美の壺・選「東京駅」 2014.09.28

(テーマ音楽)・「汽車汽車ポッポポッポシュッポシュッポシュッポッポ」草刈さんずいぶん楽しそうですね。
今日はね姪っ子が息子を連れて遊びに来るんです。
これが小さくてかわいくてねぇ。
おまけに「テツ」。
そう鉄道大好きなんです。
僕に似たんですねぇ。
学生時代は「C62」追いかけて日本全国どこにでも行きました。
軸配置がハドソン型ってのがかっこいいんですよ。
おっと。
草刈さん「テツ」なんですか?そう。
「撮りテツ」です。
だから待ち合わせは東京駅にしました。
東京駅といえば赤レンガ駅舎。
レトロにリニューアルしたって話題になってますよね。
フィルム良し!それでは出発進行!首都東京の表玄関東京駅の赤レンガ駅舎。
この秋100年前の開業当時の姿によみがえりました。
今話題の東京駅に行ってみませんか?そこは華やかな装飾にあふれる明治・大正の美の世界。
今日は東京駅の鑑賞マニュアル決定版。
必見です!まずは赤レンガ駅舎の外観を楽しみましょう。
復元駅舎の設計を担当した田原さんに鑑賞法を教えてもらいます。
巨大な赤レンガ駅舎の全体像は近くではよく分かりません。
お勧めは駅舎を取り巻く高層ビルにある鑑賞スポット。
場所によっていろんな見え方が楽しめます。
まずは田原さんお勧めの新丸の内ビル7階のテラスへご案内しましょう。
ここはオーソドックスな全体像が見られるベストスポット。
駅舎をほぼ正面に見ることができます。
全長335メートル。
横に長い堂々とした姿が目の前に広がります。
工事中も時々は来ていましたが改めてよく見えるなと思います。
駅舎を1枚の写真に収めたいなら隣の丸の内ビルディング5階のテラス。
ここは赤レンガ駅舎を右斜めから見られます。
奥行きがついて駅舎がよりハンサムに。
もっとユニークな姿を望むなら駅の南のJPタワー。
6階の屋上庭園がお勧め。
来年の春オープンします。
ここからの眺めはほぼ真横。
複雑な屋根が凝縮され迫力あふれる姿が楽しめます。
どこから見てもかっこいい千両役者。
今日最初の「壺」は…復元でどう変わったのか振り返ってみましょう。
復元前のドームの屋根は八角形。
南と北のドームの間は2階建てでした。
それが丸いドーム屋根の華麗な姿に。
全体も3階部分をつけ足して総3階建てに変わりました。
東京大空襲で失われるまでの本来の姿を取り戻したのです。
東京駅の設計者は日本近代建築の父…その威風堂々としたデザインを見ていきましょう。
まずは北の端にある大きなドーム。
開業当時は到着した客専用の降車口でした。
車寄せのある中央部は皇族など貴賓客専用の出入り口。
そして南の端にも巨大なドーム。
ここが乗車口でした。
この両端にあるドームが東京駅のデザインの要だといいます。
南北ドームというのは何かちょっといかつくて「このデザインてどうなのかな」と個人的には思ったんですけど…次に注目なのは貴賓客専用の出入り口である…一般の出入り口の大きなドームに比べると少し…地味ですかね。
柱がついて3連のアーチでテラスがありますね。
こういう設えとか…確かに中央部の柱やアーチには他より多くの装飾が付いています。
「量より質」というわけですね。
ドームや中央部の他にもさまざまな塔がよみがえりました。
このデザインにも注目です。
これは僕も設計に携わってから面白いなと思ったんですけども…これは昔は鉄道の駅ってのは人を運ぶだけじゃなくて貨物などによって物を運ぶ役割も大きかったわけで実は…
(歓声)そして夜。
赤レンガ駅舎は美しく輝きます。
辰野金吾の代表作東京駅。
その外観は見飽きることのない魅力にあふれています。
さてとこれはどこかな。
あれ?草刈さん?まだ東京駅行かないんですか?まだ時間が早いんでね帰ってきてすぐ遊べるようにこうやって先におもちゃを作っておこうと思いましてね。
ほぅらここまでできましたよ。
「昔取った杵柄」ってヤツですよ。
このらせん見てくださいすばらしい技でしょ?新婚旅行で湯桧曽ループ線を撮りに行ったことを思い出します。
妻があきれてました。
でもあの完璧な曲線から比べるとまだ満足できません。
粘りますよ〜。
(汽笛)ポッポ〜!赤レンガ駅舎の神髄はそのディテールに宿っています。
とりわけよみがえったドームは見どころ満載です。
石膏でできたレリーフが全面を覆っています。
8つの角には緑色のレリーフ。
それぞれの方角の干支が描かれています。
羽を広げた…柱には伊勢神宮の神宝の剣。
アーチの上には秀吉の兜。
日本的なモチーフにあふれています。
宙を舞うワシの足にも稲穂。
これらの装飾は100年前とほぼ同じ技法で復元されました。
続いての「壺」は…今回の復元では細部まで忠実に100年前の姿が再現されています。
パッと見ただけでは分からないディテールに秘められた匠の技をご紹介しましょう。
復元工事の現場を管理してきた…まず教えてくれたのはここ。
これはオリジナルの化粧レンガです。
目地を見ていただきたいんです。
