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 行政長官選挙の制度改革をめぐり、抗議の占拠を続ける民主派のデモ隊が「次の一手」として30日夜に始めた「政府包囲」は、警察に阻まれ、1日朝までにすべて解除された。民主派の力の低下を示した形になり、デモ隊からも手法をめぐって異論が噴出。呼びかけた学生団体は失敗を認め、自主的な「撤退」の可能性に初めて言及した。

 民主派は、中国側が示した仕組みの撤回や民主的な立候補制度の導入を求め続けている。だが、要求が通らないまま、先週には九竜地区の繁華街・旺角(モンコック)が排除され、占拠場所は2カ所に縮小。デモ隊の間に不満や危機感が募っており、学生団体は包囲行動で政府機能をマヒさせ、一定の譲歩を引きだそうとしたとみられる。

 学生側は「不意打ち」を狙い、直前まで包囲行動を公にしない作戦に出た。30日夜に政府本部に近い金鐘(アドミラルティ)で開いた集会の途中で突然、「政府包囲」を宣言。フェイスブックで応援を呼びかけた。ただ、ヘルメットやゴーグルの持参を呼びかけていたため、警察は包囲を予想していた。

 デモ隊は行政長官弁公室(執務庁舎)前の道路で2度バリケードを築き、新たに道をふさぐ場面もあった。警官隊に突撃したり、物を投げつけたりする強硬派もいたが、学生側が「非暴力」を訴えたこともあり、催涙スプレーや警棒で制圧に乗り出した警官隊にほどなく排除され、朝までに包囲は完全に解かれた。政府は午前中、業務を停止したものの、午後には通常態勢に戻った。

 学生団体の周永康事務局長は1日夕、「半日は政府業務を止められたが、目標を貫徹できなかった」と失敗を認めた。これまで「自発的な撤退はありえない」としてきたが、「金鐘にも裁判所の占拠禁止命令が出たら、撤退も含めて次の行動を話し合う」と、初めて自発的に占拠を収束させる可能性を口にした。