20cm四方のこの小さな箱
手前の穴から中をのぞくと…
目の前に雄大なカナディアン・ロッキーの風景が広がります
一見何の変哲もないワインボトル
小さな口から中をのぞくと…美しいマッターホルンの絶景が迫ります
これらは箱庭ジオラマ
驚くほど細かい手作業の積み重ねとリアルを追求するこだわりから生まれます
今回はジオラマ作りに魅せられた箱庭アーティストの夢のカタチ
夏休み真っただ中の8月上旬
大丸・京都店でアート見世物と銘打ったイベントが開催されました
会場に並ぶ四角い箱やワインボトルは遠近法を取り入れた箱庭ジオラマ
中をのぞくと小さな箱やワインボトルの中とは思えない奥行きの感じられる世界の風景が広がっています
作者は安田誠一さん
みずからを「箱庭屋」と称する箱庭アーティスト
小さい入れ物の中に大きな世界が入ってるっちゅうのがギャップがおもしろいと思ってますやったって思いますけどあぁ〜!
お客さんが目を輝かせて見ていたのはイタリア・ベネチアの風景
実際にベネチアに行ったことがあるこちらの女性は…
(スタッフ)ベネチアのリアルト橋の所ですこれもうほんまリアルありがとうございます
リアルなことはもちろん見た人を驚かせるある仕掛けが
空があるっちゅうのがポイントで
箱の後ろに取りつけた鏡の角度や光の当て方そして鏡の色を変えることで空の色が変化し一日の時間の流れを表現できるのです
ワインボトルも内側に色の付いたフィルターが入れてあり光を当てる方向で空の色が変化しさまざまな情景が楽しめます
さらにギリシャのボトルは底から光が入ると壁の街灯が点灯
中に光ファイバーが入れてあるんだそう
うわうわお昼になった夜になるすごい!
安田さんの作品は多くの人を魅了しました
あべのハルカスがそびえる大阪市阿倍野区
新しいものと古いものが混在する下町にある民家の一角
ここが安田さんの作業場です
こちらは代表作の箱世界
風景を出前することからこのスタイルに
おか持ちも手作りです
上からのぞきこむような形のものが普通箱庭といわれてるんで箱の中に入って横からのぞくっていうスタイルは本来の箱庭ではないんですけど
一体この箱の中はどうなっているのか?
中を見せてもらいました
分かりやすいですね遠近法手前の木はこんなに大きいのにどんどん小さくなって最後はもうこれぐらいになってるとこっからこの辺りがねここで距離稼いでるんですよこれぐらいいるはずのところをこれぐらいの奥行きで済ますためここでちょっと稼いでるんですねいかに違和感なく見せるかですよ
こちらには遠近法以外にも風景を広く見せるテクニックが
それは内側の両サイドに取りつけた鏡
これもこれもこれもそうなんですけどだからお客さん見たらこの建物はここじゃなくてこの辺にあるように…どこまでできるかっていうのがひとつの挑戦ですよね鏡とか遠近法とか単純な仕組みやけどもいっときでも違う世界へ行ってきた楽しかったというそういう時間を持ってもらえれば
安田さんの作品の特徴は細かいパーツまで精巧かつリアルに作られているところ
中には僅か数mmしかないパーツも
モルディブの風景に使われているトロピカルドリンクもそんな細かいパーツの1つ
厚紙に開けた穴の上で熱したプラスチックの板にキリを押し込むと…
これでちょっと細長いグラスができてるんですよねちょっとこれトロピカルドリンクっぽいグラスに…
グラスに青と透明の塗料を入れてかき混ぜます
ハケの毛を1本取ってストローに
こんな小さなレモンも手を抜かず果肉と皮をちゃんと塗り分けます
レモンちょっとカットして
驚くほど小さくてリアルなドリンクが完成
やっぱりリアルじゃないと中の世界にスーッと入っていけないですからね
今力を入れているのが3年前から作り始めたワインボトルの中にジオラマを閉じ込めた作品
かなりデフォルメしてますねこの窓の大きさとこの山の近さが何なの?これっていうぐらいおかしいんですけど見るとそんなにも違和感はないかなと…
もともと手頃で手軽な作品をと考えたボトルスコープですが作品のクオリティーを落としたくないとかなりの手間をかけることに
その結果制作にも時間がかかり価格も上げざるを得ないんだそう
そんな売れるもんじゃないんでしかたがないんですけどね
幼い頃から模型が大好きだった安田さんは中学時代から模型のジオラマ作りを始めます
その頃出会ったのが江戸川乱歩の小説パノラマ島奇談
その不思議な世界に強くひきつけられました
大学卒業後不思議な世界を手がけたいと遊園地に就職するも思うようなことができず2年で退職
物作りへの思いから木工所に就職し家具職人に
そんな安田さんが箱庭ジオラマを作ることになったきっかけは親子で参加した幼稚園での工作イベントでした
何か工作をしようという時に色んな材料があったんですけどたまたまその時にねカレー皿の箱を手に取ったんですよねそれの中にのぞいたら見える風景を作ってみようと
これがその時に息子と一緒に作った作品
題材は新婚旅行で行ったベネチアの風景
最初は親子で作るっていう話だったんで子どもにも作らせてたんですけど途中から僕のほうが熱中しだして全部自分であとは作っちゃいましたね息子も一生懸命のぞいてて大人までも一生懸命見だしたのでこれはもしかしておもしろいものになるんじゃないかなと思いました
