ニュース「日銀・追加金融緩和決定」関連 2014.10.31

ここでニュースをお伝えします。
日銀はきょう開いた金融政策決定会合で、目標としている2%の物価上昇率の達成を確実にするために、日銀が市場に供給するお金の量を、年間80兆円まで増やす追加の金融緩和に踏み切ることを決めました。
黒田総裁はこのあと午後3時半から記者会見を開き、政策変更のねらいについて詳しく説明することにしています。
日銀が去年4月に大規模な金融緩和を導入して以降、追加の金融緩和は初めてです。
日銀はきょう、金融政策決定会合を開き、声明を発表しました。
その結果、2%の物価目標の達成を確実にするため、日銀が市場に供給するお金の量を、これまでより年間10兆円から20兆円増やし、年間80兆円とする、追加の金融緩和に踏み切ることを決めました。
具体的には、長期国債の保有残高が年間およそ80兆円になるよう買い入れるほか、ETFやREITと呼ばれる投資信託の買い入れを、これまでの3倍に増やすなどとしています。
声明の中で日銀は、国内の景気について基調的には緩やかな回復を続けているとしつつ、物価面では消費税率引き上げ後の需要の弱さや、原油価格の大幅な下落が下押し要因になっているとしています。
その上で、これまで着実に進んできたデフレマインドの転換が遅延するリスクがあるとして、追加の金融緩和に踏み切ったとしています。
日銀が去年4月に大規模な金融緩和を導入して以降、追加の金融緩和は初めてで、今回は9人の政策委員のうち、賛成が5人、反対が4人という異例の投票結果になりました。
黒田総裁はこのあと午後3時半から記者会見を開き、政策変更のねらいについて詳しく説明することにしています。
きょうの東京外国為替市場は、日銀が追加の金融緩和を決めたことを受けて、円を売ってドルを買う動きが強まり、円相場、大幅に値下がりしています。
円相場一時、およそ6年10か月ぶりの水準となる、1ドル111円台をつけて、現在はきのうに比べ、1円65銭、今変わって、1円62銭円安ドル高の1ドル110円79銭から84銭で取り引きされています。
また東京株式市場は、日銀が追加の金融緩和に踏み切ることを決めたことをきっかけに、買い注文が一気に膨らみ、日経平均株価は一時800円以上値上がりしました。
きょうの終値は、きのうより755円56銭高い、1万6413円76銭でした。
そして東証株価指数・トピックス、54.74上がって、1333.64でした。
日銀の黒田総裁の記者会見が行われる日銀の本店、会見室です。
すでに多くの報道陣が集まっています。
黒田総裁、このあと3時半から会見を行うことになっていますので、始まり次第、お伝えします。
それでは経済部の岸デスクに聞きます。
岸さん、突然入ってきた、この追加の金融緩和決定ですが、マーケットも大きく反応しました。
なぜこのタイミングで踏み切ったんでしょうか?
