浜名湖を望む
浜松といえばやっぱりうなぎだよね
地元で評判の店に行ってみると駐車場は満杯。
こちらは高崎群馬から。
県外からもわざわざやってくる。
期待できそうだよね
店内はお客でいっぱい
ここのうなぎは関東風のように蒸すのではなく炭火で焼き上げる関西風。
カリッとした歯応えが特徴だ
うんおいしそう!
こちらは地元の常連さん
お母さんこちらよく来られるんですか?
お客を虜にするものがもう1つ。
それはごはん
これがうなぎのおいしさを一層引き立てるという
ご主人このお米は?
この店ではあきたこまちをあるところから取り寄せている
いろいろ試した末ようやくこのお米にたどり着いたという
いつもこちらのお米なんですか?そうですね。
袋には大潟村のあきたこまちとある
その大潟村は秋田県にある
見えてきたここが大潟村だ。
見渡すかぎり田んぼ。
ここはコメを作るために湖を干拓してできた村だ
9月下旬稲がたわわに実っていた
そうちょうど稲刈りの真っ最中
今年の夏は天候不順でしたがコメの出来はどうですか?
熟してない青い米が少し入るとコメ本来の香りが引き立つという
収穫したコメは通常農協へ納める。
しかしこの農家は違うところに納めていた
どちらに卸されているんですか?
農協よりコメを高く買ってくれるというこまち協会。
早速訪ねてみることに
とそのとき…
お〜いお〜い!お〜い!
大声で叫んでいるこの男
今度はフォークリフトに乗り込んだ
おはようございます。
はいどうも。
実はこの男こそ…
はいお願いね。
さっさと降りてまたどこかへ。
実にせわしない社長さんだ
ここはどんな会社なんですか?
もちろんこの村にも農協はあるが…
扱う量や規模からこまち協会は
朝6時半田んぼに向かう涌井の姿が
実は涌井もコメを作る農家のひとりだ
広いですね。
涌井が大潟村に持つ田んぼはあわせて55ヘクタール。
実に東京ドーム10個分。
涌井がここで農業を始めて44年。
それは迷走する日本の農業行政との壮絶な
大潟村。
かつてここは八郎潟という琵琶湖に次ぐ日本で2番目に大きな湖だった
戦後のコメ不足を解消するため
堤防を築いて水を抜き干上がって出てきた湖底を田んぼにする一大事業
山手線の内側の2.5倍の広さをもつ昭和41年8月第一次入植希望者に対する筆記と面接試験が行われた。
競争率はおよそ10倍
67年夢を抱いて全国から集まった農家が入植
新潟で兼業農家だった
機械を使った大規模農業ができると夢に燃えていた涌井たち。
ところが…
その年の秋政府はコメ増産から一転
そこではコメを作ってはいけないことになった
こまち協会には当時の写真が掲げてある
若き日の涌井は行政に食ってかかった。
そのときの映像が残されている
涌井たち減反に反対する農家はコメ作りを強行。
国の方針に公然と逆らったのだ。
すると…。
行政はとんでもない手段に出た
せっかく育てた稲を刈り取るよう強制したのだ
当時青刈りに抵抗した人も多かった
40年前に入植した菅沼さんもそのひとり
その後も行政は減反に反対する農家を追い込んでいく
そして最悪の事態が…。
農家5人を自殺にまで追い込んだのだ
いったいなぜ自分の田んぼにコメを作ってはいけないのか…
涌井たちは農事調停を申し立て国に問いただした。
すると結果は…
調停で勝った涌井たちは誰はばかることなくコメ作りを続けた。
しかし行政は更に圧力をかけてきたのだ
それが減反反対派が作ったコメを農協が一切買い取らないというものだった。
売り先を失った涌井たち。
だが独自のルートを開拓し農協を通さない販売を始めた
これがいわゆる
すると行政も更なる策に打って出た
ヤミ米流出の阻止に乗り出したのだ
こうして涌井たちはコメを作る自由を得るためヤミ米屋の烙印を押されつつも行政と戦い続けてきたのだ
それでもコメを作り続けた涌井たち反対派農家。
国にも自治体にも農協にも頼れなくなった彼らはそのよりどころとなる会社を立ち上げる
そして設立から27年
(一同)おはようございます。
わずか4人で始めたこの会社も
日本最大級のコメの産地直送会社に成長した
ここが涌井の社長室
涌井は龍馬が日本の未来を見据えたようにコメの新たな時代を見据えている
今夜は全然知らないことがたくさんありました。
びっくりしてるんですけども涌井さんのお宅は入植する前はどういった状況だったんですか?父親が農業をやっててね。
しかし1.3ヘクタールしかなかったのでもうダメなことわかってましたから面積を増やそうとしたわけですよね。
結婚希望書?秋田県の美人のとか書いていいんですか?それは書かなくたってそういうつもりでいますからね。
大潟村で広い田んぼでコメを作るんだっていうような憧れとか夢とか意欲があったわけですね?胸に期待を背負って入った大潟村ですけどもうすでに減反が始まったわけですね。
