報道特集【猪瀬氏語る▽自宅で看取り】 2014.11.01

アメリカの民間企業の宇宙船が試験飛行中に爆発し、墜落。
来年春の宇宙旅行開始に暗雲が漂っている。
墜落したのはアメリカのヴァージン・ギャラクティックの宇宙船、スペースシップ2。
カリフォルニア州モハーベ砂漠の上空で爆発し、砂漠には機体や翼の破片が散らばった。
現場はロサンゼルスから車で2時間ほどの砂漠の真ん中になります。
そしてちょうど私の後ろに見えますのが機体の一部です。
この事故でパイロット2人のうち1人が死亡。
1人がパラシュートで脱出したが、大ケガをした。
ヴァージン・ギャラクティックによると、宇宙船は高度およそ15kmで航空機から切り離された直後に爆発。
パイロットは十分な訓練を受けていて、これまでの試験飛行では異常はなかったと言う。
宇宙空間には達していなかった。
現時点では原因はわかっておらず、現地1日には、アメリカ運輸安全委員会の調査チームなどが現地入りし、事故原因を詳しく調べる方針。
ヴァージン・ギャラクティックはイギリスのヴァージングループ傘下の宇宙船開発会社で宇宙旅行をリードする存在として知られている。
宇宙飛行は来年春からの予定で1人25万ドル、およそ2800万円の参加費にもかかわらず、日本人19人を含む700人以上が既に予約をしていると言う。
しかし、今回の事故で、今後の計画に大きな影響が出ると見られている。
アメリカでは3日前にも民間企業の無人ロケットが打ち上げに失敗し、爆発する事故があったばかり。
民間企業による宇宙飛行の難しさが改めて浮き彫りになった。
社会の高齢化が進む中で、大きなテーマとなっています。
今日の特集は、このことを考える上で、様々な材料を見つけていただけるものと思います。
ぜひともご覧ください。
続いては、こちらのニュースです。
今日未明、岩手県の東北自動車道でキャンピングカーが燃え、子ども1人が死亡したほか、1人が重体。
タイヤの破裂が発火した原因となった可能性があると見られる。
あちらに見えるのが火災にあった車両です。
真っ黒に焦げていて、原形をとどめていません。
今日午前3時過ぎ、岩手県北上市の東北自動車道下り線で車が燃えていると対向車から通報があった。
警察によると、6人が乗ったキャンピングカーが全焼、東京都江戸川区の白輪地謙さん42歳の次男、大ちゃん1歳が死亡したほか、運転していた白輪地さんなど、5人がヤケドをして病院に運ばれた。
消防によると、5人のうち62歳の女性が搬送時、意識不明の重体だったとのこと。
6人は東京から秋田県潟上市の白輪地さんの妻の実家に向かう途中だったと見られる。
消防はタイヤが破裂してホイールごと路面がこすれ、火花が出たのが炎上の原因ではないかと見ている。
カナダ政府はエボラ出血熱の感染が拡大している国の市民に対するビザの発給を一時停止することを決めた。
カナダ政府は10月31日の声明で、WHOが指定したエボラ出血熱の感染拡大国の市民へのビザ発給を一時停止すると発表した。
先進国の中では、西アフリカからの渡航を制限したオーストラリアに続く措置となる。
一方、アメリカ西部オレゴン州の保健当局はエボラ出血熱の感染拡大地域を最近訪れた女性が帰国後、高熱を出したと発表した。
感染の疑いもあると見て州内の病院で隔離措置をとっている。
ただ、女性は現地でエボラ熱の感染者には接触していなかったとのこと。
再来年の春に開業する北海道新幹線のレールの締結式が北海道南部の木古内町で行われ、北海道から九州まで新幹線の線路がつながった。
鮮やかな緑色にラベンダーをイメージした紫のライン。
これが北海道新幹線用の車両、H5系で、今日、JR北海道が報道陣に公開した。
また、建設中の木古内駅の新幹線ホームでは、新函館北斗から新青森まで線路がつながったことを祝うレールの締結式が行われた。
参加した人たちは声をそろえてボルトを締め、これで北海道から九州・鹿児島までの2150kmが新幹線の線路で結ばれた。
北海道新幹線は来月から試験運転が始まる。
宝塚歌劇のお膝元、兵庫県宝塚市で4000人あまりが参加して、ラインダンスのギネス世界記録に挑戦するイベントが行われた。
河川敷に一列に並ぶのは、地元市民や全国の宝塚ファン、およそ4600人。
宝塚歌劇が今年で100周年を迎えることなどを記念して、ラインダンスで一度に踊った人数のギネス世界記録に挑もうと言う。
