(テーマ音楽)
(鹿賀丈史)およそ80年前に出来たこの家は現代の建築に計り知れない影響を与えています。
チェコ第2の都市ブルノ。
20世紀初頭繊維産業を中心に好景気に沸いたこの町で近代建築が数多く建てられました。
その代表が町の資産家だったトゥーゲントハット家の家。
1930年に完成した個人住宅です。
鉄骨とコンクリートによるヨーロッパ最初の住宅で当時としてはそれだけで画期的なことでした。
設計したのはミース・ファン・デル・ローエ。
フランク・ロイド・ライトやル・コルビュジエと並ぶ近代建築の巨匠です。
80年前この家はすべてがざん新でした。
例えば壁全体をガラス窓にするという設計。
家の外と中の区別をなくし庭とフロアを体化したのです。
ミースは過去の建築の模倣を否定しました。
部屋が集まって家が構成されるという既成概念を取り払います。
幅24mのメインフロアは連続するつの空間です。
固定された壁はなく間仕切りと家具によって部屋としての機能が与えられています。
明るいリビングはたった枚の仕切りにより落ち着いた書斎へと変化します。
つの空間が多面的な性格を持つように計算されているのです。
人が自由に行き来できる設計。
このざん新な発想によってミースは新しい時代の生活空間を提案したのです。
イスやテーブルもこの家のためにミースが作ったものです。
ガラスやスチールという素材の機能を追究しそこに美を見いだした全く新しいデザインの家具でした。
ミースに設計を依頼したのはトゥーゲントハット夫妻です。
この家で子供たちと過ごした夫人は「住み心地がよくすばらしく快適だった」と語っています。
大きな窓は電動で開閉します。
新しいアイデアが家の機能として取り入れられたのです。
窓は地下に収納されます。
これは80年前の冷暖房装置。
初めてエアコンが完備されました。
地下でつくられた快適な温度の空気が上の階へと送られます。
床の吹き出しから出た空気が年中部屋を快適な状態に保っていたのです。
ミースは素材もこだわりました。
この仕切りはオニキスという鉱物を使っています。
オニキスは光をほのかに通します。
夕方になると窓から差し込む西日がオニキスを通過。
部屋を幻想的に染めるのです。
しかし最先端の暮らしは8年余りで終わります。
ドイツの侵攻でユダヤ系のトゥーゲントハット家はスイスへ逃れていったのです。
2014/10/01(水) 04:15〜04:20
NHK総合1・神戸
シリーズ世界遺産100「ブルノのトゥーゲントハット邸〜チェコ〜」[字]
モダニズムの空間 ▽文化遺産 【語り】鹿賀丈史 【テーマ音楽】久石譲
詳細情報
番組内容
モダニズムの空間 ▽文化遺産 【語り】鹿賀丈史 【テーマ音楽】久石譲
出演者
【語り】鹿賀丈史
音楽
【テーマ音楽】久石譲
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
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