その減反っていうのがですね最近ちょっとなじみがない…。
そうですね。
減反の背景には
食糧難の時代は意味ある制度だったが大潟村が出来た頃にはコメが余るように。
すると全量買い取りの負担が大きくなりすぎ農家にコメを作らせない減反という政策がとられるようになったのだ
すごくイージーっていうか簡単な政策ですよね。
もし本当はコメいっぱい作って嫌がらせといいますかそういうのありましたけど青刈りの映像ありましたよね?あれは偉い人がのしのし来て急にが〜って刈られるんですか?誰が誰に刈るように指導する…。
それでこの文言を手に入れたもんだから青刈りをする必要がなくなったわけですね?なくなるわけね。
もしこれがとてもかわいそうだねこの人たちはね。
ただ僕はこれだけの悲劇があったから農事調停をしようってことになってこの言葉が手に入ったと思うんですよね。
こんにちは。
よろしくお願いします。
横浜に涌井のコメを食べて育ったという三姉妹がいる
このお米なんと
かなりお高い
この日涌井の会社に1台のバスがやってきた。
降りてきたのは農業に変革をもたらした涌井は今やちょっとした有名人
おはようございます。
じゃあお座りください。
涌井は彼らにこんな問いを投げかけた
(笑い声)はいありがとう。
手あげない人いたな。
涌井は一貫してそれを実践してきた
まず第一に農家が儲からなくてはいけない。
そのためコメを農協よりも高く買い取っている。
60キロあたり1万500円。
これは農協よりも2,000円高い
もちろん高く買い取ってもやっていけるさまざまな工夫がある。
そのひとつがこれ
それはどこ向けに送られるやつですか?
まだインターネットもなかった時代に産地直送を始めた
設立当初から東京や大阪など大都市を中心に新聞のチラシやダイレクトメールで顧客を獲得
直接販売ならコメを農協へ納めた場合の手数料分を農家に還元できるのだ。
そして高く売るための工夫もしている
例えば一番人気の
胚芽米や玄米も5キロに換算すると4,000円だが無洗米にして使いやすく。
更にお一人様用に1合に小分けしたパック。
どれも付加価値をつけている。
そして最大の付加価値が安全安心
そのカギとなるのが精米したときに出る米ぬか。
涌井が案内してくれたのは…
お米を発酵させるわけですね。
栄養価の高い米ぬかを発酵させたものは古くから使われてきた安心できる肥料だという
買ってもらうためにこんな工夫も
商品開発室に並べられたのは3つの炊飯器
おいしそうに炊き上がってますね
するとごはんのにおいを嗅いで…。
今度はお茶碗を回してじっくり見つめる
そしてなにやらデータを取り始めた
そのデータを携えた
向かった先は都内のホテル
今日お持ちしました。
今年も結果的には…。
石岡が出したのは先日のデータ。
これは新米の炊き上がりを水加減を変えて比較したものだ。
今年は通常の水加減がいいという
同じコメでもその年の出来具合によって最適な水加減は微妙に違ってくるという。
毎年おいしく炊いてもらうためデータを提供しているのだ
きれいですね。
きれいですね。
そしてこちらの企業には涌井の会社のちょっと変わった商品が…。
案内されたのは倉庫だ
こちらでございます。
何か本のようなものが並んでいるが…
実はこれ涌井の会社が作っている…
中に入っていたのはレトルトのごはん
このセットとんでもない優れもの
これを下に…。
セットに入っている発熱剤を袋の下に敷き少量の水を入れれば…
もうすぐ反応して…。
たちまち沸騰
待つこと30分。
すると災害時に火がなくても温かいごはんが食べられる
この非常食温かく食べられるだけでなくもうひとつ売れている秘密がある
誰もが安全に食べられる非常食だ
さまざまな仕掛けで儲かる農業へ。
涌井はいつも時代の先を見ている
最初はどうやって売っていいかわからなかったらしいですね。
どこに売ろうと思ったんですか?何で秋田県内に売らないようにしたんですか?そうかそうか…。
秋田県の他の地域と競合しちゃうわけですね。
そうそう他の農協とね。
他の農協と。
親戚に売らないって何でですか?それはお米がおいしかったからですよね。
結局そうなんですね。
無洗米もいち早く取り入れられたということなんですけど。
こうやって話してると涌井さんほんとにアイディアマンっていうかですねこういうときにはこうしたほうがいいんじゃないかとかそれから基本的な戦略っていうかそうやって自分でしっかりとしたものを持ってるっていうことはあれですかね行政との戦いとかも自分を強くしたんですかね?よく私こういうことも思うんですよね。
VTRを見た村上龍はコメに取り組む涌井の気迫に心を打たれた
えっパン?お米のライバルでしょ?秘密はこのプルンプルン
9月下旬涌井は契約している農家を急遽集めたいったい何があったのか?