東日本大震災の被災地の中学生も参加して、全長3.3kmの列をつくり5分20秒のダンスを無事、踊り切った。
主催者は、これを機会に宝塚の名前を世界に広めたいと話している。
今日から児童虐待防止月間が始まった。
虐待への対応は何よりも早期の発見が重要だが、虫歯から虐待の芽を見つけるという新たな取り組みが始まった。
これは11歳の男の子の口の中の写真。
前歯にひどい虫歯があり、原形をとどめていない。
永久歯の多くが虫歯。
これは小学校に入学する直前の女の子。
やはり虫歯ばかりで前歯もほとんどない。
どちらの子も診察した川崎市の川越元久医師はいずれも育児放棄、いわゆるネグレクトを疑ったと言う。
虐待された子どもには虫歯が重症化する傾向があると言う。
子どもの口の中から虐待の兆候をいち早く見つける。
そんな動きが始まっている。
歯科検診を受けているのは、虐待を受け、保護者から一時的に引き離された子どもたち。
ここは児童相談所。
この児童相談所がある三重県では、小学校で歯科医と連携した取り組みを行っている。
まず初めに、子どもに3つの質問をする。
歯にフッ素を塗ってもらったことがあるか、寝る前に歯を磨くか、帰宅時に手を洗うかをチェックする。
チェックが1つ以下だった子は、次に学校の歯科検診で虫歯の数と治療した歯の数を調べる。
虫歯の方が多い場合、学校で見守りが必要な児童とする。
実際に去年、三重県内の小学校で5000人あまりの児童を対象に調べた結果、468人が見守りの対象となった。
この取り組みにより、虐待の中でも特に発見が難しいネグレクトへの早期対応が期待されている。
宮沢経済産業大臣が福島第一原発を視察した。
宮沢経済産業大臣は福島第一原発で汚染水から放射性物質を取り除く装置や、凍土壁の工事現場などを視察し、職員らに対し、汚染水対策や廃炉への取り組みについて激励した。
宮沢大臣は国会で野党から震災の発生以降、福島県内を訪問していないことを追及された経緯があった。
10月31日のニューヨーク株式市場は日銀による追加の金融緩和などから市場に新たな資金が流れ込むという期待が広がり、ダウ平均株価は200ドル近く上昇して史上最高値を更新した。
また為替市場では、特集です。
政治とカネをめぐる問題が一向に収まる気配がない中、10カ月前に現金5000万円を不適切に受け取っていたとして東京都知事を辞職した猪瀬直樹氏が「報道特集」のインタビューに応じました。
猪瀬氏の言葉を皆さんは、どう受け止められるでしょうか。
総理、9月の内閣改造は結果論でありますが、総理いつも結果が大事だとおっしゃる。
極めてお粗末だったんじゃありませんか?任命責任者として深く責任を感じているところでございます。
今週も連日、野党の追及が続いた国会。
閣僚の顔写真入りのパネルを使って野党側が追及すると、安倍総理は…顔写真を出して私はどうかと思いますよ。
公共の電波を使ってイメージ操作をするのはおかしいと思います。
先週月曜日、小渕優子氏と松島みどり氏の2人の大臣が相次いで辞任した安倍改造内閣だが、その後も、政治とカネをめぐる問題が次々と浮上した。
経理の関係は私の家内がほとんど事務の担当者といいますか、お手伝いをいただいて、そしてやっておりましたので。
環境省の望月大臣。
支援者らが地元で開催した賀詞交歓会などの参加費をめぐり後援会の政治資金収支報告書の収支が食い違っていることが判明。
誤って支出だけ記載してしまったと釈明した。
また、有村女性活躍担当大臣の場合は献金を受けた企業がその後、脱税で有罪判決を受けていたことがわかった。
さらに西川農林水産大臣も自らが代表を務める政党支部が親族の企業から物品を購入していたことがわかった。
ここぞとばかりに安倍内閣を追及する野党だが、政治とカネをめぐる問題は野党にも飛び火した。
民主党の枝野幹事長は、政治団体が開催したパーティーの収入およそ240万円を政治資金収支報告書に記載していなかったことが判明し、謝罪した。
私も大変お恥ずかしい話でございますけれども、事務所の記載漏れがございまして。
もちろん枝野議員の説明が満足かどうかということについても、これはいろんな議論があるところだと率直に言って思いますよ。
こうした中、おととい、小渕氏の関係先について東京地検特捜部が家宅捜索に乗り出した。
特捜部は小渕氏の元秘書で政治資金収支報告書を作成したとされる群馬県中之条町の前町長から任意で事情を聞いている。
政権を揺るがしかねない政治とカネ。
