(甲斐享)あっ…。
(陣川公平)杉下さん今日はお話があって参りました。
杉下さんなら今いませんけど。
特命係に用があるなら俺が…。
君には用も興味もない。
はい?いないなら待たせてもらう。
あっあっ…ちょっとちょっとちょっと…!あっ…。
あ〜あ…。
すまん。
いやいいです。
あの悪いんですけど俺これから用があるんで本当に用があるなら言っときますけど。
結構だ!…え?なんなんだ?あれ…。
(杉下右京)不審者…ですか?杉下さんに話があるって。
はて?どなたでしょう?二枚目なのにちょっとなんか抜けてる人でしたね。
切手ばらまいたりして。
ひょっとして陣川くんでしょうかねぇ。
陣川くん?警部補で一時特命係にいた事のある人物です。
ああ…どんな人なんですか?説明してあげたいところですが今取り込んでいます。
またのちほど。
ああ…はい。
うわっ!すいません!すいません…。
(咳払い)
(澤山綾子)私もここに来るの初めてなんです。
ええ…。
作品の保管スペースを確保出来ない作家も多いので預かってるんです。
なるほど。
ちょっとよろしいですか?はい。
ここ。
こちらのスペースなんですが…。
1234…。
ホコリっぽいですよね。
社長は預かりっぱなしで掃除しなかったから…。
ええ。
「A‐4」…何が置かれていたのでしょう?保管リストが事務所にあります。
どうぞ。
どうも。
(米沢守)亡くなったのはここの社長の濱田雅志さんです。
死因は後頭部を強く打った事による脳挫傷。
おそらくあそこから落ちてテーブルに頭をぶつけたんでしょうな。
(伊丹憲一)まさか手から滑り落ちた書類を慌てて取ろうとして落っこちたってのか?1つ不可解な点がありまして…。
ちょっとこれ見てください。
ここに鋭利なもので出来た傷があります。
しかしこの辺りにはそのようなものは見当たりませんでした。
(伊丹)鋭利なものじゃなくても出来るだろうこれぐらいの傷。
もういいよ。
はい。
おい…。
(三浦信輔)死亡推定時刻は?おととい土曜日午後3時から5時だそうです。
(芹沢慶二)ここはアートイベントの企画会社だそうですけど土日は休みなんですか?
(大石貴伸)はい。
休みが明けて今朝来たら社長が倒れてて…。
(三浦)何かどなたかともめていたとかそういった心当たりありませんかね?社長方々に借金してたんで。
ほう…。
銀行はもう貸してくれないんで社長がどっかから金引っ張ってきてたんですけど…。
借りるだけ借りて返してないと…。
あっ!警部殿!?ったく…なんで先に来てるんです?米沢さんの部屋にいた時にたまたま出動要請があったものですからねぇ。
たまたまねぇ…。
これお返ししておきますね。
わかりました。
あーあーあー何被害者の遺留品勝手に動かしてるんですか!白手袋が妙に汚れていたのでちょっと気になってしまいましてねぇ。
いやそういう話をしてるわけじゃなくてですね…。
米沢さんからの報告は済んでますか?はい。
いいえ。
かいつまんで話すとこのテーブルの上に何か鋭利なものが置かれていた。
しかしそれが見当たらない。
何者かが持ち去ったのではないか。
つまりこれは不注意による転落事故…ではなく殺人事件という事ですね。
そういう事です。
あとは信じるか信じないかの差ですな。
(綾子)ありました。
Aの4というとここですね。
恐縮です。
Aの4牧口満。
おや…これはすごい。
彼の彫刻が5体預けられていた事になってますね。
牧口さん…。
先日イタリアのビエンナーレで金賞を受賞した彫刻家です。
(大石)ご存じなんですか?無名の頃から気になっていました。
しかし残念ながら外国で授賞式の前にお亡くなりになってしまいましたねぇ。
ええ。
せっかくあれほどの賞をもらったのに。
そんなにすごい賞なんですか?同じ賞を取った作家の中にはのちのち数千万の値が付くようになった者もいます。
数千万?これは強盗殺人って線もあり得るな。
あのそういえば…。
はい?ここ1週間ぐらい添野さんって人から社長に何度も連絡があったんです。