今年のコメの買取価格が過去最低の水準になったのだ
去年60キロで1万1,500円だったあきたこまちが8,500円に下落した
みんな深刻な表情。
経費を差し引くと手取りは半分になってしまうという
更に追い打ちをかけるのが日本人のコメ離れ。
1人あたりの消費量はこの50年で半分に落ち込んでいる
コメの消費を拡大するため涌井は動き出していた。
それがベーカリーチェーンのポンパドウルにある
コメのライバルのパン屋さんにいったい何が?
厨房をのぞいてみると…
これ見たところ普通のパン生地に見えるが…
ほんとだプルンプルンだ!
秘密はこの青い袋。
中にはコメを特殊な製法でペースト状にした
2割ほど
出来上がった生地は確かにプルンプルン
焼き上がるとこんな感じ
どんな食感になるんだろう?
いらっしゃいませただいま焼き立てお米食パンご用意しております。
コメネピュレを使った食パンポンパドウル全店で販売が始まった
涌井の工場では2億円をかけてラインを新設。
コメネピュレが続々と作られていた
涌井はコメネピュレをまずはパンに加える材料として売り込もうとしている。
やってきたのは学校や病院などの給食に関する展示会。
そこに涌井のブースがあった
並べられていたのはコメネピュレが入ったパン
普通のパンと食べ比べてもらおうというのだ。
果たして試食の反応は…
今食べ比べてみていかがでした?どんな感じでした?
そのおいしさに注目したのがコンビニのナチュラルローソン
9月から自社の独自商品としてコメネピュレを使ったパンの販売を始めた
他にも引く手あまたというコメネピュレ。
涌井の鼻息は荒い
コメネピュレっていうのは普通の米粉のペーストとどう違うんですか?これやっぱりすばらしいですよね。
『カンブリア宮殿』は結構パンメーカースイーツメーカーの方が多いんですよ。
皆さんほんとに努力して1から始めてそのパンメーカーの方もスイーツメーカーの方もほんとに心から尊敬できる人ばっかりなんです。
偉いなと思うんだけど僕がいつも思うのはコメをどうするんだ。
別に僕ナショナリストじゃないですけど…。
こっちが減らしてこっちが…。
そうそう。
この日県内の企業トップが集まる懇親会が開かれていた
そこに涌井の姿も
ステージに上がったのは実は県の総務部の職員としてかつてヤミ米の検問にもかかわっていた。
その知事が涌井のことに触れた
いまやかつての敵からも頼りにされる涌井
その涌井が描く高齢化で先細りする一方の日本のコメ作りの未来像とは?
この番組に登場する農業とかの関係の方がみんなおっしゃるのはこのままだと本当に食糧危機が来るよとおっしゃるんです。
本当なんですかね?高齢化と後継者不足っていうのはどれくらい深刻なんですか?今日本の農業。
収録を終えて村上龍はこんなことを考えた
2014/10/30(木) 22:00〜22:54
テレビ大阪1
カンブリア宮殿【ヤミ米屋と呼ばれた男が仕掛ける農業維新!もうひとつの農協】[字]
国や行政、農協組織と戦いながら「農家の自主自立」を目指して活動してきた男が、秋田県にいる。「TPP締結後」の日本の農業を見据え、注目を集める戦略とは?
詳細情報
番組内容
TPPが締結されれば大打撃を受けると予想されている日本の農業。政府関係者や国内の農家は、日々その対応に頭を悩ませている。そんな日本の農業界に、TPP締結を見据えた戦略を打ち出し、注目を集める男がいる。秋田県に本社を置く、大潟村あきたこまち生産者協会の社長、涌井徹だ。かつて琵琶湖に次ぐ国内2番目の広さを誇った八郎潟。その八郎潟を1964年に干拓して作られたのが湧井のいる大潟村だ。
番組内容つづき
「国内の食料不足を解消する」「日本の農業モデルを生み出す」大潟村は、まさにコメを作るために作られた町だった。涌井も大きな夢を抱き、21歳で大潟村に入植。しかしその直後、国は減反政策を打ち出す。涌井の農業人生は、開始直後から「米を作るな」という圧力にさらされたのだ。それから40年。国や行政、農協組織と戦いながら「農家の自主自立」を目指した涌井が描く、未来の日本の農業のあるべき姿とは?
出演者
【ゲスト】
大潟村あきたこまち生産者協会代表 涌井徹
【メインインタビュアー】村上龍
【サブインタビュアー】小池栄子
関連情報
【ホームページ】
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/
【公式Facebook】
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