そうですね、やはり大きく2つあると思うんですね、理由っていうのは。
一つは物価、話しありましたけども、物価、それと景気の動向ですね。
この2つが大きな要因だと思います。
まず物価なんですけれども、日銀は長く続いたデフレの脱却に向けて、去年4月に大規模な金融緩和に踏み切ったんですね。
その後、物価自体は徐々に上昇傾向、たどってきているんですけれども、ここにきて原油価格が世界的に下落傾向になってきて、ガソリン代とか、あと電気代なんかもちょっと下がってきてるんですね。
そういう意味では、まず物価の下押し要因が出てきたということが1点、もう1つが景気回復の動きも、ちょっとやっぱり、緩くなってきているということもいえると思うんですよね。
例えば個人消費見ても、消費増税後、天候不順ということもありましたけれども、なかなか伸び悩んでいます、消費自体も。
さらに円安が進んでいる割には輸出がなかなか伸びないという、そういう中で、景気の動きが景気回復の動きも鈍いと、そういった要因があって、なるべくそれを早めに芽をつむというかですね、確実にデフレ脱却の道筋を描くためにも、ここで思い切った追加の金融緩和に踏み切ったということだと思います。
画面の右下、今、黒田総裁です。
これから記者会見を行います。
お聞きください。
まず冒頭、本日の政策決定の内容についてなぜ、このタイミングだったのかを含めてご説明お願いします。
日本銀行は本日、2%の物価安定の目標の早期実現を確かなものにするために、量的質的金融緩和を拡大することを決定しました。
具体的には、マネタリーベースの増加ペースを年間60から70兆円から80兆円に拡大するとともに、国債の買い入れペースについて、日本銀行の保有残高の増加額を、年間約50兆円から30兆円増やして、80兆円にすると。
それと共に、長期国債買い入れの平均残存期間を7年程度から最大3年延長して、7年から10年にすると。
さらにETF、JーREITの買い入れペースを3倍増と、それぞれ年間約3兆円、約900億円としました。
日本銀行は昨年4月、15年にわたるデフレから脱却するため、量的質的金融緩和を導入しました。
量的質的金融機関輪は、日本銀行が2%の物価安定の目標の実現に強く明確にコミットするとともに、こうしたコミットメントを裏打ちする、量的にも質的にも、従来とは次元の異なる金融緩和を実施することを柱としています。
このような政策によって、人々の間に定着してしまった、デフレマインドを抜本的に転換することが目的です。
量的質的金融緩和の導入以降、1年半が経過しましたが、これまでのところ、初期の効果を発揮しています。
すなわち、わが国の景気は、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要とその反動の影響を受けつつも、基調的には緩やかな回復を続けています。
物価面では、量的質的金融緩和を導入する直前の昨年5月の時点でマイナス0.5%であった消費者物価の前年比は、消費税率引き上げの直接的な影響を除いたベースで見て、プラス1%台前半まで改善しました。
もっとも、消費税率引き上げ後の反動減は、自動車など耐久消費財を中心にやや長引いています。
またこのところ、原油価格が大幅に下落しています。
こうした需要面の弱めの動きや、原油価格の下落は物価の下押し要因として作用しています。
消費者物価の前年比は9月には、プラス1.0%まで伸び率を縮小しました。
もとより、消費税率引き上げに伴う需要面の弱さはすでに和らぎ始めていますし、原油価格の下落はやや長い目で見れば、日本経済に好影響を与え、物価を押し上げる方向に作用すると考えられます。
ただ、短期的とはいえ、現在の物価下押し圧力が残存する場合、これまで着実に進んできたデフレマインドの転換が遅延するリスクもあると考えられます。
日本銀行としては、こうしたリスクの顕現化を未然に防ぎ、好転している期待形成のモーメンタムを維持するために、ここで量的質的金融緩和を拡大することが適当と判断しました。
量的質的金融緩和は人々のデフレマインドを払拭し、予想物価上昇率を引き上げることをねらった政策です。
予想物価上昇率がどのようなメカニズムで形成されるかについてはさまざまな議論がありますが、長年にわたってデフレが続いたわが国では、米国のように予想物価上昇率がすでに2%程度に安価されている国とは異なり、実際の物価上昇率の変化が、予想物価上昇率の形成に大きな影響を与えていると考えられます。