なんでも牧口さんの作品の事でもめてたみたいで。
その方の連絡先わかりますか?はい。
米沢さん。
はいはい。
これコーヒーが残ってるようですよ。
かしこまりました。
(陣川)ここが事件現場か。
杉下さん来てるんだろ?だからさっきから別件だって言ってるじゃないですか。
押してみればわかる。
(チャイム)あっ…。
君は信用出来ない。
何しろ親の力で特命係に入るような人間だからな。
誰がそんな事を言ってるんすか。
顔に似合わずえげつない事をする。
逆ですよ!杉下さんに指名されたんです。
そんなのは君の思い違いだ。
なんなんすか…。
(野間あずみ)はい。
あっ…。
警視庁特命係甲斐です。
あっ野間あずみです。
悦子さんにはいつもお世話になってて。
すみませんわざわざ来てもらって。
だから言ったでしょ?え?ああいやこっちの話です。
あのこちらの方は?この人は関係なくて…。
陣川です。
彼の特命係の先輩にあたります。
どうぞ。
失礼します。
えっ?ちょっと…。
うわ…すごい家ですね。
こちらです。
どういう関係なんだ?彼女に頼まれたんですよ。
職場の近くのカフェでアルバイトしてる子らしくて。
君…彼女いるのか?いたら悪いですか?フンッ勝手に特命係の名前使って…。
話聞くだけですって。
ここにひざくらいの高さの彫刻が置いてあったんですけどおとといバイトから帰ってきたら消えてたんです。
盗難ですね…。
たぶん。
親に言ったら高いものでもないしかえってみっともないから警察には届けないって。
どんな彫刻でした?腰の辺りに剣を持った黒い男の人の石像です。
写真か何かあります?それが探してみたんですけどちゃんと撮った事がなくて。
うん…わかりました。
じゃあ盗難の部署に連絡しておきます。
え?探してもらえないんですか?俺が?悦子さんがどうせ暇だからって。
ああまあそれはそうなんだけど…。
あいにく特命係はそういう部署じゃなくてね。
個人的に探したいなら探偵雇った方がいいんじゃないかな?…ですよね。
(野間幸次郎)あずみくん!どちら様?
(あずみ)あっ…友達です!だったらそんなとこにいないで上がってもらったら?大丈夫です。
もう帰るところなんで。
お父さん?まあ…。
こういう家に住んでると親子でも敬語を使うんだね。
違いますよ。
本当の親子じゃないからです。
え?お母さん再婚なんです。
でも去年亡くなっちゃったんで…。
この家ももうすぐ出るんですけどね。
追い出されるって事?そういうわけじゃないんですけど。
お母さんの相手ってだけでやっぱりお互い他人じゃないですか。
もしかしてバイトって引っ越しのために?そうですよ。
こんな家見て余裕あるって思ったでしょうけど私とは全く関係ないんです。
ただあの彫刻お母さんが好きだったから残念で。
大丈夫!大丈夫!僕が探すから。
えっちょっと勝手に…。
君は必要ない!僕一人でやる。
陣川さん…?詳しい話聞かせてくれないかな?
(伊丹)警視庁捜査一課です。
(添野一機)確かにおととい土曜日濱田さんに会いに行ったよ。
なんの目的で?貸してた金500万なかなか返さないから話し合いの上で牧口満の彫刻を受け取りにいったんだよ。
で受け取ったんですか?ああ。
それは今どちらに?こっち。
入って構いませんか?どうぞ。
どなたか手伝って頂けますか?どなたでも構いませんが。
はいはい。
そりゃそうだ。
(ため息)えーっと…どうするんですか?ちょっと彫刻を傾けて頂けますか?はい。
うっ…。
うわー重いっすねこれ。
100キロありますからね。
100キロ?ああありました。
なるほど。
ナンバー4『ブォン・ラコルト』。
次お願いします。
はい。
実は濱田さん土曜日の午後亡くなったんですよ。
えっ!?あなた濱田さんと随分もめていたそうじゃないですか。
言っとくけど俺は関係ないですよ。
確かに濱田さんの会社には午前中行きましたけど午後はパーティーに出ていました。
第一濱田さん他にもたくさん借金してたでしょ?そっちは調べたんですか?
