毎年夏。
北海道・札幌である音楽の祭典が開かれます。
国際教育音楽祭パシフィック・ミュージック・フェスティバル。
「PMF」です。
世界26の国と地域からやって来た122人の若手音楽家たち。
指導に当たるのは世界の第一線で活躍する指揮者や演奏家たちです。
PMFが生まれたのは1990年。
今から四半世紀前の事です。
20世紀を代表する音楽家…バーンスタインはがんと闘いながらその最期に至る日々をPMFの創設に懸けました。
第一回のオープニングの時の言葉です。
バーンスタインは自分が信じた音楽の力を未来に伝えようとしたのです。
その遺志は受け継がれていきます。
数々の巨匠たちがPMFの指揮台に立ち続けました。
そして今年多くの音楽家たちと共に指導を行うのが佐渡裕さん。
若手音楽家たちとPMFのフィナーレを飾る曲を指揮します。
バーンスタインが音楽の未来を託したPMF。
25年目の今年122人の若者たちと佐渡さんはどんな音を響かせるのでしょうか?7月7日。
国際教育音楽祭PMFの幕開けです。
集まったのは18歳から29歳まで122人の若手音楽家たち。
世界各地で行われたオーディションで選ばれた将来を期待される若者たちです。
これから音楽漬けの一夏が始まります。
コンニチハ。
最年少の方に意気込みを。
18歳です。
周りがみんな年上のすごい先輩方なのですばらしい方々にもまれて何か成長できればなと思います。
今回やる曲もほとんど初めてなのでなんか一気にいろんな経験ができるのが今すごいワクワクしてます。
頑張ります。
この春高校の音楽科を卒業したばかりの…将来は一流のオーケストラ奏者になる事を夢みています。
これまで小池さんは授業や学校の定期演奏会の場で音楽を学んできました。
本格的なオーケストラの一員となるのは初めてです。
この日指導に当たるのは世界一流のオーケストラを数多く指揮してきたマエストロオスモ・ヴァンスカさんです。
ヴァンスカさんの指導に必死についていこうとする小池さん。
この日うれしい驚きがありました。
席順の巡り合わせで小池さんの前と横に憧れの演奏家たちが座ったのです。
世界最高レベルの管弦楽団ウィーン・フィルのメンバーたちです。
小池さんがオーケストラ奏者になりたいと思ったのは高校の定期演奏会の時でした。
仲間と一つの音楽をつくりあげる喜びに魅せられたのです。
その夢を実現するための第一歩となるPMF。
小池さんは喜びと同時に大きな戸惑いを感じていました。
言葉の壁が一番大きいんだなって思いました。
うまいっていうのも前提なんですけどやっぱり音楽でやるコミュニケーション以外でもちゃんとコミュニケーションをとりたいなっていうのをすごく今回思って。
広い世界を今回見たのでまず一番は日本を出てみたいなって思いました。
PMFにはクラシック音楽が十分根づいていない国からも多くの若者たちが参加しています。
ファゴット奏者のグエン・ロンさん。
ベトナム出身です。
ロンさんにとってPMFは世界を知る事ができる数少ない機会です。
ロンさんには音楽家になりたいという特別な思いがあります。
そこには激しい時代のうねりに翻弄された父親の存在がありました。
実はロンさんの父も若い頃音楽家を志していました。
しかし1960年代半ばベトナム戦争が本格化するとその夢を諦めざるをえませんでした。
かなわなかった自らの夢を息子のロンさんに託したのです。
PMFのフィナーレを飾る曲のリハーサルが始まりました。
指揮をするのはベルリン・フィルなど世界で活躍する日本人指揮者佐渡裕さんです。
(拍手)Goodmorning.