実際の物価上昇率の伸び悩みが続けば、それがどのような理由によるものであれ、予想物価上昇率の好転のモメンタムが弱まる可能性があります。
そうなれば、せっかくここまで着実に進んできたデフレマインドの転換が遅れてしまうリスクがあります。
その意味では、わが国経済はデフレ脱却に向けたプロセスにおいて、今まさに正念場、クリティカルモーメントにあるといえます。
今回、追加緩和を決定したのは、こうした考え方に基づくものです。
今回の措置はデフレ脱却に向けた日本銀行の揺るぎない決意を改めて表明するものです。
デフレの下では、価格の下落、売り上げ収益の減少、賃金の抑制、消費の低迷、価格の下落という悪循環が続きました。
量的質的金融緩和によって、デフレマインドの転換が実現すれば、価格の緩やかな上昇を基点として、売り上げ収益の増加、賃金の上昇、消費の活性化、価格の緩やかな上昇という形で、経済の好循環が実現することになります。
この春の労使間の賃金交渉で、物価上昇率の高まりが意識され、多くの企業でベースアップが実施されました。
企業の価格設定行動も変化の途上です。
今、この歩みを止めてはなりません。
物価安定の目標が人々の気持ちの中にしっかりと根づき、これからは2%の物価上昇を前提として行動しようと思うためには、日本銀行がその早期実現に強くコミットし、これを実現していくことが何よりも大切です。
昨年4月に申し上げたとおり、日本銀行は2%の物価安定の目標の早期実現のためには、できることはなんでもやる方針です。
今後も、日本銀行は2%の物価安定の目標の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで量的質的金融緩和を継続します。
なんらかのリスク要因によって見通しに変化が生じ、物価安定の目標を実現するために必要になれば、ちゅうちょなく、調整を行うという方針にも変わりはありません。
2点目の質問ですが、今回の提案というのは、総裁の提案という理解でよろしいのかということと、あと先ほど、クリティカルモーメントだというご説明ありましたけれども、総裁がそのへんのことを胸に抱いたタイミングというのは、いつごろだったのかをお願いします。
政策委員会における議論につきましては、議事要旨という形で公開されることになっていますので、具体的に申し上げることは避けたいと思いますけれども、展望レポートが議論される中で、金融政策についてやはりここで追加的な緩和、量的質的金融緩和の拡大を検討すべきだという意見が委員の方々から出され、それを踏まえて執行部に案を作ってもらい、それを巡って議論をし、こういった項目の量的質的金融緩和のかなり思い切った拡大というものを決めたわけであります。
その理由として先ほど申し上げたとおりでありまして、また、この点は量的質的金融緩和の拡大についての決定に沿った、この声明というか、文書が回っていると思いますけれども、そこでも触れてあるとおり、物価面ではこのところ、消費税率引き上げ後の需要面での弱めの動きや、原油価格の大幅な下落が、物価の下押し要因として働いている。
このうち需要の一時的な弱さはすでに和らぎはじめているほか、原油価格の下落はやや長い目で見れば、経済活動に好影響を与え、物価を押し上げる方向に作用する。
しかし、短期的とはいえ、現在の物価下押し圧力が残存する場合、これまで着実に進んできたデフレマインドの転換が遅延するリスクがあると、こういったことから日本銀行としては、ここに書いてありますとおり、こうしたリスクの顕現化を未然に防ぎ、好転している期待形成のモメンタムを維持するため、ここでこのような量的質的金融緩和を思い切って拡大するべきであるという結論に至ったわけであります。
私自身、いろいろな指標を見て感ずるところもございましたし、政策委員の方々もいろいろなお考え方があったと思いますが、より具体的には、そういった政策委員の経済見通しが出され、議論する中で、やはりこういった量的質的金融緩和の拡大が必要であるという意見が出され、今、申し上げたような決定に至ったということであります。
最後にもう一点、ちょうど昨年4月から1年半で今回、2回目の緩和になるわけですが、前回、まさに異次元の緩和と、今回、異次元を演出できたと理解されているかということと、あと、今回4人の委員が反対されました。
かなり貴重な結論だったと思いますが、このちゅうちょなくやるというところでかなり限界もきているのかなという面もあると思うのですが、そのへん追加の余地はまだあるんでしょうか。
そのところをお願いします。