(三浦)もちろん調べますよ。
失礼。
受け取った彫刻は4体だけでしたか?ええ。
妙ですねぇ。
1体見当たらないのですが。
なんていう名前の彫刻が?ナンバー3『イル・プリンチペ・フェリーチェ』。
へえ…。
なんで引き受けちゃったんですか?あのつらい状況なのに気丈に話す感じが…。
逆に不憫で放っとけないだろ。
一課の仕事どうするんですか?一課と言っても僕は経理だ。
こういう時のために有休もためてある。
えっ経理なんですか?うん。
なんだ…。
なんだってなんだよ。
(月本幸子)はいはい。
お注ぎしますね。
ああありがとうございます。
ほら君は後輩だろ?え?あっはい…。
あっいらっしゃいませ。
ああ杉下さん!陣川くんお久しぶりですねぇ。
杉下さん!はい?どうして元特命係の僕になんの連絡もくれなかったんでしょうか?確かに君にはちゃんと紹介するべきでしたねぇ。
カイトくんです。
そうじゃなくて!人が欲しいならどうして僕に連絡をくれなかったんですか?尊くんがいなくなったと聞いてから毎日手配犯のファイル集めて待ってたんですよ!おやおや…。
しかも指名だなんて…。
聞いてから3か月メシもろくにのどを通りませんでしたよ。
それは悪い事をしましたねぇ。
まるで思いつきませんでした。
いつもの。
はい。
まるで…。
あらもうお帰りですか?お手洗いです。
あ〜陣川さんがばらまいた切手だ。
切手ですか?ええ。
まったくもう…。
しかし陣川さんって不思議な人ですね。
そうですか?彼ほどわかりやすい人間もまたいないと思いますがね。
今日も勝手についてきて勝手に引き受けちゃうし。
もしかして相手の方女性だったんじゃないですか?そうですけど?またですか…。
なんすか?陣川さんってちょっとした事ですぐ好きになっちゃうんですよね。
え〜?ところでどのような相談だったのでしょう?ああそんな大した話じゃなかったんですけど庭の彫刻がなくなったんで探してほしいとかで。
奇妙な偶然ですね。
僕も今とある事件現場からなくなった彫刻を探してるんですよ。
へえ〜。
一応こっちは絵を描いてもらったんですけどこの絵じゃ…。
おや…この肩にのっているのはツバメでしょうか?そうです。
よくわかりますねこの絵で。
『幸福な王子』という童話があるのですがね…。
ええ。
彫刻の王子がツバメに頼んで自分の体についている宝石や金箔を貧しい人たちに届けさせるというお話です。
俺の好きな童話です。
そうですか。
じゃあその童話がこのモチーフなんですかね?おそらくそうでしょうね。
ちなみに僕が探しているのは『イル・プリンチペ・フェリーチェ』という彫刻です。
イタリア語で…。
幸福な王子。
そう。
じゃあ同じ日に同じモチーフの彫刻が消えたってわけですか?そういう事になりますねぇ。
随分と楽しそうですね。
よしと…。
陣川さん!杉下さん!どうしてここへ…。
カイトくんから話を聞きましてね。
僕一人でやると言っただろう!君のお邪魔はしませんよ。
で何かわかったんですか?ネットで買ったアメリカのマシンであずみさんのでもお父さんのでもない怪しい足跡を発見しました。
あれ陣川さんの足跡だったりして…。
失礼だな君は!杉下さん!気をつけてください。
失礼。
なくなった彫刻というのはここに置かれていた彫刻ですね?
