猫のしっぽ カエルの手「大切にしたいもの」 2014.09.28

空が高くなり季節が移ろう。
コスモスや彼岸花が満開になり京都・大原に秋が訪れた。
畑の作物も冬野菜が目につくようになった。
黄金色の稲穂に覆われた田んぼは収穫の最盛期。
あちこちで刈り取りが行われ今年も大地の恵みに感謝する。
ベニシアさんが暮らす築100年の古民家。
軽やかな風が吹き抜ける庭も主役はいつの間にか優しい色の秋の花たちに変わっていた。
ガーデニングを始めてから一層四季の移り変わりを楽しむようになったベニシアさん。
今日の庭仕事は…。
(ベニシア)う〜ん秋になると種が取れるの。
来年のために。
もうほとんど葉っぱはあまり残ってないんですけどこの種を使いますね。
う〜ん香りがいい。
フェンネルの種かんだらね口がちょっとフレッシュになる。
インドの知恵ですけどね。
インド人がそうしてる。
あとお茶にしたらすい臓にいい。
だからお酒飲み過ぎてる人にぴったしやねこれ。
また来年ハーブを育てるための大切な種。
夏の間に増え過ぎてしまったハーブは株分けをする。
今日は根っこが絡まってしまったベルガモット。
ベルガモット。
ちょっと…だいぶ2〜3年ここの鉢に入ってたから結構詰まってるっていう感じで株分けする方がいいのね。
ちょっとまず剪定します。
この葉っぱネットに入れてお風呂入れたら香り…うんいいですよ。
あと干してポプリ。
来年の庭のために秋は大事な季節。
ハーブの収穫に合わせ余分な枝を取り除き株を掘り起こす。
結構ギュウギュウになってますね。
だからこの辺を分けますからここを引っ張ります。
掘り起こした根は手で引っ張るかスコップなどで分けたい大きさに切り分ける。
これで1つ。
この土ずっとあんまり栄養をそんなにあげてないから…堆肥…私の生ごみから来てチョコレートケーキみたいな土。
それを混ぜます。
自然にしようと思ったらやっぱり堆肥がないと…。
何か土作りが一番ガーデニングで大切な事やね。
OK。
ガーデニングの基本は土作り。
ベニシアさんの口癖だ。
土がよければ大抵のハーブは元気に育つ事を知っている。
これゲンノショウコ。
これもハーブですよ。
日本のハーブ。
ゲンノショウコ。
あとは株を新しい鉢に植え替えれば出来上がり。
来年また増えますね。
根っこが結構強いの。
ベニシアさん株分けついでにもう一仕事。
これちょっと友達にあげたいから。
友人へのプレゼント用に株分けで小さな鉢を作る。
ちょっとかわいくして。
多分昔の店がない状態…大昔はみんなこうしてたから。
分けて。
はい出来ました。
丹精込めて育てたハーブ。
いつかまた誰かの庭で花咲くように。
これも庭仕事の楽しみの一つ。
料理好きなベニシアさんにとってキッチンは大切な空間。
使っているのは愛着のあるものばかり。
私がこだわるのは古い物です。
古い物例えばこれですけど多分ね200年ぐらい古いんですけどね。
でも今でも使えるから丈夫なのね古い物。
だから何か買うんだったら一生使えるようなもの買いたいのね。
そしたら何て言うのかなごみにもならないし一生使ったら味が出るのね。
何か愛情もあるし古い物。
こういう鍋もね銅の鍋。
ただ変な感じになってどうやって磨いたらいい…。
でもホントピカピカになったならものすごい台所の中のオブジェみたいになるから飾り物になるしピカピカになってほしい。
でも私よう分からないから京都の店行ってそれをちょっと聞きたいと思ってるんです。
夫の正さんがインドから持ち帰り30年間忘れられていた銅の鍋。
なんとかよみがえらせたい。
手入れ法を聞きに出かける。
やって来たのは三十三間堂に程近い路地。
ベニシアさんこの辺りに手づくりの鍋を扱っている店があると聞き一度訪ねてみたいと思っていた。
わあ〜すごい。
ここで鍋売ってますね。
すごいびっくりした。
この店のあるじ…今日はここにいい鍋がいっぱいあるって聞いて来たんですけど。
ああどうもどうも。
すごいすてきびっくりした。
これ全部自分で作ったんですか?全部自分でデザインして自分とこで全部制作やって。
ここのスタイルは名前があるんですか?日本語で。
鍛金いうのはねこういうたたいて固くする技術を鍛金いう。
たたく事は鍛金っていうの?たたいたらよくなる?ええ強くなりますよ。
あっ強くなるの?普通の金属やったらねこんなんでしょう?ああはい。
こう…曲がらん。
ああ〜。
曲げてもろうたって…。
こんだけたたいたらこんだけ強くなる。
強くなる?ここはギュッと曲げたって曲がりますやろ?あっホントだ。
ここは曲がらん。
うん。
寺地さんはアルミや銅真鍮をたたいて鍋やポットなどの調理道具を手づくりしている。
この道60年。
寺地さんの鍋は一生物といわれている。
あの実は私鍋持ってきたんですよ今日。