それから家具職人のかたわらコツコツと箱庭ジオラマを制作
7年前収納するためのおか持ちとセットで手作り作品のコンクールに応募したところ準グランプリを獲得
作家として活動を開始します
そして2年前本格的に活動したいと木工所を退職
…とはいえ収入を得るため家具職人の仕事も続けています
勤めていた木工所が忙しい時には助っ人として呼んでもらうこともあるそうです
そんな安田さんが日頃お世話になっているのが奥さんのお父さん
実はこの作業場はお父さんの家の一角を使わせてもらっています
私は認めてますだけどまぁあのね…認めるのは芸術的な価値であってそれとね生活の…設計を立てていくっていうのはちょっとやっぱりね違う点がありますからね大学時代の先輩・後輩になるんですうちの娘とは信頼関係がなかなかこまやかですね反対するということは言ってないみたいですね
(スタッフ)聞いてないですか?聞いてないですねほんとですよそれ
この日安田さんは京都へ
向かったのはこちら
格子戸が印象的な京町家を改装したギャラリー富小路
箱庭ジオラマ作家として活動を始めて7年
安田さんはある計画を立てていました
実は初の個展をするのにこちらへ来させてもらったんです
記念すべき初個展そのプランは…
ずっとね世界の風景ばっかりだったのでいつかは作らなければいけないなと思ってて今回初個展に合わせて挑戦してみようかと
初めて挑戦する日本の風景その作品作りに密着しました
小さな箱やワインボトルの中に世界の風景が広がる箱庭ジオラマを作りだす箱庭アーティスト・安田誠一さん
初めての個展で発表する新作で日本の風景に初挑戦します
この日安田さんは大阪市住吉区のある場所を訪ねました
こんにちは
ここは万華鏡作家の井上誠一さんの工房
6年前にあるアートイベントを通じて知り合い交流が続いています
井上さんが作るのはオブジェとしての美しさもある万華鏡
のぞき穴から中をのぞくとそこには幻想的な光景が…
井上さんから大いに刺激を受けているという安田さん
ワインボトルのシリーズは井上さんのアドバイスで生まれたそうです
初めはペットボトルでやってたらこんな安っぽいのんでやってたらダメだって断言されましたもんこれはガラスでやりなさいみたいな感じで
そうして生まれたボトルスコープについて井上さんは…
厳しいようですが外観のオブジェとしての…全体の質が…全体としてのあれが足らんって
安田さんは日本の風景作品に竹を使うことを考えていました
実はこの四角い竹は以前に井上さんから頂いたもの
四角と丸でちょっとこれそろえて…プレッシャーですよ器に合う作品をやっぱり作らなきゃこれはかなり大きな宿題…
新作の風景を求めて安田さんは京都・大原の三千院を訪ねました
あぁ〜すごいものすごく複雑なこの緑の…単調な表現ではできないですね
緑のコケむす庭で安田さんがジオラマの主題として選んだのは往生極楽院
杉木立の奥にひっそりとたたずむその姿にひかれたのです
そして作品にしてみたいと思った構図はこの宸殿からの眺め
あぁ〜やっぱこっからやなこの額縁ですよこの額縁が…額縁が…額縁がないとダメですやんやっぱり額縁があるのがあの…額縁がこれね利いてますねクッと視線を遮った中に手前のこの欄干が入るもしくはこのみすが入るか畳が入るか手前にこういう風景が入ることでさらに奥行きを感じて頂けるようになると思うんでどこまで入るかがちょっと分からないですけども
安田さんが緑の表現とともに難しいと感じたのは年月を経た杉の木の質感
これは大変やね
そしてもう1ヵ所新作の題材にと考えたのがここ伏見稲荷大社
安田さんが選んだ構図は伏見稲荷大社の代名詞ともいえる千本鳥居のその入り口
ここから見た風景
ここが1つのポイントですよねこっからの視点で先が見えない…先が見通せないこれがやっぱりみそなのかなもしかしたらダーンとゴールが見えてるんじゃないどうなってるか分からないというこっちはほとんどまっすぐだけどこっちはグルッとカーブしてるこれが表現できるかどうかこんなのを表現できるかどうかちょっとやってみないと分からないですね
大阪に戻ると早速作業開始
撮ってきた写真を前に並べまずは三千院の構図を考えます
イメージ図をスケッチしたあとラフな絵の紙のパーツを作り実際に配置してみることで構図を具体化していきます
奥行きの段階がきれいに重なって見えてるんで構図としてはやりやすいただしグリーンのね色の幅広さがちょっとこれは大変だろうけれど
一方伏見稲荷大社の構図には頭を悩ませました
石の床と鳥居だけチラッと緑…うーん…
新作の作業が連日続きます
カーブを描く千本鳥居の作り方に悩んでいました
これ今千本鳥居これ色鉛筆で描いただけですけど実際どういう実物で表現していくかこれが一番課題ですね
そして三千院は杉の木の質感に苦しんでいました
粗い木の肌を出せないかと思ってるんですけどこれは溝が深すぎてダメですねやっぱり杉が結構ドンドンドンと目立つ所にくるんでその杉の質感っていうのはものすごくやっぱり大事なんでなんとか考えないとダメですね
初個展の日まであと僅か作業は深夜にまで及びます
果たしてどんな作品が完成したのでしょうか?