(陣川・享)そうです。
お見受けしたところテラスには彫刻がたくさん置いてありますねぇ。
そしてこちらの庭には彫刻はこの1体だけ。
どうやら正面は…こちらのようですねぇ。
いつ頃から彫刻はここに置かれていたのでしょう?お母さんが倒れた頃だから…2年くらい前です。
お母さんが…。
2年ぐらい前ですか…。
これは?
(米沢)濱田さんがお金を借りている人たちのリストです。
やはりありましたね。
「野間幸次郎目黒区祐天寺」…。
あっこの住所って…。
ええあずみさんのお父さんです。
彫刻の話を聞いた時から関係があるのではないかと思ってました。
野間さんですか。
ちょっと失礼…。
5000万も貸してるじゃないですか。
(米沢)あっありました。
えー野間さんはITバブルの頃に会社を上場させてかなりの資産を築いているようですな。
今でも50億円以上の個人資産を保有しているようです。
50億!?濱田さんにお金を貸したのが2年前。
野間さんの庭に彫刻がきたのも2年前という話でしたねぇ。
それってもしかしてあの彫刻?奇妙な偶然が続きましたねぇ。
まさかお父さんを疑ってるんですか?フッ…そんな事あるわけないじゃないですか。
警視庁捜査一課です。
お父さんいらっしゃいますか?会社だと思いますけど…。
やっぱり陣川さんが頼んだんじゃなかったんですね。
捜査一課って殺人事件を調べるところですよね?ああ心配しなくていいんだよ。
土曜日アート系のイベント会社で事件があってね。
その被害者に偶然お父さんがお金を貸してあげてただけなんだ。
それって…。
全然違うよ!関係者聴取っていってただ確認しに行っただけだし。
あの日…あの人お墓参りに行ってた。
ただ事件に関係してても全然驚かないです。
庭の彫刻の場所見たでしょ?お母さんの好きだった彫刻をあんな雨ざらしの場所に置いて。
そういうひどい人なんです。
お父さんの事をそんなふうに悪く言うもんじゃないよ。
白いパンツにブルーのジャケット着てる人で悪い人はいないんだから。
ああそうそう。
彫刻の事なんだけどね今転売業者をあたっててさ…。
(野間)まさか警察の方だったとは。
娘がなんだかご迷惑をおかけしてるようで申し訳ありません。
まあ探すほどのものでもないんで取り合わないでください。
しかし濱田さんの事は先ほども捜査一課の方々が来てお話ししたばかりなんですが。
入れ代わり立ち代わりすみませんねぇ。
また部署が違うもので。
2年前濱田さんにお金を貸したそうですね。
ええ。
若いアーティスト達のためにイベントを仕掛けたいという彼の熱意に打たれまして。
だがイベントは失敗。
返済もなかった…。
もともと難しいとは思ってました。
ところで濱田さんにお金を貸したのは2年前。
あずみさんが探している彫刻が庭に置かれたのも2年前だそうですね。
はい。
それが何か?ひょっとして庭の彫刻はお金を貸した代わりに濱田さんから譲り受けたものではないかと思ったものですからね。
それは違いますね。
あれは海外で買ったものです。
おや海外といいますと?確かロンドンの蚤の市で買いました。
あっそうでしたか…。
あの童話の作家ワイルドはイギリスの作家ですからねぇ。
実は僕も昔ロンドンにいた事がありましてねぇ。
彫刻が売られている蚤の市というとリトルジェニスマーケットくらいしか思いつきませんが。
確かそのマーケットでした。
あ〜やっぱりそうですか。
いや懐かしいですねぇ。
ちょっと失礼します。
すいませんお願いします。
あの〜1月12日午後1時から3時までどちらにいたか一応僕らにも教えてもらえますか?谷川霊園にいました。
妻の月命日が近かったもので。
それを証明出来る人は?フラッシュドアーズという会社をやっている坂本という男に聞いてください。
わかりました。
(野間)車で送ってもらいましたから。
(ノック)失礼致します。
これをお願いします。
かしこまりました。
社長副社長が引き継ぎの件でお話ししたいそうです。
(野間)わかった。
すいませんがそろそろ…。
ああ…お忙しいところ…。
どうも。