どうやって磨いたらいいのか分からないから。
もしかしてここで何かアイデアがあるんでしたらね。
ああこれね。
これがこうなったからどうすればいいんかなと思って。
梅酢。
梅酢?梅?梅。
梅干し漬けたあの汁で洗うたらきれいになるんですよ。
あっホント。
それはいい事聞いた。
分かりました。
梅酢には酸と塩分が含まれているので酸化した膜を溶かしてくれるという。
ベニシアさん昔ながらの知恵に感心しきり。
いろんな料理の鍋があるんですね。
いろんなんありますね用途がね。
この辺は日本の料理のため?これはねちょっとしばらく長い事炊くやつね。
これは魚炊いたり。
こういうもの?はいそういうのは。
じゃあちょっと重たい。
重たいですよ。
これはちょっと重たいでしょう?それで…。
こういうのはちょっと薄い。
これは薄いねん。
軽いねん。
ああ〜これは何のため…。
軽いのはね野菜をさっと炊いたり。
ああ〜。
さっと炊くのに。
こういう感じは…これは。
こういうのはね今はやりのしゃぶしゃぶ。
あっしゃぶしゃぶ。
へえ〜。
こうして入れてちゃっちゃっだけでしゃぶしゃぶ。
自分も料理が好きやったからね。
こういうのにしたらこういう鍋があったら面白いなって自分で発想ができるんですね。
手づくりのものがやっぱりきれいですね。
何て言うかな機械より…。
機械より人間の手のね。
美しい鍋やね。
こっちの方が絶対いい。
これはね一番便利な鍋ですね。
料理屋さんかてこれ皆どこの料理屋さんでもこれを使うてはります。
それで湯がいたりね炊いたりちょっとだけ下火。
これもね大きめがいい。
大は小を兼ねますしね。
まあ大きめがええと思います。
誰でも使えますしね簡単に。
使いやすいね。
じゃあまず今日はこれにします。
ベニシアさん並んでいる鍋の中からベーシックなアルミの行平鍋を新調する事にした。
大切にしたいものがまた一つ増えた。
店の程近くにある寺地さんの工房。
職人たちの金属をたたく音が響く。
茂さんから代替わりして今工房を取りしきっているのは息子の…伸行さんが担当しているのは鍋。
ほかにもカトラリーや卵焼き器など道具ごとに担当の職人がいる。
それぞれが最初から最後まで一人で仕上げる。
これは「全工程ができればほかのものにも応用が利く」という茂さんの教え。
材料となるアルミ板を部品ごとにカットし溶接する。
鍋としての形が出来上がったらここから鍛金作業が始まる。
たたく事によって金属が締まるっていうか固くなってくれるんですよ。
だから今の状態では軟らかいんやけどもたたくと金属の密度っていうかな…がクッて締まってもう動かなくなる。
固くなってずっと長年使えるようになる。
鍛金とは金属を冷ました状態でハンマーでたたいて形成する事。
型に金属を流し込んで作るものよりも丈夫で耐久性のあるものを作る事ができる。
見た目は金属をたたくだけ。
でもここに技術の差が現れる。
固さはアルミが一番軟らかくて真鍮が一番固くて真ん中が銅なんですけど今はアルミはこれぐらいでたたいてるけどこれが真鍮になってくるともうこれぐらいからたたかへんと潰れないんで。
初めてやったらアルミの方が難しいといえば難しい。
だからたたくとこがずれてしまうとすぐへっこんじゃうんで形になりにくい。
僕ら職人なんでスピードというのがやっぱり大事なんでそのスピードを上げるためにはどうしたらいいかっていうとやっぱりたたく回数を減らす。
たたく回数を減らすにはどうしたらいいかっていったらやっぱり1か所1発でたたくのが一番早いっていうふうになりますね。
槌目と呼ばれるうろこのように規則正しい模様はプロの仕事の証し。
斜めにたたくと傷が入りそれを直すのに時間がかかってしまう。
伸行さんは小さい頃から父茂さんの職人としての仕事を見てきた。
大学に行く頃には既に後を継ぐ事を決めていたという。
幼稚園の時とか小学校の低学年の時といったらおやじが仕事をしてんのを見ながら僕育ってるんで僕もこれをやるんやなっていう感覚でずっといたんで。
あんまりおやじ細かい事言わないんですよ。
一番初めは「スピードや」って言うんで何をやるにも「早くせい早くせい」まずそれからですよね。
速く動けるようになって「もっとここはこうや」っていうのが入ってくる。
初めにその早くするっていう癖をつけるとそれ抜けないんでまずそこから僕は言われました。
早く作る。
正確に作る。
そのために集中し技を極める。
それが職人の仕事だという寺地さん親子。
なぜそうしなければいけないのか。
僕ら作ってるのは道具なんで使う人が使いやすい。
掃除しやすい。
もうそれが一番ですよね。
洗う時に角があったらそこにごみがつくからなるべく角を無くして洗いやすくするっていうので形がおのずときれいになってくるっていう。