この政治とカネの問題で、権力の座から転がり落ちた、あの人物にインタビューした。
笑ってくださいよ、素人だったって本当に僕はこれ、反省してます。
猪瀬直樹氏は政治とカネをめぐる問題で去年12月、東京都知事の座を降りた。
あれからおよそ10カ月、公の場にほとんど姿を見せなかった猪瀬氏が都内にある事務所で「報道特集」のインタビューに応じた。
端的に言って、ご自分の生活、変わりました?都知事を辞任しまして、それからほとんど表に出ないで、謹慎生活といったらあれですけど、静かに過去を振り返り、そして自分がやるべきことは何かということを考えている、そういう時間がほとんどでしたね。
ここにいることが多かったんですか?そうですね。
ここ、書斎とかあるんでしょ?ここ書斎ですから、仕事場ですよねアトリエというか、ここにいる時間が中心でしたね。
都知事を辞任してからほとんど人と会うこともなく、事務所の中で過ごしたと言う猪瀬氏。
ここで寝泊まりし、郊外にある自宅にはなかなか足が向かなかったと言う。
猪瀬氏は去年7月、妻、ゆり子さんを亡くした。
事務所には、写真と遺骨の一部が安置されている。
猪瀬氏は1人で事務所にこもり、多くの時間を執筆に充ててきたと言う。
僕は作家なんだと、そういうことで本を書くことが天職なんだなと。
もともとノンフィクション作家の猪瀬氏。
2007年に当時の石原慎太郎東京都知事に請われて副知事に就任した。
2012年、石原氏の辞任に際して後継指名され、都知事選に出馬。
初めての選挙だったが、蓋を開けてみれば史上最多434万票を獲得しての圧勝だった。
都知事として、2020年東京オリンピックの招致に奔走した。
だが…政治とカネにまつわる疑惑が浮上する。
都知事選の直前、医療法人徳洲会グループから現金5000万円を受け取っていたことが明るみに出た。
収支報告書にはその記載がなく、違法な選挙資金だったのではないかと疑われた。
当初、猪瀬氏は、あくまで個人的な借入金と主張。
しかし都議会、メディアから連日追及され、問題発覚から1カ月後、辞任に追い込まれた。
政治生命を奪った5000万円、なぜ受け取ったのか。
今、僕はね、自分が何を失敗したかということについてよくわかっています。
とても軽率で、人の意見もあまり聞かないで傲慢だったなという時期があったなと思っています。
それは石原さんから後継指名されて、選挙というものをやったことがなかったもんですから、それでいろんなところに挨拶行かなきゃいけないと行ってるうちに徳洲会からお金を借りるという話がたまたま出てきたわけですね。
都知事選への準備が始まる中、猪瀬氏は、徳洲会グループのトップだった徳田虎雄氏と面会する。
虎雄さんはそのときにどうおっしゃったんですか?おっしゃったというよりも、どういう意思表示をされたんですか?目で文字盤を追うわけですね。
頑張りたまえというか、そういうふうな感じで応援しますよというふうな、そういうことで、目がキョロっとしててですね、意思の塊のような人だと思いましたね。
面会からおよそ1週間後、虎雄氏の息子で当時衆議院議員の徳田毅氏と会食した。
選挙には幾らかかるのかという話題が出て、会食は終わったと言う。
具体的な金額は、どこで決まったのか。
5000万という額ね、これは誰が、どういうふうに決めたんですか?徳田毅さんが5000万円をお貸ししますと僕に連絡があり、取りに来てくださいということで、取りに行ったわけですね。
その携帯の電話を受けたときに、5000万と向こうから言ってきたんですか。
5000万円の現金、受け渡し場所は衆議院議員会館と指定された。
猪瀬氏は秘書も伴わず、1人で向かう。
副知事がそのときに議員会館辺りにのこのこ出かけるって全部残っちゃいますよ、それは。
笑ってくださいよ、素人だったって本当に僕はこれ反省してます。
今考えてみるとバカみたいですよね、本当に、だけど、そのお金を見たときにこれまずいなと思いました。
だから、そこでこれはもう使わないで、そこで突き返したら、お願いしたわけですから敵対関係になってしまいますので、そこで、とりあえず預かって、手をつけないようにして、まずは保管するしかないなと。
猪瀬氏が5000万円を返却したのは去年9月、選挙違反事件で徳洲会グループに強制捜査が入った後のことだった。
5000万円について、都知事選の後から返そうとしてきたと釈明する猪瀬氏。
