大坂備後鞆周防上の關3か所に配置し順に乗り継いでいけば3日ほどで中津に報せが届きます。
さすれば京大坂の形勢をいち早く大殿のお耳に入れる事ができます。
やりおるのう九郎右衛門。
恐れ入ります。
人は増やさなくてもよいか?恐れながら既にその手はずは整っております。
フッ。
全てお主に任せる。
頼むぞ。
はっ。
府内敦賀岡…。
ハッ。
光…。
(光)はい。
万が一の時大坂に残る大名の妻や子たちは人質とされるであろう。
だがその時が来ても慌てぬように。
善助と太兵衛を残しておく。
万事うまくやってくれよう。
分かっております。
フフッ。
何じゃ?まるで童のような目をなさっておられたので…。
フフッ。
殿がこのように生き生きとしておられるのを見るのは久しぶりでございます。
思えばこのところつらい戦ばかりであった。
はい。
太閤殿下がお亡くなりになり何か吹っ切れたような気がする。
人には仕えず自分の考えだけで動くのは初めての事じゃ。
天下をお取りなさいますか?ハッハハ。
それもよいのう。
フフフフ。
ハハハ。
(一成)殿。
大殿が先ほどよりお待ちでございます。
父上が?父上。
長政。
わしは中津へ戻る。
大坂の事はお前に任せる。
何故お戻りに?いずれ徳川と石田の間で戦は起こる。
ここにいてはどちらかにつかねばならぬ。
わしはどちらにもつかぬ。
父上は間違っておられます。
天下のためにも黒田家が生き残るためにも徳川様につくしかありませぬ。
お前は徳川の天下を望んでおるのか?父上は豊臣の天下が続くとお思いですか?太閤殿下亡きあと幼い秀頼君では天下は一つにまとまりませぬ。
かつて父上がそのご器量を見込んで秀吉様を天下人に押し上げたように…。
それがしも徳川様を天下人に押し上げたいと思っておりまする。
猪武者がいつの間に…。
分かった。
黒田の当主はお前だ。
徳川を選ぶというのであればそれでよい。
父上はどうなさるおつもりで?わしはわしの好きなようにやらせてもらう。
(長盛)今や家康は大坂城を我が物顔で歩いておる。
まるで天下人のような振る舞いじゃ。
淀のお方様も嘆いておられたぞ。
家康の好き勝手を許しておってよいのか?今はまだ立つ時ではない…。
いずれ必ず時が来る。
それまで待つのだ。
(近習)申し上げます。
黒田如水様がお目通りを願っております。
如水殿が?会わぬ方がよい。
会えばたぶらかされるぞ。
いや会おう。
(三成)これはこれは…。
如水殿が我が城にお運びになられるとは…どういう風の吹き回しでござる?わしも隠居の身。
そろそろ中津へ帰ろうと思い挨拶に伺った次第。
それはわざわざご丁寧に。
よい城じゃのう。
この城を落とすのは至難の業。
感心致した。
一つ伺ってもよいか?何なりと。
いかにして徳川殿を討つ?フフフフフフフ…。
何を仰せか…。
そのような気は毛頭ござらぬ。
そもそもそれがしに徳川殿と張り合うような力などありませぬ。
志を同じくする者が集まれば別でござろう。
例えば…会津上杉家直江兼続殿。
お主とは昵懇の間柄でござろう。
わしがお主ならこの男を使い上杉景勝に兵を起こさせる。
さすれば徳川殿は上杉討伐のために軍を起こし東へ向かいこの大坂は空になる。
その時秀頼君を奉じて徳川討伐のために軍を起こせば…。
挟み撃ちと相なる。
これで徳川殿も万事休すじゃ。
なるほど…。
それがしには考えも及ばぬ策でござるな。
だがやめておかれるがよい。
この策徳川殿は既にお見通しでござろう。
それ以上にあの男は事が起こるのを待っているご様子。
亡き殿下でさえあの男には戦では勝てなかった。
策を立てるのとまことの戦ではまるで別物じゃ。
これはわしから…お主への…最後の忠告じゃ。
お言葉肝に銘じましょう。
仮にそのような折が来たら豊臣家のため是非お味方頂きたい。
わしは隠居の身…。
失礼する。
黒田如水め!如水は中津へ戻る途中毛利輝元の居城広島城へ立ち寄った。
毛利の出方を探るためであった。
徳川と石田はいずれ衝突するのは必定。
この時どちらにつくかで毛利の運命も決まりますぞ。
その時毛利はどう動かれる?