彼は嘘をついています。
え?リトルジェニスマーケットなどという蚤の市は存在しません。
あれ引っ掛けっすか?ええ名刺代わりに。
って事は嘘をつく理由があったってわけか。
そういう事になりますね。
あっちょっと…。
これさっきの秘書が落としたやつですね。
ああそのようですねぇ。
あっ…。
えっ?どうしたんすか!まるで調べてくれって言ってるようじゃありませんか。
何を?カイトくん君切手持ってますか?切手?そんな都合よく…。
あっ…。
都合よく持ってますねぇ。
ええ。
何してんですか?調べてくれって言ってるんですから調べないわけにいかないじゃありませんか。
誰もそんな事言ってないでしょ。
いいんですか?そんな事して。
切手を張り替えるだけです。
ああ…。
あっこれ落ちてましたよ。
ご親切にありがとうございます。
彫刻を濱田さんの会社に持ち込んだ理由が見当たりません。
賞を取った彫刻家の作品だから値上がりすると予想して濱田さんが返却を求めたとか…。
かもしれませんねぇ。
…ないか。
いかなる理由にしろ一度持ち込んだ彫刻を持ち帰っています。
しかし庭には戻していない。
うん…戻せなくなってしまった。
ええ。
遺体には鋭利なものによる傷跡が残っていましたからねぇ。
ええ。
証拠隠滅のために彫刻を隠した…。
社長。
警察の方がお待ちになってます。
どうも。
(坂本)あっどうも。
警視庁特命係甲斐と申します。
野間さんから連絡もらってます。
こちらへどうぞ。
土曜日の午後は野間さんを車で谷川霊園までお送りしました。
あの…野間さんとはどういうご関係ですか?うちはIT関係の人材派遣会社なんですが野間さんに役員をやってもらってます。
出資をしてもらってますので。
野間さんはあなたの会社の他にもたくさんの人にお金を貸しているようですね。
可能性のある人間に出資する事で自分のモチベーションを保ってるような人ですから。
濱田さんにも5000万ほど貸していました。
ええ…。
野間さんを疑ってるんですか?あなたは野間さんに嘘の証言を頼まれても断れませんよね?そんな…。
頼まれてません。
それに野間さんが借金の事でもめるわけありません。
大体濱田さんに債権放棄を持ちかけていたくらいなんですから。
債権放棄?つまり借金を帳消しにするという事ですね。
ええ。
そのお話詳しくお聞かせ願えませんか?
(陣川)お母さんってなんで亡くなったの?
(あずみ)もともとあの家の家政婦だったんですけど結婚してからも身の回りの世話ばかりさせられてるうちに突然倒れて…。
(陣川)そうなんだ…。
(あずみ)本人の希望で最期の頃は自宅療養してたんですけど亡くなった時誰も家にいなかったんです。
その日はあの人が見てる約束だったのに仕事で抜け出して…。
その時思ったんです。
結局お母さんの事はお手伝いさんだとしか思ってなかったんだって。
ごめんなさい変な話して。
あ…いや…。
(陣川)あっこのお墓だね。
どうかした?いいえなんでも…。
(野間)確かに濱田さんに債権放棄の話をしました。
どうしてまた?まあどう考えても回収の見込みはありませんしこのままでは借りてる方はもちろん貸してる私にとってもストレスですから。
でも実際放棄はされてませんよね。
実は濱田さんに断られまして…。
断られた?贈与税の話になったのですね?おっしゃるとおりです。
借金はただ帳消しというわけにはいかないんですよ。
お金をもらったのと同じ扱いになりますからねぇ。
濱田さんにはかなりの税金がかけられるはずですねぇ。
5000万円の帳消しだと贈与税は2000万ぐらいでしょうかねぇ。
放棄して2000万ですか?濱田さんの今の状況を考えると断るのも無理もない話なんですよ。
まあそんなわけでこちらとしても無理強いする必要もありませんしこのまま借金という事になったんです。
ちょっといいかな。
お母さんの部屋に入ってこないでください。
彫刻を探さなくていいなんて言ってすまなかった。
別にお母さんの事どうでもいいと思ってたんでしょうから。
亡くなった濱田さんの会社で確認が取れました。