普通のタイルの目地と違って…覆輪目地とはレンガの隙間の目地をかまぼこ形に盛り上げる技。
目地を強調することで並んだレンガの美しさを際立たせる工夫です。
ヨーロッパには無い日本独自の技法です。
その由来は意外な所にあります。
日本の蔵の壁によく使われる盛り上がった漆喰の目地なまこ壁がヒントだといわれています。
しかし覆輪目地は大正時代のうちに廃れてしまいできる職人さんは誰もいませんでした。
何か月も前から職人さんに来てもらって…その仕上がりを見てみましょう。
目地が灰色の部分が今回新たに補修した所。
確かにきれいに盛り上がっていますね!覆輪目地いったいどのようによみがえったのでしょうか。
目地の材料となるモルタルを口金の付いた袋に入れます。
まるでケーキ屋さんのように化粧レンガの間を目地で埋めていきます。
その後丸いこてを横の目地に当てかまぼこ形を作っていきます。
そしてここからが腕の見せどころ。
縦の目地を成形する時横の目地と交わる所が美しい形になるように整えます。
この美しさが覆輪目地の「壺」。
赤レンガ駅舎のレンガの間こんなディテールにまで匠の技が効いていたんですね。
第2の注目ディテールは石もどき。
赤いレンガに白い石…に見えますがその多くは本物の石ではないんです。
もうひとつ…擬石とは大量の細かな石をセメントで固め一つの石のように見せる技法です。
限られたベテランの左官職人しかできない高度な技です。
オリジナルは色が濃い部分。
そして薄い部分が新しく作り直した擬石です。
このアーチの上の部分は施された装飾まで擬石でできています。
職人の腕しだいで自在に形を作ることができるのです。
その熟練の技ご覧ください。
大量に細かな石をセメントに混ぜて塗り込めます。
しばらくすると石が定着し表面にセメントの成分が浮き出てきます。
水を含んだハケで表面のセメントをぬぐい去ると…。
下から細かな石が現れてきました。
こうやって花崗岩に似せた擬石ができるのです。
見事な左官の技が光る擬石。
どこが石でどれが擬石か探してみてください。
3つ目の注目ディテールは銅細工。
茶色に見える部分はすべて銅です。
ドームもアーチも複雑な部分はすべて銅で葺かれています。
時と共に緑青色に変わっていきます。
これは開業10か月前の映像。
まだ張ったばかりの銅が光っていました。
銅板の厚さはわずか0.4ミリですがおよそ100トン使いました。
すべて手作業で進めるため全国から職人さんが集められました。
みんなふだんはお寺の屋根などを葺く腕利きばかりです。
銅細工の極めつけがドームの時計の下のリボンのレリーフ。
木の型に合わせて手でたたき出しました。
これが作業の様子。
2メートルもの大きな銅板をバーナーで焼き伸ばしやすくします。
そしてひたすらたたき続けました。
(たたく音)最も難しいのは大きく伸ばさなければならないこの段差の部分。
たたき続けることおよそひと月。
2メートルの銅板を4枚ついでリボンは完成しました。
赤レンガ駅舎にあふれる明治・大正のディテール。
それを復元する作業はかつての匠の技をよみがえらせることでもありました。
・「今は山中今は浜今は鉄橋渡るぞと」こうやって走る列車を見てるといいもんですよね。
重い荷物を引いて決まった線路の上を一生懸命走るC62見てると何か感じるんですよね。
そうまるで人生みたいですよね。
草刈さんそろそろ東京駅に向かったほうが…。
そういえば小学生の時大好きだったはなちゃんが引っ越す時に東京駅まで見送りに行きましたね。
泣きじゃくるはなちゃんを乗せてC62は去っていきました。
あの時のC62かっこよかったなぁ。
思い起こせば私にとってそれが「テツ」の出発点。
あもとい。
「出発駅」。
1日76万人が行き交う東京駅。
ちょっと立ち止まって見てみると構内にはさまざまなアートが潜んでいます。
中央通路の新幹線乗り場の前にひっそりと佇む3体の木彫。
戦後彫刻界の巨匠圓鍔勝三の作品です。
行き交う人々をじっと見つめている。
そんな駅の中のアートを訪ねてみましょう。
東京駅で一番有名な待ち合わせ場所「銀の鈴」。
その目印となる鈴は工芸家で東京芸術大学学長の宮田亮平の作品です。
東京駅は出会いと別れの場。
人々の記憶が100年間積み重なっています。
今日最後の「壺」。
京葉線の地下コンコース。
ここに昭和22年に作られた巨大なレリーフがよみがえりました。
日本各地の名所が描かれています。
かつて赤レンガ駅舎の1階の部屋を飾っていましたが60年前の改装をきっかけに別の壁に覆われ見られなくなっていました。
今回の復元工事で再びその姿を現したのです。
レリーフが作られたのは戦後の混乱期。
建物の内装の第一人者中村順平と若手彫刻家たちによる作品です。
占領下東京駅に作られた進駐軍専用の部屋を飾るためのものでした。
当時日本が戦争に負けて進駐軍に接収されてそのなかで…全長50メートルに及ぶ巨大なレリーフ。
戦後復興を目指す芸術家たちの思いを今に伝えています。