(恵瓊)果たして徳川に豊臣の天下を守る気などあろうか。
我が主は大老のお一人。
亡き太閤殿下のご遺言を守り豊臣家をお支え致す。
如水殿はどちらにつくのだ?長政殿は徳川と親しいようじゃが。
わしは隠居の身。
どちらにもつかぬ。
(恵瓊)高みの見物か。
豊臣の天下はお主とわしが作ったようなものではないか。
何としても守りたいとは思わぬか?ご当主たる輝元様…。
恵瓊殿と同じお考えでございますか?
(輝元)わしは大老の職を全うするだけじゃ。
吉川様は?
(広家)石田につくなど…ありえぬ。
(恵瓊)ハハハハハ…。
広家様の石田嫌いは重々承知しております。
されどこの恵瓊の見通し今まで誤った事はござらぬ。
信長公が志半ばに倒れ秀吉様が天下を取ると言い当てたのもそれがしですぞ。
広家様もお分かりのはずじゃ。
(九郎右衛門)小早川隆景亡きあと毛利には意見をまとめる者がおりませぬな。
輝元は人はよいが煮え切らぬ。
いざ戦となれば毛利はばらばらになる。
それも踏まえた上で策を立てるとしよう。
(家康)昨年は黒田殿に随分と助けられた。
(長政)めっそうもない。
わしにはお主が我が息子のように思えてならぬ。
互いに人質として苦労した身じゃ。
頼みにしておるぞ。
ありがたきお言葉。
この長政どこまででも徳川様についてまいりまする。
うむ…うれしい限りじゃ。
のう直政。
(直政)はい。
ハハハハハ。
(杯が落ちた音)お〜いかん!あ〜飲み過ぎた。
ハハハハあまりに楽しくてつい…。
ハハハ。
わしは先に休ませてもらうがお主はゆっくりしていくがよい。
しかし…。
あ〜よいよい。
そのままそのまま。
ハハハハハ。
あ〜ハハハ。
あ〜。
あ〜酔った酔った。
(直政)あのように酔った姿などめったにお見せにならぬお方。
よほど黒田様にお気を許しておられるのでしょう。
いえ…。
ささ。
今の世を治められるのは我が殿しかおりませぬ。
それがしも同じ思い。
お力を貸して下さいますな?無論でございます。
黒田と徳川がより深く結ばれればこれほど心強い事はござらぬ。
はい。
我が殿には御年16の姫がおられまする。
黒田様とはお似合いと存じますが…。
お戯れを…。
それがしには妻がおりまする。
それは承知してまする。
されど…黒田家の行く末を考えるに…。
(長政)糸。
話がある。
5月事態が動き始めた。
上杉に謀反の疑いあり。
始まったぞ。
では?徳川は上杉討伐に動くであろう。
(九郎右衛門)大殿のお考えどおりになりましたな。
これで三成も動く。
恐らく徳川はそれを承知の上で兵を出す。
双方潰し合えばよい。
(長盛)家康は上杉討伐を決めたぞ。
(行長)これで大坂はがら空きになる。
(三成)ああ。
全て上杉との手はずどおりだ。
では?慌てるな。
今は一人でも多く味方を集めるが先だ。
(行長)徳川もせっせと味方を募っているであろうな。
如水の言うとおりに動いておるな。
あの男の思いどおりにはならぬ。
(清正)内府様が大坂をお離れになるのは危のうございます。
(正則)上杉の討伐は我らにお任せ下され。
いや上杉の無礼は捨て置けぬ。
わし自ら行かねば示しがつかぬ。
(長政)井伊殿。
もしや内府様は三成の挙兵を誘っているのでは?機は熟しました。
先日の縁談の件お受け致します。
黒田は徳川様と命運を共に致します。
長い間お世話になりました。
糸…。
これまでよく仕えてくれましたね。
そなたにはいらぬ気遣いばかりさせて申し訳なく思っています。
(お富)その…そのお優しさが糸様にはかえってつらかったのでございます。
お富。
(お富)いっそ叱られたり罵られたりした方がどれほど気が楽であった事か!お富!では…。
(菊)母上!お菊…。
しばらくお前とは会えませぬ。
ん?父上とおばば様の言う事をよ〜く聞くのですよ。
お菊…。
母を許しておくれ…。
(九郎右衛門)若殿も思い切った事を…。
乱世の習いとはいえ酷な事じゃ。
長政もつらかったであろう。
あの朝鮮での戦が全てを狂わせた。
糸にはかわいそうな事をした。
お菊にも…。
生き残るために選ばれた道でございましょう。
大殿が思われている以上に若殿はしっかりなさっておられるようで。
これで黒田は徳川につくとはっきり世に示した事になる。
美しいぞ栄。
ありがとうございます。
徳川と黒田の懸け橋となる大役しかと務めてまいります。
うむ。
頼んだぞ。
慶長5年6月6日。
長政は家康の養女栄と祝言を挙げた。
上洛を拒むは豊臣に逆心ある証し。
この家康豊臣家のため必ずや逆賊上杉を討ち果たしてまいりまする。
(秀頼)出陣大儀である。
米2万石黄金2万両つかわしましょう。
陣中の足しになさるがよい。
ありがたく頂戴致しまする。
無事の帰陣を祈っております。
ははっ!秀頼参ります。
はい。
祝言から僅か10日で出陣とは何とも慌ただしいこと。
お留守の間の事はお任せあれ。
ご安心を。
ご武運お祈り申し上げます。
ああ。
留守を頼むぞ。
(善助太兵衛)はっ。
6月16日。
家康率いる上杉討伐軍5万6,000が東へ向けて出陣した。
そしてその背後でついに三成が立った。
いよいよ大悪人徳川家康を倒す時が来た。
総大将は是非とも大老毛利輝元様にお願いしたい。
ご出陣は間違いござるまいな?毛利は拙僧に任せられよ。
それがしは大坂へ行き増田長盛長束正家らに奉行衆連名の家康弾劾状を作らせる。
味方はどれほど集まる?