だが、徳田氏側の都合や、妻、ゆり子さんの急逝、オリンピック招致に追われ、タイミングを逸したと言う。
強制捜査が入ったから返したというふうに誤解されてますけれども、実は2月からずっとそういう、早く返さなければというものが続いてたということですね。
お前もっと早くできたろと言われればそうですが、そういう努力はしていたということですね。
今年3月、東京地検特捜部は5000万円を収支報告書に記載していなかったとして公職選挙法違反の罪で猪瀬氏を略式起訴した。
実際に選挙には使われず、返金されており、大きな悪質性はないと判断された。
猪瀬氏は罰金50万円を納付し、5年間の公民権停止となった。
都知事在任期間はわずか1年。
史上最も短かった。
だが自らの都政を振り返りオリンピック招致成功については強い自負がのぞいた。
東日本大震災の復興と、みんなが目標を持つような、何か前に向かうようなそういう気運というか、そういうものを育てないと、あの当時は心がみんな折れているような状況の中で、何か前に光がなければという気持ちでしたよ。
2020年どうしても東京とらないともう次チャンスないだろうと。
心のデフレを取り払って。
一方、オリンピック開催決定後の今競技場の改築問題など、課題が浮き彫りになってきている。
心のデフレというのを取り除くっていうあるいは国民統合の目標を立てるというのは、非常に重要なことだと思うんですが、一方で、オリンピックの準備のためにいろんな資材とかエネルギーとか人材が、そっちに割かれてしまうと、本来、復興のために割かれるべき資材とか、建築の労働力とか、そういうものがおざなりになってしまうことがあるんじゃないかみたいなことを。
それはわかってる、だけどそうじゃなくて、あの時点で何をしなければいけないかということだったので、今おっしゃられてることとは…。
じゃあ今の話聞きましょう。
今、各所から出ているような…今の話はいいですよ、僕はもう辞めてるわけだから、やってもしようがないと。
政治の表舞台から去っておよそ1年。
人目を避ける日々を送る中、時折訪れるのが、妻、ゆり子さんのお墓。
40年以上、猪瀬氏を支え続けた。
奥さんどういう人でした?天然です、天然というか、だから明るくて、仕事というか、働き者。
だから僕なんかいろんものに行き詰まっても、こういう性格の人がいると、一緒にいると、救われるところありましたね。
ゆり子さんは猪瀬氏がオリンピック招致に奔走していた去年7月、脳腫瘍で容体が急変し、帰らぬ人となった。
奥様に声をかけるとしたら、何をおっしゃいますか?さようならってやっぱり言ってなかったってことが、つまり、別れをきちっとしてなかったことが一番つらいんですね。
でも今、僕が心の中で奥様にさよならを言えなかったのが心残りだと語った猪瀬氏ですが、こちらが出版されたばかりの著書です。
妻ゆり子さんとの思い出や5000万円についての記述もありました。
このタイミングでインタビューに応じたというのはやはり本が関係しているんでしょうか?実は僕は猪瀬さんとは「ミカドの肖像」という本が1986年に出たんですけどそのときからの実はお付き合いなんですね。
去年、疑惑が出て、実は私、手紙を出しましてインタビューをしたいということを言ったんですが、今回、その本を出したということで1つの区切りをつけたということで先方から約束を果たしましょうということで来たので、今週の水曜日にインタビューしたんです、2時間で。
猪瀬さんの辞任会見、私出席したんですけれども、5000万円については当時の説明とほとんど変わらない、それと相変わらず、政治の素人ということを言ってましたね。
それが今、出ている小渕さんとか松島さんの、私は知らなかったとか、アマチュアでしたという言い訳と重なってるような。
説明について時間がたって深まったという印象は、正直言ってなかったですね。
今回、話を聞いて、それからその本を読んで、この人はあらゆるものを失って、最後に残ったのが、やっぱり奥さんとの思い出だったのかなと感じました。
奥さんのゆり子さんというのは学校の先生をしながら支えていたわけで、奥様が五輪招致の真っただ中に亡くなったということでやっぱり最後にはさよならと言えなかった、ありがとうと言えなかったというのは、僕はそういう後悔の思いが猪瀬さんに残ってるというのは個人的には信じたいですけどね。