野間さんの言ってたとおり債権放棄を申し出るって電話を受けた事があったそうです。
野間さんが債権放棄をしたのは濱田さんのところだけではないようですよ。
すでに5社ほど手続きが済んでいます。
ああ本当だ。
すっごい大金。
これ全部チャラっすか?信じられないっすね。
(角田六郎)持ってる奴は持ってるもんなんだねぇ。
だけど俺は間違ってると思うな。
間違ってるって?だってさ貸した金をチャラにしちゃったら貸した奴のためになんないよ。
俺はねもう10円だってきっちり返してもらう。
ちょっとせこいですね。
せこいってなんだよ。
あっ!えっ?大木に100円貸してたんだった。
よかった思い出して。
大木!おい!忙しい人だな…。
けど債権放棄していたとなるといよいよ野間さんが濱田さんとお金の事でもめる理由がなくなります。
あずみさんはなぜ依頼を取り下げたのでしょうねぇ。
(笛吹悦子)その陣川さんって人なんかやらかしちゃったんじゃないでしょうか?ああ…やらかしちゃったかもねぇ。
あっ…どうも。
どうも。
おう。
話ってなんだい?紹介します。
悦子です。
はじめまして。
享がお世話になってます。
あなたが悦子さんですか。
はい。
陣川ですどうも。
どうも。
あずみさんの事なら大丈夫です。
彫刻必ず見つけますから。
はい。
ああえっと…その事なんですけどあずみから電話があってもう探さなくても大丈夫だって。
えっ?見つかった?見つかったら言うでしょ。
ああ…。
だったら探さなきゃな。
ああ…でも何日も休んだらまずいんじゃないですか?そんなのはなんとかなるさ。
昨日彼女と一緒にお母さんの墓参りに行ってさ枯れた花を献身的に換えてるあずみさんを見て改めて思ったんだ。
絶対に探さなきゃなって。
花が…枯れてましたか?
(陣川)ええ。
枯れてました。
あずみさん。
ハハ…来ちゃった。
陣川さん…。
いや電話しても出ないから。
あ…ごめんなさい。
手伝うよ。
大丈夫です!ほら重いじゃん。
大丈夫大丈夫。
まだあるんでしょ?こっちでいいのかな?はい。
(陣川)よし…。
ありがとうございました。
いえ…。
そろそろ本気で引っ越そうと思って。
(陣川)随分急だね。
お金大丈夫なの?安いところならなんとかなりそうだし…。
もう部屋は決めたんだっけ?今探してるんですけどなかなか…。
全くの偶然なんだけど実は僕もそろそろもう少し広いとこに引っ越そうかなぁなんて思ってた矢先でね。
もしよかったら…。
どうもありがとうございました。
いえ…。
他に何かやる事ないかな?もう大丈夫です。
カイトくん。
はい。
野間さんの会社で秘書の方が副社長が引き継ぎの件でとおっしゃってました。
覚えてますか?ええ覚えてます。
君どう思いましたか?どうって…。
ああ副社長が辞めるんだなって思いました。
ええ僕もそう思いました。
ですがもし仮に辞めるのが副社長ではなく社長である野間さんだとしたらどうでしょう?逆にですか?ええ。
坂本さんが取りに行ったであろう野間さんの薬も気になるんですよ。
薬?高度先進治療センターとありました。
それって…。
(電話)あっ…。
(電話)はい。
ええ…わかりました。
ありがとうございます。
米沢さんからです。
DNA鑑定の結果が出ました。
ばっちりです。
現場にあったあのババル…。
バルタザール。
そのカップ野間さんと一致しました。
カスパールの方は?被害者の濱田さんのものでした。
そうですか…。
杉下さん!安心してください。
また来た…。
たった今有給休暇の延長が認められました。
おやそれはまた。
なんで延長するんすか?あずみさんが引っ越しするんだからお手伝いしなければならんだろ。
あずみさんが引っ越しをするのですか?そういえば家を出るとは言ってましたけどもう?いやまだ引っ越し先は決まってないらしいんだが…。
それ…なんかちょっと変じゃないですか?ん?どこが?陣川くん。
はい。
あずみさんの引っ越しの件詳しく話して頂けませんか?はい。
ありがとうございます。
お父様はいらっしゃいますか?