(拍手)そしてまた一つ記憶を伝えるためのアートが誕生しました。
宮城県石巻市の子供たちが描いた色鮮やかな富士山の絵。
特産の黒い石天然スレートに描かれた作品です。
同じ天然スレートが東京駅中央部の屋根に使われています。
およそ100年前開業した時も石巻市雄勝町のスレートが使われていました。
雄勝町は去年の東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けました。
被災2か月後のスレート生産工場の様子です。
道路が通れるようになってすぐにその工場を訪ねた地元のスレート職人の…がれきの中から東京駅に出荷するはずだったスレートの束を見つけ出しました。
それから周りに連絡を取り可能なかぎりスレートを回収しました。
みんなで手分けして泥を落とし検品しました。
よみがえったスレートは1万5,000枚。
予定のおよそ7割を東京駅へと送り出すことができたのです。
一番大事なその屋根に雄勝町の天然スレートが使われることになりました。
奇跡のスレートを復興の象徴にしたい。
雄勝町を中心に被災した子供たち150人が救い出されたスレートに絵を描き1つの作品を作ることになりました。
それが丸の内地下南口にある石絵です。
津波からよみがえったスレートの上で日本の象徴である富士山が輝いています。
皆さんも駅ナカアートを訪ねさまざまな記憶に耳を傾けてみませんか?・「ゆこうよゆこうよどこまでも」・「明るい希望が待っている」・「走れ走れ走れ」・「がんばってがんばって」ちょっとちょっと草刈さん!東京駅に迎えに行かなくていいんですか?あ!忘れてた!遅延発生!忘れ物忘れ物!今度こそ出発進行!日本が世界に誇る…2014/09/28(日) 23:00〜23:30
NHKEテレ1大阪
美の壺・選「東京駅」[字]

身近なテーマを中心に、美術鑑賞を3つのツボでわかりやすく。百年ぶりに復元された「東京駅」。設計責任者や工事の担当者が秘められた匠の技を紹介する。案内役 草刈正雄

詳細情報
番組内容
10月1日、およそ100年前の姿を取り戻し、大人気の東京駅。その明治・大正の美の世界を、美の壺流に楽しむ方法を紹介する。復元事業の設計責任者の田原幸夫さんが、ユニークな場所と見方から東京駅の鑑賞法を案内。そして工事の担当者が秘められた匠(たくみ)の技を紹介する。また数多くある芸術作品から100年の歴史を重ねた東京駅の物語を読む。知られざる美の殿堂東京駅の鑑賞マニュアル決定版。
出演者
【司会】草刈正雄,【語り】礒野佑子

ジャンル :
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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