さて、人生最期のときを皆さんはどこで迎えたいとお考えでしょうか?今、日本人のおよそ8割が病院で亡くなる中、自宅で最期を迎えたい、そう願う人は年々増えてきています。
家族に見守られながらいく人、1人でそのときを待つ人、住み慣れた我が家で最期を迎える人々の姿を取材しました。
神奈川県横須賀市。
この日、人生の終末期を自宅で過ごす男性のもとを訪問看護師が訪れた。
お父さん、また来たよ、今日、雨。
今もう昼間だよ、いい曲聞いてんねどうした、どこか痛い?痛くないの?つらいの?つらいんだ。
何?悔しいの?もうちょっと頑張りたい、ああ、そうか。
お父さん、頑張ろうよ、じゃあ。
山極一さん94歳。
末期ガンの患者。
一さんは75歳で胃ガンを患い、その後もずっとガンに苦しみ続けてきました。
肝臓ガンが見つかったのは今年の初め。
医師からは余命半年と診断された。
延命治療やホスピスでの療養を望まなかった一さんは、今年1月、自宅で最期を迎えることに決めた。
1人で死ぬのは嫌だって言うから、おばあちゃんもすぐ後から逝くからね、おじいちゃん、大丈夫よって、そう言ったの。
寝かせるね、ベッドね。
86歳になる妻の孝光さんは、この半年あまり、夫をずっとそばで支えている。
髪のもと塗る?うんだって。
はい、髪のもとです。
身だしなみにはいつも気を使っていたという一さん。
そんな夫の髪を今でも孝光さんは整髪料をつけて整えています。
あら〜、髪の毛きれいになったけど気持ちいいの?お父さん。
お父さん、ちょっと口の中カラカラだから。
今は食事をとることもできません。
氷水を軽く口に浸すだけの生活が2週間以上も続いている。
横須賀で生まれ育った一さんは、50年近く、調理師として働いてきた。
その一方で、地元の友人とジャズバンドを組み、キャバレーやダンスホールで演奏に励んできたと言います。
壁に飾られた絵は、どれも晩年、一さんが趣味で描いてきたもの。
最期の思い出になればと、近所に住む娘の博子さんが貼った。
本当だったら父のビデオ、映像で終わらせてあげたないと思うんだけど、あの、バンドやってたね。
やっぱり音が聞こえないから触診でね。
でも昨日より低くなってる。
既に血圧も下がり出し、血流音も聴診できる状態ではない。
この日、訪問看護師は別れが近づいていることを家族に告げた。
お母さんちょっとこっちいい?お母さんね、実は血圧が下がってきてるんですよ。
このぐらいあったんだけど、ここでは、100ぐらいあったんだけど、今80ぐらいしかないのね。
いよいよのとき、もううんちも出したし、おしっこも出なくなると、その合図なんですよ。
今晩ということがあり得るのかなという状況になってきてます。
前にも話したけれど、何しろ、そばにいてあげて、息が止まったり、また始まったりとか、そういうことが繰り返されてくるかもしれないんだけれど、手を握ってあげて、そばで最期まで耳だけは聞こえるからお父さんありがとうっていう感じで話してあげればいいかと思います。
自宅で最期を迎えたいと願う一さんに寄り添い続けてきた家族。
住み慣れたこの家で、大好きな音楽を聞きながら、一さんは静かに、そのときを迎えようとしている。
その日の夜…おじいちゃん、ありがとう…頑張ってくれて、ありがとう。
一さんは眠るように息を引き取った。
最期は、サックスを吹く生前の姿をテレビモニタに映して見送った。
ありがとう、孝光幸せだったよ、おじいちゃん。
一さんは家族に見守られながら、静かに旅立っていった。
自宅で最期を迎えたい、そう願う人たちは増えている。
しかし、在宅医療への不安や家族の支えが得られないといった理由から、8割近くが、病院で亡くなっているのが現実。
こうした中、自宅での看取りを積極的に推進しているのが横須賀市。
人口の3割近くが65歳以上の高齢者という横須賀市では、終末期の患者を病院だけで支えるのには限界があると言う。
一方で、在宅療養を希望する人は年々増えている。
医師とか看護師のネットワークづくりみたいなことを進めながら、市としては対応したいなと思っています。
市では3年前から在宅支援の連携強化に向け、医師や看護師、ヘルパーなどすべての職種が集まる研修会を開いている。
現場は常に切実な問題を抱えている。
支援体制は、まだ十分なわけではない。
それでも互いの立場を理解することで、新たな解決策も見えてくる。
介護のプロの方、医療のプロの方というのが集まって、1つのテーマについて話すということ自体が横須賀市の底上げをしていっていると思います。