(あずみ)今お客さんと会ってて…。
そのお客さんは僕が呼びました。
えっ?あずみくん自分の部屋にいてください。
行きましょう。
どういう事ですか?坂本くんまで呼び出して。
濱田さんともめた動機がわかりました。
やはりあの5000万が原因です。
その話なら散々言ったでしょう。
野間さんにとってはそれくらい…。
ええ。
ですがもし野間さんの人生が残りわずかだったとしたらどうでしょう?そこまでご存じでしたか…。
あなたが亡くなれば財産に莫大な相続税がかかる事になる。
でも財産のほとんどを人に貸してるあなたは相続税を払うだけの現金がない。
そうなると相続人であるあずみさんは遺産を放棄するしかない。
それを免れる唯一の方法が債権放棄です。
貸したお金をそのまま相手にあげて財産を減らせば相続税も減らす事が出来る。
そうすれば財産を残す事が出来る。
ところが濱田さんにその申し出を断られてしまった。
そこであなたは2年前に譲り受けた彫刻を5000万で買った事にしようとしたわけですね。
そうすれば贈与にはなりませんからねぇ。
たとえそうだったとして私が何をしたと言いたいんですか?まさか濱田さんを殺したとでも?証拠はあるんですか?この家のどこかにあるはずですがねぇ。
濱田さんの血のついた『イル・プリンチペ・フェリーチェ』という彫刻が。
どうやら坂本さんにはこの話は耐えられないようですね。
坂本さん!どちらへ?野間さん…。
杉下さんのおっしゃるとおりです。
あの時…。
5000万の代わりにこの彫刻をもらった事にすればあなたへの迷惑も最小限で済みます。
(濱田雅志)税務署に目をつけられるでしょう。
あなたの会社のカタログにこれを載せればごまかせます。
濱田さん…なんとかお願い出来ないでしょうか?このとおりです。
だったら6000万でどうです?今手がけてるイベントがありましてね。
1000万ばかし足りないんですよ。
何?ああ…!うっ…。
(濱田)うう…。
(あずみ)どうして?人生の目的を見失っていた私がもう一度やる気を取り戻す事が出来たのは亡くなった妻のおかげなんです。
『幸福な王子』の話をしてくれて他人の幸福を自分の幸せにする方法を教えてくれた。
だから…。
気に入りました?この話妻が好きなんですよ。
だったらしばらく取りに来ないし庭に飾っといたらどうですか?
(野間の声)しかし単なる自己満足にしか過ぎませんでした。
私は私に尽くしてくれた妻をたった1人で死なせてしまった。
妻は私が仕事に専念するのを見守ってくれていました。
亡くなるその日の朝までも…。
まさかあれが最後になるとは…。
そんなの嘘よ!あずみくん…。
月命日までアリバイに使って…。
『幸福な王子』のように最後には自分の人生も他人のために投げ出すつもりでしたか。
しかしそれで最後にするわけにはいかないんですよ。
濱田さんが出したコーヒーカップ覚えてらっしゃいますか?コーヒーカップ?デルフト焼きでそれぞれ壮年の男と老人が描かれていました。
壮年の男は手に乳香を老人は没薬を持っていました。
すなわちバルタザールとカスパール。
有名な東方の三賢者をモチーフにしたものである事は明らかです。
となればもう1人黄金を持つ青年メルキオールのカップが足りない。
それで僕は思いついたのですが現場にはもう1人いたのではないかと。
そしてもしいたのだとすればそれは…。
坂本さんあなたですよ。
1000万ばかし足りないんですよ。
おいお前…!何?