ついに初個展開催の日がやって来ました
館内にはボトルスコープや箱世界と共に完成した新作が
安田さんはこの新しいシリーズをかいまみと命名
のぞき穴は障子風に光の取り入れ口は和紙風のアクリル板で作りました
とりあえず今の段階でできることはやったので
お客さんが来てくれました
新作の三千院を見てもらいます果たして反応は?
あーすごい!
障子の穴から中をのぞくと…部屋から見える庭の杉木立
その向こうに往生極楽院がひっそりとたたずむ風景が見事に表現されています
もちろん空の色も変化するように作られています
こう言って頂くと苦労して作ったのが報われたという感じが
庭のコケは全部で6色のパウダーを使用
細かく場所を分けることで複雑にグラデーションを描く緑のコケむす庭を再現
そして杉の木の質感は木の棒の表面にヤスリで荒々しい筋を入れることで表現
茶色をベースに7色もの色を塗り重ねて深みのある色を付け年月を経た重々しさを再現しました
ほっほう〜これはおもしろいですねよく行ってますからねその雰囲気がこう入ってきますね感じられます
こちらはフランス人のお客さん
そしてもう1つの新作丸い竹に入った伏見稲荷大社
のぞき穴から中をのぞくと手前の大きな鳥居の間から奥に続いていく千本鳥居をのぞいた光景が見事に表現されています
奥のほうまで見えて中がどうなってるんかなってすごいおもしろいです
薄くて曲げられる透明のアクリル板のベースに鳥居を配置
板を曲げてカーブを描く千本鳥居を再現しました
アクリル板は透明なのでのぞいた時には見えません
ほんとにまさに僕が願ってることを感じて頂けたのがほんとにうれしかったですね
竹を頂いた万華鏡作家の井上さんも来てくれました
井上さんからの宿題でもある竹の新作
さて井上さんの評価は…
無理してないから奥行きも幅もちょうど…バランスちょうどいいからありがとうございますまだまだ遊んでほしいんだけどもうふた工夫はできるよね?頭の中にありそうやから
初めての個展
足を運んでくれた大勢のお客さんが新作を楽しんでくれました
安田さんの小さくて大きな世界がまた広がりました
夢のツヅキは?
発展として和風の作品を増やしていく今の日本の風景だけじゃなくて例えば江戸時代の風景を再現してみたいっていうのがちょっと1つ夢がありますね家族のためにもやっぱりこれからきちっと結果を出して頑張っていきたいなと思いますね
今日から3日間ギャラリー富小路で安田さんの個展が開催されます
竹の中の京都の風景実際にのぞいてみてはいかがですか?
本日はダイアンなり!今日は谷町6丁目にやって来ましたけど2014/09/27(土) 11:00〜11:30
ABCテレビ1
LIFE〜夢のカタチ〜[デ][字]/佐々木蔵之介「驚きの技!絶景を描く箱庭アーティスト」
人生はいろんな夢でできている…夢追う人の輝く瞬間を佐々木蔵之介の語りで描きます。
今回は「驚きの技!絶景を描く箱庭アート
穴の奥に広がる(秘)光景」です。
詳細情報
◇番組内容
幅22センチ、奥行き20.5センチ、高さ6センチの小さな箱。覗き穴を覗くと、そこに広がるのは世界中の絶景!驚くほど細密なジオラマが仕込まれているのです。作ったのは「箱庭アーティスト」安田誠一さん。安田さんは新たな箱庭に挑戦!その出来栄えは?
◇ナレーション
佐々木蔵之介
◇おしらせ
この番組は、朝日放送の『青少年に見てもらいたい番組』に指定されています。
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
趣味/教育 – その他
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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日本語
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