今、市ではさらなる課題を抱えている。
ひとり暮らしの患者をどう支えるか。
横須賀市で在宅療養をする患者は推計1500人。
そのうち1割以上が独居、または昼間、家族が仕事に出かけ、その間は1人になる日中独居と呼ばれる患者。
こうした患者たちを20年近くにわたり支え続けているのが在宅医の千葉純医師。
現在、抱える患者はおよそ80人。
そのうち20人以上が独居、または日中独居の患者。
ひとり暮らしの患者の多くは在宅療養を望んでいても頼る家族がいないことから、最後は病院や施設に入って亡くなっているのが現状。
こうした中、千葉医師はひとり暮らしの患者たちを家族の代わりになって支え続けている。
この日、日中独居の末期ガン患者のもとを訪ねた。
さちこさん57歳。
3年前に患った肺ガンが髄膜に転移し、医師から診断された余命は2カ月。
病院でできる治療はなくなっていたさちこさんは、今年6月、残された時間を自宅で過ごすことに決めた。
どういうところがいいですか、自宅は?わがままもきくし、病院だといろんな人がいるからさ。
さちこさんは20年前に夫と別れ、今は生活保護を受けながら、20歳の息子と2人で暮らしている。
しかし、息子は仕事が忙しく、昼間、家にいることはほとんどない息子さんは?昨日息子さんと電話したんです。
それでね、相当、やっぱり心配は心配みたいよ。
でも何も言わないでしょ。
今日も僕ら来るから、もし一緒にいれたらと思ったけど仕事なんだって、7時まで。
家族の支えが満足に得られないさちこさんにとって欠かせないのがヘルパーの存在。
訪問介護は一日30分から1時間半。
体をふいたり、食事の世話をしたり寝たきりのさちこさんを支えている。
訪問看護師も、常にさちこさんの様子を見守り続けている。
夜は眠れてますか?眠れるようになりました?今日、息子さん休みでよかったですね。
この日、仕事が休みで家にいた息子の裕太さんに訪問看護師が声をかけた。
しかし、裕太さんは布団に寝たままなかなか部屋から出ようとしない。
おはようございます。
30分後、ようやく出てきた裕太さんは訪問看護師に促されながらマッサージを始めた。
仕事帰りですぐ寝てしまったりして、なかなか親とゆっくり話す機会がないですね。
母が、そう長くは生きられないことを裕太さんは、まだ十分に受け入れきれていない様子。
在宅療養を始めて2カ月。
さちこさんは、末期ガン特有の体の痛みに苦しみ続けている。
ここは?痛いみんな痛い。
こっち側は?在宅支援にとって大切なのは患者の苦痛を和らげること。
病院から処方されていた薬が病状の変化とともに、合わなくなってきたと判断した千場医師は薬の量を5種類から2種類に減らし、その分、痛みやストレスを和らげる薬を増やした。
その2日後、さちこさんに変化が見られた。
どう?吐き気とか、お薬大分減らしたんですけど。
大分なくなった。
この日、千場医師は、ある提案をした。
ちょっと難しいことだけど、体を寝てないで縦にする、つまり、こういうところに足を下ろして座るとか。
寝たきりで硬くなった体の血のめぐりをよくするため、さちこさんに、ベッドに座ることを勧めた。
目、開いてる?周り見て、何が見える?バケツとか。
何が見える?バケツ。
息子さん、随分でかくなったでしょ横にでかくなり過ぎた?ねっ。
病気の影響で視力が衰え始めているさちこさんに息子の姿を見せて安心させたい。
ベッドに座らせたのは、千場医師のそんな気遣いでもあった。
息子さんだよ、心配ないよ。
一方、千場医師が診ている患者の中には終末期を1人で過ごす患者もいる。
野口薫賢さん74歳。
元気ないよ。
4年前に発病した腎臓ガンが今年になって再発。
完治が難しいと診断された野口さんは、先月、本人の強い希望で自宅に戻った。
30年前に妻を亡くし、その後、アパートでひとり暮らし。
子どもは息子が2人。
ともに独立し、今は別の場所で暮らしている。
長年、とび職を続けてきた野口さんは体力には強い自信を持っていたと言う。
しかし、体が思うように動かなくなった今、こんな言葉を口にする。
そう長くは生きられないという不安や寂しさから気持ちが沈みかけている野口さん。
そんな野口さんを千葉医師は家族の代わりになって励ます。
さっき言ったのはね、何か悪いところがとれて、すっきりして、脂とかとれて、アクがとれて、ちょっとすっきり感があるねって。
だから目なんか、すごいキラキラして、きれいなのよ、前より。
