(テーマ音楽)
秋深まる北の海
夜水面が煌々と照らし出されます。
イカ釣り船の漁り火です
対岸にうっすら見えるのは北方領土の国後島
知床半島の南側にある羅臼町です
古くから漁業の町として栄えてきました
(競りの声)
一年を通してさまざまな漁が行われる羅臼の海
この時期はサケやホッケなどが多く揚がります
わ〜にぎやかですね。
船がびっしり港に着いてる。
どんどん帰ってきてるんだ。
秋の羅臼で特に盛んなのはスルメイカ漁
生のスルメイカでは日本一の水揚げを誇っています
多い日には1日1,000tを超すイカがとれ関東や関西などにも出荷されます
羅臼港にやって来る100隻以上ものイカ釣り船。
そのほとんどが羅臼以外から来た漁船です
船尾には「青森」そして「福井」など。
「外来船」と呼ばれています
私は鳥取県の境港から来ました。
この羅臼が一番。
日本で一番とれる所じゃないですか。
そしてこちらは…
こんにちは。
(川)長崎県対馬。
対馬!対馬をいつ出たんですか?
(川)5月の18日だったね。
じゃもう5か月か4か月か…。
(川)はいそうです。
イカを追って全国各地で漁をする…
毎年9月からの3か月間を羅臼の海で過ごします
スルメイカは東シナ海などで生まれたあと餌を求めて日本海と太平洋2つのルートで北上します
秋その一部が羅臼沖へとたどりつきここで1年の命を終えるのです。
羅臼は最後の漁場となる事から「イカの終着地」と呼ばれています
イカ釣り船が港を出るのは午後3時
漁師たちはイカの群れを求めて一斉に船を走らせます
この日川さんが向かったのは港からおよそ1時間半
知床半島の先端知床岬を望む海でした
日本海と太平洋のイカはここに集まってから入ってきますからやっぱりここ狙うのがいいんじゃないかなと思って。
ここ狙います。
日本海と太平洋2つの潮がぶつかる潮目です。
流れが緩くイカが多く集まる格好の漁場とされています
スルメイカ漁は集魚灯でイカを集め釣り上げます
待つ事20分。
徐々にイカがかかり始めました
しかし川さんの表情はさえません。
思いの外潮が速く仕掛けが外れるなどトラブルが相次いで起こります
前日のしけの影響を読み違えたのです
私の弁解余地はありません。
船長のミスそれだけです。
午前2時過ぎ川さんに無線が入りました。
仲間の外来船が別の場所でイカが多く揚がっていると知らせてきたのです
仲間のもとへ急ぎます
知らせてくれたのは青森から来た船。
自分のそばで漁をするよう川さんを誘ったのです
再び漁を始めて5分
イカがかかり始めました
北海道から九州までみんな友達だから。
ライバルはライバルだよ。
でも最高の友達だから。
自分一人今日はとれました大漁しましたで帰る事絶対ない。
仲間は。
みんな同じように釣って帰る。
それが友達。
それだから陸に上がっても楽しく酒が飲めるのよ。
明け方まで粘った川さん。
ふだんの1/3ほどながら何とか盛り返しました
朝港に帰ってきた川さんの船を迎える人たちがいました
手際よく水揚げをするのは地元の女性たち。
「出面さん」と呼ばれています
自分の家の漁の合間に港で手伝いをする出面さん。
外来船にとって大きな頼りです
おはようおはようさん。
これ。
あっすみません。
知り合いの羅臼の漁師から定置網でとれた魚のお裾分け
これブリ。
漁師町ならではの近所づきあいです
地元の人からね。
ありがとうございます。
吉さんとかはイカだけだから魚も食べたくなるだろうし。
水揚げのあとは朝御飯
こんにちは。
おかずはもちろんとれたてのスルメイカです
イカは羅臼に限る?おいしいイカは羅臼に限ります。
(一同)いただきます。
川さんの船の乗組員セダユ君とヌコドリ君。
2人はインドネシアからの技能実習生です
今年5月から川さんのもとで漁を続け日本の漁業を学んでいます
船長は厳しいですか?ダイジョウブ。