(拍手)Good.ショスタコーヴィチ。
佐渡さんは25年前のPMF第一回でも若者たちの指導に当たっていました。
当時佐渡さんは指揮者としてデビューしたばかり。
PMFは自らが多くの事を学ぶ場でもありました。
その時の映像です。
佐渡さんの隣で若者たちを指導しているのはレナード・バーンスタインです。
佐渡さんはアシスタントとしてバーンスタインの音楽への情熱に間近に触れていました。
自分に残された限られた時間の中でPMFの創設に力を尽くしたバーンスタイン。
伝えようとしたのは音楽の力です。
佐渡さんが指揮するのは20世紀を代表する名曲の一つショスタコーヴィチ作曲「交響曲第5番」。
かつてバーンスタインが最も得意とした曲の一つです。
佐渡さんは集まった若者たちの可能性に大きな期待をかけていました。
若者たちとつくりあげるこの夏かぎりのオーケストラ。
PMFだからこそ生まれる音楽の力です。
ショスタコーヴィチを演奏する122人の若手音楽家たち。
これまで男性ばかりが占めていた金管楽器の世界に飛び込んだ女性がいます。
トランペット奏者の…2年前富岡さんはプロを志しボストンへ留学しました。
そこで目にしたのは金管楽器の演奏者に女性がほとんどいないという厳しい現実でした。
あっちにいる時に「楽器何やってるの?」って聞かれて「トランペット」って言うとびっくりはされますよね。
「ええ!?」みたいな。
「すごいね!」って。
とりあえずびっくりはされます。
「ピアノとかかと思ったよ」みたいな。
女性の演奏者は多くの場合体格や肺活量で男性に及びません。
それでも富岡さんは金管奏者として世界の舞台で活躍したいと考えています。
どうしても富岡さんが会いたい人がいました。
ホルン奏者の…ウィリスさんは130年の歴史を持つ世界最高の管弦楽団の一つベルリン・フィルで女性として初めて金管奏者に選ばれた人です。
ハーイ!アヤノ!Howareyou?Good.Howareyou?コンニチハ。
Nicetoseeyou.Nicetomeetyou.佐渡さんのリハーサルは佳境を迎えていました。
ショスタコーヴィチの「交響曲第5番」は演奏者にとって易しい曲ではありません。
楽譜には音符などの基本情報の他にはどのように演奏したらよいかという指示があまり記されていないのです。
しかし限られた手がかりしかないこの曲にはショスタコーヴィチの苦悩や葛藤など複雑なメッセージが込められていると考えられています。
例えば2楽章のあの…。
・「タンタランタランタランタランタリンタラン」楽譜に記された音符の裏にある意味。
佐渡さんはこの第2楽章の三拍子の部分を繰り返し練習させました。
・「ウンパッパッウンパッパッウンパッパッ」
(佐渡)・「ラッパッパッラッタリッタラッパッパッパッ」
(佐渡)・「ティーダリラリララッパパパッヤッパパパッ」
(佐渡)OK?
(佐渡)ワン・ツー・スリー!・「パンパーンパパパ」佐渡さんは軽やかな三拍子の中に緊張感を求めていきます。
(佐渡)Sameplace.音符をただ弾くのではなく一人一人が想像して演奏する。
その大切さを佐渡さんは伝えようとしていました。
Verygood.18歳の小池星花さん。
佐渡さんのリハーサルを経験しこの曲が持つ奥深さを改めて感じていました。
やってみてすごいいい曲だなって感じて。
あと佐渡さんもすごく熱い方なのでこれを最初から最後まで通して観客を前にしてすごい盛り上がった時にどうなるんだろうとかあとどんな感じになるんだろうっていうのが今楽しみですね。
(拍手)
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(拍手)2014/09/28(日) 15:00〜16:15
NHKEテレ1大阪
PMF25年の響き 佐渡裕と音楽の未来たち[字]
25回目を迎えた国際教育音楽祭PMF。世界から集まった122人の若手音楽家たちは、佐渡裕さんと、どんな音を響かせるのか?若者たちの一夏を追った。
詳細情報
番組内容
毎年夏、札幌で、ある音楽の祭典が行われる。20世紀を代表する音楽家の1人、レナード・バーンスタインが創設した国際教育音楽祭PMF。25回目の節目の今年、フィナーレの曲の指揮をするのはバーンスタイン“最後の弟子”佐渡裕さん。世界から集まった122人の若手音楽家たちは佐渡さんと、どんな音を響かせるのか? 若者たちの一夏を追いました。
出演者
【出演】指揮…佐渡裕,PMFオーケストラ,PMFアメリカ
ジャンル :
音楽 – クラシック・オペラ
情報/ワイドショー – イベント
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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