おいしそうな焼きたてのパン!やってきたのは…。
おいしそうですね。
ちょっとおなかすいてきましたね。
でもきょうの「イッピン」はパンではありません。
それは…こちら!切れ味抜群の…試しに使わせてもらうと。
わ!サクッと入りますね。
うわぁ!軟らかいパンもこのとおり。
潰れずスーッと切れるんです。
焼きたてだともっと軟らかいんで普通の包丁だと多分皮が入らない感じだと思います。
表面がパリッパリのフランスパンも…。
アハハハハ。
(シェフ)全然もう…。
気持ちがいいですね。
このパン切り包丁が生まれたのは新潟県三条市。
切れ味の秘密は波刃とまっすぐの刃が合体した独創的な形。
三条の優れた技術を駆使したイッピンです。
三条では包丁だけでなくはさみなどの身近なものからノコギリやカンナなどの大工道具そして農具まであらゆる刃物が作られています。
三条の刃物その美しい切れ味を生み出す秘密とは?新潟県のほぼ中央。
三条市は人口およそ10万。
260近くの金属加工メーカーが集まっています。
「鍛冶町」という地名も残り歴史を感じさせます。
南沢さんあのパン切り包丁を開発したメーカーを訪ねました。
こんにちは!こんにちは。
3代目社長…会社は昭和23年から包丁の製造を行ってきました。
今まではうちパン切りが全くなかったんですね。
作ってなかったんですか?はい作ってなかったんですよ。
販売するまでは本当に売れるのかどうかっていうのはすごく…まぁ怖かったんですけど。
この包丁はパンを切ることに特化した2つの機能を備えています。
先端の波刃はパンの皮にしっかりと切り込むためのもの。
まっすぐな刃は軟らかい部分をうまくスライスできるように考えられています。
一般的なパン切り包丁はどんなパンでも切りやすいよう全て波刃になっているものが多いのですが…。
切り口が粗くなりきれいに切るのはなかなか難しいですよね。
一方切れ味の良い包丁でも波刃がないと…。
フフフ。
やっぱりなかなか入らないですよね。
最初入らないですね。
はいそうなんですよ。
しかもパリパリいって結構割れちゃってパン屑も出ちゃって。
そうですね。
それぞれの刃の長所を組み合わせたのがこの包丁。
しかし異なった2つの刃を付けるには高度な職人技が必要でした。
パン切り包丁づくり。
最初は先端に波刃をつけることから。
こちらが波刃をつける作業をやっているところです。
これが刃をつける前の状態。
機械に取り付けられた凹凸のある砥石を使って波状の形をつけていきます。
砥石に押し当て僅か数秒。
あっという間です。
これは一部…。
そうですねここだけですが…。
専用で作ったんですか。
はいそうです。
波刃がついたらいよいよ作業は核心へ!それは「刃付け」と呼ばれる作業。
刃先を研磨し鋭くしていきます。
極限まで薄く研摩することでスパッとした切れ味を生み出すのです。
職人歴20年刃付けのプロフェッショナル。
回転する砥石に当てゆっくりと2往復。
反対側も同じように研いで「もう終わり?」と思ったら実はこれまだ研ぎの第一段階なんです。
ちょっと触ってみますか。
あぁなんか…。
分かります?はい。
ほんのちょっとなんですけどね。
刃先を研摩すると砥石とは反対側が反り返っていきます。
これが「かえり」。
かえりが出れば刃付けがきちんと出来た証拠。
しかしかえりが大きいと切れ味が悪くなるのでこれを小さくしていく必要があるんです。
かえりは肉眼では見えないほどの小ささ。
マイクロスコープで見てみましょう。
こちらは…刃付けをするとこうなります。
刃の幅はおよそ0.4ミリ。
これが「かえり」。
0.02ミリほどの僅かな出っ張りです。
職人は刃先を指で触って刃全体にかえりが出ているかを確認します。
細かい砥石で2回目の研ぎ。
かえりを小さくしより刃先を薄く鋭くしていきます。
2回研摩することで刃の幅がより広くそして刃先がシャープになったのが分かります。
この包丁には先端に波刃が付いているため研ぎは一筋縄にはいきません。
波刃の部分はほんの僅かに薄いので研ぐときの力の入れ方を微妙に変えています。
刃付けの前後で比較すると形が大きく変わっていました。
研摩する中でパンを切り込むのに最適な形にしていたのです。
これ本当人の手の加減で変わってきますね。
そうですね。
うちは研ぎの工程はほとんどが人の手なのでやっぱり職人の勘という部分に頼ってるのはありますね。
開発に1年かかったというパン切り包丁。
(職人)こちらは粗い方の刃付けですね。
その切れ味は刃付けの職人技あってこそです。
仕上げは柄の研摩。
手になじむ丸いフォルムに削っていきます。
ここを丸くするっていうのがこの包丁の特徴であまり違和感がないように持った時に。
持ってみてください。
あぁ!気持ちいいです。
なじみます手に。
そうなんでよ。
そうなんだ。
切れ味を追求する職人が技を駆使して生み出した新しいパン切り包丁です。
三条で刃物が盛んに作られるようになったのは江戸時代の初め頃。
信濃川の支流・五十嵐川で取れる砂鉄を利用してさまざな実用品が生産されてきました。
そして現在。
海外でも三条の刃物は注目されています。
突然ですがここで問題。
ロンドンで話題の「三条の刃物」とは?