ガンバッテル。
ヌコドリ君はどうですか?船長さん厳しい?チョット。
ハハハッ。
ヌコドリ君も頑張ってるの?ガンバリマス。
食事が終わると次の漁に備えます
(2人)オヤスミナサイ。
船の底のベッドでつかの間の休息です
川さんは15で漁師になって以来海から海へイカを追い続けてきました。
家族と会えるのはお正月だけ
長崎に帰って孫と会うのが一番の楽しみです
今年はイカの群れが小さく夏までの漁では思うような水揚げになっていません
8月までの挽回しない事には帰られませんから一生懸命頑張って挽回して帰りたいと思います。
じゃ勝負どころですねここが。
そうです。
命懸けて頑張りますよここで。
港の近くにある繁華街
いらっしゃい。
漁が休みの土曜日漁師たちが集まっていました
函館から来ている仲間とはもう16年のつきあいです
仲間って…気が合うからでねぇの。
俺は函館だけどもこの人対馬から来てっけども気が合うから常に連絡取って行動を共に歩いてるよね。
地元の漁師ともすっかり顔なじみ
外来船と地元の漁師毎年変わらず酒を酌み交わします
町外れに漁師たちが度々訪れる場所があります
無料の露天風呂熊の湯です
海の仲間と裸のつきあい
英気を養うぬくもりの湯です
イカの群れは港近くにまでやって来ます。
外来船に混じって漁をする小船。
地元羅臼のイカ釣り船です。
その数およそ70隻
羅臼の漁師たちはイカをはじめ季節ごとさまざまな漁で暮らしを立てています
漁師になって32年…
この季節忙しいのはイカ漁と昆布の出荷作業
特産の羅臼昆布の選別と箱詰めに追われています
(松浦)今が一番忙しいかもしれない。
休みないね。
ほんと海しけないかぎり休みねぇよ。
合間を縫ってはまた海へ
この日は潜水の漁
貴重な天然のホタテです
羅臼の海に息づく豊かな恵みです
これ普通だとねこの中にね砂がいっぱい入ってる。
砂が一つも入ってない。
むいてすぐ食べれるんですよ。
これが一つの…一番羅臼の味。
このまんま。
このちっちゃい船で1年間食っていける。
そうないんじゃないかな。
そんだけ潤ってるんだねまだね。
羅臼はね。
10月中旬。
この日もイカ漁の外来船が出ていました
川さんが選んだのは港から僅か15分。
潮の流れが緩やかで群れが集まりやすい場所です
来てる来てる!釣れてる。
来た来た来た!グーだ!
次々揚がるスルメイカ
川さん2週間ぶりの大漁です
(川)ありがたいです確かにね。
ありがたい海ですここはね。
大漁しても楽しいし不漁をしても明日の事があるから楽しい。
一生懸命頑張ってね頑張れ頑張れしてから12月までは羅臼でお世話になります。
イカの終着地羅臼。
恵み分かち合う北の海です
(テーマ音楽)
(テーマ音楽)2014/11/01(土) 05:15〜05:40
NHK総合1・神戸
小さな旅「イカの終着地で〜北海道 羅臼町〜」[字]
北海道・知床半島にある羅臼町。10月初旬、沖には、まぶしいほどのスルメイカ漁のいさり火がたかれる。イカを追い求め全国各地からやってくる漁師と地元の漁師たちの物語
詳細情報
番組内容
北海道・知床半島にある羅臼町。10月初旬、山の木々が鮮やかに色づくころ、沖には夜通し、まぶしいほどの漁火がたかれます。羅臼沖は、“イカの終着地”と呼ばれ、北上するスルメイカの漁場。イカを追い求め、「外来船」と呼ばれる羅臼以外の大きな船が全国から集まり、シーズン最後の漁に賭けます。一方、地元の漁師は小さな船でイカを釣ります。晩秋の知床、大小の漁火のもとに広がる漁師たちの物語です。
出演者
【語り】国井雅比古,山田敦子
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
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