手仕事で丹精込めて作られるものは道具にうるさい料理人たちにも愛されている。
京都で料理屋を営む…長年寺地さんの鍋を使っているという。
これ湯がき。
湯がき鍋にこれ。
青物湯がいたり湯がき物にはこれ色がようあがりますから。
火の通りが均等ですよね。
丈夫ですし。
銅鍋に陶器の蓋を合わせたものは火の通りがよく保温性もいいとの事。
料理人にとって腕を振るう気にさせる鍋だ。
確かな技術を持つ寺地さんの工房。
その技術を学びたいと若い職人が多く働く。
もうちょっと力入れた方がいい。
そんな速うやらんかて。
茂さんは今でも時折工房を訪れては職人たちの指導をしている。
なんぼ技術…やれ言うたって本人次第ですよ。
もう本人がその気になってやらへんとやらへんしね。
まあ初めから完璧な事は絶対できっこないからね。
もう初めから完璧だったらわしらの出る幕ないしね。
やっぱり物づくりは同じもんをきれいに早く。
それが基本やと思いますよ。
鍋をたたく音を聞きながら育ち父の技を受け継いだ伸行さん。
そこからつながっていく未来にも伝統の技が輝きますように。
後日梅酢で磨かれた銅の鍋はピカピカによみがえった。
ベニシアさん今日は新しい鍋でチャイブとマッシュルームのスープを作る。
マッシュルームとチャイブのスープを作ろうと思ってる。
まあチャイブなかったらチャービルでもいいし何か緑のものを上に載せますから。
でこの鍋きれいな槌目…手づくりの鍋で槌目が…トントンした場所がすごくきれいでこの鍋の中にスープ作りたいと思ってます。
じゃあまずそのマッシュルームを切ります。
イギリスは9月になるとマッシュルームが出てくるのね。
田んぼの中に自然に出てきて子どもの時籠を持って探しに行った思い出がありますね。
朝御飯でマッシュルームオントーストも作るしお昼はこのスープも作るし。
そしたらこれにだし入れます。
だしはチキンだしがベースになって…。
でこのだしの中にマッシュルーム入れて15分ぐらいゆでます。
チキンスープにマッシュルームを加え煮る。
ベースは魚介や野菜でもいい。
マッシュルームに火が通ったらミキサーにかけてピューレ状にする。
うん大丈夫だね。
ここ戻します。
もう一度火にかける。
マッシュルームの色。
じゃあとろみのためにかたくり粉を…まあコーンスターチでもいいしで牛乳で溶かす。
ここに入れて…。
牛乳で溶いたかたくり粉を加えたら弱火にし塩こしょうで味を調える。
あっちょうどいい。
うんおいしい。
で最後にチャイブ。
チャイブとワケギがすごい似てますからワケギでもできると思うけどね。
チャイブはニラとかそういうタマネギのファミリー…まあ血をきれいにしてくれる力が入ってますから。
最後にクリームを入れる。
火を止め生クリームを加える。
チャイブは皿に盛りつける時に飾る。
完成です。
終わりました出来ました。
マッシュルームの香りが食欲をそそるクリームスープ。
これからの季節にピッタリ。
日が落ちるとめっきり寒さが増してきた大原。
今日の夕飯は子どもたちと一緒に熱々のスープ。
チャイブ。
一日の出来事を話しながら頂く。
ジョーのテスト大丈夫だったかな?アカンかった。
今日はどうだった?今日は全然アカンかった。
「アカンかった」そっか。
昨日はよかった?昨日は普通。
「普通」そっか。
うんおいしい。
うんおいしい。
ベリーグッド。
楽しい…。
ベニシアさんにとってこうして家族と過ごす時間が一番大切。
2014/09/28(日) 18:00〜18:30
NHKEテレ1大阪
猫のしっぽ カエルの手「大切にしたいもの」[字]

秋を迎え、ベニシアさんはハーブの種をとり株分けをする。家具や道具を大切にしているが長く使える鍋を手に入れ、子供のころの思い出の味、マッシュルームスープをつくる。

詳細情報
番組内容
実りの秋を迎えた京都・大原。ベニシアさんは来年のために庭のフェンネルの種を収穫しベルガモットの株分けをする。キッチンの整理をするとずっときれいにしたかった銅の鍋が出てきた。家具や道具を大切にしてきたベニシアさん、「まだまだ使いたい」と磨く方法を聞きに京都市内の調理道具を扱う店に出かける。そこで長く使える丈夫な鍋を見つけ購入。そして子供のころ、この時期思い出の味、マッシュルームのスープをつくる。
出演者
【出演】ベニシア・スタンリー・スミス,【語り】山崎樹範

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
趣味/教育 – 園芸・ペット・手芸

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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