美の京都遺産 2014.11.23

(ナレーション)
遠い昔ある男が射抜いた餅が白い鳥になって大空を舞った
やがてその白い鳥が降り立つとその地に稲が生えたという

東山連峰の最南端に位置する稲荷山

そこは全国3万社ともいわれる稲荷神社の総本宮伏見稲荷大社である

平日の朝にもかかわらず大勢の人々の姿が見られる

石段の両脇には狐の像
狐を稲荷神社の祭神と思っている日本人は少なくない
だが狐はあくまでも神の使いである

楼門をくぐった先にある…
周囲につるされた燈籠には黄道十二宮の星座を表した意匠が施されている
唐破風朱塗向拝が華やかな…
参詣者が鳴らす鈴の音がやまない
(鈴の音)
桧皮葺五間社流造の本殿
祭神は…
この五柱を総称して稲荷大神と呼んでいる
伏見稲荷大社は和銅4年西暦711年の2月の初午の日稲荷山に稲荷大神を秦氏がったことに始まるという
秦氏は稲荷大神が鎮座する伏見深草一帯を本拠地とした
深草の秦一族は太秦を本拠地とする秦一族と同族と考えられている
(中村さん)農耕の神様なんです。
お米の神様…農耕の神様がおりされておりましてね。
この深草の辺りはですね弥生の中期の農耕集落が…遺跡があるんですね。
っていうのはその時代にすでにもう農耕があの辺りで営まれておったと。
その人たちがやはりこの東の方…東の方といいますと稲荷山なんですね。
稲荷山がですねやはり…太陽は東の山から上がってくる。
それからまたお山から谷を伝って水が川へ流れてくる。
やはり稲作には太陽の光と水っていうものがなければですねこれは豊作が得られないということですね。
やはりこの東の方の山稲荷山に対する信仰があったということがいわれてるんですね。

遠い昔山は信仰の対象であった
いつしか人々は稲荷山に詣で稲荷大神に祈願するようになった

稲荷山詣「お山めぐり」の始まりにある
人々が奉納したおびただしい数の鳥居がびっしり立ち並ぶ
古都京都を代表する風景として世界に知られている

お山めぐりに要する時間は2時間
およそ4キロの参道に社が点在する

農耕神としてられた稲荷大神は平安遷都後王城鎮護の神として崇敬される
やがて現世利益の神としても崇められ清少納言や足利歴代将軍豊臣秀吉も篤く信仰した

稲荷山の山頂一ノ峰
上社の神蹟がある

稲荷山には実に多種多様な名前の神がられている

(中村さん)例えば一ノ峰なら一ノ峰にられてる神様を…。
このねご神徳をそれぞれね名前に付けて呼び名にしてるんですね。
例えば一ノ峰の神様ですと末が広がっていくと。
末が広がっていくっちゅうことは非常に先が盛んになっていくと。
そういう意味で末廣大神というような名前で呼んでるんですね。
末廣大神のそこへ自分の一つのご分霊をおりしたいという願望が出てくるわけですね。
そうしますとそこにご分霊をおりすると。
すると「末」の一字を頂いて末高大神だとか末吉大神とかいうような名前が付けられるわけですね。
そうしますとだんだんいろんな形の名前がたくさん増えてくる。
それのほとんどが皆そのご神徳を名前に表した場合が多いんですね。
元の神様を祖神様としてそれの子にあたる…妻子眷属という言葉が今日にもありますようにそういう子供や孫にあたる神様を通じて祖神様を信仰するという二重の信仰の一つの形態が生まれてくるわけです。
江戸時代初期寛文年間の境内を描いた絵図である
その当時は表参道に面して社家の邸が立ち並んでいた
往時を偲ばせる建物が残っている

西羽倉家に生まれた羽倉延次が寛永18年1641年に後水尾上皇から下賜された建物である
一説によると仙洞御所から移築されたという

欄間は菱格子
床違棚付書院を備えた書院造の格調と数寄屋建築の軽やかさが同居する

東羽倉家に生まれた荷田春満が暮らした邸である

春満は近世四大国学者の筆頭に挙げられる

奈良時代の地誌「山城国風土記」に神社創建にまつわる記述がある

遠い昔秦氏の祖先伊呂具は餅を的に見立て矢を射た
すると餅が白い鳥となって飛び立ち稲荷山に舞い降りると稲が生えた
伊呂具の子孫は食べ物を粗末にした祖先の過ちを悔い稲荷山の木を持ち帰りった
その社の名を稲が生ったので「伊奈利」とした
(中村さん)稲っちゅうのはやはりね古代の人間にとってはですね非常に大切なものであると。
「命の根」が詰まった言葉が「稲」だと。
やはり自然から日本人は多くのものを学び取ってるわけですね。
自然がお手本なんですね。
だから私たちはまあ自然の恵みを頂いてですね…特に農作物はそうですよね。
人間は移動できますけど農作物は移動できないですね。
その場所にしか…。
だからもうやはり自然の恵みがなかったら…だから神と自然の恵みがなかったらそこに人間が手を加えることによって豊かな実りが得られるんだと。

「稲生り」が「稲荷」
創建の経緯に稲が深く関わる伏見稲荷大社は自然の営みの尊さを語りかけている

五条坂茶わん坂の活性化に取り組む東山の陶工たちをご紹介します
2014/11/23(日) 06:15〜06:30
MBS毎日放送
美の京都遺産[字]

「伏見稲荷大社」

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
福祉 – 文字(字幕)

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