そういう気がしない?いや、違う、違う、きれいだって。
まだ本当の受け入れというか覚悟とかできている感じでもないのと、まだ残っている本人の希望っていうか、それをそのまま押し殺すわけにいかないので。
少しずつ、少しずつ、人が入っていかないと、本人も今の状況に、なかなか受け入れというか、整っていかないと思うのでね。
それから2週間。
野口さん、元気。
腎臓はそんなに働きがなくなってどうこうって心配はないみたい。
おなかに水がたまったり、肝臓に転移はない。
だから食べるもの食べて、もうちょっと気持ちが前向きっていうか、つらさが減ってくると、もっといいんだけど。
一時は死への不安や孤独感から生きる望みを失いかけていた野口さん。
しかし今は、頑張りたいという気持ちが芽生え始めている。
この日、日中独居のさちこさんのもとに入浴介助のヘルパーたちがやって来た。
はい、じゃあ下がりますね。
どうでしょうか?シャンプー流していきますね。
訪問入浴は週1〜2回。
生活保護を受けながら在宅療養するさちこさんは介護保険の枠を利用して、こうしたサービスを受けている。
しかし、介護保険は一定の金額を超えると自己負担になるため、さちこさんは必要最小限のサービスしか受けることができない。
お金のある方はいいです、本当にきちんと見てもらえるんですけど、お金に困っている、大変っていう人本当に入れてあげたくても、介護度をたくさん持ってても使えない部分ってあるから、その辺が本当にヘルパーさんたちがサービスしてやってる部分ってたくさんありますね。
半月後、さちこさんの容体に変化があった。
三輪医院ですよ、千場先生と来ました。
呼吸が荒く、苦しそう。
最期のときが近づいていると感じた千場医師は、部屋にいた裕太さんに告げた。
息が吸ったり吐いたり、荒いでしょ?ここで肺炎、これは人間、最期、そういうのを迎えてというのが多いので、もうちょっとすると今晩いっぱい。
そういう意味で、つらいかもしれないけど、そばにいてあげてと思うのね。
頑張るんだよ。
間近に迫る母の死。
その現実を受け入れざるを得なかった裕太さんはしばらく部屋に座り込み、泣いていた。
その夜、別れがきた。
お母さん…さちこさんは、裕太さんの目の前で静かに息を引き取った。
最期の最期まで頑張ったね。
お母さん、20年間ありがとうね。
ここまで育ててくれてありがとう。
頑張るから、これからも頑張るからお疲れさま、お母さん。
20年間ありがとう。
お休み。
感謝の気持ちを何度も口にした裕太さん。
母と息子が1つになれた別れだった。
2週間後、千葉医師は裕太さんのもとを訪ねた。
お母さんの場合はね、しっかり乗り越えたと思うし裕太君も相当貢献したでしょう。
できましたかね?親も自宅だったから、最期、安心していけたんじゃないかなと思うんですけど。
看取ることができてよかったと思います。
病院で看取るんじゃなくて、自宅で看取った方が、看取られる方も安心して、いけるんじゃないかと思うんですけどね。
最終的にはこれでよかったんだと、納得とか満足っていうような感覚の中で、そのときを迎えることができればなと。
取材に当たりました瀬戸ディレクターです。
私も自分の家族と重ね合わせながらVTRを見ましたけれど、実際に看取りの現場に立ち会って、今、胸によぎるものというのはどういった思いなんでしょうか?今回、お二人の方の看取りに立ち会わせていただいたんですけどやはりお二人ともすごくいい表情をして、いい顔をして逝かれたなと思いましたね。
こちらのグラフなんですけど、昔は家で亡くなるというのは当たり前で、8割以上の方が自宅で亡くなっていたんですけれどもしかし、1975年頃を境にこれが逆転して、今、自宅で亡くなっている人というのが2割以下という状況なんですね。
その背景には、支える家族がいないというところが大きな理由だと思います。
住み慣れた場所で死にたいというのは本当に自然なことだと思うし、周りも、できればそうしてあげたいと思うんですけど、なかなかそれができない現実というのもありますよね。
今回、取材した横須賀市では、病院の増設もなかなか見込まれないという状況の中で、終末期を迎えるすべての患者さんを支えるのに限界に来ていると。
うまく連携をとり合って、市の方では医師とか看護師とかヘルパーさんたちがうまく何とか患者を支えようということで今、一生懸命やっているという状況なんですね。