(坂本)借りてるくせにふざけた事言ってんじゃねえぞ!
(濱田)うわーっ!濱田さん?濱田さん!うう…!
(坂本の声)野間さんは僕が濱田さんのオフィスに来ていない事にしようと…。
野間さんが坂本さんの使ったカップを持ち去り自分の使ったカップを洗いもせずその場に残したのは…。
なるほど…。
坂本さんの罪をかぶろうとしましたか。
彫刻は私の書斎にあります。
いいえあなたの書斎にはないと思いますよ。
そうですよねあずみさん。
この中に…。
あずみくん君がどうして…?あずみさんあなたはお父さんを守ろうとしたんですね?私を?陣川君と一緒にお墓参りに行ったそうですね。
そこで花が枯れているのを見てお父さんはお墓参りには来ていない。
つまりお父さんのアリバイは嘘だったと気づいてしまった。
事件の事を聞いていた君はこの家を探して彫刻を見つけてしまった。
どうして?自分でもわからない。
(あずみの声)ただお母さんの部屋から彫刻の台座が見えた。
雨ざらしのところに置いてたのはもしかしたらあそこじゃないとお母さんの部屋から見えないからだったんじゃないか…。
お父さんがお母さんのために…。
こんなお父さんですまない…。
濱田さんの会社にあった彫刻がこの庭から持ち出されたものかどうか確認してみませんか?そうですね。
確認してみましょう。
杉下さんは最初からこの彫刻がお母さんのために置かれたものだとわかってたんですか?お母さんが倒れた時からあったと聞いて想像がつきました。
君には無理だ。
君には?あずみさんは野間さんに対する偏った見方のせいでその事に気づくのが少々遅れてしまったようですねぇ。
(あずみ)陣川さん!はーい!陣川くん君…。
邪魔してますよ。
あっ…すいません。
(あずみ)お父さん残りの時間家族と使いたいって言ってくれて。
これからはもっと私も話してみようと思ってます。
そう。
よかった。
ところで広い部屋が見つかったんだけどさ今度は僕だけじゃどうも広すぎるかなと…。
お待たせ!あっ!あっ彼です。
今泉くん刑事さん。
今泉です。
今度一緒に住もうと思って。
あずみが色々アドバイスしてもらったみたいで。
ずっと言えなかったんだけどこれからお父さんに紹介しようと思って。
これも刑事さんのおかげです!ウフフ…。
じゃあ行こう。
もとは言うたらお前のせいやんけ!うわぁびっくりした。
ええか?わしがふられたんは彫刻探しに巻き込まれたからやろ。
なんで巻き込まれたか言うたら特命係に行ったからやんけ!ほんまに!なんでいきなり関西弁なんですか?そういえば彼は寝屋川出身でした。
ショックのあまり一時的に幼少期に戻っているのかもしれませんね。
どうりで完全に子供の理屈だ。
フフフフ…。
何故笑ってるんす?これは失礼。
僕が特命係に行ったのはねあなたにひと言言おうと思ったからっす!はい?要するに…もとはと言えば全部杉さんのせいっす!おやおや。
どうして僕を指名してくれなかったんすかぁ?ほんまに…。
あれ?泣いてるんすか?寝てると思いますよ。
あらあら女性にもふられ杉下さんにもふられ…。
特命係って意外と人気部署なんですね。
なんなら先輩に譲りますけど。
無理に譲る事ありませんよ。
おおっ!譲ってもらおうじゃねえか!2014/11/22(土) 16:00〜16:55
ABCテレビ1
相棒 Eleven #13[再][解][字]
“元特命係”の陣川(原田龍二)が再び登場し享(成宮寛貴)に嫉妬!?消えた彫刻探しを安請け合いするが…ある殺人事件と関連が!?右京(水谷豊)が解き明かす真相には何が?
詳細情報
◇出演者
水谷豊、成宮寛貴、鈴木杏樹、真飛聖
川原和久、大谷亮介、山中崇史
山西惇、六角精児
【ゲスト】
原田龍二、足立梨花、山下規介
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
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映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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