先ほど申し上げたように、政策委員会における議事の概要につきましては、議事概要がいずれ公表されますので、それをご覧になっていただきたいと思います。
基本的にこのようなリスクがあると、あるいはありうるという認識は広く共有されていたのではないかと思いますけれども、それに対して、今、このようなことを行うのは適切かどうか、必要かどうかっていう点で意見が分かれたのではないかと思っております。
いずれにせよ、量的質的金融緩和のこうした拡大によって、最初に申し上げたとおり、こういったデフレマインドの転換が遅延してしまうというリスクを未然に防ぐことができるのではないかというふうに思っております。
なお、これ自体、相当思い切った拡大でありますので、それなりの効果があると思っております。
そして今のところですね、特に何かさらにしなければならないと思っておりませんが、この文書にもあるように、また先ほど、冒頭に申し上げたとおり、2%の物価安定の目標の実現を目指し、これを安定的に持続するために、必要な時点までこれを続けるわけですが、その際、経済物価情勢について、上下双方向のリスク要因を点検し、必要な対策を行う、なかんずく、先ほど申し上げたように、必要があればちゅうちょなく調整することでありまして、そうした政策の余地は依然としてあると思っております。
ただ、今の時点でこれで十分、こういったリスクに対応できるというふうに思っております。
日銀の黒田総裁の会見でした。
経済部、岸デスクに聞いていきますが、黒田総裁、今の会見で、今がデフレ脱却に向けたまさに正念場であるということを言っていました。
今回の緩和決定の意図、どのようなことがくみ取れますか?
そうですね、まずはっきり、会見の中で言っていたことばで言いますと、消費増税後の反動減は自動車など耐久消費財を中心でやや長引いていると、原油価格についても、このところ大幅に下落していると。
そういう中で、ようやくデフレマインドが変わろうとしていると、この転換が遅くならないように早めにリスクの芽を摘んだと、そういうことを強調してましたね。
併せてきょう、日銀が出している展望リポートという経済の見通しとか、物価の上昇についての発表があったんですけれども、この中でも日銀は、来年度の物価見通し、これ、0.2ポイント下方修正しているんですよね。
ですから、日銀としても物価の下落、圧力が出てきているということを踏まえたうえで、このの判断に出たといえると思います。
日銀としては、どのような今回の緩和決定で、効果をねらっているんでしょう。
今、会見でもありましたけれども、まずマネタリーベースといわれる日銀が市場に供給するお金の量なんですけれども、これを80兆円という、これまでより20兆ぐらいですかね、2、30兆増やすと、かなり今も相当出しているんですけれども、さらにこれを増やしていくと、それによって何が期待できるかっていうと、もちろん大量の資金が市場から出てきますから、これ、金利が全般的に下がることが期待できます。
そうすると、企業が資金を借りやすくなりますので、設備投資などを促していくと。
さらに投資家が株式など、よりリスクの高い資産へ投資を増やすということも期待できます。
つまり、資金が出れば出ていくほど、お金が余るわけですから、それをリスク性のある商品に投資していくことができる。
実際、きょうの市場の反応を見ても、株価が一時800円、日経平均株価、800円超えるまで、そういう意味では、そういったマインドに働きかけることによって、デフレマインドをなくしていくということは期待できると思いますけど。
今後はどういったことが焦点になっていきますでしょうか?
外部要因としては、今、原油価格の下落っていうのがあります、これは日本経済というよりは、世界や中東の情勢によって変わってきますので、その外部要因が一つどうなっているかということがあると思います。
それとちょっと広く見たいんですけれども、今回、これ、日本の対応なんですけれども、今、世界経済全般に見ますと、アメリカはこれ、今、景気、非常に好調といえます。
一方で、ヨーロッパ、中国、ちょっとやや不透明感が出てます。
こうした中で、日本だけの対応で、果たしてどこまでできるのか、仮にアメリカが経済失速しますと、世界経済失速しますと、日銀だけの力では難しいと。
そういう意味では世界経済の行方っていうのも、これから注目していかなければいけないと思いますけど。
2014/10/31(金) 15:25〜15:45
NHK総合1・神戸
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