いろんな思いがよぎるんですが、親族の死に向き合うというのはとても大事なことですよね。
やはり人の死というのはこれ家族にとってすごくつらいことだと思うんですけれども、死に向き合うということで、逆に生と向き合うということでもあると思うんですよね。
例えば、生きる意味とか、あるいは命の尊さというのを強くやっぱり感じる瞬間だと思うんですよね。
最後、息子の裕太さんが言っていましたけれども、お母さん看取ってよかったと。
彼も、母親を看取ったということで本当に一回り大きくなったなというように見えましたね。
この後はスポーツです。
ソフトバンクに新監督が誕生しました。
秋山監督から工藤新監督へ。
西武ライオンズの黄金時代をともに築き上げた旧知の仲。
工藤新体制で連続日本一を目指す。
ソフトバンク日本一の歓喜から2日。
新たに就任した工藤公康監督が決意を語った。
左のエースとして西武、ダイエーなど4球団で29年。
リーグ優勝14回、日本一11回を経験し、優勝請負人とまで呼ばれた。
背番号は秋山監督がつけていた81。
日本一のチームを引き継ぎ、掲げる目標は…そのライバルとなるパ・リーグにはかつてのチームメイト4人が監督として立ちはだかる。
男子テニス、マスターズ・パリ大会準々決勝。
この試合に勝てば、ツアーファイナル出場が決まる錦織圭は第4シードのフェレールと対戦した。
ミスからリズムを崩した錦織は第1セットを落としてしまう。
続く第2セットもタイブレークで2−5と後がない状況に追い込まれるが、強気の攻めで反撃開始。
相手を翻弄するフォアの逆クロスで1ポイント差。
チャンコーチも拍手で称える。
さらに華麗なボレーで追いつくと…角度のあるスマッシュで逆転。
最後はサーブで締めて崖っぷちからの5連続ポイント。
相手も思わず悔しさをあらわにする。
これで勢いに乗った錦織は要所で得意のバックハンドが冴える。
第3セットも連取し、この大会ベスト4進出を決めた錦織。
年間成績上位8人で争うツアーファイナルの出場権を獲得した。
アジア選手初の快挙。
ラグビー日本代表はニュージーランドの先住民族、マオリ族の子孫で構成されるマオリ・オールブラックスと対戦。
試合はマオリペースで進む。
開始早々に先制トライを決めると34分には身体能力の高さを見せつける。
自陣深くからキックを絡め、一気にトライ。
防戦一方の日本だったが、後半に入ると意地のトライを奪う。
日本は敗れたが、来年のW杯に向けて、世界最高峰のラグビーを実感する試合となった。
前衛芸術家で、あの「老人力」という言葉の生みの親、赤瀬川原平さん、先月26日に亡くなりました。
思い出があるそうですね、金平さん?僕は高校のときからファンで、仕事を通じて何度かお会いしたんですけど、おもしろいことが大好きでね、いつもニコニコしてるんだけど、すごい。
千円札をめぐる裁判とか、「桜画報」という雑誌が回収されちゃったりとかいろいろありましたね。
2014/11/01(土) 17:30〜18:50
MBS毎日放送
報道特集[字]【猪瀬氏語る▽自宅で看取り】

前都知事の猪瀬直樹氏。沈黙を破りあの事件について語る▽自宅で最後を迎えたいと願う人が増えている。その現場にカメラが入った。

詳細情報
番組内容
【反省の日々 猪瀬氏語る】
政治とカネの問題で都知事を辞任した猪瀬直樹氏。公の場から姿を消して半年あまり。謹慎生活を続ける猪瀬氏だが、『報道特集』の取材に対し、ようやく重たい口を開いた。

【自宅で最期を迎えたい】
人生の最期を自宅で迎えたいと願う人が増えている。しかし実際には、家族の支えなどが得られず8割近くが病院で亡くなっている。ひとりの在宅医を通して、自宅での看取りの現場を追った。
出演者
【キャスター】
金平茂紀(TBSテレビ報道局)
日下部正樹(TBSテレビ報道局)
小林悠(TBSテレビアナウンサー)
林みなほ(TBSテレビアナウンサー)
制作
▽番組HP
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ジャンル :
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
福祉 – 文字(字幕)

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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