(三成)おい。
はっ。
(三成)宇喜多小西島津長宗我部小早川…。
西国の諸将はほとんど全てじゃ。
黒田如水は?如水などいようがいまいが構わぬ。
家康が豊臣家をないがしろにしているは明らか。
大義はこちらにある。
数も我らが勝っている。
家康もこれまでじゃ。
三成が罠に掛かりました。
ようやく動いたか。
思惑どおりでございます。
勝負はこれからじゃ。
はっ。
石田三成殿が大坂へ参られました。
徳川討伐のためだと思われます。
大坂にいる大名の妻子は全て人質として城内に集められましょう。
人質にはならぬ!殿や長政の足を引っ張る事になる。
まして…栄は徳川の養女。
断じて敵に渡してはなりませぬ。
(2人)はっ。
栄…。
何も案ずる事はない。
この2人を信じるのです。
万事お任せあれ。
はい。
三成か?…はい。
立ちました。
いよいよじゃな。
九郎右衛門。
はっ。
兵を挙げるぞ。
はっ。
しかし中津には僅かな兵しか残っておりませぬが…。
逆賊石田三成を討ち果たす!いよいよ?
(三成)徳川を成敗する時が来りました。
三成とその一派を倒すのみ!
(善助)勝ち残り疲弊しきっている方へ決戦を挑む。
黒田如水じゃ。
(善助)お命お預かり致します。
(栄)大変怖い方かと思っておりました。
(おね)最後に決めるのはお前ですよ。
お主たちと共に天下を狙う!
観音寺は三成と秀吉が出会った場所といわれています。
三成は秀吉の喉の渇きに応じて熱さの違う3杯のお茶を出し感心した秀吉に召し抱えられたと伝わります。
その後三成は生まれ育った近江にある佐和山城の城主になりました。
善政を敷き領民に慕われた三成。
江戸時代になっても領民はひそかに地蔵を作り三成をしのんでいたといいます
秀吉の死後三成は佐和山城に蟄居します。
この地で家康打倒の密談を行いその罪を列挙した書状を諸大名に送ります
佐和山で挙兵の準備を進める三成。
天下を二分する戦いがいよいよ始まるのです
2014/11/23(日) 20:00〜20:45
NHK総合1・神戸
軍師官兵衛(47)「如水謀(はか)る」[解][字][デ]
家康(寺尾聰)に隠居に追い込まれた三成(田中圭)が反撃の機をうかがい如水(岡田准一)は天下へ名乗りを上げるべく形勢を探る。長政(松坂桃李)は家康への傾斜を強める
詳細情報
番組内容
家康(寺尾聰)によって隠居に追い込まれた三成(田中圭)は反撃の機会をうかがう。対して、如水(岡田准一)は天下へ名乗りを上げるべく、ひそかに形勢を探り始める。家康は黒田と関係強化を狙い、長政(松坂桃李)に養女の栄(吉本実憂)との縁談を持ちかける。家康を天下人に押し上げると覚悟を決めた長政は糸(高畑充希)に離縁を告げる。家康は上杉を討つため出陣。大坂が空になり、ついに三成が挙兵、如水も出陣を決意する。
出演者
【出演】岡田准一,中谷美紀,黒木瞳,寺尾聰,松坂桃李,二階堂ふみ,濱田岳,速水もこみち,高橋一生,塚本高史,田中圭,高畑充希,山路和弘,東幹久,忍成修吾,石野真子,吉本実憂,阿知波悟美,塩野谷正幸ほか
原作・脚本
【作】前川洋一
ジャンル :
ドラマ – 時代劇
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:12357(0x3045)